通常取引できないのだから、金額を聞いてキャンセルできずに銀貨を10枚渡された。
「賞金稼ぎギルドでも買い取りが?」
「盗賊を釣るエサにする、という名目で黙認していますが真実は分かりませんので騎士団にお持ちいただけると助かります」
賞金稼ぎ。
戦士LV30以上で盗賊を狩っていれば条件を満たせるジョブで、盗賊と不倶戴天の敵に
しかし原作では派生ジョブ「博徒」が判明しており、その条件が確か賞金稼ぎと盗賊のLVを30にすることだった。いや賞金稼ぎの生死不問のスキルを成功させるだったか?
つまり賞金稼ぎギルドで条件を満たしていれば盗賊も博徒になれる。
賞金稼ぎと盗賊は蛇の道は蛇というか、ミイラ取りがミイラになる関係性が見えてくる。
その賞金稼ぎギルドが蜘蛛のスキルカードを買い取る。
ギルドに所属している博徒にも有効な筈で、……おっと推測が過ぎた。
「治安維持に感謝致します。ザフィーラ様は午後はよく騎士団に顔を出されますよ」
善良な一般市民には関係ない話だ。
アンドリー
宿屋405号室
10枚の銀貨をアイテムボックスから取り出して革袋に移し替える。
「どうされましたか?」
「いや、大したことではない」
シロウ・トラシマ
ジョブ一覧:探索者LV9、狂戦士LV6、戦士LV7、剣士LV5、村人LV8、僧侶LV1、海賊LV1
未だ商人が解放されていないのだ。
ジョブ獲得は難航しているのは事実だろう。
原作と全く同じ行動ができていれば自然と条件を満たせていただろうが、意識せずに習得していたジョブの情報が少なすぎる。
考えられるのは物品を売買するだが、更に条件を付けるとすれば金貨1枚以上の売買をすると仮定してみる。
既に金貨1枚以上の買い物はしているが、売りの方はできていない。
これまで倒した盗賊たちの装備はアイテムボックスが少なすぎたので、迷惑料として騎士団で処分してもらったこともある。
盗賊を生け捕りにして奴隷の売買もできていないので奴隷商人の条件も満たせていない。
「まぁ、いいや。体を洗おう」
妹猫が小さく威嚇してくるので、つい奴隷商に売却して条件を2つ満たす選択肢が浮かんで苦笑する。
「お湯を3つ分頼んでいるから受け取ってきてくれ」
そういえば部屋が変わっているのに気が付いただろうか。
お湯を1階から4階まで運んでくれた姉妹を労う。
姉の方は部屋に一つしかないベッドをチラチラ見ている。
そう、一人部屋からダブルの部屋に移ったのである。
そのままでもいいのだが金銭的にも余裕があるが、3人部屋を取る選択肢はなかった。
「ルウ、ライラー、先に言っておくが今は、少なくとも今日は二人に夜伽を求めるつもりはない。
誤解が無いように言うが、魅力がないとか処女のまま売り払おうとか思っているわけでもない。
俺たちパーティーは正直未完成だ。
資金も潤沢ではないし、拠点も無く、ダンジョンを攻略できる力も無い。
この状態で万が一にも子供を作る訳にはいかない」
俺、とても早口になったと思うがルウが頷いた。
「装備も食事も十分に与えていただいておりますので、大事にしていただいてありがとうございます」
「ありがと、ございます」
少し安心した様子のルウに改めて質問する。
「そこで、避妊の方法が知りたい」
好感度が下がった気がするが、少し顔が赤い彼女は答えてくれる。
「12階以上に出現するハットバットの落とす飛膜が豚の腸よりも入手が簡単とされています。ボスのパットバットが落とす蝙蝠の牙は、避妊の効果がある薬が作れるそうです。更に強いボスのバッドバットの落とす鬼灯は、堕胎の薬が作れるそうですがこちらは特別な理由なく買うことはできません。最上級のハッピーバットの素材でできた薬は、逆に赤ん坊ができやすくなる薬だとされていますが値段の関係で高すぎて使われていません」
ルウ、とても早口だねぇ。
洗浄などの手間がかかる豚の腸よりもダンジョン産のアイテムの方が衛生上向いているのかもしれない。
何となく原作で飛膜や蝙蝠の牙や鬼灯といったアイテムが言及すらされなかった理由が分かった気がする。
彼は避妊を考えなくて良かったので必要ないアイテムである。
最上級の素材はエリクサーなどと同等だと考えると入手難易度と値段が高いのは納得である。
跡継ぎができない貴族などが使う薬で、結婚祝いに送るとしても下世話過ぎる。
庶民は回数をこなすのが現実的だろうしな。
堕胎薬が理由なく買えないのは、悪用されない為だろう。
貴族が
もしかして薬草採取士がギルド規則で厳しく管理されているのに関係あるのでは?
薬の値崩れを防ぐのもあるのだろうが、治安維持に繋がるなら製造元への管理が必要だろう。
「湯がいい感じに冷めてきたから拭いていこう。
「なっ!」
男の人っていつもそうですね!な状況に思えるが、逃げ出しそうだったライラーはお湯が冷たくないと分かると大人しく拭かれてくれた。
服を脱いで拭きあう姉妹の裸を目に焼き付けることにする。
順番こそが違うが次はルウを拭いてやろうとすると、彼女は俺のズボンを掴んで上目遣いで提案した。
「私が鎮めさせていただいてよろしいでしょうか?」
自主規制の迷宮
第1回層
お湯が少し冷めたので、最初にライラーを拭いておいて色々と