65.~異世界、聖都、雑居区域~
聖都に魔獣襲来、のび太は魔獣たちと戦う
ヴォーパルラビット:キキィッ!
のび太:く、狙いが定め辛い!これでもか!
ヴォーパルラビット:キィィィッ!
ヴォーパルラビットに翻弄されるものび太はなんとかこれを倒す
アレックス:てこずってるようだな
のび太:へんだ、そっちはどうなのさ
アレックス:俺はこれを機に冒険者ランクの昇級を狙うぜ
お前はせいぜいウサギと遊んでな!
66.~異世界、魔王城から聖都の間~
魔獣たちを止めるため魔王軍は聖都に向かう
ハルピュイア:先遣隊から伝令!
フェンリル様、人間拠点に到達!
ソロモン:ゴライアス、急ぐぞ!
ゴライアス:わかっておる!ソロモン、フェンリル様の
眷属達の相手はおぬしに任せたい
ソロモン:うむ、眷属達は数が多い、任せよ
フェンリル様は頼んだぞ
ゴライアス:おうよ!ハルピュイア
おぬしの手勢を借りるぞ
ハルピュイア:了解っす
67.~異世界、聖都の雑居区域~
冒険者ランクアップに逸るアレックスは
聖都に入り込んだ魔獣たちを切り伏せていく
ジャック:アレックス、ペースが速すぎる!
メアリー:このままでは魔力が持ちませんわ!
アレックス:ごちゃごちゃ言ってるんじゃねぇ
これはチャンスなんだよ、黙って俺に従え!
次の獲物はアレだ!
十数メートル先のレッサーベアに狙いを定める
アレックス:行くぞぉぉ!
68.
アレックスはレッサーベアに突進するも
目前に黒い影が立ち塞がり、それを遮る
黒い影、ソロモンがアレックスに言い放つ
ソロモン:小僧、これ以上の殺生は控えてもらうぞ
アレックス:なんだ、お前は?
ソロモン:お前に答える必要はない
此度の事は我らが抑える
小僧も命が惜しかろう、去るが良い
アレックス:へっ、そういう訳にはいかないんだよ!
アレックスはソロモンに剣を向ける
69.
ソロモンは錫杖の石突を地面に撃ちつけた
コーーン
乾いた音が高らかに響くや、ソロモンを中心に衝撃波が放射状に広がる
アレックス:ぎゃ!
衝撃波をまともに浴びて吹き飛ぶアレックス
出遅れていたジャックとメアリーも衝撃波の片りんを浴びてたじろぐ
ジャック:く、な、なんだ今のは
アレックス:はぁ、はぁ、き…
メアリ―:アレックス、大丈夫ですか?
アレックス:今日のところはこの辺にしといてやる!
ジャック&メアリー:??
アレックスは逃げ出した
70.~異世界、聖都の大通り①~
一方…
獣王フェンリル:そこを退けぃ、ゴライアス!
ゴライアス:退きませぬ!
獣王フェンリル:ならば押し通ってくれるわ!
ゴライアス:受けて立ちましょうぞ!
獣王の突進、ゴライアスはこれを受止める
ゴライアスの両足が電車道の轍を作るも、獣王の突進速度は落ちていく
ゴライアスを十数メートル押し込み、獣王の足止が叶う
71.
獣王フェンリル:うぬぅ…
ゴライアス:このゴライアス
力ならば貴方様に引けは取りませぬ
獣王フェンリル:ならば、こうしてくれよう!
その牙と爪を使おうとフェンリルは上体を振り上げる
ハルピュイア:今っす!全員突撃!
ハルピュイア隊:行けぇぇぇ!
隠れていた羽や翼をもつハルピュイアの部下数十名が
一斉にフェンリルに纏わりつく
72.
ハルピュイア:持ち上げろぉ!
獣王フェンリル:ぐっ、貴様たち!
ハルピュイア隊に上半身を持ち上げられるフェンリル、
フェンリルは後足の爪を地面に食い込ませ踏ん張る
ゴライアス:せりゃぁ!
