お待ちいただいていた方がいらっしゃったらお待たせして申し訳ない。
ちょっと仕事関係が色々忙しかったのと、あとスト6と配信見るのとパワプロ遊ぶのが楽しすぎてついつい執筆に時間をかけてしまいました。
あと、単純に予定よりも書きたい内容が増えて、気づけば前後編の予定が前中後編の三篇仕立てに。
それでは、リオナ視点のアーカイブ視聴からどうぞ。
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【配信アーカイブ:『ホロライブJP最強王決定戦 敗者復活戦戦第一試合』より響咲リオナの視点切り抜きを再生します】
【これは響咲リオナの専用カメラより抽出して作成したハイライトです】
【本来FPS視点ですが、酔い防止の観点から状況を抽出・再構成したTPS視点でお楽しみください】
【それでは、配信アーカイブ:『ホロライブJP最強王決定戦 敗者復活戦戦第一試合』より響咲リオナの視点切り抜きをお楽しみください】
響咲リオナは、眼前に広がる光景を見た。
場所は浮島ステージ。そこに広がるのは、絶望的にも見える戦力差だ。
対戦相手である姫森ルーナの"プリンセス"により召喚されたルーナイト達だ。
全員が剣やハルバード、槍などの近接武装を装備しており、規則正しい列を作ってリオナに向かって行進してきている。
……百人くらい、かな?
思い、リオナは自分の背後を振り返る。
そこにいるのは三人の自分だ。
"プリンセス"の能力を使って作り上げた、ルーナイトとしての自分。
自分と全く同じ能力、思考を持った分身。感覚的に、HPやMPも共有しているので無理ができなさそうではあるが、手が多いに越したことはない。
『敵はたくさんのご同輩』
『対してこちらは四人の私』
『普通に考えたら敗北だけど』
「そこで諦めたら女が廃るってね!」
意志の統一完了。
自分だから当たり前だけど、反対意見がなくて何より。
「行こう、リオナ!」
叫び、走る。
三人のリオナ達と平行に走りながら能力を行使。
"アース"による腕と足への防具生成だ。
"アース"が操れるのは土。正確に言えば土の属性。
すなわち大地に含まれるすべての成分を操れる能力だ。
……まさか砂鉄まで操れると思わなかったけど!
足と腕を覆うのは大地から抽出した砂鉄から作った小手と足甲だ。
これで、ルーナイト達が持つ武器とも渡り合える。
「で、やぁっ!」
蹴る。
リオナが選んだ武器はテコンドー。
それも、どこからか主催者である博衣こよりが手に入れてきた、わりと"トンでも"なテコンドーだ。
……蹴りで鉄板切り裂いたり、鉄板に足跡残せるテコンドーってどういう事なんだって話だよね
とはいえ、それはこのゲームで用意された格闘技系の武器全部がそうだ。
細かいことは気にせず、やれることをやるだけ。
自身が放った蹴りの一撃を受け、後ろにいた仲間を巻き込んで吹っ飛んでいったルーナイトが光になって消えたのを視界の端に収めながら、リオナは次の相手にも蹴りを放つ。
「数ばっかり、多くたっ、てっ!」
棍棒を持ったルーナイトを蹴ったタイミングで、リオナの隙を突くように別のルーナイトがレイピアで刺突を繰り出してきた。
それを避けるべく、隣にいたリオナが自分に向かって放ったハイキックに乗って跳躍。
空中で一回転してから勢いを乗せ、レイピアを持つルーナイトの頭上から踵落とし。
着地と同時に、先ほど自分を助けた蹴りを放ったリオナに迫る槍持ちルーナイトに足払い。
転びそうになった槍持ちルーナイトがさらに別のリオナによる蹴りで光になったのを見ながら、そのリオナに振り下ろされようとしたハルバードの柄を蹴って防御。
別方向から飛んできたリオナの蹴りがハルバードを持っていたルーナイトを蹴り飛ばし、先ほど攻撃をかばってあげたリオナが手放されて宙に浮いてるハルバードの柄を蹴って他のルーナイトへ蹴り当てる。
……行ける!
