先週は色々忙しかったのとTGS遊びに行って体力的にいっぱいいっぱいだったので全然書き終わらず、一週間延ばしてしまいました。申し訳ない。
今回は舞台となってる世界の世界観説明会です。割と突貫で書いてしまったので、突っ込みどころ満載だとは思いますがフレーバー的な感じで一つよろしくお願いいたします。
【配信アーカイブ:『博衣勉強塾:幻想史編』を再生します】
「こんこよー! HOLOXのずのー! 博衣こよりだよー! 今日は不定期に行っているお勉強配信だよー」
こんこよー!
こよちゃんこんちゃー
こんこよー!
こんこよー!
ずのー!
ずのー!
お勉強の時間だー!
お勉強だー!
「そして今日助手くんたちと一緒にお勉強をしてくれるのはこちら!」
「しゅぴしゅわ~! すうの充電たりてる? FLOW GLOWのえらい宣伝担当、水宮枢です!! 今日はこより先輩からお勉強を教えてもらいに来ましたー! でもなんで水宮?」
「なんでだろうねぇ。枢ちゃんは心当たりないのかな?」
「ないですよ! ない決まってるじゃないですか! おいコメント欄! ないよなぁ!」
「はいはい、というわけで、今日はホロライブで一番の新人ちゃんたちから、おバカ担当の枢ちゃんに来てもらいましたー。本当はニコちゃんも呼ぶ予定だったんだけど、ちょっと体調崩しちゃったのでお休みです」
ストレートに言ったw
おバカ担当で草
すぅちゃんの圧助かる
ニコたんもおバカ枠だったか
二人ともこの間の通知表ヤバかったから……
とはいえ、歴史どうなんかね
二人とも歴史は苦手そう
歴史も、ではなく?
歴史も
「コメントらーん! 歴史も苦手そうってなんだよ! 確かに得意じゃないけどさぁー!」
「はいはい、コメントの皆と漫才してたら先に進まないから、進行していくからね? では、今日の授業は配信タイトルにもある通り、幻想史です! 昔は紀元前から近代中ごろまで、そして今はいわゆる第二次世界大戦末期から再び隆盛を極めつつある幻想の歴史について説明していきます。とはいうものの、大部分は近代の話だけどね。近代より前はどちらかというと神話学の方に近くなっていくからねぇ」
「はいはいこより先輩! まず幻想ってなんですか! 単語は知ってるけど正直よくわかってません!」
「はい枢ちゃん、わからないことをちゃんと聞けるのはえらい! というわけで、幻想に関してまず説明していこうか。幻想っていうのは、ざっくり言うと、"人族の科学で定義できないありとあらゆる存在"の事を指すよ。私たち獣人族を始めとした異族、魔法や異能といった、いわゆるファンタジーと呼ばれる存在が該当するね。ファンタジーって言葉自体が幻想の英訳だから、そのまんまって言えばそのまんまなんだけど」
「でも、なんで今の世の中に当たり前にある存在をわざわざ幻想だなんて言うんですか? 現実じゃないですか、むしろ」
「そうだね、そのあたりが今回説明する近代幻想史に関わるんだけど、コメントの助手くんたちはわかるかなー?」
日本だと明治維新あたりで一回消えたからね、幻想
世界各国だとあれだっけ、一神教が栄えた事で他の神話存在が消えて、それで神秘がメッチャ薄れたところで、産業革命が止めになって一神教系関係の神話存在も消えたんだっけ
そうね。神秘エネルギーから化石燃料への転換があったというか
あの時代、神秘エネルギーが効率的じゃないって事になってたから
