異世界迷宮でプライドを   作:ブラック微糖

33 / 64
033 犇

 

   アンドリー南の迷宮

    第4階層 中間部屋

 

「えっと?」

 

 ワープ先でルウが疑問に思ったらしい。

 

「ここは第4階層だ」

 

 首を傾げる姉妹に、俺は待機するように指示をする。

 

「例の魔物部屋に少し湧いていると思うので狩ってから6階層に行こうと思う」

 

 あれから約1週間経つので魔物がリポップしているはずだ。

 

「まだ危ないと思いますが」

 

「危険が危ない、です」

 

 心配する双子に秘策があると説明する。

 

「俺は戦闘中でも移動魔法が使えるので、魔物部屋を覗いて全体魔法して逃げる、を繰り返せば一方的に倒せる」

 

 戦闘中でもワープが使えるのは原作準拠なので正当な攻略法だろう。

 

 ルウがそれができたなら何故あの時に使わなかったのですか?と気が付く前にワープで魔物部屋に飛んだ。

 あの時はMP全解放をセットするために外していたからとっさに切り替える余裕は無かった。

 

   アンドリー南の迷宮

    第4階層 魔物部屋

 

 ワープすると小部屋に埋め尽くさん限りの大量の魔物が湧いていた。

 

「ぁ、どうも」

 

 挨拶代わりにファイアーストームを浴びせて逃げると、MPがこれまで無いくらいに大量に減った。

 

   アンドリー南の迷宮

    第4階層 中間部屋

 

「くそッ、ほぼ元通りに復活してやがった……」

 

 2~3組復活してたらいいなぁ、くらいの気楽な気持ちで覗いたら10組近い魔物の群れが蠢いていた。

 

 単純に全体魔法10発分、ワープ2回分のMPが無ければ動けなくなってた可能性すらある。

 

「大丈夫ですか!?」

 

「大丈夫ない、です?」

 

 戻ってきた瀕死の俺に強壮薬を飲ませようとしてくるが、勿体ないのでMP自然回復10倍で待つことにする。

 

「大丈夫だ、あと数回やれば倒せるだろう」

 

 あと数回これを繰り返すのだと絶望したが、きっとMP不足で気分が落ち込んでいるだけだと思いたい。

 

 MPが全快しては野郎ぶっ殺してやる!とワープして満身創痍になって帰るを繰り返すと小部屋の魔物が全てドロップアイテムに変わっていた。

 

 姉妹達にドロップアイテムを拾ってもらいながら休憩しているとライラーがスキルカードを拾ってきた。

 

「カード、です」

 

「でかした!」

 

  カード・蜘蛛 

 

 俺、やはりこのダンジョンと相性が悪いかもしれないなぁ。

 騎士団に提出しても1000ナールだし、こいつ何匹も蜘蛛狩ってるの?と陰でスパイダースレイヤーと呼ばれるのも何か嫌だ。

 ライラーを撫でると、アイテムボックスの肥やしとすることにした。

 

   アンドリー南の迷宮

     第6階層

 

「第6階層の魔物はミノです。力が強く、角と突進が強力なので注意が必要です」

 

 原作主人公が被弾して大ダメージを受けていた魔物なので警戒しないと。

 まぁ、あのシーンは主人公が面倒がって腕の防具を外していたのが悪いのだが。

 その後に、ヒロインに指を舐めてもらっていたっけ……。

 

「注意していこう!」

「?」

「?」

 

 急にやる気をだした俺に姉妹がぽかんとしているが、魔物を探すとすぐに見つかった。

 

  ミノ LV6 

  ミノ LV6 

  ミノ LV6 

 

「いきなり3匹の群れか」

 

 ミノは牛の魔物なのだが胴の部分が異様に短く、前と後ろが詰まったような違和感ある姿をしている。

 

ファイアーストーム!

 

「来ます!」

 

 火炎に包まれても突進の速度と迫力は変わらない暴れ牛が一斉に迫ってくる。

 

 ライラーが壁を蹴って、一番右のミノの側面に回り込むとドロップキップで強引に突進の方向を狂わせる。

 右のミノの突進方向が中央のミノと重なると互いの角が刺さって衝突事故が起こる。

 

 左のミノが衝突事故に巻き込まれないように速度が鈍った瞬間に、ルウが顔面に槍を差し込んで怯ませる。

 

 ラッシュ!

 ファイアーストーム!

 

 怯んだ隙を逃さずに、左のミノに三日月槍でラッシュを当てつつ2回目の全体魔法を発動させる。

 三日月槍には魔法増幅効果は無いので、魔法はおまけ程度に思っていい。

 

 ラッシュ!

 

 中央のミノが起き上がるので、突進する前に後ろから攻撃スキルを当てておく。

 クールタイムが無いか、極めて短い物理スキルは連打できるので便利に感じるな。

 

 ファイアーストーム!

 

 3回目の全体魔法を放つとラッシュを当てた左と中央のミノが煙に変わる。

 

 ラッシュ!

 

 突進させないように懐に潜り込みながら、角を上手く回避しているライラーが引き付けていた右のミノに止めを刺した。

 

  皮 

  皮 

 

「あれ? ドロップアイテムが1個足りない?」

 

 原作だとスキルカードが落ちていたりするが……。

 

「ミノのドロップは皮ですが、階層によっては確定ドロップではありません。8階層以降はほぼ確定ですが、それでも落ちないこともあります」

 

 ルウが無慈悲に解説する。

 

 ボスのドロップも皮な時点で、ミノの皮ドロップが確率でないとボスを倒す意味がない。

 防具に使われる皮は最下層でも比較的高く売れるので人気なのだが、低い階層で周回して集めるのができない仕様だ。

 第1階層がミノのボス周回するのがかなり効率良さそうな気がするがそのようなダンジョンは人気がありそうだ。

 

「ちなみに、もう一つのアンドリー北の迷宮の第1階層がミノです」

 

 アンドリー南の迷宮の人気が無いわけだよ!!

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告