死の支配者と太陽の鋼鉄竜 ナザリック英雄育成計画   作:捻くれたハグルマ

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オリジナル要素が多くでますがご容赦くださいませ……!


帳尻合わせ

 

 ファフ・ニールは考える。ナザリックのNPCが声を発している。発声機能を付け加えたという報告は覚えていない。また、そのようなシステムはなかったはずだ。ナザリックのNPCが感情を発露させている。2045年問題はもう百年近く前に結論が出ている。発展した処理能力が感情の表現に直結することはなかった。模倣はできても発露はできない。彼らが泣いている様子は有機生命体のそれとしか思えない。五感を確認する。ノクスの肉体の重み、柔らかさ、声の響き具合は一般的な物理現象に酷似、いやまさにそれとしか思えない。玉座の間の広さ、高さ、材質からFEM解析でもすれば音の響きが物理現象に即しているか検証できるだろう。頭の中でざっくりと立式すれば、洪水のように計算結果が脳内にあふれ出てくる。思考能力というよりも情報処理能力が異常発達しているのだろうか。これではまるで電算機だ。情報量が多すぎて、動けない。外界の騒々しさに対応できない。だが、その混沌を止めてくれる者がいたことが、ファフ・ニールにとっての幸運だった。

 

 「皆、鎮まれ!ファフ・ニールさん、大丈夫ですか!?」

 

 玉座から立ち上がって近づいてきたモモンガに肩に触れられ、ピリピリとした刺激を感じる。負の接触(ネガティブ・タッチ)だろうか。ギルドメンバー同士でダメージが発生している。これもやはり、異常事態だ。だからこそ、冷静に対処しなければならない。研究者とは、問題を冷静に分析し解決していくものなのだから。ファフ・ニールはゆっくりと立ち上がる。ノクスは、献身的な娘のように彼を支える。ファフ・ニールはなぜか自然と彼女の涙をぬぐい、頭をなでていた。そして、モモンガに向き直る。

 

 「モモンガさん、すみません。ちょっとばかり情報量が多くて思考がまとまらなくて。あと、<負の接触(ネガティブ・タッチ)>とか諸々解除してください。出来るかどうかも含めてよろしくお願いします。ギルメン同士でも効果出てます」

 

 「はっ!?えっ!?……分かりました」

 

 モモンガが驚くが一瞬で落ち着く。何かおかしい。色々と検証が必要になりそうな予感がする。頭が痛い。いや、痛くはないのだが、とにかくファフ・ニールには非常に不味い予感がしていた。ファフ・ニールとモモンガが話すたび、自分の後方がざわめくのも気になる。くるりと振り向くと、NPC達が動揺しているのが見て取れる。その中で、平静を保とうとしている者が数名いる。アルベド、デミウルゴス、そしてパンドラズ・アクターだ。たしか彼らは、ナザリックの中でも特に優れた知謀を持つと設定されていたNPCだったはずだ。ファフ・ニールはタブラ・スマラグディナに次ぐ設定オタクだった。

 

 「ファフ・ニール様、直言をお許しいただけますでしょうか」

 

 「……構わないよ、デミウルゴス。気にせず話しなさい」

 

 「まず、ファフ・ニール様。お体はご無事でしょうか。何か必要がござましたら、我らシモベ一同、全力をもってファフ・ニール様の回復にお尽くしいたします」

 

 絶対的な忠誠、それをデミウルゴスからは感じる。周囲の者も、デミウルゴスの言葉に同意するように頷き、平伏している。ひとまず、確実に意志を持っていることを確認し、そしてその意志が反抗ではなく信仰に近い物として発露されていることに安堵する。

 

 「本当にありがとう。その言葉、嬉しいよデミウルゴス。体の方は……うん、ひとまず違和感はないね。だが、むしろ違和感いや、痛みが一切無くなっていることが多少問題だな。私個人だけでなくナザリック全体に関わりそうだ」

 

 「勿体なきお言葉。しかしその問題に私は気がつくことが出来ませんでした。お恥ずかしい限りでございます」

 