神秘を操る能力って人依存だけど、化石燃料だと技術依存だから安定したんだよね……
不安定な神秘エネルギーからの脱却、ってスローガンで科学技術が推進されて、そのせいで神秘エネルギー必須の種族が忌避されて
後で獣人系の人たちの話からずっと隠れ里でひきこもってたってのは聞いた
で、そういう風に神秘エネルギーを扱う存在が表舞台から消えたから、神秘もそれに引っ張られて現実世界から無くなっちゃって
いつのころからか、神秘存在が完全にいなくなって、それらが物語の中にしかなくなっちゃったのよね
そこで、現実に対応する言葉として幻想って表現ができてんだよね
「ほへー、そうなんだぁ」
「ちなみにこの辺り、小学校高学年で触りくらいは勉強するから、枢ちゃんは小学生中学年以下であることが確定しましたー! ぱちぱちぱちー」
「こより先輩!? 水宮二十歳なんですけど!?」
「はいはいそーだねー、大人だねー。さて、皆が言ってくれた通り、欧州各国では産業革命をきっかけ……というかトドメとして、神秘は表舞台から一度完全に姿を消す事になったよ!」
「こより先輩みたいな獣人族もそこでぱったり姿を消すんでしたっけ?」
「そうそう。こよたちみたいな獣人族は神秘を吸収して体を動かす為に使ってるから、神秘の認知が減った現実世界だと燃費が悪くなっちゃったんだよね。コメントの皆が教えてくれたように、元々一神教が欧州各国の神話を駆逐し始めたあたりで、その当時の神話存在達は一回世界の舞台から姿を消すんだ。彼らも神秘っていうエネルギーで生きていて、その神秘は人類からの信仰で齎されていたんだけど、一神教のせいで進行が奪われて自分たちが存在できるだけの神秘が薄れちゃったんだよね」
「一神教が神秘を取っちゃったって事ですか」
「そうそう。そんな中で、まず神話存在達がそれぞれの隠れ里を作り、自分を信仰してくれる存在達と共に引きこもり始めちゃったわけ。現実世界だと居ずらいから当然なんだけどねー。それで隠れ里の作成と維持でがっつり神秘を持っていくもんだから、世界中から少しずつ神秘濃度が薄れていったんだ。神秘自体がより多い場所に移動していく性質を持ってるから、隠れ里方向に」
「そうなるとどうなるんです?」
「こよ達獣人族は、人間が生きるために獣の因子を神秘として取り込んだことで生まれた種族なんだけど、生きるのに神秘が必要なわけ。大体の獣人族はそれを自分たちへの恐怖とかで増幅して得ていたんだけど、どんどん足りなくなってね。神話存在が隠れ里に移り住んだ後、どんどん数を減らしていったんだ。神話存在と同じように隠れ里を作って引きこもる一族、人に化けて人に混ざって生きることを選んだ種族、人の混ざらず隠れ里にもこもらず現実世界に隠れ住む三つの一族に分かれていったんだ」
「こより先輩の一族はどれだったんですか?」
「こよたちの一族は人に化けて人の世界に混ざってた感じかな。今ホロライブにいる獣人の面々は大体人に混じって生きてきた一族の人たちだねぇ。唯一の例外はココ先輩だけど、ココ先輩はドラゴンなので、獣人族よりも全然前に神話存在と一緒に隠れ里行きだったみたい」
「なるほどー」
クロニーやカリオペみたいな神族や獣人でもフワモコみたいな魔界に済んでる一族もいたわけだしなぁ
ベーちゃんなんかも人里に紛れてた一族だって話だよね
かなたんは天界だし、トワ様はフワモコ達と同じように魔界だからなぁ
今はもうほとんど隠れ里って無くなったんだっけ?
