今回から少し書き方を変更。あと使ってる特殊タグを増やしてみています。
読みづらいとか感想来たら直そうかな……。
ショッピングモールの駐車場。
大穴が一つ空いているそこで、二人の少女が対峙していた。
一人は沙花叉クロヱ。
秘密結社Holoxの掃除屋でインターン。鯱と人間のハーフである。
それに対峙するのは轟はじめ。ReGLOSSの番長。能力光である銀の輝きと紫電をパチパチと纏わせる、ダンシングガールである。
二人の目的は、進撃と足止め。
沙花叉クロヱの後ろに居るであろう博衣こよりを倒すべく、はじめは高い高い壁に対峙していた。
「はじめちゃんいっくよー? あんまり早くリタイヤしないでね?」
「負けないですよ沙花叉ちぇんぱい!」
「えー? 本当かなー? じゃあ……ちゃんと避けてね?」
「え?」
にっこりとした笑顔からすっと無表情に変わる沙花叉。
その落差に驚きの声を上げるはじめを尻目に、滑るような足捌きで沙花叉が彼我の距離を詰める。
……間合いが取れない!?
その動きに呼応してバックステップで距離をとろうとするはじめだが、それよりも素早い動きで距離を詰める沙花叉があっと言う間に懐に潜り込み、
「まず一つ」
「ひぎゃぁ!?」
一閃。
するりと滑るように腕が振るわれる。
逆手に持ったナイフの柄から伸びた刃が、咄嗟に身体をひねった番長の服を切り裂いた。
「二つ、三つ。ちゃんと沙花叉を捕らえないと、すぐに終わっちゃうよ、はじめちゃん」
二閃、三閃光。
逃げるはじめを追いかける沙花叉の踏み込みに合わせて振るわれる刃が、避ける始めの服を切り刻む。
「にゃんで?! はじめ、避けてる!?」
「なんでだろうねー? 避けてるけどねー?」
……おかしい!? 避けたはずなのに当たってる!
内心で叫び、追撃で放たれた四閃目を先ほどよりもわざと大ぶりな動きで避ける。
その中でも視線はずっと沙花叉が握っているナイフに向けられている。
どうして、確実に避けたナイフが服にとはいえ当たるのか。
見極め無ければ、勝てない。
「……伸びた!? そのナイフ、刃の長さを自由に操れるにょ!?」
伸長だ。
沙花叉がナイフを振るう瞬間、明らかに刃が伸びた。
一瞬だけ伸び、直ぐに元の長さに戻るのを確認したはじめは、衝動的に叫ぶ。
……ずるい!
「――"雷弾"!」
だから、自分も練習してきたノーモーションで出せる遠距離攻撃を放つ。
"サンダー"の能力で作る雷の弾丸だ。
文字通り雷速であるはずのソレをするりと躱した沙花叉が、踊るようにくるくるとターンを決めてはじめから距離をとる。
カツ、と靴音を立てながら止まってはじめを観るその顔は、満面の笑顔だ。
「あはは、だいせいかーい! こんこよ謹製の魔力刃生成兵装、"天涙"。このゲーム風に言うならMPを使って自在に刃を生み出す武器だよ。だからその長さも大きさも形状も自由自在! だ、か、ら――沙花叉の能力と合わせると、こんな事だってできちゃう」
ナイフの切先に、手のひらを添える。
「散って――"海物語"」
言葉と同時に勢いよく柄に向かって切先に添えた手のひらを降ろす沙花叉。
刃が手のひらを貫く様を幻視したはじめが思わず目をそらすも、想定した状況が起きず。
淡く光る、小さな魚が大量に舞った。
「……は? おしゃかな!?」
「散りゆく刃は魚の如く――"太刀魚"! いっけぇー! 魚群リーチだぁ!」
小さく、そして大量に生まれた光る魚。
それは全て刃だ。
魚の形をした刃が空を泳ぎ、想定外の事態に呆けるはじめに襲い掛かる。
「いちゃぁ!? このおしゃかな、切れるぅ!」
「さぁはじめちゃん、避けないとどんどんダメージが蓄積されてっちゃうよー?」
●
えっぐぅ……
千本桜やん、あんなの
最初のモーション劈烏やろ
というか、海物語ってパチンコだっけ?
たぶん?
やはりパチカス
スロットの方じゃないっけ、沙花叉
素人からするとどっちも似たようなもん
両方あるよ
『実際の所どうなんです、トワ先輩。何かご存じですか?』
『あぁー、沙花叉のあれ? いや、正直トワも全然知らないんだよね。だってあれ、ゲーム仕様になってるけどゲームに実装されてない能力だし』
『そうなんですよねぇ。だからこんこよに言われて解説しに来ましたよっと』
『うわぁっ!? 沙花叉先輩!?』
『クロヱ!? ビックしたじゃんかもう!』
『許してくださいってー。ってほら、言ってる間に場面がちょっと動きますよ。というかこんこよの映像邪魔ですね、小さくしましょ』
●
……数は来るけど、何とか捌ける!
どっしりと構えた初めが銀と紫の光を身体から迸らせながら腕を高速で動かしていた。
掌底受けだ。
手刀の形に構えた両手、その手首を外側に弾くような動きで魚刃を殴り、砕く。
"ダンサー"による構えの補正と"サンダー"による身体能力の加速を土台にした空手の技。
これまでの試合でも猛威を振るった轟はじめの戦闘スタイルだ。
……柔い!