ゴライアスはフェンリルにタックル、その後脚を刈る
獣王フェンリル:ぬぉ!
獣王フェンリルの体が完全に地面から離れる
73.
ハルピュイア:みんな、いくよぉ!
ハルピュイア隊:うおぉぉぉ!!
フェンリルの巨体がぐんぐんと高く持ち上げられる
ゴライアス:いかなフェンリル様とて
地にその足が着かねば
その力、存分に振るえますまい!
獣王フェンリル:おのれぇぇぇ放さぬかぁぁぁ!
ゴライアス:ハルピュイア、後は頼んだぞ!
ハルピュイア:お任せっす!
四肢をばたつかせ、上空に運ばれていくフェンリル
それを見届けるゴライアス
ゴライアス:ぐっ
ゴライアスは声を漏らすや片膝をつく
彼の体を覆う硬い外殻、その胸部には蜘蛛の巣模様のヒビが走る
74.
アレックス:くそ、何なんだ今の奴は
魔人まで来やがったのか
しかもあの術、洒落になんねぇ
まずい、まずいぞ、このままじゃ
ランクアップにはもっと魔物を倒さないと!
大通りを一人でうろつくアレックス
アレックス:お、あいつは、怪我してるみたいだ
チャンス!
定めた敵の背後から、アレックスは剣を叩き込む
アレックス:くらえ!
カキーン
剣は弾き返された
75.
ゴライアス:背後から奇襲か、悪くない
戦いとはそういうものだ
アレックスの不意打ちを受けたゴライアスは、ゆっくりと立ち上がる
ゴライアス:戦う気分ではないが、刃を向けられた以上
戦士として応えねばなるまい
小僧、覚悟せぃ!
アレックス:ひい、で、でかい!
アレックスはゴライアスを見上げる
アレックス:か、かか、かかって、きょい!
ゴライアス:む?
アレックス:か、かかって、こ、こにゃいなら
こ、こっちきゃらいくじょ!うりゃぁ
ゴライアス:…
76.
きーん!
ゴライアスはアレックスの剣筋をまともに受ける
ゴライアス:…
アレックス:えい、やぁ、とぅぁぁぁ!
かきーん、かきーん、かきーん、
アレックスの剣撃はゴライアスの外殻に全て弾かれる
ゴライアス:……もう止せ
アレックス:うりゃぁ、とうぅ、せゃぁ!
ゴライアス:止せ、と言っておろうが!
アレックス:ひ!
ゴライアスは一喝、アレックスは尻もち
77.
ゴライアス:小僧、ここに貴様の居場所はない、引け!
アレックス:なん、だ、と、ちくしょぉぉぉ!
構えを解いたゴライアスに、アレックスは尚も切り込む
ゴライアス:蛮勇な、そのような戦いぶりではいずれ
無駄死にぞ!
アレックス:うりゃりゃりゃりゃぁぁぁ!
ゴライアス:…死に急ぐか、ならば、いっそこの場で!
78.~異世界、聖都の大通り②~
のび太:えい!
レイジングボア:ピギィィィッ!
響く断末魔、のび太はレイジングボアを切り捨てる
のび太はこれまでも冒険者ギルドから
多くの討伐クエストをこなしてきたが
今回の魔獣襲来だけでも、かなりの数の魔獣を屠った
のび太:ここら辺のモンスターは今ので最後かな?
???『も……ま…くども…た…せ』
???『ま……………ち………た…ら………ぞ』
のび太:!何々!?今の声?
のび太の脳裏に響いた謎の声
と、同時に聞き覚えのある声が大通りにつんざいた
79.~異世界、聖都の大通り①~
アレックス:いやだぁぁぁ!
ゴライアス:安心せい、苦しませはせぬ
剣を徒に振回すアレックス
彼の剣はメトロノームの様に左右に揺れる
そんなメトロノームのリズムを測るかのように
ゴライアスは大剣をアレックスに振り下ろそうとする
が…
ガコォッ!!