あるけど、隠れ里っていうかオープンは異界って扱いになってる
新しく宗教も増えたしなぁ
一神教はズタズタになったけどね
まだ残ってはいるけど、神の実在証明がされちゃったからなぁ
まぁ、そのあたりはいろいろ危ないからここまでにしとこうぜ
「で、さっきも言った通り人里に紛れなず隠れ里に引きこもらなかった一族は、神秘を残していた山や森といった、人が"不思議なことが起こりやすい場所"として認識される為に神秘が集まりやすい場所で細々と暮らしてたんだけど」
「産業革命でそういった森なんかにスポットライトが当たってしまって、神秘の集まりが悪くなっちゃったと」
「そうだね。現世に残り続けてた異族の中で一番数が多かったのは獣人族だけど、それ意外の異族も神秘が足りなくなった事でもう絶滅することが目に見えたから、第一次産業革命期に欧州から逃げ出しちゃったんだ。行先は主に各地域の隠れ里。有名なところで言うと妖精圏の"影の国"、北欧の"ヴァルハラ"、中華の"仙界"などがあるね」
「日本はそういうの無いんですか?」
「日本の場合、有名どころで言うと"高天原"なんだけど、それ以外にも色々な場所に種々様々な隠れ里があるよ。さっき上げた有名どころの隠れ里は神話存在がいるだけに、入るのに強さって条件があるんだけど、大多数の異族はそれを満たせない人たちも多くて、世間の陰に隠れながらひっそりまだ神秘に溢れ幻想が残っている場所を目指して大移動を繰り返してたんだけど……」
それが日本だったと
第一次産業革命以降、欧州が世界を支配するにつれて一神教圏が広がって居場所無くなるからなぁ
その最果てがアジア圏なんだけど、アジアも欧州の手が伸びるじゃん?
中華は中華で実力主義が強すぎるのと、あそこの神秘関係って仙人が独占しちゃってるから、他から来た異族に合わなかったんだよね
それで、最後に流れ着いたのが江戸時代の日本なんだけど……
なんていうか、そのあたり神道の懐深い所が出ちゃったというか
日本の神道、仏教系が積極的に受け入れたんだよね
「まぁ、受け入れたは良いんですが人間種だけでも住める場所が少ないのが日本。なので神社仏閣に住まう神話存在が中心となって色々な場所に隠れ里を開いて、そこに外国から逃げてきた異族を住まわせたわけ。エルフや妖精みたいなイメージ草属性な種族は北海道と富士樹海をメインに、獣人種や吸血種などどこでも住めそうな種族は全国各地に、ドワーフや鉱物系の種族は信濃や九州などの鉱山系に、水生の種族は海や川に隠れ里が作られて……今もその名残で異属の皆様は結構住んでる場所が偏ってる種族もいるよ」
「フレア先輩の出身が北海道なのもそのあたりが理由なんですね」
「エルフの系譜だからねぇ」
「でも、多分そのころの時代って江戸時代あたりですよね? 日本って鎖国してなかったでしたっけ?」
「鎖国はしてたんだけど、異族たちの持つ諸外国の知識と技術を表の政府が欲しがったのと、神秘側も外の血と能力を欲しがったという利益の一致で受け入れたって話だよ。でもまぁ、一番はその時代の尊き御方から一声合ったんじゃないか、っていうのはまことしやかに言われてるよね」
「ああー、なるほど……」
公然の秘密らしい
一部の文献で、難民の受け入れ反対派がある日受け入れ容認に倣え右で考え換えたって記述が残っててだな
なお、同じタイミングで尊き御方が茶会を開いたという情報がちゃんと残ってる
参加者の記録は全員残ってるわけじゃないけど、政府や寺社の大御所は参加してたって情報はある
つまり、そういう事です
トップの意思がやはり大事
話が色々危ない危ない
「というわけで、そんな感じで日本は結構明治維新の前あたりは神秘も異族が溢れてたのね。元々神道的に異族に寛容なので、なんだかんだと共存を続けていたんだけど……。あの時代、欧州列強に対して日本が渡り合えていたのはこのおかげだって説もあるくらいだからね。で、まぁ、そのあたりで前置きは終わりになるんだけど、枢ちゃん大丈夫? ついて来れてる?」