うまく叩き落とせばそれだけで破壊を生む。
見かけの派手さと当たった時の鋭利さに怯えたが、沙花叉の言葉に応じて対処を始めたらあっさりと対応ができた。
……でも、なんで沙花叉先輩は急にそんなヒント言い出したんだろう。
疑問が浮かぶが、それ以上の考えを巡らせる暇もなく四方八方から刃が降り注ぐ。
それを必死で捌き続けるが、一向に減らない。
「……もう最初に出たぐらいの数壊してるのになんで続くにょ!?」
●
『沙花叉の"太刀魚"は神秘を……あの世界で言うところのMPを小魚状の刃にして出力してるわけですけど、あれ、結構脆いんですよね。要するに、神秘の塊ってだけなんで。だから――ああいう風に、簡単に壊せちゃうんですよね』
『うわぁ、番長が目にもとまらぬ動きで飛んでくる魚の側面を手の甲で弾き飛ばす!』
『クロヱの言う通り、はじめちゃんに殴り飛ばされた魚はすぐに光に帰ってるね』
『でも、結局あれはMPを"天涙"で変換して刃にしてるだけなんで、殴って消えたように見えてもすぐに再生させられるんですよね。大本は沙花叉の手の中にあるわけなんで』
『実質無限じゃねーか!』
『まぁ、壊されるたびに多少はMP部分が消費されていくから有限ですけど、このままだとこんこよが復活するまでは余裕で時間が稼げるんですよねぇ。そもそも、沙花叉の役割、足止めなわけで』
そういやそうじゃん
強敵登場の演出だったから忘れてた
そうか、沙花叉、こんこよが復活するまでの時間稼ぎできればいいのか
単純に手の数倍になるわけだしな
しかし、番長が全然それに気づく様子がない
事前のいろは殿と沙花叉のガチバトル見てるしな
あれすらも仕込みだった……?
こんこよずのーすぎんだろ
●
……とはいえ、時間稼ぎしてるだけなのもつまらないよね。
自身の攻撃を必死に躱し続ける後輩の姿を見ながら、沙花叉は思考した。
何せこれは、配信だ。
真剣な戦闘ではあっても、戦争ではない。
手段を択ばず、ただセメントに倒しにかかることもできなくはないし、このままのらりくらりと時間稼ぎをしてこよりがオーバードーズから復活するのを待ったっていい。
だが、それはだめだ。
沙花叉もはじめも配信者で、これは配信で行われている戦いだからだ。
勝つにしても、負けるにせよ、劇的でなければいけない。
面白くなければ、ならない。
……観客を楽しませてこその、エンターテイナーって奴だもんね! こんこよ!
やろうと思えば、博衣こよりに負けはない。
何せ、あれでHoloxの科学者なのだ。本当にただ勝つだけならば、一方的なウォーゲーム的に倒す事だってできるに違いないのだ。
それをやらないのは、やはりそれでは盛り上がらないからだろう。
なら、その博衣こよりの召喚された、沙花叉クロヱのやることは一つだ。
……思いっきり派手に、ぶちかまそう!
「こんこよ、歌うよ! 魂の歌を!」
宣言し、召喚のパスを通じて意思を送る。
瞬間に帰ってくる、了解の意思。
それににんまりと笑い、"牙香"にMPを通して棒手裏剣を生成。
投げる。
「だから、動かないとね、はじめちゃん!」
走る。
"天涙"に魔力を通し、次の刃を生成。
「伸びろ――"火刃鬼"!」
掛け声と合わせて腰だめに構えていた"天涙"を突き出すと、魔力刃が真っすぐに初めの胸部へ向かって伸びていく。
狙うのは心臓。
決まれば、これで終わりにできるほどの一撃だ。
当たれば、だが。
「そうだよねぇ! 雷速で動けるなら躱すよねぇ!」
●
『おおっと、時間稼ぎをしようとしていたはずの沙花叉先輩がここで前に出る! 掛け声に合わせてナイフの刃がものすごい速度で伸びていくぞぉ!』
『カジキ……カジキマグロ?』
『まぁ、元ネタはどちらかというとそっちですね。ものすごい速さで伸びる刃です。で、速度が乗るって事は空気との摩擦も生むわけでして』
『熱せられた刃は明確な実態を持たぬがゆえに火の属性を帯びる、と。焼き魚ですね、焼き魚。日本酒に合いそうです』
『いや、そんなのんびり話している余裕も……って、はじめちゃんが間一髪避けたね』
『咄嗟のサイドステップで体を横に動かし、脇の下を通す形で避けるとか曲芸じてんなー、と戦ってる最中に感心しましたよ、本当に。そのままうまい具合にテコ使って折られるし。強度そこまでないとわかっても思いきりますよねー』
実際曲芸
リアタイしてる時高速すぎて何が何だかわからなかった
沙花叉跳び出したら急に番長の脇になんか挟まってたし
あれ、ナイフの刃だったんか
直ぐに砕かれたからよくわからんかった
解説してくれるから何起こってるかようやくわかる
それな
……あれ? この沙花叉、沙花叉の意識宿ってたの?
『宿ってないよー。ただ思考レベルも完全に沙花叉なんで、あとで沙花叉の思考ログ見せてもらって、沙花叉の一人称視点見て、その経験をトレースしきったからそう言ってる感じかな。経験してないけど経験済みみたいな?』
『ちょっと何言ってるかトワわからないわ……』
『大丈夫です、らでんもわかりません。さて、ナイフの刃を砕かれた沙花叉先輩。しかし気にせず二度、三度と刃を生成しては伸ばして番長を突き刺しにかかります!』
『その間もはじめちゃんの周りに魚の形をした刃が舞い散るわけだから、相当気が気じゃないよね。さらにそれに混ぜて棒手裏剣も投げてたでしょ?』
『メインとしては時間稼ぎ、ワンチャン急所に攻撃当ててクリティカルで勝ちを拾おうとしてやってましたからねー。簡単に砕ける攻撃の中にそうそう簡単に砕けない攻撃を混ぜるのは基本ですよ、基本』
後から思考ログ見て一人称で疑似的に戦って経験をトレース……?