ゴライアスは背後から衝撃を受けてつんのめる
ゴライアス:ぬぉ!?
ゴライアスは受け身をとるとすぐに立ち上がり、周りを見渡す
80.
ゴライアス:……この短時間に
二度も背後を取られるとは不覚
それも子供にとはな!!
のび太:アレックス、逃げて!
アレックス:の、のび太!あ、後は頼んだ!!
アレックスは逃げ出した
ゴライアス:小童、なかなか良い打ち込みだったぞ
のび太:僕は思いっきり切り込んだんだけどね
ゴライアス:来い、稽古をつけてやる!
81.
のび太:やぁぁぁ!
のび太は、ゴライアスに飛込み剣を振り下ろす
ゴライアスはそれを難なく受け止め、弾き返す
弾き返されるや、着地と同時にのび太は再跳躍
ゴライアスに斬りつける、が、阻まれる
のび太:くっ、ダメか!
ゴライアス:迅く剛い、が、粗く拙い、所詮は小童の剣
守りはどうだ?こちらから行くぞ!
巨体に似合わぬ速度でのび太との間合を詰めると
ゴライアスは唐竹に大剣を揮う
82.
のび太:わっ!
ゴライアスの斬撃をのび太は紙一重で払う
ゴライアス:払ったのはよい判断だ!
受止めておったら
剣ごと真っ二つであったぞ!
のび太:褒めてくれてアリガ、うっ!
ゴライアスは体当たり
のび太は鍔競りに受止めるも受けきれない
背後へ大きくよろけるのび太に、ゴライアスは更に斬り込む
ゴライアス:ほら、気を抜くなよ、刻まれてしまうぞ!
のび太:くっそ
83.
ゴライアスの連撃を剣でいなして躱し続けるのび太
しかし全てを躱しきれない
躱しきれなかった剣撃の切っ先が
のび太の全身を薄皮一枚で切り裂いていく
気付けば、のび太の体は真っ赤に染まる
のび太:おいっ、遊んでるでだろ!
ゴライアス:言ったであろう、稽古をつけてやる、と
のび太:そうかい、でも僕は
こういうことだってできるんだ!
ファイアボール!!
のび太の手から放たれ火球がゴライアスの巨躯に直撃、爆炎が上がる
のび太:どうだい、お前みたいに大きければ外さないぞ!
84.
薄れゆく煙幕から浮かび上がるはゴライアスの巨体
のび太:えぇ!?
ゴライアス:はっはっは!魔法までこの威力か!
効いたぞ!小童!我が肌を焦がすとはな!
のび太:な、なに?この人!?
ゴライアス:問答は無用、さぁ続けるぞ!
言うや否や八双に剣を構え、ゴライアスはのび太に突進
のび太:わわ、ガストーン!!
ゴライアス:小癪な!
ゴライアスは大剣の一振りで魔法の突風塵を掻き消す
85.
のび太:な!
ゴライアス:さぁ、こちらの番だ!
ゴライアスはのび太に肉迫し、片手で大剣を横薙ぐ
のび太はジャンプ、これを躱す
ゴライアス:翼持たずして宙に逃げるは愚策!
宙に浮いたのび太の体にゴライアスの回し蹴りが極まる
のび太:が、はっ…
ゴライアスに蹴とばされ
のび太は真っ直ぐ水平に吹き飛び
そのまま大通り沿いの建物に叩きつけられた
86.
のび太:な、なんの、これしき…
ゴライアス:尚、立ち上がるか!
貴様の名を聞いてやろう!
のび太:教えてなんか、やる、もんか!
ゴライアス:其れは残念、ならば力尽くで!
のび太:やってみろよ!
ゴライアス:応よ!次は無いぞ!
ゴライアスは、再度、八双に構え、のび太に向かってくる
87.
のび太:フリーズ!
突進するゴライアスの足下が凍り付く
ゴライアス:!?
