異世界迷宮でプライドを   作:ブラック微糖

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018 芋虫

 

「こちらの方にいます」

 

  グリーンキャタピラー LV3 

  グリーンキャタピラー LV3 

 

 第3階層の初戦は毒持ちがいない編成だった。

 大きな緑色の芋虫はキャベツを丸ごと齧りそうな大きさと顎をしている。

 

「行くぞ!」

 

 作戦通り3人は散開して、糸で一網打尽にされないように動いていく。

 

 ラッシュ!

 

 目の前の芋虫に魔法陣が出たが、三日月槍の詠唱中断スキルでキャンセルさせながら殴る。

 

「糸が来ます!」

 

 ラッシュ!

 

 もう一匹の芋虫にも魔法陣が出たが、強引に槍を差し込んでキャンセルさせる。

 

 2匹の魔法陣を止めながら攻撃スキルで殴っていると問題なく倒せるようだ。

 

 原作の(デュランダル)とは違ってリーチのある(カラドボルグ)なので何とかなっているが、早めにルウの鋼鉄の槍にも詠唱中断を付けて戦闘を楽にしたい。

 

「基本芋虫は詠唱中断できる俺が受け持って、2匹の場合は俺がどちらも狙えるように2人で位置取りを調整してほしい」

 

「分かりました」

「分かる、ます」

 

 結構難しいことを言っている気がするが、ルウは頭が良いし、ライラーは機動力が高い。

 あとはドリブルが上手い枠が必要だなぁと考えているとルウが質問してくる。

 

「その武器には詠唱中断スキルが付いているのですか?」

 

「攻撃力5倍と詠唱中断とHP吸収とMP吸収と防御無視が付いているな」

 

「スキル武器が5個も!?」

 

 本当はレベル補正無視というスキルも付いているが、これが()()()()のことなのかモンスターとのレベル差補正無視なのか原作を読んだだけでは分からない。

 

  糸  

  糸 

 

 玉になった糸を拾いながら、ルウは疑問に思う。

 

「そんなに素晴らしい武器をお持ちなのでしたら、何故、聖剣を買われたのでしょうか?」

 

 君のような頭の良い子は嫌いだよ。

 

「迷宮のボスは武器を破壊するらしいので予備の武器は必要だろう」

 

「そうですね、貴重な武器を確保していたら必要な武器とトレードもできますし!」

 

 そ、その手があったかぁ。

 現状はスキル無しだと微妙な剣ではあるが、有用なスキルを付ければかなり価値が上がる。

 HP吸収かMP吸収が付けば、スキル無しの聖槍やタクトと交換してもいいという人物は出てくるだろう。

 両方付ければオリハルコンも夢ではない。

 

 わらしべ長者ならぬ、聖剣長者を始めるには結局ドワーフが必要になってくる。

 

 現在の金貨は20枚もなく、加入できるとしたら髭モジャのおっさんだろう。

 俺のパーティーに男を加えてはいけない縛りこそないが、ハーレムとしては遠慮したい。

 余程の()()()ではないとその値段で美少女の処女奴隷なんて買えるはずもない。

 

 お金を貯めるために一人部屋に移るか?

 いや3人で寝たら俺だけベッドから蹴落とされているのが予想できたので駄目だ。

 

 

 その後も虫系モンスター達を苦戦無く討伐していく。

 

 途中で一度だけ糸を吐かれてしまったが、ライラーは避けてしまった。

 原作の狼人族様の「糸は避けられるので問題ありません」理論が正しいと証明されてしまった。

 

「そういえば、ライラーは盾を必要ない?」

 

 原作組で思い出したが、片手剣と盾のスタイルが一般的だったと思う。

 

「必要ない、です」

 

「妹は身軽な方が動きやすいのと、私達姉妹は軽いので盾で攻撃を止めれません」

 

 それは服を脱いで少し感じていたことだが、二人とも余分な肉が付いていないのでかなり細い。

 盗賊に捕まって栄養不足の影響か、特に()()装甲も育っていない。

 

 視線を下げようとしたら二人の目が怖かったので、俺には盾が必要かもしれないなぁ。

 

   アンドリー南の迷宮

    第3階層ボス部屋

 

 レベルを上げて、昼食前にボスに挑戦することにした。

 

  ホワイトキャタピラー LV3 

 

「開幕、糸が来るぞ」

 

 原作知識で知っていたので散開し、ライラーがタゲを取って糸を避けた。

 俺ならサッカーのゴールネットが高速で飛んでくるような糸は避け方すら分からない。

 

 だが部屋の中央に出現して魔法陣が発動するまでの時間から、全力で走れば中断が間に合いそうに感じた。

 初見では試せないので、慎重過ぎることはない。

 

 糸さえ無ければ巨大な白い芋虫である。

 正面はライラー、側面からルウが、そして背面から俺が攻撃を加えていく。

 

 ラッシュ!

 ラッシュ!

 スラッシュ!

 

 時々、思い出したようにスラッシュも混ぜながら攻撃しているとルウが警戒する。

 

「来ます!」

 

 何が?と思いつつ、魔法陣が出ていない。この流れは……。

 白い芋虫が火が付いたように出鱈目に暴れ出した。

 

 毒こそ無いがその巨大な身体を左右に激しく振り回されるので範囲が広く脅威ではある。

 

 攻撃が当たらないように距離を取って数秒、疲れたのか動きが鈍くなった芋虫に攻撃を再開する。

 

 ラッシュ!

 ラッシュ!

 スラッシュ!

 

 ぁ、スラッシュが不発になり、攻撃スキル5発でボスが倒れる。

 第2階層のボスと同じ攻撃数だが、芋虫が弱いわけではなくこちらのジョブレベルが上がってきた成果だと思う。

 あと毒もないので初撃さえどうにかすれば戦いやすい相手なのかもしれない。

 

 逆に言えば初撃を受けると苦戦しそうなので周回には向いていなさそうなボスではある。

 そもそも蟻も蜘蛛も向いているかといえば微妙なのだが。

 

  絹 

 

 ボスのドロップアイテムは絹か。

 そういえば絹の下着を買うのも悪くないな。

 古着屋には売っていないし、貴族街の方の店にはあるかもしれないが、副都に行けば庶民でも買える店があるかもしれない。

 

 そういう無駄遣いばかり考えていると、脳裏に髭モジャのおっさんが出てくるのは新手の状態異常か何か?

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