アンドリー
武器屋
「鋼鉄の槍は売り切れか」
翌朝、折れた槍の代用を探しに武器屋に寄ったが品切れであった。
リーベや副都の武器屋を確認しにいってもいいが、宿屋がないので結局アンドリーに戻ることになってしまう。
怪我の功名で魔法使いが加わったがMPは厳しいだろう。
折れた鋼鉄の槍
さて、折れてアイテムボックスにも入らなくなった槍を持って姉妹はションボリしている。
記憶にないけど、ジェノサイドアタックで槍をへし折ったのは俺だろう。
よく防いでくれた!だから気にするな、と思うが直ぐに立ち直るのは無理か。
「お客様、壊れた武器でしたら鍛冶師ギルドで修理できるかもしれませんよ?」
「それは本当か?」
「スキル付き武器の場合は修理でスキルが消えますが、素材さえあれば直せたはずです」
原作では主人公が歩くギルド神殿なので、各ギルドとの関係が皆無だったので修理は初耳だ。
物知りのルウでもこれは知らなかったようで目を丸くして驚いている。
「情報感謝する。また何か買いに来る」
「当店で購入いただいた槍ですので、長く使っていただけると商人冥利に尽きます」
アンドリー
鍛冶師ギルド
「獣人は鍛冶師になれんぞ」
第一声がそれ!?
不愛想にそう言われるくらいそんな用事で尋ねる
武器屋の近くに小さいが鍛冶師ギルドの建物はあった。
鍛冶師 LV25
髭と髪が一体化している見た目からドワーフって感じのおっさん。
「いやここにくれば武器を修理してもらえると聞いてな」
「ほう、これは見事にやったな」
折れた鋼鉄の槍をライラーが差し出すとおっさんは検分して言った。
「これなら直せるぞ」
修理できる、という言葉に三人で喜んでいるとおっさんが手を差し出して言う。
「?」
「さすがに素材が無いと直せん。1から作る訳ではないから半分の素材を出さんか」
素材10割だと普通に武具製造スキルを使うだけなので、修理は半分なのか。
「すまない、そういう仕組みだと知らなかったのでこれから買ってくる。必要素材を教えてくれ」
ドワーフは呆れたようにため息を吐いて続ける。
「鍛冶師ギルドにも鋼鉄の槍の素材くらいはある。材料費に手数料も含めて1万ナールかかるぞ」
金貨1枚をドワーフに渡す。
新品の鋼鉄の槍は22,000ナール。3割引きを使ったとしても修理の方が安い。
「今日の担当は、シュウラ!仕事だ、降りてこい」
「りょ!」
ドワーフのおっさんが大声を上げるとドタドタと2階から金髪のドワーフ女が降りてきた。
シュウラ 20歳♀ 鍛冶師 LV10
ツナギのような作業服を着ているが、雰囲気というか言葉遣いにギャルを感じる。
少し焼けたような小麦肌で睫毛の長い金髪のギャル系ドワーフかぁ……ありだな。
シュウラは槍と素材を受け取ると、真剣な表情で詠唱を始める。
「修理!」
眩い程の光が彼女の手の中で輝いて、光が収まると折れていない鋼鉄の槍が握られている。
鋼鉄の槍 〇
失敗していたら「ごめ~ん、てへぺろ」されそうな流れだったが、そもそも武具製造の成功率は100%。
素材を消費する分、修理の成功率も100%かもしれない。
「大事に使ってあげてね!またね~!」
槍を返すと、またドタドタと2階に消えていく。
「
「元気があっていいではないか」
不良物件だぞ、俺は好きだ、みたいな会話をすると姉妹の目が厳しくなったので新品となった槍で刺される前に退散しないと。
しかし、修理スキルも興味深いなぁ。
修理前の鋼鉄の槍のスキルスロットは2個だったが、修理後は1個に減っていた。
スキル付与の確率が一般的に10回に1回、つまり10%の成功率とされていることから防具製造でスキルスロットが付く確率が10%程度なのだと予想できる。
原作には出ていないスキルなので完全に想像になるが、修理は少ない材料で改めて武具製造するスキルに思える。
もしかしたら破損した武器を素材に再変換する過程を飛ばしているのかもしれない。
スキルスロットを消費して修理するパターンも考えられるが、再製造で偶然またスキルスロットが付いたのだろう。
他の二次創作では器用さの高さでスキルスロットの付く確率やスロット数が増える説も唱えているのも見かけたことがある。
こう見ると腕力や知力といった目に見えて分かるステータスも大事だが、器用さも検証し甲斐がありそうに思える。
ドワーフの仲間が早く欲しいなぁ。
金髪ギャルドワーフの奴隷とかどこかで買えますか?
アンドリー
食堂
定番の食堂で昼を頼むが、今日は気分転換におすすめを注文しない。
「何か甘いものを」
「あいよ~!」
さすがに即座に提供ではなかったが、かなり早く出てきた。
「これは、揚げパン!?」
給食みたいな料理を出してくる店だと思っていたが、最強の給食メニューを出してきた。
柔らかいパンを油で揚げて、
「美味すぎる!」
「初めて食べましたが美味しいです!」
「甘い、です!」
3人が絶賛しておかわりを頼むと、店主は腕組みして満足そうに頷いていた。