アンドリー南の迷宮
第8階層
市場が開く日まであと二日あるが、リーベとアンドリーの防具屋を巡って防具を更新した。
シロウ・トラシマ
探索者LV26/狂戦士LV17/戦士LV26/魔法使いLV24/曲芸師LV10
装備 竜革の帽子 〇
竜革の鱗鎧 〇〇〇
竜革の手袋 〇
竜革の靴 〇〇〇
ルウ 巫女LV18
装備 竜革のカチューシャ 〇
竜革のローブ 〇〇
竜革のミトン 〇
硬革の靴 〇
ライラー 曲芸師LV8
装備 竜革のヘアバンド 〇
竜革のジャケット 〇〇
竜革の手袋 〇〇〇
硬革の靴 〇
アビィ 鍛冶師LV8
装備 竜革の帽子 〇
竜革の鎧 〇〇〇
硬革の手袋 〇(シロウ装備流用)
硬革の靴 〇
こういう時に計画的に防具を購入していれば上手く流用できるのだが無計画過ぎて無駄が多い。
3割引きスキルを使っても金貨が10枚近く減ったが、大幅に防御力を強化できた。
アビィに「革と鉄のどっちの装備がいい?」と聞いて「革」と答えたので竜革を買い与えたらビビり散らしていた。
とある二次創作でも似たようなやりとりがあったが、あのシーンはかなり好きだったなぁ。
ドワーフは金属防具も問題なく装備できるが、全種族で使える竜革で統一した方が使いまわせる。
「スキルカードの合成を頼む」
聖剣と鋼鉄の槍をそれぞれアビィに合成してもらう。
「~モンスターカード合成」
強権の聖剣 詠唱中断/〇〇〇
強権の鋼鉄槍 詠唱中断
「かなり装備が充実したな!」
「最下層の装備ではないです……」
「私がスキル付き装備を扱ってもよろしいのでしょうか?」
「ライラーはタゲを取って回避に専念するので詠唱中断に動けないし、アビィのシャベルよりリーチのある槍の方が優先だ」
当初の予定通りルウの鋼鉄の槍に詠唱中断を付けるのは確定として、他の選択肢もあった。
しかし聖剣にMP回復を付けると「吸精」の冠詞が付いてしまう。
強権の聖剣と吸精の聖剣、どちらが格好いいかは比べるまでもない。
強権は凄いよな、名前も格好いいし、効果も強い!
「上位の詠唱中断スキルとかは分かる?」
ルウは知らなかったが、アビィは知っていた。
「首狩兎のカードを合成すると「詠唱破壊」が付いて、ハイコボルトと合成すると「詠唱封印」のスキルが付くとされています。詠唱破壊は中断と違って破壊後しばらく詠唱できなくなるスキルで、詠唱封印は詠唱できなくするスキルです」
「詠唱封印が強すぎるな。流石、最上位スキル」
「詠唱遅延、詠唱中断、詠唱破壊、詠唱封印はそれぞれ完全に上位互換とは言えないスキルです。詠唱中の魔物は身動きできませんので遅延で殴り続けることもできますし、中断でキャンセルできますが、上位魔物は詠唱時間が短くて頻繁に詠唱しますので破壊や封印でなければ対処が追いつきません。詠唱を封印しても近接戦が得意なボスなどはむしろ詠唱させないと止まらずに暴れて手が付けられない場合があるそうです」
ボーナス武器6に詠唱封印が付いていない理由が少し分かったかもしれない。
封印すると逆に戦いにくくなるボスがいる時点で汎用性のある詠唱中断の方が無駄が無い。
「しかし首狩兎とは物騒な名前だな」
「ラピットラビットのボス、ビビットラビットは防御力の低い者を執拗に狙いますし、最上位のバレットラビットは詠唱のために立ち止まった魔導士を狙うことから魔法使い殺しと恐れられていますね」
耐久と俊敏の低い魔法ジョブ絶対殺す兎とか怖すぎる。
アンドリー南の迷宮
第8階層 ボス部屋
第8階層においての雑魚との戦いはかなり楽になっていた。
アビィがスコップの重撃でミノの突撃を相殺できるようになったことで戦線がより安定する。
「アンドリー南の第8階層のボスはラピットラビットです。素早くて小さいので攻撃が当たりません、大振りの攻撃をする際は注意してください」
ルウの解説が入るが、首狩り兎の話をした後にウサギのボスと戦うのは緊張するな。
「必中の全体魔法を使う手もありますが」
「魔法使う、です?」
「いや俺は使うが単体ボスに全体魔法はMP効率が悪い」
原作主人公は英雄のオーバーホエルミングでスローモーションにして連撃を与えて倒していたが同じ方法は使えない。
「通常のパーティーはどうやって倒している?」
「剣か盾に当たるとボスの体が軽いので吹き飛びます、そこに一撃を加えるを繰り返すのが多いです」
情報を共有して、経験値20倍を外して三日月槍を装備して準備を完了する。
ボス部屋に入ると中央から煙が立ち込めて赤い兎が出現した。
ラピットラビット LV8
早送りのような速度で視界を駆け抜ける兎、獣人の動体視力で見逃さないのがやっとの速度だ。
先頭にいたライラーと交差した瞬間、身体を捻って避けた彼女はシミターの刃で兎にカウンターを当てる。
斬られて落下した兎をアビィがシャベルで豪快に叩きつける。
ライラー以外は何度か避けたり防御に失敗したりするが防御力のおかげで回復が間に合っている。
動きを覚えて速度に慣れてきたことで順調にダメージを蓄積しているとルウが警告する。
「来ます!」
脱兎のごとく距離を取ったボスは、速度を上げて部屋を縦横無尽に飛び跳ねるピンポン玉と化した。