四人全員が自分だからこその、シームレスな連携。
全員の視界が、思考が、行動が連携し、ルーナイト達を手玉に取って蹴り飛ばていく。
「絶対に、勝ってやる……っ!」
踏み出し、横蹴り一閃。
轟音を立てて吹っ飛んでいったルーナイト達が光となって消えた先。
おそらく"プリンセス"の能力で作り出したであろう豪華な椅子に座りながらリオナとルーナイト達を睥睨する姫森ルーナがいた。
「待っててくださいよ、ルーナ先輩……!」
優雅に足を組み、手にした武器辞典を広げながら追加のルーナイトを召喚するルーナ。
その姿を覆い隠すようにルーナイト達が密集し、リオナ達の前に壁を作る。
「すぅー……ふぅー……」
呼吸を整える。
これから繰り出すのは、大技だ。
昨日の戦いを通して、思いついた必殺技。
試合が終わって休憩していた博衣こよりに相談し、複数のキーワードと行動をきっかけとして、モーションを追加してもらった、そんな技。
「セット、"大地三床"」
"アース"の力を込めたストンピングを大地に三回。
ひと踏で大地が隆起し、ふた踏みで巨大な剣の形に成形され、さん踏み目で砂鉄が剣の刃を覆って大地から切り離され宙に浮く。
……島を動かすくらいの事が出来たんだから、剣くらい作れて当然だよね
「チャージ、モーションセット! コール! "一刀蹴殺"!」
技名をコール。
あとは、用意されたモーションに従って、体を動かすのみ。
まずは後ろに三歩下がる。
助走だ。
こちらの大技を見て取ったのか、ルーナイト達の攻撃が苛烈さを増す。
槍を持ったルーナイト達が複数で槍衾を作るのを、ジャンプして飛び越えたリオナが上から踏み砕いて倒す。
……助走の間合い、OK
一度大きく足を後ろに引き、力を籠める。
大きく息を吸い、小さく吐き出す。
大剣を振りかぶってモーションに入ったリオナを叩き切ろうとしてきたルーナイトの首に後ろから回されたリオナの足が絡みつき、そのまま後ろに引っこ抜かれるように持ち上げられ、大地に叩きつけられる。
フランケンシュタイナーだ。
叩きつけられたルーナイトの兜がひしゃげ、光となって消えていく。
……行くぞ!
一歩踏み出し、体を回転。
二歩目を踏み出し、さらに回転。
三歩目を踏み出し、開店に合わせて足を振り上げ、宙に浮いた剣の柄を足の裏で捉え――蹴り飛ばす!
「いっ、けぇええええええ!!!!!!」
剣の先にいるのは、対戦相手であるルーナだ。
その切っ先が相手に届くのを期待し、振りぬいた蹴りの勢いを乗せて飛ぶ剣を見る。
空気を切り裂いて飛ぶ剣を止めようとルーナイトが壁となるも、紙のように切り裂いて飛翔する。
ただ、塵も積もれば山となる。
次々と剣の先端に飛び込むルーナイト達の尽力もあり、勢いが減じた剣がルーナの眼前で力尽き、崩れて落ちる。
「届かなかった……けど、道は開いた!」
今の一撃を含め、これまでの攻防で最初に召喚されていたルーナイトの八割が削れ切れた。
残りの二割も、このまま奥で待つルーナに接敵するまでに倒しきれる。
「行こう!」
こちらは、ダメージは負ってるものの、四人全員が生き残ってる。
このまま、押し切る。
その意識を声に乗せ、宣言と同時に四人は残りのルーナイトと、ルーナ目指して駆けだした。
【配信アーカイブ:『ホロライブJP最強王決定戦 敗者復活戦戦第一試合』より響咲リオナの視点切り抜きを再生しました】
【ご視聴いただきありがとうございました。またのご利用をお待ちしております】
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「というわけで、リオナ視点でのルーナイト戦でございました。色々な裏話をしますと、このあたりの必殺技モーションや技なんかは、こより先輩が一晩でやってくれたようですね。その他にも出場選手の皆様から出たご要望や改善点なんかを即時修正、反映させたりと八面六臂の大活躍をしていただいております」
「本当、こよちゃんいつ寝てるんだろうね」
「わかりません!」
あんなん無双シリーズやん
四人で連携をしっかりしつつ前後左右から迫るルーナイトを蹴り倒すリオナ達スゲー
そしてちゃんとそれに合わせてルーナイト達に重火器じゃなくて近接武器を与える姫様よ
エンターテイナーだよね、姫様
勝ちも狙いつつ、でも映えを考えてたよね
そしてそんな姫様に全力で立ち向かうリオナの絵は映えたわ
大技も凄かった
作り上げた剣蹴り飛ばしてなぎ倒した奴な
派手さも十分だった
姫森ルーナ:意外とみんなに見破られて恥ずかしいのら
響咲リオナ:アーカイブ見ましたけど、トワ様がノリノリで解説してましたよ
常闇トワ:ばっ、やべっ、バラすなよリオナ!