ちょっと何言ってるか理解できない
あーあーあれね、かんぜんにりかいした
出来てないだろ
沙花叉コピーに後から思考同調して経験をフィードバックしたのか
それ、単純に今後色々な行動に関する練習効率やばくねぇ……?
考え方の経験値は増やすことができるわけだからね
こわぁ
『怖くない怖くないよー? 沙花叉は普通だよー? 普通じゃないのはこんこよだけだよー?』
『絶対嘘ですよね、それ』
『Holoxは全員やべー奴らだって、この間魔界に里帰りした時も話題になってたしな……。と、そのやべー奴らってのの理由がそろそろ出るかな』
『タイミング的にそうですけど……え? そんな風に噂になってるんです? 沙花叉たち』
『これからお前がやらかす事で、さらに知名度上がっただろうけどな』
●
目の前にいる相手から展開される高速攻撃。
それに相対するはじめは、汗だくになりながらその攻撃を捌いていた。
……攻撃が尽きない!
自身への強化に使っているのもあり、じりじりとMPが削れていく。
息をつく暇がない。回避行動に使う"ダンサー"によるMPの消費継続が厳しい。
効果を発揮するのを動作の一瞬に限定してオフオンするスキルをこの攻防中に覚えるくらいには、厳しい。
……オフオンオフオンオフオンオフオフオンオン! 忙しない!
"ダンサー"と"サンダー"の連携させる部位を限定。
行動の起こりにのみ"サンダー"で強化を行い、動作の始めと終わりに"ダンサー"で強化を行う。
現実だったら既に腕も足もちぎれてるんじゃないかと思う急制動を繰り返しながら、動作一つ一つを最適化していく。
「んにゃぁあああああ!!!!!!」
叫ぶ。
気合いだ。
斜め上から切りかかってくる魚刃を振り上げた拳で迎撃。
その動作で体を横に振り、正面から伸びる刃の側面を逆の手で掌底。
反動で体を回しながら紫電を迸らせ、雷撃をばら撒いて周囲の魚刃を破壊。
跳躍。
伸びてくる刃の峰に指先を置いて軸とし、体を振り下ろして膝で側面からナイフの刃を破壊。
それらの動作を一秒以内にこなす高速戦闘の中、ふと攻撃の圧が急激に緩んだことを感じとる。
……何か、来る!
だというのに。
はじめの直観が、この大会で得た危機への察知能力が、気を抜くなと煩いほどに叫んでいる。
"ここに我が身を示す歌を一つ、我が身に宿る神へと捧ぐ"
歌だ。
ナイフの柄から溢れる魚刃を周囲に展開させて躍らせながら、沙花叉クロヱが朗々と歌っている。
"陰に隠れて生きてきた
闇に潜んで生きてきた"
それは魂の詩だ。
誰でもない、自分を語る、沙花叉クロヱの唄だ。
"ゴミに塗れて逃げて逃れ、誰にも触れずに触れられず
仮面をつけて猫をかぶり、まともなふりして過ごしてた"
止めなければいけない。
あれを、完成させてはいけない。
最大音量で鳴り響く危険を告げるアラートに、とっさに"サンダー"で電撃の弾丸を放つ。
だが、それも。
……弾かれる!?
沙花叉の周囲で回る魚刃が盾となって散らす。
近づけはしない。なぜならまだ周囲に魚刃が待って連撃を仕掛けてくるから。
遠距離攻撃もできない。なぜなら"アース"も"ウインド"もとっさに遠距離攻撃を出せるほどの練度がないから。
だから、これはある意味で積みなのかもしれない。
"恥ずかしくないのかと誰かが問うた――――知るかクソボケ黙ってみてろ!
逃げ続けるのかと誰かが嗤う――――逃げるが勝ちって知らねぇか!?
それでいいかと私が啼いて――――これが私と私が叫ぶ!!"
沙花叉クロヱが己を歌う。
これが私と高らかに歌いあげる。
それが何を生むのか、神ならぬ轟はじめにはわからない。
でも。
あの歌が終わった時、きっとはじめは負ける。
「……そんなの、許つぇねぇよなぁ!」
強がりだ。
だが、その言も、やってのければ真実だ。
「――――"発雷"!!」
一瞬の為。その後に身体全体から雷撃を周囲へ迸らせ、自分へ襲い掛かる魚刃を破壊。
膝を撓ませ、後方に大跳躍。着地と同時にクラウチングスタートのスタイルを取りながら"ダンサー"によるMPの回復を行う。
その姿勢は、"溜め"のポーズだ。
全速力を生むための始動。
息を整え、心を凪がせ、スタートを告げる合図とともに瞬時に全力を出すための構え。
それを"ダンサー"が補強し、高速のMP回復と最低限のMP消費で"サンダー"による脚部を集中した全身の強化を行う。
……勝負は、一瞬! ここで、決める!