 「それも構わない。この問題は私やモモンガさん以外に気がつくことはできなかったと思う。だが、これは非常に大きな異変だ。私とモモンガさん、そして君達でそれぞれ情報を集め共有しようと私は考えるが……モモンガさんはどうですか?」

 

 「えぇ、ぜひ」

 

 彼らは絶対者としてこちらを見ている。モモンガもそれに気がついている。だが、この状況がいつまで続くかは分からない。だからこそ、最も信頼できるものだけで打ち合わせをするべきだ、というところで同意できた。モモンガは偉大な支配者のように指示を出す。彼も、彼なりに考えを巡らせていたらしい。

 

 「では、セバス。プレアデスから一名を連れて、大墳墓の周辺地理を確認せよ。仮に知的生命体が発見できた場合は、友好的に接触、交渉が可能ならこちらへと連れてこい。その場合は相手の条件をほぼ聞き入れて構わない。今は何よりも情報を優先する。行動範囲は周辺一キロとする。戦闘行為は極力避け、避けられない場合はプレアデスを撤退させて、なんとしても情報を持ち帰らせろ」

 

 「了解いたしました、モモンガ様。直ちに行動を開始します」

 

 セバスは一切の迷いなく指示にしたがった。やはり支配者としての指示は有効らしい。だが、セバスが玉座の間から出た後も多くのシモベたちが残されている。彼らの目はファフ・ニールに向けられている心配の目と、指示を待つ期待の目だった。まるで捨てられそうになった忠犬のようだ、とファフ・ニールは場違いな感想を想うことで、平静を保ち続ける。

 

 「続けて、各階層守護者と宝物殿、溶鉄砦の領域守護者は一時間後にアンフィテアトルムに集合。そこで情報を交換することとする。それまでは、元の持ち場に戻り、各自侵入者が来ないか警戒に当たれ。諸々の取りまとめは守護者統括アルベド、お前に一任する」

 

 「は。かしこまりました」

 

 異議を示す者がいないということは、これで良いのだろうと胸を下ろす。まさか自分の「お遊び」がこれほど緊張感のある状態をもたらすとは思いもよらなかった。モモンガも、ファフ・ニールも、データ的に「強い」プレイヤーではない。経験値的に積み上げた戦術や戦略はあるが、ゲームであるユグドラシルにおいて絶対的な評価となりうるデータ的な強さといったものは、ロマンビルダ―であった彼らにはないのだ。そして、同士討ち(フレンドリィ・ファイア)が解除されている状況、ゲームのはずが非常に現実的な感覚が示す、ゲーム世界がリアルになってしまったという可能性が、ある一つの恐怖を呼び起こした。反逆による殺戮。この数と質のシモベにもし襲われたら絶対に勝てないという確信がファフ・ニールにはある。モモンガなら何か思いついているのかもしれないが、だとしてもかなり厳しい状況であることには違いなかった。ようは、早くここからいったん離れたかったのである。

 

「では、我々は円卓で会議を行う。ファフ・ニールさん、行こうか」

 

 「行きましょうか。あとは任せたよ、皆」

 

 モーゼが如く、シモベたちの列の中央を歩きだそうとすると、ノクスは未だにそっとファフ・ニールの背に手を添えて付き従おうとしていた。優しく、慈悲深くあれと設定した。支配者としての尊敬も、創造主としての父娘の情も、きっと今の彼女には確かに存在しているのだろう。その表情は未だに暗く、悲しげだった。何か声を個別にかけてやるべきだろう、そうファフ・ニールは判断する。

 

 「我が娘、ノクス」

 

 「はい、お父様」

 

 「私は大丈夫。あまり悲しげな顔をするな。そして、問題を解決せねばならない。聡明な君にはわかるね?」

 

 「……分かっております」

 

 彼女は承服しがたいといった様子だった。まぁ自分だったら死期を悟った親から離れようとはしないとファフ・ニールは考える。恐らく、他のシモベも我々が指示を出していなければそのように動いている可能性が高いだろう。デミウルゴスが体調に関しての答えを聞いてごねなかったのは、我々の指示を最優先することを至上命題としているからなのか?それとも、職務に関する問題の解決を優先するのか?彼らの行動AIを開発したものとしてアルゴリズムが気になり始める。そして、それ以上に思考が寄り道することが多すぎてわずかに苛立ちがたまる。今はこの場を離れるために、ノクスを安心させる必要がある。今までの情報から最大限の言葉をかける。