姫森ルーナ:トワー?
常闇トワ:ヒエッ
仲が良くて何より
「トワちとルーナちゃんはまた個別にわちゃわちゃしてもらうとして」
「この後明日行われる準決勝の組み合わせルーレットやステージ決めもありますし、サクサクと次の切り抜きに参りたいと思います。次は二回戦第二試合、白上フブキ先輩対大神ミオ先輩の試合から、悪魔のカードにより自分の能力に反撃されて焦りまくるフブキ先輩の一幕です。どうぞ!」
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【配信アーカイブ:『ホロライブJP最強王決定戦 二回戦第二試合』より白上フブキの視点切り抜きを再生します】
【これは白上フブキの専用カメラより抽出して作成したハイライトです】
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【それでは、配信アーカイブ:『ホロライブJP最強王決定戦 二回戦第一試合』より白上フブキの視点切り抜きをお楽しみください】
自身に襲い掛かってきていた大量の狼が、一斉に消えたのを白上フブキは見た。
「っ、消えた!? これはミオがなんかPONした予感! 今のうちにミオを探さないと!」
右手に握っていたムラサメマルを左手に握っていた鞘へ納刀し、一呼吸。
"ウインド"の能力を行使して、MPを消費。兵器工廠にある空気に干渉し、場の空気を文字通り読んでいく。
「"エア・リード"」
一回戦にて、対戦相手だった獅白ぼたんの位置を見つけ出した絡繰りこそがこの能力。
風を繰り、風を読んで場の空気を把握する能力。
……見つけた!
それをもって対戦相手である大神ミオの位置を把握したフブキは、さっそく動き出す。
「体力はざっと半分。ミオが新しい狼を召喚してきたらちょっと流石にしんどくなってきそうだよね。ミオ自身の戦闘能力も侮れないし、狼たちと連携して波状攻撃されたら勝ち目が無くなっちゃう……っ、うん? 今何か……?」
状況を口に出して分析しながら兵器工廠のオブジェクトを飛ぶように移動していく。
地面を移動すると流石に時間がかかる。ならば身体能力に物を言わせ、ついでに"ウインド"で風により背中を押して飛ぶように移動するのが速さを求める上で大事なことだ。
ただでさえ、再度狼が召喚されている可能性もある。だとしたら時間をかければかけるだけ自身が不利になるだけだ。
なら、色々な不利を飲み込んで真っすぐ突き進むのが一番である。
……まぁ、ミオが罠張ってたらまともに喰らうんですけど!
実際、今何かに引っかかった感覚を得た。
今の所何も起こっていないが、だがこの後で確実に何かが起こる。
ミオの持つ能力は、彼女自身の特殊能力である"ナイトループ"を元にした占いの力だ。
本来ならば意図したカードを選ぶことすらできる無法な能力ではあるが、さすがにこのゲーム内ではそこまでの能力ではないはずだ。
もっとも、引いたタロットカードしだいでよくわからない現象が起こる可能性も高い。
「でもそれを踏みつぶしてこそ勝利を手繰り寄せられる……っ! 見つけた! "ミラージュ"! いっけぇ! "白上包囲網"……っ!?」
幻影を生み出す能力を行使。
MPの残りを消費して、発見したミオの四方八方から襲い掛かるフブキを作り出して一気呵成に襲い掛かる、はずが。
フブキの背後で、浮かび上がった悪魔が悪辣な顔で笑った。
「なんでじゃー!? なんで白上が狼になった挙句白上に襲い掛かってくるんだよ!」
「ウチが聞きたいよ!」
生成されたのはフブキの幻影ではなく、大神ミオが作り出していた狼たちだった。
それも、フブキが作り出そうとした数よりも多く、色々な方向から襲い掛かってくる。
……なんで狼が!? 白上に!?
