ドラえもん のび太の異世界奇譚 戯曲篇   作:浪園

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素人筆者、初投稿です
お目汚しを…


のび太、異世界へ

0.~異世界、とある貧困街の片隅~

人が目覚めるにはまだまだ早い刻

女は夢から解き放たれた

首から下は痩せこけてはいるが、その目は爛々と輝く

 

 

女:あぁ、我が主よ、あなた様のお言葉

  しかと受取りました

  数多の歳月を潜り抜けたあなたの御心

  必ずや叶えましょう

 

 

女は寝床から這い出ると水瓶の水を一口すする

 

 

女:…でも、私に出来るのでしょうか?

  いいえ、やるのです、私は選ばれたのですから

  あぁ、こうしてはいられない、

  早く、早くしなければ……

 

 

1.~現世界、街中~

 

テストが0点だったのび太は家から逃げだした

 

 

のび太:ママったら、なんだよ

    0点を取ったぐらいで、あんなに怒るなんて

    0点はこれ以上は下がらないんだから

    伸び代しかない点なんて素晴らしいじゃないか

    それをあんなふうにガミガミ怒ったんじゃ

    伸びるものも伸びないぞ

    僕は野比家の長男なんだぞ!

 

 

2.

 

不平不満を呟きながら空地へ向かうのび太

 

 

のび太:ドラえもんもドラえもんだよ

    友達ならこういう時は庇ってくれるもんだろ

    せっかく昼寝でもしようと思ってたのに

    家に居られなくなっちゃったじゃないか

    もう空き地で昼寝をするしか、おや?

 

 

安雄:はる夫、大丈夫か!?

 

 

はる夫:イタタタ

 

 

3.

 

のび太:うちのクラスと隣のクラスの連中じゃないか

    そういえば空き地で野球をやるって言ってたな

 

 

安雄:続けられそうか?

 

 

はる夫:ちょっと無理そう

 

 

名無:俺も勘弁だな

 

 

のび太:どうやらはる夫と、

    え~っと、隣のクラスの名無っていったっけ?

    はる夫と名無がクロスプレーで

    怪我したみたいだけど…

 

 

4.

ジャイアン:二人退場か、人数ギリギリなんだぞ、ん?

      おう、のび太!今からうちのチームに入れ!

 

のび太:えぇ?

 

ジャイアン:何だ、文句あるか?

 

のび太:わ、わかったよ…

 

ジャイアン:よし、はる夫に代わってのび太だ!

 

都成:待て、ジャイアン、こっちは8人だぞ

 

ジャイアン:補充したきゃしていいぜ、さぁ再開だ!

 

 

5.

出木杉:君たち、どうしたんだい?

 

都成:出木杉君じゃないか、珍しいね

 

出木杉:今日は塾のはずだったんだけどね

    講師が新型コロナに罹ってしまったらしくて

    急に休みになってしまったんだ

 

 

都成:じゃぁ暇だろ?うちのチームに入ってくれないか?

 

ジャイアン:待て、都成、出木杉は俺のクラスだぞ!

 

 

6.

都成:あぁ?こっちは8人で、そっちは9人だぞ!?

 

出木杉:おや?うちのクラスは9人で

    都成君たちは8人なのかい?

 

都成:そうなんだよ

 

ジャイアン:出木杉は俺のクラスだ!

 

都成:そっちは野比を入れて9人にしただろう!

 

出木杉:だいたい分かった、僕は都成君のチームに入る

 

ジャイアン:おい!出木杉!

 

出木杉:剛田君、君の言いたいことは判る、だけど、

    野球の試合で9人対8人というのは不公平だ

    僕は都成君のチームに入る

 

 

7.

ジャイアン:ぐぅ、わかった…

      おい、おまえら、変なプレーしてみろ!

      ただじゃおかないからな!

 

ジャイアンチーム一同:は、はいぃ!

 

"ジャイアンチーム0ー0都成チーム" のスコアで試合再開

ツーアウト一二塁、バッターはのび太君、ピッチャーは出木杉君

ピッチャー出木杉君、投げたー

のび太君、大振り!大回転して三振アウトー

 

 

8.

 

その後もジャイアンチームはピッチャー出木杉に抑えられる

 

 

ジャイアン、変化球を見逃し三振バッターアウトー!

スネ夫君、打ったー、だがピッチャー正面アウト―!

のび太君、またも大振り大回転、三球三振、アウト―!