 

 「では、今はお互い支配者とその栄えある従僕としての職務に従事しよう。落ち着いたら……親子として語らおうか」

 

 「……はい。私情を優先してしまいました、ファフ・ニール様。モモンガ様も、至高の御方のお時間をわずかでも無駄にしてしまいました。どうかお許しください」

 

 「いや構うまい。お前達の心配も当然のことだ。全てを許そう。では、私とファフ・ニールさんが退出次第、職務に当たるように」

 

 深く頭を下げてファフ・ニールを支えるのをやめたノクス。ファフ・ニールは今後どのような状況になったとしても、彼女は重用するようにしようと心に決めながら最後に頭をなでてからモモンガと退出した。退出し、玉座の間の扉が閉じられた直後、二人は深く深くため息を吐いた。

 

 「あいつら……ガチだ……」

 

 「いや、ホントにね……聞かれたり見られたりしちゃまずいんで円卓に行きましょうか……」

 

 モモンガも、ファフ・ニールも本来は小市民だ。それがいきなりの異常事態に、数多くのシモベ達からの重い忠誠の嵐。精神的な疲労は相当なものだった。だが、まだ心身を休めるには早い。二人は何とか、円卓の間へと向かうのであった。一方、シモベ達が残された玉座の間には重苦しい雰囲気が立ち込めていた。

 

 「ノクス、ファフ・ニール様のご様子は本当に御無事なのでしょうね?」

 

 「恐らくは問題ないかと、デミウルゴス。御許可なしに詳しく調べさせていただくのは憚られたので、あくまで観察させていただいた限りですが」

 

 「デミウルゴス、至高の四十一人が一人ファフ・ニール様のお言葉を疑うなど不敬よ」

 

 「アルベド、我々にとって至高の方々こそお仕えする主!モモンガ様もファフ・ニール様も慈悲深き御方!その言葉から察するに、御方々は世界の終焉を我々と共に過ごすことすら選んでいただけたのだ!ファフ・ニール様に至っては……あのように苦し気に、死期を悟られてなおこのナザリックを想っていただけていた……であれば、我々シモベがこの御恩に応えようとせねばどうする!御方々に仕え、お守りすることこそ我らの使命であることは統括である貴女も承知の上のはずだ!」

 

 彼らに渦巻いているのは不安だった。己の主達に起きている問題の全容も把握できていない失態に加えて、ファフ・ニールが隠れてしまうのではないかという恐怖が守護者の中でも知恵者であり、責任のある地位を授けられているデミウルゴスを焦らせる。だが、異様な雰囲気を切り裂いたのは、独特な様態の軍服に包まれた二重の影(ドッペルゲンガー)だった。

 

 「皆様、まずは落ち着きましょう」

 

 二重の影(ドッペルゲンガー)はやけに大ぶりな身振りで、胸に手を当ててお辞儀をする。ぴたりと止まった口論を確認して、また声を上げた。

 

 「まずは自己紹介を。お初にお目にかかります、私パンドラズ・アクターと申します」

 

 「おぉ、貴方がモモンガ様が創造されたという……」

 

 「えぇ、至高の四十一人が長、モモンガ様にお創り頂いた者です。以後お見知りおきを。ファフ・ニール様によるお呼び出しがなければ皆様と顔を合わせることもなかったでしょう」

 

 一々大仰だなこの人、と何人かのシモベはそう思った。だが、そのように創られたのであれば受け入れなければならない。皆、口を挟まないようにしている。

 

 「そして、私はモモンガ様により、至高の御方の力の一端を再現できるようにお創り頂けました。ですから断言できます。ファフ・ニール様ほど生き抜く力のある御方はおりません」

 

 「私モ、ソウ思ウ。アノ御方ハ我ガ創造主、武人建御雷様ヲシテ、殺シキルニハシブト過ギル。ソウ仰ッテイタ。突撃隊長トシテ幾度モ囮ヲツトメ、孤軍デアリナガラ獅子奮迅ノ活躍ヲナサッテイタトモ」