これが幻なのは、とっさに振るったムラサメマルが空気を切ったので間違いない。
問題は、なぜフブキが意図した自身の幻影ではなく、狼の、それも自分に対して向かってくる幻影が作られたのかという事だ。
……まさか、さっきの違和感!
思い出す。
この場に向かう際中、一瞬何かを踏んだ感覚を得た事を。
あれが相手の張った罠だったというのであれば。
今のこれは、何らかのタロットカードがもたらした効果だと思って間違いがない。
「まずっ、ダメだ、どれが白上の作った幻影なのか、それとも本物の狼が混じってるのかが把握できない! "ミラージュ"……が使えない!」
"ミラージュ"で作り上げた幻影ならばMPを消費して"ミラージュ"で消してやろう、という発想が通じない。
完全に"ミラージュ"の能力自体がフブキの制御から外れており、まったくもって使えない能力に成り下がっている。
……まずい! これじゃ白上が良い的に!
"ウインド"で風を繰り空中移動。
自身の首を狙って噛みついてきた狼を躱し、ムラサメマルを振るうも空ぶる。
狼は幻影で、こちらの攻撃によりかき消えるが手ごたえの無さで姿勢を崩し、それを制御するために"ウインド"を行使する。
……MPが足りなくなりますよ、これ!
ジリ貧だ。
何とかMPが尽きる前にミオを倒さねばならない。
そう考え、視線を対戦相手に向け――気づく。
「セット! 吐き出して、種マシンガン!!!」
「やばばばばば!?」
いつの間にかミオの背後に生み出されていた植物の銃口がフブキに向けられている。
そこから吐き出される種の弾丸をムラサメマルで捌くも、全部を弾き飛ばすことはできず攻撃を喰らう結果になる。
「……っっっ! ダメだ、このままだと負けちゃう……っ! いい加減白上の制御下に戻ってこい! "ミラージュ"!!!!」
"ウインド"の応用で空中を蹴り、種マシンガンを避け、同時にそれた弾丸で幻影の狼たちを一掃させる。
暴走した"ミラージュ"で作り出した幻影がすべて消えた事で制御が自身に戻ってきたのを感じたフブキは、直ぐに戻ってきた"ミラージュ"を発動させる。
「幻、風、連携……っ! "影技・幻突"!」
自身の身体をミラージュによる幻で周囲と同一化させつつ、背後に自分の幻影を作り出す。
一瞬で自分と幻影の自分を入れ替え、そのまま自分の身体を背後から風で押す。
MPは完全に枯渇。あとは自身の身体能力と技で戦うのみ。
「ミィィィオオオオオオオ!」
「来たねフブキ! 勝負だぁあああああ!!!!!」
MPが切れたことで"ミラージュ"の効果が消える。
だがそこはすでにフブキの間合いだった。
故に。
「ぁああああああああああああああ!!!!!!」
叫び、ムラサメマルを鞘走らせて抜き打ちの一閃を放つ。
切り裂いた感触。二つ。
ミオが咄嗟に生み出した木製の盾ごと下から斜めに切り上げるも、まだ浅い。
相手のHPがまだ残っているのを確認し、右手で握り切り上げた刀を追いかけるように左手を持ち上げ、唐竹の一撃で両断しようと息を吸う。
「届かなかった、か……」
そこまで。
両腕を頭上に上げたポーズで、動きが止まる。
下を観れば、ミオの腕がフブキの胸を貫いていた。
光が満ち、暗転。
【配信アーカイブ:『ホロライブJP最強王決定戦 二回戦第一試合』より白上フブキの視点切り抜きを再生しました】
【ご視聴いただきありがとうございました。またのご利用をお待ちしております】
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フブさんにも見えない位置で悪魔が笑ってたぜ
白上フブキ:あんにゃろー! めっちゃくちゃ笑ってたやんけ!