歯を食いしばり、目を見開いて、高らかに歌いあげる沙花叉に狙いを定める。
"偽りだらけの世の中で、自分を偽り生きていく
嘘も貫きゃ真実と、泣いて笑ってぶちかます
生き死にすらも偽って、私は私の道を行く――――"
「"雷神・顕現――――"」
想定するのは一番槍。
己を雷の槍と化して、クラウチングスタートから一直線に走り寄って飛び蹴り。
絶対に逃がさない。避けさせない。
轟はじめ最大最速を目指す一撃で、沙花叉クロヱの謀諸共ぶち抜く。
……行きますよ、沙花叉"さん"!
気分だけでも対等に。
意識だけでも同等に。
"神威奏上――――"
一瞬必殺是非も無し。
奔り貫け滅紫の雷。
"溶けて交わり歪んで魅せろ――【
……行くぞ!
「"――――布都御魂剣"!!!!」
行った。
●
『やっばぁ……。怪獣決戦ここに極まれり、だわ。映像だとはじめちゃんが袈裟懸けにぶった切られてて光が散ってるね。あと沙花叉は光になって消えてってる。画面上では一応はじめちゃんの勝利かな?』
『番長の放った"布都御魂剣"、これは記紀に現れる神格、武神とも雷神ともいわれる武御雷神が使っていたとされる神剣の名前なわけですが、何かカッコいい雷にまつわる武器の名前を教えてくれと言われてらでんが教えました。使ってくれて感無量です』
『いや、ゲームだからいいんだけど、これはじめちゃんがリアルで使えるようになったらいろはちゃんと同レベルまで危険度跳ね上がる一撃だったかんね……? 沙花叉だからギリギリ避けれたけど、普通だったら一発で消し飛ぶからね?』
『って、あれ沙花叉先輩避けれたんですか!?』
『うん、避けた避けた。ギリギリ魂歌絶唱が間に合って、一瞬とはいえ能力の超過駆動させれたからねー』
『というか、それだよそれ。沙花叉お前、魂歌絶唱に至ってるの、こんなところで公開してよかったの? あれ、割と大事な情報だけど』
『全然大丈夫ですよー。知ってる人は知ってますし。なんならみんなから許可をもらってるので言いますけど、Holoxだと沙花叉といろはちゃんしか使えないので安心してくださいねー? 見ている関係者の方々ー?』
『ええと、お二人で納得された上に画面の先にいるどなたかを絶好調に煽ってらっしゃるところ申し訳ないのですが、魂歌絶唱とはいったいなんなんでしょう。あとらでんと同じように超人同士の高速戦闘で何が起こったかわかってない皆々様、ご安心ください。この後何が起こったのかの超スロー映像が出ます。超スローといいながら全くスローじゃない映像ですが、これでも超スローです。ご安心ください、あなたの配信は正常です』
やべぇ、かっけぇんだが
リアタイしてた時も震えたけど、改めて見ると震える
よくわからないまま展開が進んでるんだけど、これどうなんだ
画面上だと、轟音と滅茶苦茶な光が出た後、沙花叉が消えて番長が袈裟懸けに斬られてるわけですが
解説の人ー! マジで何があったんだー!
魂歌絶唱、イズ、何
なんかバチクソかっこいい詠唱してたけど
あ、超スロー映像出してくれるってさ
スロー映像に合わせて解説してくれるみたい
魂歌絶唱についても教えてくれるみたい
というかいろはちゃんも使えるんか、同じようなの
『あ、出ましたね。番長が"布都御魂剣"と叫んで、クラウチングスタートを決めたところですね。超スローだっていうのに、普通の世界陸上を観ている気分になる速度です。まぁ、そりゃ雷速だから仕方ないですけれども。さて画面上では番長のキリリとしたイケメンフェイスが雷に照らされております。いやぁ、かっこいいですねぇ。青くんもかくやという感じのイケメン度ですね』
『青くんと比べるのは青くんが面白いイケメンだからバトル中のはじめちゃんとジャンルが違くない?』
『青くんの話してると話が先に進まなくなりそうなので、とりあえず映像に話を戻しますけどー。はじめちゃんが全力疾走しているなか、沙花叉は魂歌絶唱で沙花叉の能力、"イミテーション・ミミック"を超過駆動させたわけですけど……。実はこの時点で沙花叉、消えかけてます』
『そうなん?』
『ええ。画面端に置いてあったこんこよの画像を見てもらうとわかるんですけど、"イーター"で回復したHP、またMPに変えて残りがミリになるくらい吹き飛ばした挙句、そのMPも一瞬で枯渇してるんですよね。テンションに任せてゲーム内で魂歌絶唱なんてしたもんだから、MPリソース全く足りなくてですね……』
『こより瀕死で草』
『でもまぁ、ちゃんと考えてはいたんですよ? だから戦闘中も"天涙"で魚刃って形でMPばら撒いて少しでもMP消費抑えるための儀式場を作ってましたし、はじめちゃんがまとめて吹き飛ばすのに合わせて刃を解除してMPに戻して回収して使いましたし。それでもギリギリでしたけど』
『今のお話からすると、魂歌絶唱とやらは大量にMP……現実で言うと神秘を消費する技という事ですね。そしてMPを限界まで使ったので沙花叉先輩を形作るMPも消し飛んだと』