 

一方、ジャイアンに叱咤されたジャイアンチームは

鬼気迫る堅守を見せて都成チームを抑える、しかし…

バッター出木杉君、打ったー、大きいがやや詰まり気味!

あっと、のび太君エラー、ランナー生還、都成チーム1点!

 

 

9.

 

都成チーム1点リードで迎える最終回

 

 

出木杉:都成君すまない、これから家庭教師なんだ

 

都成:出木杉君、待ってくれ、あと一回なんだ

 

出木杉:すまないが(教え子を)待たせるのは無理なんだ

 

都成:いや、ちょっとぐらい…

 

出木杉:(雇われの家庭教師として)ちょっとも避けたい

    僕はここで失礼させてもらう

 

都成:待ってくれ、出木杉君!

 

ジャイアン:おい、試合は続行するからな?

 

都成:…あぁ、わかった

 

 

10.

 

急遽ピッチャー交代の都成チーム、

ジャイアンチームはこれを打ち崩し、ノーアウト満塁

 

 

ジャイアン:ノーアウト満塁だ

      のび太、お前は三振でいいぞ!

 

のび太:うん、わかったよ…

 

 

ピッチャー投球、のび太はフルスイング!

がきん!

打球は三塁方向に転がる

 

 

11.

のび太:あ!ジャイアン、当たったよ

    走っていいよね!?

 

 

ジャイアン:のび太ぁ!とっとと走れー!

 

スネ夫:のび太!邪魔だ、どけぇ!

 

 

がしゃーーーん!

 

 

三塁からホームに突進してきたスネ夫とのび太が接触

 

 

三塁手:三塁フォースアウト、ホームいくぞ!

 

捕手:オーライ、スネ夫とのび太にタッチ、アウトだ!

 

アンパイア:スリーアウト!試合終了!1-0で

      都成チームの勝ち!

 

 

12.

 

試合終了後

 

 

ジャイアン:おい、のび太、今日の試合に負けたの

      わかってんな?

 

のび太:ぼ、僕は精いっぱいやったよ…?

 

ジャイアン:うるせぇ!

 

のび太:ひぃ!

 

ジャイアン:のび太、このバットな

      買ってもらったばかりなんだ

      でも今日は全然活躍しなくてなぁ!

      お前で試し殴りさせろ!!

 

 

13.

のび太:待って、ジャイアン!

    そんなので殴られたら死んじゃうよ!

 

ジャイアン:うるせぇ!おい、スネ夫、のび太を抑えろ!

 

スネ夫:おーけー、ジャイアン

    おい、待て、のび太、逃げるな!

 

のび太:だ、誰か助けて~!

 

 

空地内をぐるぐると逃げ惑うのび太

ジャイアンとスネ夫は、逃げるのび太を追いかけ回す

そんな現場に通りがかった出木杉

 

 

出木杉:ふう、まさか家庭教師先の子まで

    インフルエンザに罹っているなんて…

    って、おや?

 

 

14.

 

家庭教師先からの出戻に、出木杉が遭遇したのは

空地でバットを振り回しながら

のび太を追いかけ回すジャイアンとスネ夫の姿

 

 

出木杉:剛田君、骨川君、何をしているんだ!

 

ジャイアン&スネ夫:で、出木杉!こ、これは…

 

のび太:出木杉君、た、助けてぇ~!

 

 

出木杉を見つけるや

のび太は空地から道路に飛び出す

 

 

出木杉:野比君、危ない!!

 

 

のび太が道路に飛び出した先に

トラックが走り込んでくる

 

 

がしゃーーーーーん!

 

 

15.~???~

のび太:う、う~~ん

 

 

何も無い真っ白な空間でのび太は目覚める

 

 

のび太:こ、ここは…?

 

???:お、気が付いたかい?

 

のび太:君は、誰?

 

???:僕?そうだね

 

    僕は君たちの言う神様ってとこかな?

 

のび太:かっ、神様?神様が僕に何か用?

 

 

16.

神様:まあね、死んだ君の魂を

   ちょいと導かせてもらったよ

 

のび太:え?僕、死んじゃったの?

 

神様:うん、トラックに跳ねられてね

 

のび太:そんな!ねぇ、生き返らせて!

    神様なんでしょ?生き返らせてよ!

    お゛ねがいぃ゛ぃ゛ぃ゛ぃ゛ぃ゛

    いぎがえ゛らせて゛ぇぇ!

 

神様:ちょ、のび太君、苦しい、は、放して

 

 

17.