「こ、こより先輩!? 水宮のことバカにし過ぎです! 全然大丈夫です! 先に進んじゃってください!」
「そう? じゃあガンガン進めるよ? そんなわけで、日本でも明治維新以降に欧州から文明開化の波が来て一時的に神秘が消えた……というか隠れたのね。それは欧州から幻想狩りをしてた、いわゆる異端審問官的な存在が日本にも来てたりしたからで、日清日露の戦争あたりまではほぼ完全に隠れ里に姿を消したんだよ。一部の人間種へ変身する能力を持った異族は表の世界でも過ごしてたけどそれは少数で……こよのサバンナやぼたん先輩のぎゃんぐたうんなんかはその流れで栄えた隠れ里だね」
「あれ故郷の隠語じゃなかったんですか!?」
「その地方にあったのは事実だけどねー。本格的な隠れ里だよ。いろはちゃんの風真の里もね。まぁ、それは置いといて。枢ちゃんは今みたいに神秘が再び世界に溢れるきっかけは知ってるかな?」
「えっと、あれですよね。合衆国が終戦の切り札として日本に落とした、幻子爆弾が原因で、長崎と広島に天界門と魔界門が開いちゃったんですよね」
「そう。合衆国は産業革命以降にできた国だから神秘についてあまり詳しくなかったんだけど、ある時神秘を生み出する幻子って物質を再発見しちゃた科学者がいたんだ。で、なんやかんやあって研究の成果として幻子爆弾を作っちゃったんだけど……。現座代打と幻子爆弾を作ったっていう罪の重さによりその存在世界そのものから消されちゃってるから、そういう人がいたってとこまでしかもうわからなくなってるんだけど」
これはガチ。名前も性別も記憶からも抹消されて、幻子爆弾が作られたっていう事実からそれの核になる幻子を再発見した誰かがいるって事だけがわかってる
それに気づいてその科学者について調べようとした人間が悉くおかしくなって変死するっていうね
下手に呼び名をつけようとしてもその呼び名自体がすぐ分からなくなるらしいよね
もはや都市伝説の域
リアル名前を呼んではいけないあの人。なお誰も名前も存在も知らないものとする
まぁ、知らなくても生きてけるからへーきへーき
「詳しい原理なんかは説明するとすっごく長くなるから置いておくとして、日本との戦争を終わらせようと幻子爆弾を作った挙句に日本に落としたんだけど……」
「あれ、水宮はよくわかってないんですけど、なんで天界門と魔界門開いちゃったんです?」
「ざっくり説明すると、幻子爆弾って幻子を圧縮濃縮爆散させて大量の神秘エネルギーを生み出すってモノなのね。神秘エネルギー事態が集まると熱量を持つからそれで破壊がまき散らされるって散弾なんだけど……。ここまでの説明の中で、隠れ里は神秘エネルギーを大量に作って作られたって話はしたよね?」
「しましたね。紀元前に存在した神話存在が大量の神秘を消費して隠れ里を作ったって」
「うん。つまり、神秘エネルギーって世界作れるんだよ」
「はい。そういう事になりますよね」
「隠れ里って、この世界とは別の、隣り合う次元に世界を作って、世界の壁を割って出入り口作って出入りするんだよ」
「はい、なるほど? そういう原理だったんですね」
「そうそう、つまり、神秘エネルギーって、大量に集まると結構簡単に世界に穴開けれるの」
「世界に、穴を開ける」
「で、そんな世界に穴を開けれるエネルギーが爆弾として投下されて、派手にどかーんって爆発したらどうなると思う?」
「そりゃ、穴が開きますよね、世界に。というか日本に」
「はい、大正解! 花丸を上げましょう」
「やったー! 花丸だー!」
凄い丁寧に丁寧に問題振るじゃん
小学生に対する小学校教師のやり口だ……
こんこよ、教えるの上手だよね
すぅちゃんも教わるの上手だわ
喜び方が小学生なんよ
でも二十歳だゾ
二十歳の幼女が花丸貰って喜ぶ……閃いた!
座ってろ
凄くわかりやすい説明で助かる
まぁ、爆弾で異界の扉が開くのはなんでだって言われれば確かにわからない点ではあるか
この辺りも、中学校や高校で習うんだけどな……
しっ、言っちゃだめ!