『そうそう。だから実際この攻防、はじめちゃんが超短期決戦挑んでくれて助かったよねー。じゃなかったらなんかイタい詠唱かました挙句光となって消えてったネタ枠になるところだったわ』
『魂歌絶唱はねー。うーん、これこんな配信上で解説していい話なのかは凄く悩むというか躊躇うんだけどー。すっごく簡単に言うと、超必殺技というか。異能力持ちの人たちが自分の能力を一段上に上げるための技というか技術というか』
『異能力って、ざっくり言うと自分の魂から湧き出る能力なんですよ。そして自身の魂に向けて、自身の生き様や思いのたけを歌として詠んで奉納することで、魂の中にいる神様をより強く顕現させる。魂の歌を叫び歌うので、魂歌絶唱。だから詠唱に含まれるんですよ。"ここに我が身を示す歌を一つ、我が身に宿る神へと捧ぐ"。そして神の威を引き出すために請い願い、そのための力ある言葉で結ぶ。ゆえに"神威奏上"ってね』
『かなり難しい事をおっしゃってますが、ここでらでんみたくよくわかってない人向けに簡単なたとえで一つ表現をお願いします』
『BLEACHで言うところの卍解、キン肉マンで言うところの火事場のクソ力、シャーマンキングで言うところのオーバーソウル、呪術廻戦で言うところ領域展開かな。要するに必殺技だよ必殺技。ただの技じゃなくて、必ず殺す技と書いて必殺技』
『ちったぁ伏字にしろぉ!? コンプラ的に色々あぶねぇだろ!』
『声で伏字にするってそんなご無体な!?』
『えー、皆さま大変申し訳ございませんでした。あくまでイメージですイメージ、既存の作品を毀損する意図は毛頭ございませんので悪しからず。とはいえ、必殺技ですか。先ほど沙花叉先輩は超過駆動とおっしゃっていましたが』
『いったーい。トワ様にどつかれたぁ……。あとでこんこよとラプラスに自慢しよっと』
『どうしてそれが自慢になんねん』
『どうしてでしょうねー? まぁ、それは置いておいて。らでんちゃんの疑問に答えると、要するに、魂歌絶唱って自分の異能で出来る範囲を強化拡張する技術なんだよ。沙花叉の"イミテーション・ミミック"は沙花叉の身体を自在に変身させることができる能力なんだけど、その変身ってあくまで個体であることが今の限界なんだけど、魂歌絶唱して能力を拡張することで個体以外……今回で言うなら、空間に擬態することではじめちゃんの攻撃を透かしたのね』
……どういう事だってばよ
見てれば分かるんじゃね?
突っ込んでいった番長が飛び蹴りした
なんか神々しい光を背負った沙花叉に蹴りがぶちあたるぞ!
あれ、消えた?
沙花叉の身体が一瞬ぶれたと思ったら消えて、番長の進行方向に腕が浮かんでる?
なにあれ、幽霊? 腕が浮いて動いてる
心霊現象かよ
『間合いに入り込んだ番長が沙花叉先輩をしとめるべく飛び蹴りを放つ! しかし沙花叉先輩の身体が消えていきました!』
『あー、そういう事。あの場の空間そのものに変身したから、空間に対する攻撃力を持たないはじめちゃんの攻撃が通らなかったのか』
『ですです。これがいろはちゃんみたいに次元を斬るなんてバカみたいな攻撃持ってたら話は別だったんですけど、はじめちゃんはそんな技持ってないので。あくまで雷と身体能力強化によるごり押しですしね。まぁ、"ダンサー"で自分の攻撃に対して"攻撃を当てる"という概念を強く補強してたら当たったかもしれないですけど、初見でそこまですることなんてまず無理ですし』
『……つまり、空間に化けたからその後の姿勢や現れ方も自由自在というわけですか。だから急に番長の進行方向から腕とナイフだけが表れて番長の飛び蹴りに合わせて袈裟斬りにしたと』
『そーいうーことー。ただまぁ、本当ならばっさりと斬るつもりだったんだけど、MP使いすぎて"天涙"の刃が全然伸ばせなくてですね』
『それでぎりぎり致命傷を避けれたってわけかぁ』
『ですです。とはいえ、その小さい刃を作り出すのと、空間に擬態するなんて大技ぶっパしたことで沙花叉を形作っていたこんこよのMPもそこを突きました。実際、これでこんこよは大ピンチになるわけですけど、MPも枯渇して"イーター"のオーバードーズからも回復出来てないので詰みです。なのでちょっとこんこよの映像はいったん消して、はじめちゃん視点だけで再開しましょう』
『なんでお前が仕切ってんねん! それトワ達のセリフやぞ!』
『どうどうトワ様。落ち着いてください。ではスロー再生を終わらせて、決着の所からスタートです』
●
「……勝っ、た?」
「そうだねぇ。はじめちゃんの勝ちだねぇ。沙花叉、もう消えるだけだし」
自身のHPはもう二割もない。
MPも、今の攻防でほぼすっからかんである。
自分の飛び蹴りに対してカウンターで振るわれた刃は移動速度による作用で深いダメージを与えてきたが、刃の長さが極端に短かったおかげでギリギリ致命傷にならずに済んでいた。
脇腹から腰まで斜めに斬られたことで白い肌をした腹部が晒されており、服が斬られたラインに合わせてダメージ表現の光が舞っている。