神様:僕は君の世界の神様じゃない

   だから君を生き返らせることはできない

 

のび太:そ、そんなぁ…

 

神様:気落ちしないで、実は頼みがあるんだ

 

のび太:頼み?僕に?

 

神様:うん、君に魔王を倒してもらいたい

 

のび太:魔王?

 

神様:そう、魔人たちの王

 

 

18.

のび太:君、神様なんでしょ?

    そんなの自分でやればいいじゃん

 

神様:事情があってね、僕には出来ないんだ

   だからのび太君、君にお願いしたい

 

のび太:前に魔王を倒した時は

    ドラえもんや美夜子さん達とでやっと倒せたんだ

    僕一人じゃ無理だよ

 

神様:君、魔王を倒したことあるの?

 

のび太:うん、すごい大変だったなぁ

 

神様:…君、凄いね

 

のび太:牛魔王や妖霊大帝ってのと戦ったこともあるよ

 

 

19.

神様:ま、まぁ、僕の世界の魔王も強い

   普通の人間では倒せない

 

のび太:そんなに強いんなら僕じゃ無理だよ

 

神様:まぁまぁ、焦らず聞いてよ、魔王を倒すため

   僕は普通じゃない"ヒト"を作ったんだ

   ただ、その体に込められる魂がちょいと問題でね

 

のび太:問題?

 

神様:その体に込められるのは

   勉強もスポーツも全然できない

   君のようなダメダメな子の

   魂じゃなくちゃいけないんだ!

 

のび太:…ねぇ、僕、怒っていいよね?

 

 

20.

神様:ともかく、その体に君の魂を込めることで

   魔王を打ち倒せる勇者を誕生させられるんだ

 

のび太:魔王を倒せば、元の世界に

    生き返ることが出来たりする?

 

神様:残念だけど…

 

のび太:…じゃぁ、もうパパやママ

    ドラえもん達には会えないのか

 

神様:無理強いはしないよ

 

のび太:断ったら?

 

神様:このまま君は消えて無くなるだけ

 

のび太:そうなんだ…

 

神様:僕としては

   お願いを聞いてくれることをお勧めするね

 

 

21.

神様:やっぱりイヤかい?

 

のび太:…わかった、僕、魔王を退治する!

 

神様:やってくれるかい、ありがとう!

 

のび太:君の世界に行くとして赤ちゃんから?

 

神様:体の方が君の魂に合せるから

   外見は今の君と同じになるよ

   あ、眼鏡はいるかい?

   目もとてもとても良くなるけど?

 

のび太:僕のトレードマークみたいなものだから

    眼鏡はいるかな

 

神様:OK、準備はいいかい?

 

のび太:え、いきなり?

 

神様:善は急げって言うだろ、ええぃ!

 

 

22.

 

神様の声が響くと、のび太を中心とした魔法陣が現れた

 

 

のび太:わ!な、なに!?

 

神様:剣と魔法の我らが世界は、君を歓迎するよ!

 

 

魔法陣が回転をはじめ、その回転は徐々に速くなっていく

バシュン!

一気に魔法陣が収束、同時にのび太も消失した

 

 

神様:頼んだよ、のび太君

 

 

~異世界、某所~

夜空を横切る一筋の流れ星

その下には黒装束の少女

 

ロリババァ:むむ、なんじゃ?この異様な気配は?

 

 

23.~異世界、某神殿~

のび太:う~ん、むにゃむにゃ、はっ!

 

森深くにある神殿、その最奥の部屋で目覚めたのび太

最奥の壁には重厚な扉があり、その扉には魔方陣らしき模様

 

 

のび太:えっと、神様に魔王退治を頼まれたんだっけ

    格好は、それっぽいな、あ、剣まである

    ところでここはどこ?古い建物みたいだけど…

    こんな時、ドラえもんがいたら

    いろいろ教えてくれるのに…

    …こんな場所に居ても仕方ないか

    えっと、外はこっちかな?

 

 

24.

 

神殿内を彷徨いに彷徨った挙句にのび太は脱出

 

 

のび太:やった、外に出れた!

    とはいえ、やっぱりここがどこかはわからない

    魔王を倒せったって

    これじゃ何もできないじゃないか!

 

 

のび太はイラつき気味に小石を蹴とばす

ガツーン!

 

 

狼の魔物:ギャイッ!

 

のび太:!?

 

狼の魔物:グルルル、ガウッ!

 

のび太:うわぁ!

 

 

狼の魔物に追われ、のび太は逃げ出した

 

 

25.

のび太:に、逃げなきゃ!死んじゃったのに

    また死んじゃう!