大神ミオ:何が起こったかわからなかったけど悪魔のカードが出てたのか……
ミオしゃも気づいてなかったんかw
珍しくガチで驚いてるフブキちゃん見れておもろかった
なんだかんだ何が起こったかわかってないミオちゃんの顔も面白かったねぇ
自分で仕掛けておきながらも、何が出るかわからない罠だもんね
その罠によるダメージと混乱を掻い潜っての、最後の攻防も凄かった
フブちゃんが放った起死回生の斬撃に、それを真正面から迎え撃ったミオしゃの一撃
紙一重の名勝負だったなぁ
全編名試合が続くで、本当に
「"フォーチューン"、一回戦だとバフを積むだけ積んだ挙句リオナの島墜としで全部取れちゃったけど、決まると強いよね」
「実のところ、ちゃんとミオ先輩は今回と同じく罠を張ってたんですが、それを根こそぎリオナが質量攻撃でぶち壊すという力技で無効化しましたからね」
「やっぱり物理が一番だよ!」
「そら先輩、そら先輩。そんな笑顔と明るい声でそんなこと言うと、また『敵だね』と同じようにミームにしてネタにされますよ、ホログラ班に」
もう手遅れだと思う
いい笑顔でハンマーぶん回すそらちゃんのファンアート増えそう
「じゃあ敵だね!」→「やっぱり物理が一番だよ!」のコンボ
強キャラ感が増していくそらちゃん
第二回大会では猛威を振るいそう
「なんでよー!」
「まぁ、今のはそら先輩の身から出た錆という事で話は置いておきまして、続いての切り抜きは敗者復活第二試合、みこ先輩と番長の試合からですね。この試合、応募としては完全に二極化しておりまして。みこ先輩のお笑い方向か、番長のかっこいい方向か。かなりの投票デッドヒートを経て、勝利したのはみこ先輩のシーンでございました」
「どっちだろうね? 自爆かな? 自爆かな?」
「発電機を撃ちぬいての自爆か、はたまた自爆ボタンを押しての自爆か。ちなみに両方とも番長のかっこいいシーンとデッドヒートしてたので、これ一つだったらみこ先輩の圧勝でしたね」
「では、みこちの自爆シーン切り抜きを、どうぞー!」
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【配信アーカイブ:『ホロライブJP最強王決定戦 敗者復活戦戦第二試合』よりさくらみこの視点切り抜きを再生します】
【これはさくらみこの専用カメラより抽出して作成したハイライトです】
【本来FPS視点ですが、酔い防止の観点から状況を抽出・再構成したTPS視点でお楽しみください】
【それでは、配信アーカイブ:『ホロライブJP最強王決定戦 敗者復活戦戦第二試合』よりさくらみこの視点切り抜きをお楽しみください】
「あーはははははは! ははははははは! いいにぇ! これが兵器の力だぁ!」
「にぎゃぁああああ!!!! 目的、絶対目的見失ってるぅううう!!!!!」
高笑いをしながら、さくらみこは自身が乗り込んだ起動兵器の兵装から数多の弾丸を無秩序にばら撒いていた。
狙う対象は対戦相手である轟はじめだが、もはや正確な狙いなどは一切つけていない。
ただ装甲が分厚くて、一発一発の威力が大きいロボットの弾丸を景気良くぶっ放すのを心の底から楽しんでいた。
端的に言って、銃声に酔っていた。
「はーはははっは、ひーひひひひひ、ふへへへへ、気持ちいいにぇ! 一回戦でこれができたらスバルを北京ダックにしてやれたって言うのに! でもいいもんね、さぁはじめたん! みこのロボによってハチの巣になるにぇ!」
「か、完全に狂ってやがるで……。これが噂にょ、ちょりがーはっぴーってやつきゃぁ……」
一方、その対戦相手である轟はじめは"サンダー"によるバフで何とかぎりぎりの回避を続けていた。
もっとも、そんな派手に何も考えず弾丸をばら撒いていれば当然斬弾が尽きるわけで、みこが乗り込んでいるマシンの弾丸は早々に尽きる。
だが、尽きたところで関係がないのがこの兵器工廠というステージの特色でもあるのだが。
「右武器ぱーじ! 新しい武器ランダム換装! さぁ、次の武器はっと……威力でかいボムみたいなやつだにぇ! いいぞいいぞ! これではじめたんを蒸し焼きだぁ!」