 

 守護者の中でも屈指の戦士、武人であるコキュートスもパンドラズ・アクターに同意する。それは、いわばナザリックにおける戦闘力において、ファフ・ニールの生存能力は最高峰と言い切ってかまわないということを証明していた。

 

 「そのような御方があのように苦しげになさっていたのですよ。それは我々の想定をはるかに超える『事故』だったとしか思えません」

 

 「ですがお父様……いえ、ファフ・ニール様は痛みが無くなったと仰っていました。嘘ではないと思います」

 

 「そう!至高の御方一の生命力を持たれる御方が大丈夫と仰った以上、我々は信じるのが道理。まずは職務を遂行し、御方のお力として我らが十分であることを示しましょう」

 

 パンドラズ・アクターの言葉にシモベの全員が頷いた。絶対なる支配者にふさわしき従僕たる能力を示し、満足していただく。二度と、見捨てられないように。

 

 

 「んあぁぁぁ~……あ、鎮静化した」

 

 「喜ぶべきか、悲しむべきか……色々と考えてみましたが、どう考えてもここは『ユグドラシル』じゃない。別の世界、それもゲームの中の者が命を得て、転移した、が結論ですね」

 

 大理石の円卓にぐでりと体を預ける死の支配者(オーバーロード)と、椅子に完全に体重を預ける機甲龍王(ギア・ドラゴンロード)の情けない姿は、本当にひどいものだった。円卓の間に入って十分ほど、お互いに起きた異変や、状況の整理を行って二人は結論を出した。ファンタジーの世界から更なるファンタジーの世界へ。驚かざるを得ない。だが、二人とも驚こうとするたびに精神を安定化させるような力が働いて驚ききることも出来なかった。このような異変もまた、議題に上がり、そして二人は人間から異形の者へと変わってしまったのだろうということも確信していた。人間の頃の感性をささやかに残し、種族の超越すらも許容できてしまっていることは冷静に考えれば異常なのだが、受け入れるほかなかった。

 

 「ひとまず、NPC達はこっちに忠実、というか信仰のレベルでしたね」

 

 「安心はしきれないですけどね。もし裏切られたら終わりです。たしかシャルティアはモモンガさんの天敵ですよね」

 

 「そうなんですよね……ぺロロンチーノさんがガンメタビルドしたから……」

 

 「モモンガさんは魔法の習得数がバグってるからいいじゃないですか。色々やれるでしょ。私なんかアホみたいなビルドしたせいで搦め手ないんですよ?」

 

 「ファフ・ニールさんはステータスがバグってるじゃないですか。まぁビルド協力したの私ですけど」

 

 「倒れた仲間を待ち続けて一人でも全力で戦い続けられる鋼鉄の龍戦士……かっこいいと思ったんだけどな……」

 

 「ゾンビよりもゾンビ、でしたっけ。スレで晒されてたの」

 

 「機械化してるから腐ってないです~!キルされてないから死体でもないです~!……ちっ、面倒ですねこれ」

 

 気を晴らすために、昔話に花を咲かせようとしても楽しみ切れないことにいら立つ。だが、主題である裏切られた場合、の話は非常に問題だった。モモンガは死霊系に特化した魔法詠唱者(マジックキャスター)。魔法の習得数とMPはユグドラシルにおいても上から数えたほうが早いが、特化した系統が弱い。最も得意な系統は非生物や既に死んでいる者には効果が薄い。その他の魔法の火力も、かつてナザリック一と謳われたワールド・ディザスター、ウルベルトには劣ると言わざるを得ない。天敵としてあげたシャルティアは得意とする死霊系が効かない上に、シャルティアの強さは守護者最強であり、よりにもよってアンデッドに滅法強い。モモンガの多彩な手数、プレイヤーとNPCの間にあると考えられる情報量の差と、戦い方次第ではあるが勝ち筋の方が少ないといえる。

 

