If I could turn back time 作:暇をなくした暇人の集
「ところでハリー、"マダム・マルキンの洋装店"ってどこにあるか知ってる?」
「知ってそうに見えるならね。」
「見えないわね。
じゃあそこら辺の人にでも聞いてみましょうよ。」
「あー。でもその必要はなさそうだよ。あれじゃないかな、多分。」
なるほど、たしかに探す必要はないかもしれない。
ハリーが指差す方向を見てみれば、数々の服飾品が並んだショーケースが見える。
しかも大体が制服なのだ。
「お手柄ね、ハリー。」
「でもさ、ああいう店って入りにくくない?」
「確かに。あなたはもう少しファッションセンスを磨くべきかもね。」
ふむ、確かにハリーに縁のなさそうな店であることは間違いない。
なんせ彼の服はまるで毛玉を集めて縫い合わせたような有様なのだから。
まあ、一体何世代前のおさがりかもわからないような服を着ている私もハリーと良い勝負なのだろうが。
「最近はこういうのが流行りなんだよ。ほら、資源を大切にって言うじゃないか。」
「ならもう私は非魔法界に戻りたくないわ。」
「それは同感。」
どうでも良いことを話しながら服屋に近付き看板を読んでみる。
・・・ここであっているようだ。
「すいません、ホグワーツの制服を買いに来たんですが。」
「制服二人分ね、了解了解。
お名前をそこの紙に書いて台に立ってもらえばすぐに採寸できるわ。」
店員が一人しかいないのにどうやって二人も採寸するんだろうと不思議に思っていると、どこからともなくメジャーが飛んできて計測を始めた。
メジャーが飛んでいることに違和感を覚えないあたり、私も魔法界に慣れてきたということだろう。
隣のハリーも似たようなもので、空飛ぶメジャーに特段興味を示した様子はない。
当然といえば当然だろう。なんせ彼の目の前ではもっと驚くべきことが起きているのだから。
・・・ほら見ろ、店の前で犬と翼付きの猫が喧嘩を始めたぞ。
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親友たちの遺児であるハリーを、ハグリットは甥っ子のように感じていた。
ジェームズとリリーの子供。
もうあの仲良し五人組が揃うことはない。
三人は亡くなり、一人は獄中に、一人は社会の裏側に。
ハリーは何も知らない。
彼が、ハリーが、これ以上思い悩間まぬように。彼が全てを知るのはもっと後でいい。
そういえば、今年はウィーズリー家の末息子のロナルドも入学するはずだ。きっと、ハリーにとって良い友達になってくれるだろう。
それにあのサクヤという少女もだ。
・・・ダンブルドア先生の話だと例のあの人はいつか戻ってくるらしい。
非常に心苦しいが、きっとまたハリーは狙われる。
そのときには、サクヤやロナルドが背中を支えてくれることだろう。
さて、そろそろ気分もましになってきたことだし、二人を迎えに行くとしようか。