「というわけで、日本に落とされた幻子爆弾により、世界に穴が開きました。その結果、長崎では救いを求める意思が、広島では落とした相手への恨みが増幅させられて志向性を持っちゃったのね」
「あっ、つまり……」
「うん。救いを求める声にこたえて天界門が、憎しみの意思にこたえて魔界門が世界に空いた穴を修復するかのように生まれ、開いちゃったわけです」
「うわぁ……」
「ここで問題だったのが、開いた天界門と魔界門は一神教が示す所の展開と魔界ではなかったんだよ。全然別の世界で、天使族とそれを見守る神族がそれぞれの司る属性ごとに覇を競い合っている世界と、悪魔族って年がら年中戦争してるような戦闘種族がいる世界だったんだけど……この世界とつながったことで概念的に類似的な要素が流れ混んじゃったんだよね」
「そうなると、どうなるんですか?」
あ、そこは俺もよくわかってないから教えてほしい
天界と魔界につながっただけでも大概だったけど別の世界だったんか
そそう、一神教における天界と魔界じゃなかった
マジでただの異世界に繋がっただけだからな
それぞれの世界性質がこの世界の概念と結びついて一神教の天使と悪魔の概念が付与されたりしたんだっけ
それに加えて、こっちの隠れ里も混ざったりしたせいであっちの世界も変わっちゃったらしいってのは聞いたけど、よくわからん
何それ初耳
トワ様とかなたんのコラボ枠でそんな話を前にしてたで
だから強力な悪魔族と天使族は一神教の天使や悪魔の概念が混合しちゃって存在変わったらしいしな
マジかよ
メタトロンとか四大天使、ソロモンの悪魔が実在するようになったらしいからなぁ
「コメント欄の皆が説明してくれたけど、一神教とか、この世界における天使と悪魔あの概念があっちに混ざって、世界が変質したの。もちろんこちらの世界もあちら世界の概念が流れ込んできて、天使と悪魔――つまり神族や異族が当たり前のように存在できる世界に変わっちゃったわけ」
「あっ、つまり神様たちがひきこもる前の世界に戻っちゃったわけですね!」
「そうそう。天界も魔界も神秘エネルギーを凄く当たり前に運用していて、それこそ神話時代よりもよっぽど効率よく、よっぽど科学的に」
「へぇー!」
「ちなみに神話存在が作っていた隠れ里、それも日本のそれが天界に混ざっちゃったから色々な意味で酷いことになるんだけど……まぁ、それは今のところ置いとくね。関係ないので」
「き、気になるんですけど!」
「各世界の神話存在が作った隠れ里と天界が融和しちゃっただけだからセーフセーフ」
「あ、それだけなら魔界も同じだから普通か」
「うん、まぁ、そんな感じ。ただ、そういう感じの大混乱が三世界で起こるのと合わせて、天界と魔界が日本人の感情に感化されたのもあって、合衆国に攻め入って……。神秘が溢れたせいでひきこもってた日本神話の武神や異界にいた異族なんかも積極的に打って出たせいで合衆国はけっちょんけちょんにされて、結果和平を結ぶことになったりしたけど、そこを詳しくやろうとすると一枠じゃ足らないから今は置いとくね」
合衆国、形変わったからな……
その結果、今は異族が大量に闊歩する、異族の国々が集まった合衆国になってるわけで
世界中で一番異族と神族と人間族がごちゃ混ぜになった他種族国家になったよね
当時、元々最初の立国経緯から色々な差別が横行してたらしいけど、もう今そういうの無いしな
元々の現地住民が祭ってた神話存在も暴れたらしいしなぁ……
こよちゃんが置いとくって言うからそろそろやめようぜ
んだんだ、またそれ用の回で話してくれるじゃろ
「で、幻想史の話に戻るけど、天界、魔界と繋がったことで再び神秘が溢れたその事件と、その後に発生した世界各地で神話存在や異族、既存の人族間での紛争や国家再編などを丸々ひっくるめて、"神秘事変"っていうよ」
「あ、神秘事変は聞いたことある! たしか神秘事変で、人間にも異能力使える人たちが出てきたんですよね」
「そうそう。神秘エネルギーが世の中にあふれたことで、元々人間種族にも備わってた神秘器官が強制的に活性化したのね。それに耐えきれずに結構な世界人口が減ったんだけど、逆に耐えた人たちは種々様々な幻想を扱えるようになったりならなかったりしたの」
「まぁ、水宮も特に特殊能力使えないですしね。あれ、どういう基準で使えたり使えなかったりするんですか?」