 

 

必死に走るのび太

 

 

のび太:ひぃ、ひぃ、ひぃ、…ひ?

    あれ?なんかすごく速いぞ!

    さっきから走ってるのに、息も楽だ!

 

 

後ろを振り返るのび太、後方の狼との距離は縮まらない

 

 

のび太:やーい、のろまオオカミ~追いついてみろ~!

    おしーりぺーんぺ、あっ!

 

 

調子ぶっこいて全速力で蹴躓いてすっ飛ぶのび太

そのまま森外れの崖から遥か遠くへ落下

 

 

のび太:あ~~~れ~~~

 

 

26.~異世界、街道~

 

どしーーーん!

 

 

落下したのび太、何かを下敷きにした

 

 

ホブゴブリン:ぐは!

 

のび太:あいたたた…

 

ゴブリン①:何事ゴブ!?

 

ゴブリン②:ホブゴブリンの親分、大丈夫ゴブ!?

 

初老の騎士:ゴ、ゴブリン共が怯んだぞ、今じゃ!

 

騎士達:おお!

 

初老の騎士:魔族共を蹴散らせ!

      聖女様をお守りするのだ!

 

のび太:え、何々?

 

 

27.

初老の騎士:少年、大丈夫か?

 

のび太:はい、大じょ、あ、危ない!

 

ホブゴブリン:おのれぇ!人間がぁぁぁ!

 

 

倒れていたホブゴブリンは立ち上がり、右手の武器を振りかざす

 

 

初老の騎士:しまった!

 

のび太:うわぁぁぁ!

 

 

のび太は咄嗟に腰の剣を投擲、剣はホブゴブリンの眉間に突き刺さる

 

 

ホブゴブリン:ば、ば、かな…

 

 

のび太はホブゴブリンを倒した!

 

 

28.

ゴブリン③:親分がやられた!

 

ゴブリン④:に、逃げろ~~~!

 

騎士:逃がすか!!

 

初老の騎士:聖女様はご無事だ、深追いはするな!

      逃げた魔族共は構わんでよい

      怪我人の治療を優先するんじゃ!

 

侍女長:ダンカン殿、もう大丈夫でしょうか?

 

初老の騎士  :侍女長殿、ご安心下され、

(以下、ダンカン)馬車から出ても大丈夫ですぞ!

        勇敢な少年がホブゴブリンを討取り

        ゴブリン共は逃げていきましたじゃ!

 

 

29.

侍女長:まぁ、なんと!聖女様、私達は助かりましたよ!

 

ダンカン:少年、君が来なければ我々は皆

     ゴブリンどもにやられていた

 

のび太:あの、僕には何が何だか

 

聖女:あなた様が我々を救ってくれたのですか?

 

のび太oO(うわぁ、綺麗な人だなぁ…)

 

聖女:まぁ!歳も私とそう違わないではありませんか!

   お名前をお伺いしても?

 

のび太:あ、あの、のび太と言います

 

聖女:のび太様、此度は誠にありがとうございます

 

のび太:い、いやぁwww

 

 

30.

聖女:のび太様、これからどちらへ?

 

のび太:どちらへというか、どちらでもないというか

 

聖女:宛ての無い旅でございますね!?

   のび太様の御齢で珍しい!

   ならば聖都にある大聖堂にいらっしゃいませんか?

 

のび太:いいんですか!?

 

聖女:もちろんです

 

侍女長:聖女様、子供とはいえ

    このような素性の判らぬ者を!

 

聖女:何を言うのです!

   のび太様は我々を助けてくれたのですよ

   相応の礼を尽くさねばならないでしょう

 

侍女長:は、はい、聖女様、申し訳ございません

 

聖女:では、のび太様、大聖堂までご一緒しましょう

 

のび太:はい、お願いします!

 

 

31.~現世界、野比家の中~

パパ:やぁ、しずかちゃん、出木杉君、よく来てくれたね

 

しずか:のび太さんにお線香を上げたくて

 

出木杉:僕もです、お邪魔してもいいでしょうか?

 

パパ:二人ともありがとう、のび太も喜ぶよ

   僕は隣の部屋で仕事をしてるから

   ゆっくりしていきなさい

 

しずか&出木杉:お邪魔します

 

 

しずかと出木杉が居間に入ると

仏壇の前に置かれた骨箱を、ドラえもんがじっと見つめていた

 

 

ドラえもん:やぁ、しずかちゃん、出木杉君

      いらっしゃい

 

しずか:ドラちゃん…

    のび太さん、小さくなっちゃったわね

 

 

と、家の外から怒声

 

 

32.~現世界、野比家の前~

パパ:お前たち!何しに来た!

