シータ(偽)で二代目仮面ライダーベイク   作:マ寿司ターロゴス

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なんか思ったより筆が乗った


スパーキングミってコーラグミのことかよっ!

スパーキングミ!

 

ヤミー!

 

仮面ライダー、びたーがぶ……いや、ビターとガヴでビターガヴ?

 

「凄いものだろう?酸賀さんは赤ガヴのクローンそのものを作っていたようだけど、僕はあの人の実験データを元に、黒ガヴだけを培養してみたんだ」

 

「……」

 

「バイトの一人に個人的な依頼って形で実験台になってもらったんだけど……やっぱりまだまだ安定しなくてね。ショックで自我が薄れちゃったみたいなんだ」

 

「なっ!?」

 

自我が、薄れる…?しかもショックって……こいつ、このグラニュートになにしたんだ!?

 

「それでも、彼は強くなりたがってたし、本望だろうね。赤ガヴに辛酸を舐めさせられたみたいで、ちょっと複雑そうにはしてたけど……最後は移植にも納得してくれたしね」

 

「……」

 

兄(仮)こと、ニエルブの言葉に、ゆっくりとビターガヴというらしい仮面ライダーに目を向けた。

隣でニエルブがぺちゃくちゃと話している間も微動だにしなかった。こいつ、本当に自我が……哀れだな。

 

確かに、グラニュート界には力こそ全てという思想があるのは確かだ。でも、だからといって、力を追い求めた末に破滅するなんて……本当に、哀れだ。

 

「さて、説明はこれくらいでいいだろう。シータ、さっさと変身しなよ。酸賀さんの最高傑作、ベイクと、僕の改造したビターガヴ、どっちが上か――」

 

――実験、開始だ。

 

「ッ!ウォォォォォ!!」

 

「ぐっ!」

 

ニエルブの言葉に呼応するように、雄叫びを上げながら迫ってくるビターガヴというらしい仮面ライダー。

大振りのパンチを下をくぐることで回避し、懐からあの銃――ベイクマグナムを取り出す。

 

「ヤミ(仮)!」

 

「ヤミッ!」

 

上顎のようなパーツを開閉させると、ヤミ(仮)が自分から飛び込んで来た。

 

SET!

 

「アァァァァァァ!!」

 

そうこうしている間にも殴りかかって来るビターガヴ。

 

「うぅ…!」

 

両手でビターガヴの拳を受け止め、口で咥えた上顎を三回アクションさせた。

 

CHANGING!

 

「ふんぬッ!変身!

 

「ウォォ!?」

 

ビターガヴの股間を蹴り飛ばし、銃口をニエルブに向け、引き金を引く。

 

FIRE!

 

「おっと」

 

ビヨンドバイオロジー!ベイク!

 

「知ってはいたけども……。その変身、本当にできるみたいだね」

 

「その酸賀さんってやつには感謝したかったところだよ」

 

今は欠片も思わんけどな。

 

「まあいいさ。アレも使ってみてくれ」

 

「アレ?」

 

「ッ!オォ!」

 

「いってぇ!?」

 

ちょっ、なんかめっちゃ尖ったのいきなりぶっ刺してくるのやめません!?クッソ痛いんですけど!?

 

「ウォォォ!!」

 

「お構い無しですが、そうですかっ!」

 

何やら不気味なデザインの大剣を手に取り、走って来るビターガヴ。言っちゃ悪いんだけど、あの3ライダーと比べたら隙が多すぎて撃ち放題な訳よ。

 

「ウァァァ!?」

 

「ほいまた隙あり」

 

顔面撃ち込んでやっから、追加の二発持ってけや。

 

「グガァォァ!!」

 

顔面を抑えていた両手を、すぐさま胸部へと持っていくビターガヴ。てなわけで空いた顔面にもういっちょ!

 

「ウグゥォォ!!」

 

「オラ!」

 

また頭を抱えて仰け反ったビターガヴの胸部へ、飛び膝蹴りを叩き込み、衝撃で宙に浮いた体に向け連射する。

 

「ガァァァァ!?」

 

「いってェ!」

 

……まぁ当然ですけど飛び膝蹴りしてんだから受け身も取らなきゃ痛いよねそりゃっ!

 

「いてて…」

 

強打した腰を抑えつつ立ち上がり、左手に握ったベイクマグナムを見つめる。

 

「なんとなくそうなんじゃないかとは思ってたけど……やっぱり当てやすくするシステムとか入ってんのかね」

 

変身してる時と、してない時の当てやすさに差があり過ぎんだよな。変身してたら割と簡単に当てれる。

さっきだって、あんな体勢だったってのに、普通に全弾命中してるし。

 

「ふっ、どうだろうね」

 

「お前には聞いてねぇ…よッ!」

 

「おっと、危ないなぁ。あの時助けてあげたのにさ」

 

「お生憎様、その記憶はないんで、ねッ!」

 

「グォォォ!?」

 

振り下ろされた大剣の柄を掴み、ビターガヴを渾身の力で蹴り飛ばす。

 

「コイツは貰うぜ」

 

左手のベイクマグナム、右手のこの大剣を構え、銃口と刃先をビターガヴに向ける。

 

「ウォォォ!!」

 

「お前本当にそればっかだな……フン!」

 

「ギィガァァァァ!?」

 

大剣を振るい、切り付けた箇所をベイクマグナムで撃ち抜けば、これまでのそれよりも一段デカイ悲鳴が響き渡る。

よく分からんが、なんか効いたっぽいな。

 

「ふむ」

 

ニエルブの方は……タブレット見てなんか考え込んでやがるな。今なら……いや、多分避けられる。やめとこ。

今はニエルブよりビターガヴだ。こっちに集中しろ。

 