ゴライアスは氷り付いた石畳に足を滑らす
転倒を堪えるも巨体が祟ってバランスが取れない
のび太の眼前にゴライアスの胸部に刻まれた蜘蛛の巣模様が迫る
のび太:やぁっ!
のび太は身体能力に任せて跳躍、蜘蛛の巣模様の中央に剣を突き出した
88.
ゴライアス:ゴフッ
ゴライアスの左胸にのび太の剣が突き刺さる
のび太:前に、似たようなことをされてね
ゴライアス:み、見事、だ…
剣が左胸に突き刺さったままゴライアスは崩れ、のび太にもたれかかる
のび太の全身の傷から流れる血がゴライアスにべたりと付く
のび太:うわ、重!
のび太がゴライアスを蹴とばすと、
その巨体がのび太の体から離れてどうと倒れる
のび太:へん、さっきのお返しだ!
89.
横たわるゴライアスを見下ろすのび太
のび太:…ふふ、あは!
この僕が、こんな大きい奴を倒したんだ!
やった、やった、やったぁぁ!!
勝利に酔うのび太の脳裏に再び謎の声が響く
???『はは…す…………い…まじん…たお……ぞ』
???『…っともっ…ま…くども…ち………て……』
のび太:え?え?え?また、何!?
90.~異世界、聖都の雑居区域~
ソロモンとその部下たちは聖都に入るや、
魔獣たちに睡眠や拘束の魔法をかけて無力化、
ゴライアス隊が魔獣たちを街の外に運び出す
ソロモン部下:フェンリル様の眷属の方々は
もういないようです
ソロモン:わかった、我らも退却するぞ
ハルピュイア:ソロモ~ン!
ソロモン:ハルピュイアか、フェンリル様はどうだ?
ハルピュイア:今、みんなで運んでるんだけどさ
それが困ったことになってるっす
ソロモン:何だ?
ハルピュイア:えっとね
91.~異世界、聖都の上空~
フェンリル:貴様ら、放さぬか!
吊り上げられながらも、もがき抵抗するフェンリル
ハルピュイア隊員①:フェンリル様、暴れんで下さい!
ハルピュイア隊員②:ふぇんれ様、落ちら、危な!
ハルピュイア隊員③:ガァッガァッ!
ハルピュイア:み、皆、頑張るっす!
今、ソロモンを呼んでくるから!
92.~異世界、聖都の雑居区域~
ハルピュイア:てなことになっちゃってるっす
ソロモン:そ、そうか
ハルピュイア:で、魔法の得意なソロモンに
どうにかしてもらいたいっす!
ソロモン:しかしフェンリル様に俺の魔法は
なかなか効かぬぞ?
ハルピュイア:でもこのままだとフェンリル様
落っこっちゃうっすよ
ソロモン:それもマズいな
わかった、どこまでできるかわからないが
ひとまず、俺をフェンリル様の許に届けてくれ
ハルピュイア:やたっ!ありがとっす
じゃ、ソロモン、行くっすよ
ハルピュイアはソロモンを連れてフェンリルの許へ
93.~異世界、聖都上空~
フェンリル:我はフェンリルなるぞ、貴様ら放さぬか!
ハルピュイア隊④:フェンリル様、落ち着きを!
ハルピュイア隊⑤:落っそ、フェリル様、だめ!
ハルピュイア隊⑥:ピィッピィッ!
フェンリル:えぇぃ、放せというのが聞こえんか!
ハルピュイア:よかった、フェンリル様は無事っすね
ソロモン:フェンリル様、どうかご静謐に!眷属の方々は
我々が退避させましてございます!
此度はどうか我々と共にお戻り下され!
94.
フェンリル:黙れ!ソロモン!其方まで戯れ言を!
ソロモン:致し方ございませぬ
フェンリル様、ご無礼を!
スリープ!
フェンリル:小賢しい!貴様の魔法なぞ効かぬわ!