"マシーナリー"の能力で機械に干渉。
ロボットの両腕についていた兵装を外し、兵器工廠の各種アームを動かしてスムーズに装備を換装する。
先ほどまで使っていたマシンガンとは違い、今度は単発ながら威力の大きいグレネード弾を込めた単発式の砲塔だ。
換装にかかる時間もわずか数分。もちろんその間にはじめもみこが乗るロボットへ攻撃しようと雷撃を飛ばしてくるも、そのダメージは微々たるものでしかない。
「あはははは、そんな豆鉄砲聞かないにぇ! このみこちゃんロボットの前には、はじめたんの空手も雷も無力無力ぅ! さぁ、受けてみろ、みこちゃんバズーカぁ!!!!!」
雷撃を飛ばすために姿を見せたはじめに向かい、みこはロボットの兵装を打ち出すトリガーを引く。
炸裂音と共に発射される爆発力を秘めた弾丸が、立ち尽くす初めに向かって放たれ――避けた為に当たらず、その後ろにあった巨大な装置に着弾。
大爆発。
「んにぁあああああ!? 何!? 何が起こった!? 爆発は良いけど電力が急に落ちたぞ!?」
今爆発したのは、発電装置。
兵器工廠の三分の一を稼働させていた、巨大発電装置が、その発電装置により給電されて動いていたロボットにより破壊された。
すなわち。
「いやぁあああ!!!! 動力が落ちたぁああああ! やべっ、今のうちにハッチ開けないと閉じ込められ……っっっ!? 開け! 開けよぉ! 開いてくれよぉ!」
コックピットから出るためのハッチを開けるボタンを押しても、反応しない。
なぜなら、通電していないから。
緊急脱出用のボタンを何度も何度も押しても、反応がない。
なぜなら、それを動かすための動力が沈黙しているから。
ガンガンズガンとコックピットの中で暴れてもどうしようもできない。
なぜなら、そのコックピットを十全に動かしていたはずの電力を供給していた発電機を、今自分でぶち壊したから。
「く、くそぉ! 如意棒ーーー!!! ひぎゃぁあ!!!! 爆発したぁあ!!!!!」
無理やり脱出すべく如意棒を伸ばしてハッチを押し、勢いを出すために"フレイム"の能力で生み出した小さい火の玉をハッチへぶつける。
当然、そんな事をすれば狭いコックピットの中で爆発が起きるのは自明のはずだが、さくらみこはそんな事を意に介さず火の玉を放ち、爆発に悲鳴を上げた。
「う、うぉぉぉお……。な、何とか出れたにぇ……! は、はじめたんは!? どこにいる!?」
強引に開けたハッチからまるでゾンビのように這い出しながら脱出したみこは、急いで立ち上がり周囲を警戒する。
今の間に隠れたのか、はじめの姿が見えない。
「はじめたんはどこに……っ! "マシーナリー"で兵器工廠の中の状況を……ああっ! ここ電気通ってない!? なんで!? みこが発電機壊しちゃったからか!? やべぇ! どこに行けばいいんだ!?」
近くにあったコンソールに触って兵器工廠内の画像を出そうとするも、電力が切れているため当然反応はない。
その現実に対して疑問からのセルフ突っ込みをこなしつつ、右往左往するさくらみこ。
半べそをかきながらまだ生きているコンソールを探すべく、明かりがついている方に向けて駆けだしていった。
【配信アーカイブ:『ホロライブJP最強王決定戦 敗者復活戦戦第一試合』よりさくらみこの視点切り抜きを再生しました】
【ご視聴いただきありがとうございました。またのご利用をお待ちしております】
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派手な自爆だった……
あれ、実はちゃんと番長が誘導してるんだよね
移動するときにちらりと周囲を確認してるから間違いない
轟はじめ:みこ先輩の砲撃でなんか重要そうな設備壊してもらおうと思ってました
さくらみこ:何も考えず気持ちよくなってぶっパしてました
流石番長、かしこい
さすがみこち、おばか
さくらみこ:ふざけんなよ! お前35Pじゃねーか! 名前覚えてるからな!