「神秘事変からもうそろそろ百年近く経つけど、それがまだわかってないんだよね。ただ、明確にわかっているのは、神秘事変以降、明らかに人族の肉体スペックが上がってるんだ。だから、特殊能力として表出してないだけで、肉体強化って面で神秘を使ってるんじゃないかって言われてるよ」
「なるほどー」
「ちなみに、こよが持ってる能力みたいな異能力は、人族、異族問わず発現するよ。ただその発現率は神秘よりかそうじゃないかでだいぶ違うね。神族、天使族、悪魔族、吸血族、妖怪族、妖精族みたいな幻想寄りの種族は種族特性として異能力を持ってるけど、そこからさらに自分独自時の能力を持つ人も多いからね。かなたんとか、トワ様なんかは種族特性以外にも独自能力を持ってるタイプ。逆にココ先輩は種族特性だけのタイプだよ。少なくとも今のところは」
「能力って、後天的にゲットすることもあるんですか?」
「あるよー。というか、先天的に自分固有の能力を持ってる例の方が少ないんじゃないかな? たぶん。特殊能力って神秘器官が成長して幻想力……あ、生き物が使える自己由来の神秘エネルギーのことね? それがある程度自己生成できるようにならないと使えないし、覚えられないものだから。さっき言った種族特性を持ってる種族は生まれながらにして神秘器官が強いんだよね。でもそれはあくまで種族としてのベースだから、成長に合わせて当然神秘器官も成長するわけで」
「あー、だから成長しないと能力を得られないんですね」
だから異能力持ちは大体その人のパーソナリティーに由来する能力を持ってるって言われてるよね
一応分類学的には、継承型とか発現型、信仰型、寄生型とかに分類されてるらしいけど
今こよちゃんが説明してたのは発現型で、生まれながらは継承型が多いイメージ
でも獣人系はあんまり覚えないっては聞くよね、なんでなんだろ
身体能力の成長側に神秘が使われるからって前に何かで見た覚えがある
それ、三回くらい前のこよちゃんのお勉強配信では?
それだ!
異能力編だったよね。ホロメンで紹介してもいいよって許可もらった能力と自分の能力紹介してたやつ
課題をクリアしたらその分色々な能力が成長する能力、とか言われてこよちゃんらし過ぎて笑った覚えがあるわ
あと姫のルーナイト紹介能力とか、まつりちゃんのなんでも食べれる能力とかね
ござるさんの空中歩行とかも凄かったわ……
「話がだいぶ脱線したけど、神秘事変の後で世界が再編されておおよそ今の形になったわけだね。枢ちゃんは大体今の世界情勢ってどれくらい知ってる?」
「えー? 今の世界情勢って言うと……まず、さっき話題に出てた合衆国。多種族混合国家で、今は七つの種族が自治しているんでしたっけ?」
「そうだね。神族、魔人族、人族、獣人族、エルフ族、悪魔族、ドワーフ族の七氏族が王として新大陸の北側を七分割統治してるのが合衆国。他は?」
「中華がユーラシア大陸の大半を制していて、あそこは神族と仙人、人族が一大武術国家作ってますよね」
「奏でちゃんがあんなクソガキムーブしつつ、めっちゃくちゃ運動神経強いの、中華出身だからだもんね……」
「欧州は昔からある国家が大体そのまま残ってますけど、欧州地域連合っていうグループ作ってるのは知ってます! あと、凄く神話勢力が強いんですよね、確か」
「そうそう。欧州はさっきの話題でも出したけど神話存在の隠れ里、それもすっごくデカいのが何個かあって、それが表面に出てきたのもあって凄い事になってるね。ヴァルハラ、キャメロット、影の国、オリュンポス、ニブルヘイム……。それぞれが色々な国の裏側を取り仕切ってやべーことになってるよ! 能力至上主義的なところがあって、あそこもバチバチの戦闘地域だね」
「南新大陸やアフリカ大陸ってどうなってるんですか? あんまり詳しく知らないんですけど」
「南新大陸は獣人と幻獣の楽園になってるね。あそこは元々獣人族が凄く多い地域で、さっきの幻想史的に言うと日本に来なかった獣人や幻獣系や南新大陸に移動して生きてたってわかってるね。あとアフリカ大陸は北部のエジプト神話の神々が統治してて、南部が色々な精霊族の楽園になってるよ。実は二か所とも神秘事変時に大変質しちゃった地域でもあるね。神秘に過剰適応した人間種が大体精霊種と獣人種に変わっちゃってるんだ」
「ほへー。大変なことになってますねぇ」
他人事で草