ソロモン:私めが魔力、全て注がせていただきますぞ
御免!
うおりゃーーー!
フェンリル:ぬぬ!?あ、ぅ、ぐぁ…
ソロモン:ぐぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬ!
フェンリル:な、あ、ぅ、Zzz、Zzz
ハルピュイア:さっすがソロモン!
95.
ソロモン:ハァ…ハァ…
ハルピュイア:ソロモン、大丈夫?
ソロモン:魔力を殆ど使ってしまったが、なんとか、な
ところでゴライアスはどうした?
ハルピュイア:あ、まだ下に居るっす
ソロモン:なら迎えに行ってやろう
あいつ、また拗ねるぞ
ハルピュイア:アハハハ、かもしれないっすね、みんな、
ゴライアスの旦那を迎えに行くから
2~3人ついてきて
ソロモンとハルピュイアはゴライアスの許に…
96.~異世界、聖都の大通り①~
アレックス:ダンカンさん、こっちです
ダンカン:急ごう、のび太君が心配じゃ
アレックスoO(いくらのび太でも
あんな巨人が相手じゃ…
くそっ、俺はなんであいつを独りに!)
ダンカン:む、あ、あれは!
アレックス:な、の、のび太!?
のび太を見つけ駆け寄るダンカンとアレックス
97.
ダンカン:のび太君!大丈夫か?血まみれじゃないか!
のび太:傷は浅いです
見た目ほどじゃないんで大丈夫です
アレックスoO(こ、こいつ、なんて奴だ…)
ダンカン:ところでのび太君
そこに倒れてるのは、き、君が?
のび太:はい、僕が倒しました
アレックス:さ、最初は俺が戦っていたんです
のび太:そうだけど、アレックスは逃げたじゃないか
倒したのは僕だぞ!
アレックス:よ、弱らせたところで
俺は応援を呼びに行ったんだ
ダンカン:わかったわかった、二人とも落ち着きなさい
しかし…これは魔王軍の幹部では?
横たわるゴライアスを見てダンカンは驚く
と、上空から悲鳴にも似た声
98.
ソロモン:ゴライアス!
ハルピュイア:旦那!
ソロモン:小僧、これは貴様の仕業か!
アレックスoO(こ、この魔人はさっきの!)
のび太:そうだけど、文句ある?
ソロモン:その男は我らが同胞、返してもらうぞ!
のび太:なんだい!返してなんかやるもんか!
ソロモン:敗者を辱めるが人間の流儀か!?
のび太:僕が勝ったんだ、僕の自由にさせてもらうさ!
ソロモン:小僧!
アレックス:おい、やめろ!刺激するな!
99.
ダンカン:わかり申した、この巨人の身柄
引き渡しましょう
のび太:ちょ、ダンカンさん?!
ダンカン:ここは私に任せなさい
のび太:そんなぁ…
ソロモン:御仁、傷み入る
ダンカン:但し、こちらの質問に応えてもらおう
正直にな
ソロモン:……承ろう
ダンカン:まず、此度の騒動、うぬらの仕業か?
ソロモン:断じて違う
100.
ダンカン:ならば、うぬらは何故ここに?
ソロモン:フェンリル殿を止めるために
ダンカン:フェンリル!?獣王が来てたのか!?
ソロモン:フェンリル殿は我々が諫め
既に退いて戴いておる
ハルピュイア:ゴライアスの旦那が
フェンリル様を止めてくれたんっす!
ダンカン:ゴライアス?
ハルピュイア:そ、その巨人のこと!
ダンカン:ほぅ、では、なぜ獣王は攻めてきた?
ソロモン:…詳しくは聞いておらぬ
101.
ダンカン:ふむ…では、この巨人について聞こう
この巨人、ゴライアスといったな
魔人軍の幹部だな?
ソロモン:……うむ、ベルモデウス様直属の
四天王が一人である
ダンカン:うぬらは?
ソロモン:同じく四天王の一人、ソロモン
ハルピュイア:同じくハルピュイア
ダンカン:四天王のうちの三人が出てきたのか!
