異世界迷宮でプライドを   作:ブラック微糖

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030 不動産

 

  リーベ小島の迷宮

  第7階層 ボス部屋

 

「第7階層はパーンか」

 

「はい、全体魔法を使ってきますので避けて通る人も多いです」

 

「回避できない、です」

 

 リーベ小島の迷宮の第7階層の魔物はエスケープゴートだったので、ボスは原作で強敵感MAXだった半獣半人(パーン)である。

 

 避けて通るには、ダンジョンの入り口で探索者に次の階層へ飛ばしてもらいボスをスキップする方法がある。

 回避できないの意味は、全体魔法は発動すると必中で原作最強の回避盾も被弾していた。

 

 上位ボスであるスカラップシェルのドロップアイテムで火魔法1回無効できると、サラッと原作で出ていたので必中でも無効にはできるらしい。

 

 ボス部屋に入ると部屋の中央に煙が出なかった。

 

「おっと」

 

 血の臭いと風を切る音に白い拳を回避する。

 

  パーン LV7 

 

 前のパーティーが全滅していると、ボスは新規でリポップせずにこうして奇襲してくる場合がある。

 

「させません!」

「だめ、です!」

 

 何とか回避した俺に連撃を浴びせようとしたパーンは、鋼鉄の槍とシミターの連携を嫌って大きく飛び下がった。

 

 二足歩行している山羊というよりは、角の生えた山羊マッチョマンの足元に魔法陣が広がる。

 

「それはキャンセルだ!」

 

 ラッシュ!

 

 詠唱中断の付与された三日月槍の一撃を受けると、魔法陣が消滅する。

 

 パーンは距離を取って回避すると見せかけて全体魔法を撃ってくるから油断できない。

 強敵だと知っていたのでアンドリー南の第5階層で先に戦ってみたのだが、()()()()()()()()()()()()()()()()()()は初見で対応できず食らってしまった。

 あのダンジョンよりも殺意の低く感じるボスは近接格闘しながら、隙を狙って魔法を撃とうとしてくる。

 

 バックステップ1回くらいなら獣人の脚力なら一瞬で距離を詰められるので油断しなければ魔法は怖くない。

 

 獣人がいないパーティーはボス部屋の角まで追いつめて後ろに下がれなくする等、戦い方に工夫が必要だろう。

 

 途中まで削れていたのか、第5階層よりも早くボスは煙に変わった。

 

  ヤギの肉 

 

「ウサギの肉もそうだったが、袋とかに入ってないのだな」

 

「それが普通ですが?」

 

 ルウが首を傾げる。

 食肉が白い発泡トレーに入っているのが普通ではない世界だ。

 そもそも微生物や菌はダンジョンに吸収されているかもしれない。

 

「武器落ちてる、です」

 

  強権の鉄剣 

 

 スキル付きの武器と革の防具が一式。

 ソロ探索者が魔法さえ無効にすれば勝てると挑んで返り討ちになったパターンかな?

 

 しかし、どうせ付けるなら鋼鉄の両手剣に付ければいいのにと思ってしまうのは鑑定スキルがあるからだ。

 失敗すればリスクが倍増するのだから、かなり苦労してスキル付き武器を用意したはずだ。

 

「南無阿弥陀仏」

 

 俺が手を合わせて追悼すると、姉妹も真似て手を合わせる。

 

「いただきます、です」

 

 遺品は美味しくいただくので間違ってはいないけどさぁ。

 

 

  リーベ小島の迷宮

   第8階層

 

「第8階層は魔物の数が4体に増えますが、どうされますか?」

 

「レベルと防具を考えると問題ないと思うが」

 

「第8階層の魔物はミノです」

 

「うし、です」

 

「それは相性が悪いかもしれないな」

 

 数が増えても全体魔法で戦う方法は通用するとは思うが、ルウとライラーが2体ずつ前衛を受け持つことになる。

 二人とも器用に対応できるのだが、ミノの突進を防ぐのが難しい。

 

 4匹全部ミノで一斉に突撃されて後衛の俺がひき殺される未来もあり得なくない。

 

 全体魔法を使いつつ、俺も前衛に出て3人で4匹に対応するのが一番手堅いか。

 

 ルウの気配察知は、匂い探知と違って気配しか分からないのでモンスターの判別は確実ではない。

 コボルトなど独特な動きをしたり、ナイーブオリーブのように動かない気配は分かるらしいが。

 

「今日は一旦戻ろう、午後から行きたい場所がある」

 

「ついに……」

 

 新しい奴隷(なかま)を増やせば前衛が増えて、また魔法中心の戦い方ができる。

 

「不動産屋に行くぞ!」

 

 金貨20枚では、美少女は買えないのでまだその時ではない。

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