神秘事変時はマジで大変だったらしいからな……
もうあの時代の出来事はだいぶ歴史になっちゃってるけどね
異族になって寿命伸びた人たちも多いから当時の話を知ってる人はだいぶ多いんだけど
逆に寿命がめっちゃくちゃ短くなった人たちもいるからなぁ
種族が変わったことで記憶や人格まで変わった人たちも相当いたらしいしね
まぁ、日本はあるいみ神秘事変の中心だったくせに世界的にみるとかなり混乱が少なかったらしいからな……
明治維新から百年たってないうちに神秘事変だったから、まだまだ幻想がなじみ深い人たちが多かったのもあるし
神様が身近すぎて凄くすんなり受け入れたらしいからな、当時に俺ら
「オーストラリアは逆に人族が中心だね。今ある国家だと神秘事変前後であんまり変わってない国家だよ」
「それはなんでなんです?」
「なんでかわからないけど、神秘事変時に変質しない人たちが多かったのと、あとあそこに隠れ里がほとんどなかったのが大きいかな。どちらかというとインドとかに凄くデカい隠れ里があったから、元々オーストラリア大陸にいた神族や異族は南アジアに吸収されちゃったみたいなんだ」
「ああ、それでもともと神秘が少なかったから、神秘事変時も影響が薄かったんですね」
「そうそう。今話題に出た南アジアはインド神話の影響がどでかくなったのと、後は長い間あの地域に広がっていた仏教や一神教の勢力が今も小競り合いを続けてる紛争地域だよ。出かける時は気を付けてね。東南アジア方面は落ち着いてるけど」
「ID勢の先輩方からたまにその辺のお話を聞いたりしますけど、そんなに情勢安定してるんですか?」
「まぁ、古代兵器のアーニャ先輩が普通に過ごせてる段階で安定してるねぇ」
「説得力しかない……!」
「日本は神秘事変時に開いた天界門、魔界門がまだ開いたままだから二つの世界への移動が気楽にできるのと、隠し里が高天原と繋がることで異界にもう一つの日本が生まれたので単純に土地が二倍に増えたのもあり、かなり盛り上がってる国だね」
「外歩いていると普通に妖怪や神様に会えますし、申請やパスポートは必要ですけど普通に天界や魔界に遊びに行けますもんね……」
「コメント欄の皆、日本勢が多いと思うんだけど、日本かなりおかしいからね? 日常的にこんな色んな異族と関係したり、神族が喫茶店でまったり過ごしてたりする国、他にないからね?」
うん、まぁ、うん……
日本は治安が安定過ぎててド平和なんだよな……
能力系も制限あるとはいえある程度自由に使えるし
犯罪に使うと、隠ぺいしようとしてもそのあたり見通す神様やら妖怪やらに察知されて獣人や武闘派人族がすっ飛んで来て逮捕されるし
大規模な異能力バトルみたいなのは制限されてるしなぁ
天界ツアーとか魔界ツアーって割と安く行けるもんな
言ったことあるけど、こっちの文化や概念があっちに行ってるし、何なら日本の文化に影響受けまくってるから凄く過ごしやすいで
移住可能だしなぁ
「あとは、忘れちゃいけないのが今こよたちが過ごしている電脳世界! 神秘事変の最中、三発目の幻子爆弾が事故で大爆発を起こした末に新しく生まれた世界で、この世界におけるビックバンが三発目の幻子爆弾だったって言われてるよ」
「電脳世界ってそんなタイミングで生まれたんですか!? っていうかそんな昔なの!?」
「昔って言っても近代だけどね。神秘事変開始の一くらい後だよ。電脳世界のワールドログ確認したから間違いないよ」
「わーるどろぐってなんですか?」
「世界そのものの行動履歴って奴だね。現実世界のワールドログは膨大過ぎて読むことができないけど、電脳世界はまだ若い世界だからワールドログ辿って世界の発生時期は特定してみたから間違いないよ」
「へー、そうなんですね。初めて知りました!」
「うん、こよも初めて言ったからね! どうなんだろ、世界で電脳世界のワールドログ調べた人どれくらいいるのかな? まぁ、さすがにこよだけって事はないと思うけど」
「でもそのわーるどろぐって、個人の行動記録も残るんですか?」
「残るけど見れないかなぁ。データ量が少なすぎて、それ以上に膨大なワールドデータによって押し流されちゃうからね。個別データを全部チェックしたりするのは現実的じゃないと思うよ。この先、よっぽど技術革新が起きないと無理」
「ふぅー、それならよかったです!」
今、こよちゃんが言った話って誰か知ってる?