……あっぶなかったぁ。はじめ、ぎりぎりだった
だが、普通に日本の足で立ち上がれる。まだ歩けるし、戦える。
これが現実だったら大量出血でどうしようもなかったかもしれないが、ここはゲーム世界。なら、HPが吹き飛ぶまでは戦える。
「沙花叉さんは……MP切れでしゅか」
「そうだねー。さっきの魂歌絶唱でこんこよの残りHPのほとんどとMPを全部使いきっちゃったし、もうこれで終わりかな。あー、楽しかった。やっぱいいよね、テンションに任せて何も気にせず必殺技ぶっぱするの。気持ちよくなーい? 沙花叉はめちょ気持ちよかった!」
「そりゃー、はじめも必殺技ぶっパするの気持ちよかったでしゅけど……って、こよりさん今そんなに瀕死なにょ!?」
「あー、うん。たぶん小突けば終わるよ、もう。"イーター"で食べ過ぎたせいで、今自発的に行動することできなくなってるし。今のうちに急いであそこの警備室に突入したら勝てるんじゃないかな?」
たぶんだけどね、と笑いながら、沙花叉が光となって消える。
召喚を維持していたMP切れだ。
「勝ったの……? あ、でも違う、こよりさん倒さないとはじめの勝ちにならない」
散々に振り回された後の、短い時間だったとはいえリソースの大半を使わされた決闘。
それに勝利指摘を緩ませたはじめだったが、最後に沙花叉が残した言葉を思い出し、重い足を動かして目の前のショッピングモールへと入っていく。
「こよりさーん、どこでしゅかー。えっと、マップマップ……ここか」
店内を歩きながら、まずはバックヤードへ移動。店内のマップを表示させ、近くにあった内線用の電話機から店内のシステムをジャックし、三階にある警備室の場所を特定。
真っすぐその場所に向かいながらも、注意は物陰などにも向けられている。
……絶対、何か仕掛けてるもん、こよりさん
それは確定事項だ。
博衣こよりが、籠城する拠点に何もしかけていないはずがない。
ただでさえここまで来るのに散々妨害されたのだ。
だからはじめは、少しずつ慎重に進んでいく。
「……何もなかった?」
そうして進んでいくと、何も起こらないまま三階までたどり着いた。
無人の店舗内は酷く静かで、落ち着いている。
ところどころにこよりの助手くんが力なく落ちているが、動く気配がまるでない。
てっきり、どこかのタイミングで動き出して攻撃すると読んでいたのに、動かない。
思い出したかのように目が光ったりするびっくり仕掛けとしての役割しか果たしていない。
……なんで?
おかしい。
ここから、警備室までの間に罠が張ってあるのだろうか。
警戒心を上げ、はじめは歩を進める。
何かがあった時とっさに動けるように少ないMPをわずかに使いながら"サンダー"で知覚能力と身体能力にバフをかける。
●
『番長、バリバリに警戒してて草』
『いやでも、わかるよ? あのこよりが侵攻ルートに何もしかけてないなんて思わんやん』
『実際、普通なら仕掛けるんですけどー。よく考えてくださいね? 配置的にこの警備室ってなんでかわからないけど三階の角部屋寄りなのと、なんでかわからないけどこの建物階段が中央にしかないので、こんこよの逃走ルートとはじめちゃんの侵攻ルートってほぼ同じなんですよ。だから、そりゃー、いざ逃げるってなった時に罠満載にしとくのかって話が合ってですね』
確かに構造的にそうなるか
でも逃げること考えてなかったら仕掛けるやん?
あれ、つまりこれ、こんこよ逃げた?
でも決着つくまでちゃんとモニタ内に腹突き出してあおむけになりながらぶっ倒れてるこよちゃんおったで
あれ、でもリアルタイムの画像は?
さっき沙花叉が消した
……おやおや?
これはやったな沙花叉!
●
「……着いちゃった」
しかし、何も起きない。
目的地だった警備室の前に到着。
あとは扉を開いて中にいるこよりに攻撃を当てればそれで終わる。
……本当に?
疑問が浮かぶが、ここまで来たからには躊躇うわけにもいかない。
深呼吸。
心を落ち着かせ、"サンダー"の出力を上げてバフを強める。
「なしぇばなる! こよりさん、はじめが来ましたよ! 勝負……だ?」
無人。
誰もいない。
警備室で映し出されている複数のモニタには、警備室の入口で立ち尽くすはじめの姿が映し出されている。
「……いない? こよりさん、どこ!?」
「はーい、はじめちゃん、こんこよー! 博衣こよりだよー! 今日はー、こよが作った実験会場へようこそー! こよは、もうへろへろなので、一足先に実験会場からはおさらばして、今はもうショッピングモールの外でもふこよに埋まりながらくつろいでまーす!」
モニタたちの表示が一斉に切り替わり、合計16個のモニタを使って一つの映像が映し出される。
もふこよたちに埋まりながら、どこかに運搬されている博衣こよりだ。
そこは明らかに屋外で、透明な輿に敷き詰めれたもふこよ達の上に寝そべって運ばれている。
輿の下には複数のこよりの助手くん達がおり、輿を持ち上げながら移動している。