 そして、ファフ・ニールは特異な前衛職。ジャンルでいえばジャガーノート、と呼ばれるタンキーファイターだ。遠近問わずあらゆる武具を十全に扱えてかつ、リジェネレイト能力やデバフ解除能力を持ち、単独でとにかく長い時間暴れ続けられるようにビルドしている。聞こえだけはいいが、ストレートに表現すればただの器用貧乏だ。本来、ユグドラシルにおいて強いビルドというのは特化したビルドだ。オンラインゲームなのだから、苦手な部分は負担し合えばよく、そのようにビルドした方が扱いやすく強い。AOG(アインズ・ウール・ゴウン)においては、武人建御雷や弐式炎雷などがそれにあたるだろう。前衛なら前衛らしく火力に特化し、そのうえでリスクを受け入れ、オリジナリティを追求するのが賢い。もしくは、硬さを求めるなら硬さを極限まで追求し、タンクに寄せきるのがいい。唯一、万能かつ最強だったのはワールド・チャンピオン、たっち・みーだろう。彼はあまりにも例外が過ぎる。ファフ・ニールは彼ほどの化け物ではない。だが、多くの人間がプレイしていたユグドラシルで、名指しでネット掲示板に晒されていたのは理由がある。彼のステータスの総計値が異常なのだ。HP、近接攻撃力、防御力、素早さといった前衛に求められる能力値がそれぞれ特化したプレイヤー並にある。これは彼が非常に特異な方法で今のLv.を獲得しているからだ。不評だった超大型アップデート『ヴァルキュリアの失墜』で、追加された機械系の種族。それに、戦龍王(ウォー・ドラゴンロード)という近接戦闘に高い適性を持ち、高いステータスを得られる種族として最高位のものから、後天的に種族を変更したのだ。ファンタジーな世界観にあわないと不人気であったために、かつわざわざ高いステータスを持っている種族から機械化するという頓珍漢な方法を取った者が誰もいなかったがために気づかれなかったメリット。元とした種族のステータスの一部を、最終段階に達したときに獲得できるというものだった。これにより、龍種と機械系種の二つの種族の圧倒的なステータスと万能前衛職が重なって、取り敢えず突っ込ませて死なないし、死ぬとしたら切り札を確実に一枚以上は落としてくるだろうという逸材になった。その使い勝手の良さからAOG(アインズ・ウール・ゴウン)の面々から取り敢えず行ってこいとされていたのだ。もっとも、二種族の要素を持ち合わせている分、弱点は二種族分。さらには、万能性と死なない事を優先してビルドしているため、結局高いステータスでごり押しているだけという大味プレイヤーなのだ。

 

 「酸使うNPCっていましたっけ」

 

 「ヘロヘロさんレベルはいなかったと思いますよ、確か」

 

 「私、ヘロヘロさんとは0:10で負け確なんでちょっと安心……」

 

 「魔法と特殊技能(スキル)、使えるかどうか確認しないといけませんね……戦えるかどうかをそもそも確認しないと」

 

 「そうでしたね……ついでに、モモンガさんが持ち出してたスタッフ・オブ・アインズ・ウール・ゴウンの性能もチェックしときましょう。苦労して作ったんだから使えないとかだったら泣いちゃいますよ、ほんと……」

 

 「ハハハ……あ、そういえば」

 

 「どうかしましたか?」

 

 「本当に体、大丈夫なんですか?事故も……」

 

 ファフ・ニールは腕を組む。時間がなかったために、簡潔に伝えた事象を詳細に説明するべきか思案する。今の不可思議な状態において、モモンガにも不安や動揺があれば、それがシモベに伝わってしまうと混乱を呼び起こしかねない。玉座の間でのひと悶着がそれを証明しているといえる。であれば、今ここで話しておくべきと、ファフ・ニールは獲得した高速思考によって決定した。

 

 「あの時はひとまとめに『事故』、と表現しましたが……ぶっちゃけ陰謀で殺されかけてました」

 

 「はぇ……?」

 

 モモンガの精神は、転移史上最も乱された。




タンクっぽい大味ファイター、色んなゲームで好きなんですけど、結局なんでも出来そうで何もできなくて弱いみたいなことありませんか?ありますよね。あるんですよ。
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