異世界迷宮でプライドを   作:ブラック微糖

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002 英雄

 

   ???の迷宮

    第1階層

 

 俺の初期スポーン地点、もしかして:ダンジョンの中?

 

 2次創作で馬小屋以外のスタートも読んだことがあるけど、流石にダンジョン内は無かったぞ!

 

 そもそも獣人スタートの時点で原作主人公とは違うのだから初期地点が違うのも分かるけどさ。

 

 原作とは違う世界、いわゆるパラレルワールドの可能性すらある。

 

「ダンジョン内ってことはモンスターが出るよな……」

 

 初期装備は学生時代によく着ていた黒いジャージ。

 ダンジョン産の素材でできた防具ではないので防御力は0というか設定されていないだろう。

 

 慌ててボーナス武器にポイントを振る。

 

 BP       31/99

 ボーナス武器6  63

 詠唱省略      3

 鑑定        1

 キャラクター再設定 1

 

「デュランダル……ではない!??」

 

  聖槍カラドボルグ 

  攻撃力5倍/HP吸収/MP吸収/詠唱中断/防御無視/レベル補正無視 

 

 カラドボルグって確か槍のように長い剣で創作によっては槍で登場することもある武器だったよな?

 

 しかし何故デュランダルではない?

 

「ぁ、そうか猫人族」

 

 猫人族は海を縄張りとする種族で、種族固有ジョブは女性なら海女、獣人族は盗賊ではなく海賊と表記されたはず。原作では使っていないが銛などが得意そうではある。

 

 原作で獣人族は両手剣を好んで使っておらず、おそらく適性の低さが関係しているかもしれない。

 

 それなら海神が持っているイメージのトライデントが選ばれそうな気もするが。

 

 見た目は鋭い穂先の根元に三日月状の刃が付いた斧槍、いや素直に三日月槍と呼べそうな業物で黒地に最低限度の金の装飾が施されている。

 

 かなり厨二心をくすぐるが、試しに振ってみると学生時代に掃除に使っていたT字箒のように手に馴染む。

 

「剣道とか特にしたこと無かったから助かるけど、軽く黒歴史を思い出したわ」

 

 意味なく凹んでしまったが、傘や定規が選ばれなくてよかった。主にリーチ的な意味で。

 

「これなら1階層のモンスターなら倒せる。ぁ、英雄の条件!」

 

 槍を構えたまま茫然としてしまう。

 

 英雄。主人公が獲得できるジョブの中でも別格、全ステータスは上がるしオーバーホエルミングで高速移動や攻撃ができる。

 

 破格のジョブで獲得条件は、初戦で盗賊団を撃破すること。

 

 この初戦で、というのが厄介でおそらく1回でも戦闘に該当する行為を行った時点でアウトになるだろう。

 

「原作と同じで選べるのは武器とアクセサリーだけ、できれば防具があれば何とかなったかもしれないのに」

 

 他の2次創作では防具が選べる場合があるが、どうやらここは原作準拠のようだ。

 ボーナス6の防具があればノーダメージで戦闘を回避していくという選択肢があった。戦闘行為に該当するかは五分五分だ(分からない)

 

「いったん武器を外して、アクサセリーを確認するか」

 

 原作だと武器6と5、アクセ2くらいしか登場しなかったので他に有効なスキル付きがあるかもしれない。

 

 念のため武器を1つずつ下げてみたがスキルが劣化していくだけでスキル構成は変わらなかった。

 

 アクセサリーは2で原作と同じ決意の指輪が出たときは思わず嬉しくなったが、いま必要なのはそれではない。

 

 一番使えそうに思えたのはアクセサリー5だった。

 

  銀猫の首輪 

  跳躍2倍/移動速度2倍/気配遮断/落下ダメージ無効/兇賊系強化 

 

 何か色々と余計なスキルが付いているが、一番役に立ちそうなのは気配遮断のスキル。

 

 推測するにモンスターから発見されにくくなるスキルの筈、ただこの系統のスキルは戦闘になると意味がなかったり、逆に戦闘中にヘイトを下げて狙われにくくなるスキルの可能性もある。

 

 盗賊ロールプレイの救済用かもしれないが、全体魔法が回避不可能なので原作では使われない性能ではある。

 

「これと武器6を出して、とりあえず進むか……。モンスターと出会わなければ英雄が近づく」

 

 BP       0/99

 ボーナス武器6  63

 ボーナスアクセ5 31

 詠唱省略      3

 鑑定        1

 キャラクター再設定 1

 

 

 運が良いのか悪いのか、モンスターには遭遇しなかった。

 

 

 ボス部屋の扉 

 

 

 いかにも奥でボスが待機してますという立派な岩の扉と開けた空間、通称「待機部屋」と呼ばれる小部屋に辿り着いた。

 

 あまりのリアルラックの低さに眩暈がしそうになった。

 そして、待機部屋には先客がいたのだった……。

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