「あぁあーーーー!!! ず、ずるい! こよりさん、ずるい! そんなのずるだ! もふこよ布団気持ちよさそう!」
●
番長そこかよ
確かにあれは気持ちよさそうだけれども
こんこよちゃっかり脱出してて草
これ、リアタイでこよちゃんの方見てたけど、沙花叉が大技使うと判断した瞬間に助手くんたち呼んでこの輿作ってたからな
ちなみに、沙花叉との戦いが決着ついたあたりで番長が向かった出入り口の反対あたりで待機してたゾ
で、番長が移動するのを助手くん通して監視してた
あのところどころで目が光ってた助手くんはそのための配置か……
外に出て、番長が落ちた落とし穴からもふこよたちが上がってきて今の状態になるというね
もふこよベッド気持ちよさそう
風真いろは:こんこよ、頼んだらござる用にもふこよベッド作ってくれないかな……
いろは殿もよう見とる
『実際、沙花叉が魂歌絶唱するとテンションで決めた時に、こんこよにそれを召喚パスで宣言したわけですけど』
『ふんふん』
『その時点で、沙花叉が勝てなかったら番長が警備室まで素通りして瀕死のこんこよを小突いて終わりなのは目に見えてたわけですよ』
『なるほどなるほど』
『あー、だから自分は激闘の間にこっそり脱出していたと。あれ、でも決着つくまでこより、警備室におったやん。映像残ってたやん』
『いえいえ、ちゃんと移動してましたよ。あれ、移動が終わった後の一階警備室です。それに気づきづらくするためにわざと画面小さくしてたわけですし』
『……は?』
『こうして配信で同時視聴するにあたって、この後の展開を観れちゃうのはつまらないかなー? と思いまして。決着つくまではショッピングモールの中ですけど、バックヤードは薄暗いん画像小っちゃくして見栄えのある戦闘シーン見せてればバレないかなー、と思いまして』
『なるほど。だから割と最初の方にこより先輩の画像を小さくして、さらに決着の所でこより先輩側の映像を消したと。魅せ方が流石ですね、沙花叉先輩』
『でしょー? もっと褒めてくれたっていいよー? ねぇ、ほら、トワ様も誉めてくれていいんですよ?』
『うざっ』
『なんでー!?』
●
「いずれにせよこれでチェックメイトかな、はじめちゃん。そこはもう逃げられないよ?」
「え?」
バタン、と音がして扉が閉まる。
慌てて振り返ったはじめは、入った時に開いたままにしていた扉が閉まっているのと、扉の前でちょこんと座っているこよりの助手くんが目に入った。
「助手くんさん!? やめちぇ! 閉じ込めないで!」
「と、いうわけで、これまで見てくれた真っす組の皆様、こよの配信を観てくれていた助手くん達、そしてホロリスの皆様! ホロライブJP最強王決定戦準決勝第一試合、ご視聴いただきありがとうございましたー!」
「まっちぇ!? 勝手に締めないで!?」
「それじゃあ皆さまご一緒に!」
……窓!!
"サンダー"で自己強化をしつつ窓を突き破って脱出すれば逃げられる。
瞬時に判断して脱出口になりえる窓をみたはじめは見た。
こよりの助手くんだ。
さっきまでそこにいなかったはずのこよりの助手くんが、窓の淵に座って発光している。
……ドア!!
あれは危ない。
試合を通じて磨かれた直観がこよりの助手くんを攻撃した瞬間に敗北が決まる事を導き出し、次に見るのは入ってきたドアだ。
だがそこにも当然のようにこよりの助手くんが座り、内側から発光を始めていた。
……どこならいける!?
行けない。
壁際も、窓も、扉も、画面が配置されたところにも光るこよりの助手くんがおり、逃げ場がない。
となると、残りは。
「――――床ぁ!?」
"サンダー"で自己強化。同時に"ダンサー"で行動にバフを乗せる。
放つのは打ち下ろしの正拳突き。
自身が立つ床に思いっきり強化された拳を叩きつけ、その一撃で床を崩壊させる。
落下。
身体が重力に従って落ちるのを感じながら、つけるのは逃げる算段だ。
……着地と同時に壁を抜いて外に飛び出れば、まだ負けない!
だからまずは着地をしっかりと決める事。
なのではじめは落下する先を見据えるべく下を向き。
見た。
「助手くんさんたちがいっぱいぃぃぃぃぃいい!!!!!????」
二階の警備室で光り輝く、こよりの助手くん達。
「なんでも爆解決!? こよりちゃん!」
「爆発オチなんてサイテー!!!!!!」
【配信アーカイブ:『ホロライブJP最強王決定戦 準決勝第一試合』の『博衣こより枠』および『轟はじめ枠』の再生を終了します】
-------------------
うわぁ……。
光り輝く助手くん達が大爆発していくぅ……
番長VS沙花叉あたりから見てたんだけど助手くんって爆発するの?
する
派手にする
たぶん、今回は決着用にことさら派手にしてる
きたねぇ花火だぜ……
それだと助手くんが汚くなるけどよろしいか
まぁ、綺麗かと言われると……
博衣こより:この爆破で浄化したからきっと大丈夫! 助手くんは綺麗だよ!
