異世界迷宮でプライドを   作:ブラック微糖

12 / 64
012 探索

 

 昼休憩が終わると、黒魔結晶や探索に必要そうなものを買ってダンジョンに向かう。

 銀貨や銅貨で支払いできる範囲だったので金貨は減らなかった。

 

 アンドリー?の迷宮

   第2階層

 

「ここは、迷宮ですか?」

 

「正解。二人に出会った迷宮で合ってる」

 

 ルウは困った顔で聞き返してくる。

 

「フィールドウォークでは?」

 

「あー、説明が未だだったが、俺は特殊な移動魔法が使える」

 

「そういえばジョブは探索者でしたね」

「すごい、です」

 

 姉は半信半疑だが、妹は単純に感心していたので対比が面白い。

 

「他にも言えないようなことがあるが、疑問は他人がいない場所で聞いてほしい」

 

 何でも内密にな、さすごしゅ!(さすがご主人様です!)でも良いが少しずつ説明していきたいと思う。

 ピロートークの会話デッキに残しておいてもいい気がする。

 

「分かりました。近くに気配はありませんが、入り口付近であれば移動した方がいいと思います」

 

「そうだな。ちなみにこのダンジョンの名前はアンドリーの迷宮であってる?」

 

「はい、ですがここは最近できたばかりのダンジョンでアンドリー南の迷宮と呼ばれています」

 

 アンドリー南の迷宮

   第2階層

 

「ここは2階だから注意して進もう」

 

「2階はニートアントとスパイスパイダーですね」

 

 1階層と2階層が毒持ちとか人気無さそうなダンジョンである。

 

「ちなみに3階は?」

 

「いもむし、です」

 

 うわっ、グリーンキャタピラーか。毒持ちが続いて拘束持ちが追加されるとか絶対に初心者を殺すダンジョンだ。

 

 毒消し丸や薬はそれぞれ渡しているので探索を始めることにする。

 

 シロウ・トラシマ 探索者LV4/狂戦士LV3/村人LV4

 ルウ       僧侶LV3

 ライラー     村人LV4

 

 盗賊の頭目と戦って痛感したが、レベルもジョブも足りていない。

 村人をLV5にして戦士を解放しないと()()()な攻撃スキルもなく、探索者のLVも低すぎてアイテムボックスの使い勝手も悪い。

 

 なのでBPの振り方は経験値に振ってジョブ獲得優先にした。

 

 BP          0/103

 ボーナス武器6     63

 獲得経験値5倍     15

 必要経験値5分の1   15

 3thジョブ       3

 詠唱省略         3

 鑑定           1

 パーティー項目解除    1

 パーティーライゼーション 1

 キャラクター再設定    1

 

 パーティー項目解除とパーティーライゼーションを解放することでとっさに毒消し丸などが使えるので更に安全性が高まるだろう。

 

 パーティーライゼーションは指定したアイテムをパーティーに使えるスキルなのだが、アイテムボックスの枠を選択できることに気が付いた2次創作の主人公に尊敬の念しかない。

 お陰で両手で武器を握りながら、毒消し丸も握りしめるような事態にならなくて済んだ。

 

「ニートアント、一匹です」

 

 ルウの案内に通路を進むが、敵の姿が見えない。

 

「うえ、です」

 

  ニートアント LV2 

 

 指で差されて上を見ると、巨大な蟻が天井に張りついている。

 原作ではダンジョンに罠がある描写はなかったが、気が付かずに下を通るとアレは絶対降ってくる。

 

 三日月槍で突いて落とそうとすると、ライラーが壁を蹴って飛び上がった。

 彼女のシミターが蟻の足を叩き落とすと、重力に従って床に落下する。

 ライラーは自由落下しながら体勢を整えると仰向けになった蟻の腹にシミターの刃を叩きつける。

 流れるような連続攻撃に唖然としていると、ルウも駆け出して鋼鉄の槍で加勢する。

 

 結局、蟻は双子の連携攻撃に上手く起き上がることもできずにそのまま煙になった。

 

  毒針 

 

 毒針を拾ってきてドヤ顔のライラーの頭を思わず撫でながら言う。

 

「凄いな」

「すごい、です!」

「ライラーなら余裕です!」

 

 猿に棒と踏み台を渡したら、踏み台からジャンプしてバナナを取るのを見た気分になった。

 

「獣人以外はどう対応してる?」

「槍や魔法があればそれで落としますが、走り抜けると落ちてきます。他の魔物の群れと挟まれないように注意が必要ですが」

 

 この世界の住民は武器や防具の貧弱さからかなり命がけの戦闘を行っているので1匹背後から現れるだけでも危険過ぎる。

 

「また一匹です、今度は蜘蛛です」

 

  スパイスパイダー LV2 

 

 天井に張り付く蜘蛛男いや、児童サイズの巨大な蜘蛛に悲鳴を上げなかったのは偉いと思う。

 

「任せた」

「任せる、です」

 

 ライラーが意気揚々と壁を蹴ってシミターで一撃当てる。

 

 蜘蛛は同じように落下するように見えて、空中で止まった。

 

 ぁ、糸か。尻先から伸びた透明な糸が天井と蜘蛛の体を繋いでおり、緩やかに下りてくる。

 

 蟻なら落ちてきた音で気が付くかもしれないが、蜘蛛にこれをされたら確かに奇襲される。

 

 糸を斬れば同じように落ちてくるだろうが双子はあえて斬らずに上下から攻め続けることで蜘蛛は戸惑って身動きできないままに数分で煙になった。

 

  スパイダーシルク 

 

 透明な糸?を拾ってきたルウが頭を差し出すので、撫でながら聞いてみた。

 

「これはスパイダーシルクか?」

 

「はい、スパイスパイダーのレアドロップです。布地にも使われますが、透明で頑丈ですので釣り糸や漁の網に使われています」

 

 そう聞くとナイロンに近い材質なのかもしれない。

 

「次は2匹です」

 

  スパイスパイダー LV2 

  ニートアント LV2 

 

 普通に床に2匹いる状態のスタートなので俺も戦闘に参加する。

 

「蟻は俺がやる」

「では私達がスパイスパイダーを!」

「やる、です!」

 

 蟻の頭に槍を突く、手応えはあるが一撃ではない。再度素早く2回突くと煙になった。3発か。

 姉妹の方を見ると当然まだ戦っている。

 ライラーがフェイントを挟みながらアクロバットな動きで蜘蛛を翻弄して、できた隙にルウが槍を差し込む。

 よく双子は連携が上手い描写があるが、この姉妹も問題なく見事な動きをしている。

 

「後ろから叩く」

 

 割り込んで邪魔にならないように声をかけてるとライラーが位置を調整してくれる。

 背後から叩きつけ、三日月の刃で薙ぐと煙に変わった。

 2発ということは姉妹のダメージ量が俺の半分、は流石に無いと考えるので2階層のモンスターのHPは2発と少しのようだ。

 

「さすが、です!」

「頭をお撫で致しましょうか?」

 

 そういうのは人目がないところで……、人目がないので二人に撫でてもらった。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告