残当
仕方ない
みこちが悪い
さくらみこ:なんでだよぉー!
「いつも通りコメント欄にもみこ先輩が弄られておりますが、こちらはこちらで切り抜きの紹介を続けていきましょう。続いては敗者復活第三試合から、今も話題に出ていた番長の切り抜きです」
「これもダントツ一番ではじめちゃんが最後に試合を決めたシーンが票を取ってたね」
「まぁ、かっこよかったですからねぇ。それこそ劇場版の決戦、それも最後の最後の決めシーンで出てきそうな超必殺技でしたからね。この戦いを題材にした格闘ゲームなど作られようものなら、あれは確実に超必殺技として登録されそうな行動でございました」
「まーじでかっこよかったもんね。モーションから最後のキメポーズまで完璧だったと思うよ」
「では、そんな我らが番長の勇士、しかと目に焼き付けていただきましょう! それでは、どうぞ!」
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【配信アーカイブ:『ホロライブJP最強王決定戦 敗者復活戦戦第三試合』より轟はじめの視点切り抜きを再生します】
【これは響咲リオナの専用カメラより抽出して作成したハイライトです】
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「すぅー……ふぅー……はぁー……」
深く大きく、片膝立ちをしながら轟はじめは深呼吸を続ける。
待機の姿勢を"ダンサー"の能力で強化し、消費するMPより回復するMPの量を増やしていた。
戦いの盤面はすでに終盤。
視線の先では対戦相手である獅白ぼたんと響咲リオナが激しい近距離戦を繰り広げている。
「……大技、行くっきゃないかな」
自分のHPは残り半分くらい。
序盤戦、ぼたんが放った牽制の銃撃を避けたところに振ってきたリオナ(分身)からの攻撃を受けたところから、怒涛の攻防を経ての体力。
ぼたんとリオナのHPも半分を割り込み、決着の時が見えるくらいになってきた。
だからこそ、今フリーになっている自分が勝ち星をすべて奪うべく、準備を進める。
「MPフル回復完了。いくぞ、これがうちの、じぇんりょくじぇんかい……っ!」
立ち上がり、左足を前に出す。
腰を落とし、体を半身にしながら右拳を腰溜めに引き、広げた左手を前方に伸ばす。
息を吸って、吐く。
「……"神雷"ちークエンちゅ、かいち」
"サンダー"と"ダンサー"の能力を起動。
"ダンサー"によって構え自体がポーズとして強化されたことで、MPの回復量も増す。
消費を回復が上回る状況を作り上げながら、次に行うのは"サンダー"による砂鉄の掌握だ。
"サンダー"という電気を操る能力からの発想。すなわち、電磁力による鉄の操作。
……漫画読んでて良かったとこれほど思った事はなかったなぁ。
古今東西、電気を題材にした特殊能力は枚挙に暇がない。
つまり、参考にできる資料は大量に合った。
電気による身体能力強化、電気による攻撃、電気を操作することで発生する磁力をさらに操作していくなどなど、挙げていけばきりがない。
だからこそ、はじめはこの能力を選んだ。
自身に深く結ぶ突いたダンスを生かせる能力と、昔から好きだったサブカルの知識を使え、イメージがしやすい能力。
この能力を選んだ段階で、新しい発想を得るのと復讐を兼ねて、色々な作品を先輩たちから借りもした。
その集大成が、ここに、成る。
「電磁力発生、さてちゅ掌握完了、電力充電ひゃくにじゅっぱーしぇんと!」
昨日今日の二戦で、能力を己の手足として扱う感覚は掴みきっている。
主催者である博衣こよりにお願いをして、モーションやキーワードになるセリフも用意した。
準備は万端、覚悟も完了。
……いくぞ!