ソロモン:フェンリル殿とその眷属方を
止めようというのだ
我ら三人が応ずるは是非もなし
102.
ダンカン:そこまでの戦力を出しながら
うぬらは聖都を攻めぬと?
ソロモン:先も言った、我らが任は
フェンリル殿を止めること
ダンカン:獣どもと共闘の間違いでは?
ソロモン:斯様な街に攻め込むなんぞ無用千万!
ダンカン:何じゃと!
ソロモン:何度でも言うてくれるわ!
貴様らの街なんぞ我らには何ら価値はない!
ダンカン:我らとうぬら、各地で小競ってるを
知らぬではあるまい!
ソロモン:すべて我らの領内でのこと
非は貴様らにある!
103.
ダンカン:うぬらの領だと?ほざくなよ
そんなもの1000年前に我らが切り取り済よ
ソロモン:1000年も前のことを
さもありなんと持ち出すとは愚かよの
ダンカン:負け犬が遠吠えおるわ!
ソロモン:過去の栄光に縋るのなら縋るがよい!
我らは1000年前とは違うのだ
かの戦いの後
我らはフェンリル殿らと盟を結んだ
そして永きの時を経て我らはともに栄を成し
かつてを超える程の同胞と暮らしを得たのだ
ダンカン:かつてを超える、じゃと?
ハルピュイア:そうっす!今のあんたたちなんか
どうだっていいっす!
ダンカン:そ、そのような世迷い事、信じられるものか!
ソロモン:信じたくなければ信じなくともよい
ダンカン:ふ、ふん…
104.
ソロモン:もうよいか?ゴライアスは
引き取らせてもらうが?
のび太:へーんだ、いやだね!
ソロモン:小僧!何を言う!
アレックス:ダンカンさん、この状況はまずいです!
さっきこの魔人と戦いましたが
かなりの強さです
しかも今は一人じゃない!
ダンカン:む?
ソロモン:わ、我らはゴライアスのようにはいかんぞ!
ハルピュイア:そ、その通りっす、かかってくるっす!
のび太:あぁ、やってやるさぁ!
アレックス:おい、お前はもう黙ってろ!
ダンカンさん、どうにかして下さい!
105.
ダンカン:ソロモンとやら、約束じゃ、連れて帰るがいい
のび太:えぇぇ!?
ソロモン:ダンカン、といったか?感謝しよう
ダンカン:だが、この巨人の大剣は預からせてもらうぞ
戦利品は必要じゃ
ソロモン:…ああ、持っていけ、行くぞ、ハルピュイア
ハルピュイア:うん、さ、旦那、一緒に帰るっすよ
ゴライアスを担ぎ、ソロモンとハルピュイア達は飛び去って行く
106.
のび太:ダンカンさん、ひどいや
あの巨人は僕が倒したんだぞ!
ダンカン:まぁまぁ、のび太君、ランクアップの
推薦状を書いてやるから
のび太:ランクアップ、ですか?
ダンカン:そうともよ、魔人共の幹部を倒したんじゃぞ?
のび太:まぁ、それなら…
ダンカン:アレックスの推薦状も書いてやらんとな
アレックス:ほ、本当ですか!
107.
のび太:え?アレックスも!?
ダンカン:アレックスも戦っていたのだろう?
のび太:そうですけど…
ダンカン:ならばアレックスもじゃ
アレックス:よっしゃー!
のび太:でも、最後は僕一人で…
ダンカン:のび太君、手柄の独占はよくないぞ
アレックス:そうだぞ、のび太!
のび太:そんなぁ、………あ!
ダンカン:どうした、のび太君?
のび太:僕の剣、あの巨人に刺さったまんまだ!
108.~異世界、どこかの森の深遠の深遠の深遠~
ロリババァ:こ、ここはどこじゃ
完全に迷ってしまったぞ
というか、儂の出番なさすぎんか?
ロリババァは方向音痴