If I could turn back time   作:暇をなくした暇人の集

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これで失踪RTAは回避できそうですね。


02話

私が勉強を始めると必ず何かがその邪魔をする。例えばそう、ついさっき私の部屋の窓を突き破って墜落したフクロウのように。

 

一昨日は政府の検査、先週は老朽化による停電、その前にも赤い霧の発生により発令された外出自粛による職員不足の補助などなど。私の勉強は世界に悪影響を及ぼすわけでもないのに、どうしても邪魔が入る。

 

自身の不運を嘆いて溜息をつくと同時に孤児院の職員が一人、仰々しい音とともに駆け込んできた。

他の孤児院出身のアイリーン・シンガーだ。

 

「サクヤ!!どうしたの!!」

 

途端に私は自分の顔が熱くなるのを感じた。

 

「えっと、その、聞こえてしまいましたか?」

 

そう、あまりにも驚いた私は大声で悲鳴をあげてしまったのだ。

普段なら反射的に時間を止めてしまうが、今回は驚きすぎてそれすら忘れてしまったらしい。

 

「えっと、私は大丈夫なんですがその・・・

 フクロウは大丈夫じゃないみたいです。あと窓も。」

 

「フクロウ?ああ、そういうことね。

 ん~鳥が窓にぶつかるのはよくあるけど、窓が割れたのは初めてね。」

 

「それでちょっと驚いてしまって。」

 

・・・なんだろう。なんだかアイリーンがすごくニコニコしながら私を見てくるのだが。

 

「何見てるんですか?」

 

「いやあ、ね。サクヤちゃんは普段から大人っぽいから、久しぶりにそういうサクヤちゃんを見れて嬉しいだけよ。」

 

「単にびっくりしただけですから!!その、まあ、少し声は大きかったかもしれませんけど。」

 

「そうねえ、誰だってびっくりしちゃうことぐらいあるわよね、仕方ないわよね。」

 

そう言いながら頭をなでてくる彼女をしばらくジト目で彼女を見ていたものの、むしろ彼女が喜んでいるような気がしてさらに私の顔が熱くなるだけだった。

 

「とにかく!!私は何も怪我してないですから!!早く院長に窓の交換を頼んできてください!!」

 

その瞬間、フクロウが気を取り戻し部屋の中で暴れまわってから外に出て行った。

当然私は叫び声をあげ、またしても彼女に笑われてしまった。

地面が私を飲み込んでくれればいいのに。

 

 

 

 

 

 

ビックベンが午後6時を知らせる頃、ようやく私は部屋に飛び散ったガラスを片付け終えた。

最後にガラス片の残骸が残っていないか確認するためにベッドの下を覗くと、一枚の手紙が落ちていた。

が、魔法がどうのこうのと書かれている意味不明な手紙だったのでいたずらと考えて暖炉に放り込み、ようやく一息つくことができた。

そこでようやく気付いた。

「あ、全然勉強できなかった・・・」

時間を止めて勉強して進度に違和感を感じる人が出てきても困るので、私はなくなく今日は勉強は諦めることにした。

 

 




解説
「地面が私を飲み込んでくれればいいのに」
イギリスのことわざで、日本のことわざの「穴があったら入りたい」の意。

鳥の衝突
イギリスではよくあることだそう。
日本でも地域によっては多い場所もあるそうで。
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