「ほらよ!」

 

「グガガァァァ!?」

 

切り付け、銃撃。切り付け、銃撃。このコンボを何度も、何度も何度も、何度も何度も何度も何度も繰り返す。

その度にビターガヴは苦しみ、大絶叫を上げる。

 

「オォォォォ!!」

 

痛みにもがき、苦しみながらも、こちらへと向かってくることは一向にやめないビターガヴ。

 

「ガァァァ!!」

 

何度殴り飛ばしても立ち上がり

 

「ウゴォォ!?ァァッ!!」

 

何度蹴りつけても立ち向かってくる

 

「……」

 

直前にニエルブが口にしていた話も相まって、俺はなんとなく、目の前の仮面ライダーがどういう状況に陥っているのかがわかっていた。

 

文字通りの傀儡。ただ与えられた命令を遂行する為だけに身を捧げるだけの人形……さっきも思ったが、本当に、哀れな存在だ。

 

「もういいって、飽きてきたわ」

 

「ガァ!!グゴォ!?」

 

蹴り飛ばし、引き金を引く。

再びベイクマグナムの上顎パーツに手を伸ばす。

 

「そろそろ潮時か」

 

なんの感情も感じない、平坦なニエルブの声に目を向けたらなにやら―…ニエルブがタブレットを指でポンポンとタップしている。

 

もしやこの戦いの記録でもしてんのか?って眉間に皺が寄ったまさにその時だった。ビターガヴがベルトのハンドルを、グルグルと凄まじい勢いで回し始めたのだ。急に、めっちゃ唐突に。

 

BEAT YOU…BEAT YOU…

 

「なんだ…?」

 

不気味な音声と共に、ビターガヴの全身になにかのパワーが行き渡っていく。

変身時に鳴っていたそれとは違う音声を鳴らし始めたビターガヴのベルトに、なんとなく相手の思惑を察した。

 

「必殺技か。ならこっちも」

 

ベイキング!

 

「――ん?」

 

必殺技同士のぶつかり合いを予見した俺だったが、なにやら様子がおかしい事に気づいた。

 

BEAT YOU…BEAT YOU…

 

BEAT YOU…BEAT YOU…

 

BEAT YOU…BEAT YOU…

 

「いつまで回してんだ?」

 

もうとっくの昔にチャージは終わってると思うんだが……オーラみたいなのも最大みたいなとこで止まってるし。

 

怪訝な気持ちになりながら、いつでも引き金を引けるように身構える俺。

その目の前に立つビターガヴ。やがてその全身がどんどんと赤熱化していき――

 

「ァッ、アァァァァァァァ!!??ガッグゥッギッ!?ガァァァァァ!!!!!」

 

「うわァっ!?」

 

――爆発。ビターガヴが文字通り木っ端微塵になった。

 

ちっちゃくて丸いなにかが辺りに散乱する中、俺の鼻腔に飛び込んできたのは……血と肉の焼け付く臭い。

 

「こいつは……」

 

「ヤミー」

 

ベイクマグナムからヤミ(仮)を引き抜き、変身解除。

パチパチとその手から乾いた音を立てながら、近くに立つニエルブを睨みつけた。

 

「やっぱり、安定しないね。力もあまり引き出せていないし、過剰供給すると耐えきれなくなる。活性化させるだけじゃ意味もないし、このままじゃ使い物にはならないか」

 

「てめぇ…!」

 

「ああシータ、お疲れ様。まあ役に立つデータが取れたよ」

 

煮え滾る怒りに拳を握る俺。気付かないのか――或いは気付いた上でどうでもいいのか、あくまでもなんでもないように振る舞うニエルブ。

 

「今回の所は君の勝ちとしておくよ。といっても、思ったよりもこっちの不備が多くて退屈させちゃったみたいだけどね」

 

「退屈だと…?お前ッ!」

 

「また会おうか。……その時は、ね?」

 

「待ちやがれ!」

 

背を向けたニエルブに銃撃。

――どこからか現れたフードの男に弾かれた。

 

「おお怖い怖い。随分血の気が多くなったみたいじゃないか。それともなにかな」

 

赤ガヴに感化でもされたのかい?

 

「赤ガヴ…?」

 

赤ガヴ。なんとなく言ってる意味はわかるけど、それがなんの関係があるっていうんだ?

 

……あっ。

 

"君を倒した赤ガヴの模造品、黒ガヴさ”

 

「そういう事か!」

 

そういえば、ニエルブのやつ、ビターガヴのベルトのことを黒ガヴだって言ってたな。シータを倒した赤ガヴの模造品だとも言ってた。

 

なるほどな。つまり、自分のことを殺したやつに感化されるなんてどうかしてるって言いたい訳だ。

まあ俺別人だから的外れなんだが。今こんなだけど。

 

「っ、いない。逃げたか」

 

気付けば、ニエルブはいなくなっていた。

 

「ヤミ」

 

「ん?どした?」

 

「ヤミー」

 

なにか落ちてる…?えっ

 

「これって……」

 

「ヤーミ」

 

それはひと袋のパッケージ。その中には、茶色のコーラ瓶のような形をした”グミ"が幾つも収められている。

 

その時、俺の頭の中で線が一本に繋がった。

 

装填時に流れたグミという音声――ベルトから出てきたコーラ瓶――恐らくはあの形態を表す言葉であろう"スパーキングミ”……

 

「スパーキングミって、コーラグミのことかよっ!」




(前書きの続き)
しかしこれで良かったのかはちょっとよくわからん

参参伍伍様誤字報告感謝です(*・ω・)*_ _)
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