「はちれ! "鉄鞭拘束"!」
地面に浸透させていた雷撃が表に出る。
自分がいる場所からぼたん、リオナが戦っている周囲まで電撃を走らせ、その場に存在する砂鉄を完全掌握。
戦っていたぼたんとリオナの隙をついて拘束に成功する。
……リオナに砂鉄の支配権を奪われる前に決着をつける!
砂鉄の属性は、地面でもある。
すなわち、"アース"の効果範囲内だ。
今は"サンダー"の能力で操れているが、能力の属性的に支配力は"アース"の方が強い。
だから、ここからは速攻だ。
「お二人とも、これで決着をつけましゅからね! 行くぞ! ライトニングオーバー、能力上昇200パーセント! これが、はじめ最大の一撃……!」
身体に電力を充満させていく。
髪が逆立ち、身体からも紫電が立ち上る。
地面から天に向かって逆昇る雷の轟音で相手に冷静な思考をさせないようにしながら、力を込めて足を踏み出す。
……走る!
一歩目から最高速。
……飛ぶっ!
数歩で体を勢いに乗せ、"サンダー"の超過駆動により身体のデータそのものが雷と化す。
……吹っ飛ばす!
その後は、一瞬だ。
「うぉぉおおぉおおおおお!!!!! 名付けて――――」
雷鳴が轟く。
雷と化した身体で砂鉄により拘束した二人の身体を蹴り抜ける。
雷になれる制限時間が着地と同時に訪れ、生の肉体に戻りながら土煙を立てて地面を滑る。
「――――"神雷・閃華"!!!!」
叫びと同時、軌道に漂っていた雷が爆ぜ、爆音と雷光を走らせた。
「……これにて決着! はじめのしょーり!」
【配信アーカイブ:『ホロライブJP最強王決定戦 敗者復活戦戦第三試合』より轟はじめの視点切り抜きを再生しました】
【ご視聴いただきありがとうございました。またのご利用をお待ちしております】
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かっけぇ……
ししろんとリオナをぶち抜いて、ズササーっ、と砂埃を巻き上げながらヒーロー着地しての技名宣告
宣言と同時に背景で雷鳴と稲光の大爆発
こんなのもうそういう映像作品だろ
特撮というか、アニメというか
ド派手なシーンはこれまでもいっぱいあったけど、ここまで特殊効果に寄ったシーンはなかったから新鮮だったわ
轟はじめ:動きは昨日頑張って練習した!
SNSでこのシーンを練習するために特撮の必殺技シーン切り抜き集を何度も観てたってリリカがバラしてる
練習してこれができるのすげぇわ
「いやー、凄かったねぇ。このシーンだけ劇場版で見たいかも」
「とても派手な決め技でございましたと。これで切り抜きは終わりですが、今後ご要望が多かったら、そしてこより先輩に余裕があれば、他にも票をたくさん取ったシーンが切り抜きとして。投稿されるかもしれません」
「こればっかりは生データ持ってるのがこよちゃんだし、あんまりデータだけとはいえ外に出せないから辛い所だよね」
「最新技術の塊ですからねぇ。映像一つとっても生データを解析されてなにか情報抜かれたらこより先輩的に大打撃になるかもしれませんし」
「あ、ちなみに切り抜きはこれで最後なんだけど、あともう一つ動画があるよ。こよから貰ってるんだけど、レコは最後の方に流してほしいって言われてるからまた後でね」
「これは出場者の皆様にも知らされてない、そして私たちも詳細は知らないこより先輩提供の映像です。どんな映像が来るか、正直めっちゃくちゃ楽しみです」
「とはいえ、後でが良いという事なので最後の方に回します。次は、参加者によるステージ決め、その後に組み合わせ決めで、最後に流しましょう」
こよちゃんからの映像?
どんなのだろ、楽しみ
次はステージ決めかぁ
みんなどのステージを選ぶんだろ
今の所出てないのは樹海と都市の二つだっけ
確かそうなはず
お読みいただきありがとうございます。
一応、後編で書き終えてないのは今回のラストで書いてあるこよちゃんの送った映像部分だけなので、たぶん今週末には間に合う……はず?
今週こそ土曜日に書き終えたいところです。気長にお待ちください。