汚かったことは否定されてなくて草
『ま、まぁ、そういうわけで、番長の悲鳴を最後に大爆発! 哀れ番長は星になりましたとさ、というわけで! ホロライブJP最強王決定戦、準決勝第一試合! 勝者は! 博衣こよりぃぃぃぃ!!!!!!!』
『あんだけ白熱した戦いの後で、最後がこの爆発オチでいいのかこより! ラプラス泣いてんぞ!』
『ちなみにこの試合Holox一同でリアタイしてましたけど、ラプラスげっらげら爆笑してましたけどね』
『おそらく、これはらでんの予想というか想像なんですけど、ちゃんと番長の事哀れんだのルイ先輩といろは先輩だけですよね? 沙花叉先輩も爆笑してらっしゃいましたよね?』
『まぁ、うん。こんこよ爆発被害者友の会代表としては新たな犠牲者に哀悼の意をささげて爆笑してあげないといけないかな、って……』
『なんだよその会。解散しちまえ!』
『まぁまぁ、お二人とも落ち着いて。そろそろ締めますよ。というわけで、決勝に進む一枠はこより先輩が埋め、三位決定戦に番長が進んだわけですが、お二人としてはこの時点である程度全体の勝敗って読めてました?』
『いやぁ、トワは全然かな。ただ沙花叉が魂歌絶唱やらかしてたから、同レベルだろうこよりの優勝確率はあがったかなー、という感じ。ただスバルちゃんもミオちゃんもこれまでの戦い観てるとやっぱり強いから、戦闘能力で見た時にこよりはイマイチじゃない? だから勝ち上がってくる相手と、ステージ次第だろうなぁって思ってた』
『沙花叉としては、戦い方次第だろうなぁ、という感じ。こんこよが今みたいにエンタメに寄った戦い方するなら負けると思ってたって言うか、今だから言うけどこんこよ、一回戦負けする予定だったらしいからね』
『そうなんですか!?』
『うん。いや、わざと負けるとかそうじゃなくて、エンタメ寄りに戦うつもりだったからガチ勝負してくる相手……それこそスバル先輩とかノエル先輩とかフブキ先輩、ミオ先輩と序盤に当たってたら負けてたと思うよ。実況中にも言ったけど、手段を選ばない残虐ファイトみたいなセメント行動すると、相手に何もさせず封殺しかねないからそれしないようにしてるからね、こんこよ』
『例えば?』
『えー? 例えば最初の会場ステージだと、足止めする薬をまず自分の船から連結してる前後左右の船残してそこに隣接してる船から破壊してくでしょ? それが終わったら前後左右に相手がいないのを見てから、近い船から順に爆破してくかな。近い場所に居たらもう速攻で爆殺だしね』
『えっぐぅ……』
マッドサイエンティストに空間与えてセメントファイトは禁止だから
爆弾無尽蔵に作れるからなぁ
絶対毒薬とかも用意できるゾ
博衣こより:そういう容赦ない戦い方は映えないし、応援してる相手のファンも楽しめないからねぇ
否定しないあたりが本当にこんこよ
ルーナ姫との一回戦で見せた発明品もえぐかったしなぁ
限られたリソースがなかったらもっと酷いことになっててもおかしくはない
Holox全般ガチると酷いことになりそう
『まぁ、そういうのもあってこんこよは優勝候補からは外してたかな。ただ、さすがに準決勝までくるとガチバトルみたいなの見せないと映えないって理由で沙花叉の召喚が選出されたんですけどね』
『場所が都市だったのも良かったですね。お互いのスポーン位置が離れてたのもあって、十分準備する時間が取れましたし、相手をハメて妨害する事で相手側にも見せ場を作れましたし、沙花叉先輩とのガチバトルも見ごたえありましたし』
『MPの事情で短期決戦になっちゃったけどね』
『そして最後は安定の爆発オチ、と。こよりらしいわ、マジで』
『と、さてそんな感じで話題は尽きませんが、そろそろこの枠は示させていただきます。この後は三十分ほど時間をおいて次の枠、準決勝第二試合、ミオ先輩とスバル先輩の戦いをご覧いただく予定ですが、次枠の実況解説枠はまた違うメンバーで行う予定です。お楽しみに!』
『次の枠も、三位決定戦も決勝もバチバチの戦いが続くから、まだ見てない皆も、見てるけど解説が欲しいってみんなも、楽しみに待っててねー』
『それでは、自分のバトルを解説するために呼ばれたというか乱入した沙花叉クロヱと?』
『実況の儒烏風亭らでんと?』
『解説の常闇トワでした! じゃあみんな、またねー』
お読みいただきありがとうございます。
大変お待たせして申し訳ない。次回はもう少し早く、できれば今週末にちゃんと上げたいところ。無理かもしれない。ごめんなさい。
ちなみにこの後Holoxの他メンバーが試合に出てくることはないので、ざっくりと現在考えている各キャラクターの技や能力に関しての引用イメージはこちら。蛇足なのでどんな感じなのかは皆様の想像にお任せします。
基本的に、ジャンプ作品×2+そのほかの作品から一つ、みたいな感じで戦闘能力をイメージ。
異能力なんかはオリ曲からの引用というか、イメージから作っています。
今回出てきた魂歌絶唱に関しては、昔自分の書いてた小説(未発表未完結)で練ってた設定の供養みたいなそんな感じ。卍解や流出・太極みたいな詠唱するタイプの必殺技が欲しくて出しました。
ラプラス・ダークネス:僕のヒーローアカデミア+トリコ+ウィザーズ・ブレイン
鷹嶺ルイ:ワンピース+ジョジョの奇妙な冒険+ガンダムOO
博衣こより:めだかボックス+H×H+???
沙花叉クロヱ:BLEACH+幽遊白書+神座万象シリーズ
風真いろは:キン肉マン+シャーマンキング+SHADOW SKILL -影技-
というわけで、準決勝第一試合のリザルトをどうぞ。
試合会場ダイス→2 都市
①荒野②都市③海上④樹海⑤兵器工廠⑥浮島
準決勝第第1試合:轟はじめ VS 博衣こより
轟はじめ 所有能力
①ダンサー
②サンダー
③マシーナリー
④ウインド
⑤アース
武器:空手
博衣こより 所有能力
①アルケミスト
②イーター
③プリンセス
武器:なし
沙花叉クロヱ専用兵装"天涙"、"牙香"
第一ダイス 4-3 (はじ有利 こよ不利 1-0)
第二ダイス 8-5 (はじ有利 こよ不利 2-0)
第三ダイス 9-6 (はじ不利 こよ有利 2-1)
第四ダイス 6-6 (はじ有利 こよ有利 2-1)
第五ダイス 4-5 (はじ有利 こよ不利 3-1)
第六ダイス 1-10(はじファ こよクリ 1-3)
第七ダイス 5-9 (はじ不利 こよ不利 1-3)
第八ダイス 1-7 (はじファ こよ不利 0-4)
第九ダイス 7-2 (はじ不利 こよ有利 0-5)
博衣こよりの勝利
獲得能力→???