知らない。ワールドログって何それこわい
ワールドログの観測したって断言したの、こよちゃんが世界で初めてじゃないの?
今、世界トレンドにワールドログが入ったんだけど
電脳世界の起源確定か!? って盛り上がってる
やべぇ、本職の人たちが反応し始めてんぞ、SNSで
うわぁ……
さすこよ(ドン引き
「電脳世界は入るのに資格というか、適性が必要な世界だよ。この世界がちゃんと認知され始めてから五十年たってないのもあって、有資格者は少ないね。資格も特に目に見えるものじゃないのと、あと電脳世界にアクセスするための設備がまだまだすっごく限られてるのもあって利用者は世界人口からするとほんの一部に限られてるかな」
「水宮達はそういう意味だと運がいいですよね」
「というより、日本がそのあたりは恵まれているというか、そこの技術最先端を行ってるからね。まぁ、そのあたり原因こよだけど」
「え? そうなんですか?」
「うん。そこの当たりの特許がこよの資金源の一つだからね!」
「改めてこより先輩ってやべぇ人なのでは……?」
「それほどで……うん? なんか呼び出し喰らってる。どうしたんだろ」
鷹嶺ルイ:博衣こよりさん、博衣こよりさん。配信止めてとっとと現実世界に戻ってきやがりなさい。マジで大変なことになったから
あっ
あっ
ルイルイから呼び出し来てて草
まぁ、うん、そりゃ、ねぇ……
今、大盛り上がりやで、ネット上
電脳世界のルーツ!? みたいな話題でバズってる
こよちゃん、爆弾発言だったみたいよ、さっきの
「あーれー? ワールドログへのアクセス履歴、ぼくの以外もあったから全然普通に認知されてるものだとばっかり……」
「大丈夫ですかこより先輩! なんか、水宮の携帯にも着信来てるんですけど! リオナから!」
「だめだね! じゃあ、なんか呼び出し受けちゃったから今日はここまで! みんなまた見に来てねー! 今日は見てくれたありがとうー! 枢ちゃんもありがとね!」
「こ、こちらこそ? ねぇ先輩! 大丈夫? このアーカイブ消えない? 大丈夫?」
「いったん配信終わったら非公開にしてちょっと色々確認して上げれそうなら公開しまーす! じゃあねー!」
おつこよー
おつこよー!
どたばたで草
これはしばらく大騒ぎやろなぁ……
うちらの博士はたまにこういうことする
たまにか……?
しょっちゅうかもしれない
【配信アーカイブ:『博衣勉強塾:幻想史編』の再生を終了します】
【閲覧いただきありがとうございました。またのご利用をお待ちしております】
お読みいただきありがとうございました。
次回は来週予定。たぶん。大丈夫だと思います。きっとめいびー。
準決勝第一試合にてお会いしましょう。間に合えば来週の土曜日に書きあがり次第投稿します。