If I could turn back time 作:暇をなくした暇人の集
残念なことに先ほどの炎は一切彼に損害を与えていないようで、長い髭からローブの裾までどこをとっても火に炙られていた痕跡はない。
「とにかく、さっきので貴方が魔法使いだということは理解できました。でも、他に方法は無かったんですか?トラウマになるところでしたよ。」
彼を包んでいた炎が消えそれが彼の仕業だと理解した瞬間、私は憤慨した。
当たり前である。奇妙な老人が部屋に入ってきたと思えば炎に包まれ、無事だったかと安心したところそれが彼の"ちょっとした手品"だったと明かされたのだから。
気付くと私は初対面の老人に対して説教をしていた。
声が周りに聞こえることを恐れたのか、彼は慌てて透明な膜・・・結界?のようなものを部屋に展開した。いい気味である。
「儂は派手な魔法と初めて魔法を見た者の反応が好物なのじゃよ。」
「性格悪いですね。」
「それが愉快な人生の秘訣なのではないかと儂は考えておるのじゃが。」
「もう良いです・・・で、何故何でしたっけ、貴方がここに来たのは。まさか私を驚かせたかっただけじゃないですよね?」
「もしそう言おうものなら君が激怒することじゃろうて。」
「当然です。」
次同じことがあれば私は彼を可能な限り陰湿な手段で彼を攻撃するだろう。
その白い髭をピンク色に染めるとか。
いや、ピンク色は似合ってそうだからやめておこう。
「その様子じゃと、君は手紙を読んでいないようじゃの。」
「手紙?何のことですか?」
その瞬間、昨日の出来事が脳裏に蘇る。
もしかして燃やしてしまったあの手紙は、実はこの老人から来たものだったのだろうか。
「あー・・・すいません、それ悪戯だと思って暖炉に放り込んじゃいました。」
「なんとも奇遇なことじゃな。儂は過去に三度ここに手紙を送ったのじゃが、全て燃やされてしもうておる。」
「二回も前例があるのなら方法を変えてもらいたいのですが。」
「三回目の御守りを期待していたのじゃよ。」
「物事は3回起きるっていう言葉知ってます?」
「儂の生まれた時代には無かった言葉なのでな。」
こちらに確認手段がないことを良いように利用するとはなんとも腹の立ついいわけである。
「で、手紙にはなんて書いてあったんですか?」
「そのことじゃが、ここにもう一枚準備してあるので読んでみなさい。」
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ホグワーツ魔法魔術学校 入学許可証
サクヤ・イザヨイ 殿
(現住所:イギリス、ロンドン、ウール孤児院)
貴殿におかれましては、厳正なる選考の結果、ホグワーツ魔法魔術学校における初年度課程への入学を正式に許可いたします。
入学に際し、以下の事項をご確認のうえ、所定の期日までに必要な準備を完了していただきますようお願い申し上げます。
■ 登校日および集合場所
・登校初日には接待の間までご来校ください。
・集合日時の詳細につきましては、別途通知いたします。
■ 入学準備品
・別紙「必要物品一覧表」に記載された品目について、漏れなくご用意ください。
・当該物品の準備に際しては、特にご注意のほどお願い申し上げます。
本校は、貴殿が魔法界の一員として責任ある知識と技術を修め、将来の魔法社会に貢献されることを期待しております。
末筆ながら、貴殿のご入学を心より歓迎申し上げます。
校訓:Draco Dormiens Nunquam Titillandus
(眠れる龍を決してくすぐるべからず)
ホグワーツ魔法魔術学校
副校長 ミネルバ・マクゴナガル
校長 アルバス・ダンブルドア
(魔法学博士・高等魔術資格保有)
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解説
三回目の御守り
三度目の正直という意味
物事は3回起きる
二度あることは三度あるという意味
住所
手紙はフクロウ配達や姿現し、煙突飛行ネットワークでの配達が主流であるためマグル界の正式な住所は必要ない。大体の場所と建物の見ため、名前が分かれば良い。