 

ジャイアン&スネ夫:あの、のび太君にお線香を…

 

パパ:お前達は、自分がしたことを判ってるのか!?

 

ジャイアン&スネ夫:そ、そりゃぁ

 

パパ:一歩でも敷地に足を踏み入れてみろ!

   ただじゃ置かないぞ!

 

 

ガコーン!

パパはゴルフのドライバーを地面にたたきつける

 

 

ジャイアン&スネ夫:お願いします!のび太君に

          謝らせてください!

 

パパ:こ、このぉ!

 

 

パパはゴルフドライバーを振り上げる

 

 

33.

ドラえもん:やめて、パパ!

 

しずか:おじ様、やめて!

 

出木杉:ダメです!落ち着いてください!

 

パパ:ドラえもん、しずかちゃん、出木杉君

   離しなさい!こいつらのせいで

   のび太は、のび太はぁぁぁぁぁ!

 

 

興奮気味のパパ、急にうなだれる

 

 

パパ:……うぅっ、ぐすっ……

 

 

パパはジャイアンとスネ夫に背を向けた

 

 

パパ:勝手にしなさい…

 

ジャイアン&スネ夫:…

 

 

パパは家の奥へ

 

 

ドラえもん:ふぅ、ジャイアンにスネ夫、まずは入んなよ

 

 

34.~現世界、野比家の中~

しずか:おじ様は?

 

ドラえもん:食卓でお酒飲み始めちゃった

 

出木杉:僕、野比君のお父さんと話してくるよ

 

ドラえもん:食卓は部屋を出て左の突き当りだよ

 

出木杉:わかった、ありがとう

 

しずか:そういえば、おば様は?

 

ドラえもん:また入院しちゃったんだ

 

しずか:そう…

 

ドラえもん:ジャイアンにスネ夫

      君たちには僕もいろいろ言いたい

      ひとまず、のび太君に手を合わせてあげて

 

ジャイアン:のび太、すまねぇ!

 

スネ夫:僕たちが悪かった、頼む生き返ってくれ!

 

ドラえもん:ムリだよ

 

 

35.

スネ夫:なぁ、ドラえもん、君の道具で

    のび太を生き返らせてくれよ

 

ジャイアン:そうだタイム風呂敷でのび太の骨を包めば!

 

 

4人の車座中央に、のび太の骨箱が運ばれる

 

 

ドラえもん:動かない死んだままののび太君が

      できるだけだよ(※)

 

スネ夫:じゃぁ、もしもボックスで

    のび太が死んでない世界を!

 

ドラえもん:のび太君が死んだ状態で

      死んでない世界を設定すると

      のび太君がそもそも存在しない世界が

      出来る、らしい

      そんな世界こそ僕は嫌だ

 

 

36.

しずか:タイムマシンで過去ののび太さんに来てもらえば

 

ドラえもん:そんなことをしたら過去の僕たちが

      のび太君を失うことになる

      過去ののび太君は過去ののび太君

      僕たちののび太君じゃない

      航時法の問題もある、誘拐と同じだよ

      残念だけど22世紀の科学をしても

      死者を生き返らせることはできない

 

一同:そんな…

 

ドラえもん:oO(確かにのび太君は死んでしまった

      じゃぁ何故僕がいる?

      何故セワシ君が生まれたんだ?

      何かあるはずだ、考えろ!僕!)

 

 

37.

消沈するしずか達をよそに、突如、

のび太の骨箱がふわふわと浮き始め、光の粒子をまとう

 

 

ドラえもん:わ、わ、わ、のび太君、待って!

 

しずか:のび太さん、どこ行くの!?

 

ジャイアン:待て!のび太!俺が悪かった!

 

スネ夫:僕達を置いていくな、のび太!

 

 

ドラえもん達4人が宙に浮く骨箱に縋りつくや

光に包まれた骨箱が一気に崩壊、そのまま4人もろとも消失した

暫くして、居間の襖を開ける出木杉

 

 

出木杉:剛田君、骨川君、野比君のお父さんは

    君たちの謝罪を受け入r…

    剛田君?骨川君?しずかちゃんとドラえもんまで

    み、みんなどこへ?




※:作品によっては
  タイム風呂敷で生物を蘇生した事例ありますが
  本作ではこの解釈とさせていただきます
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