If I could turn back time 作:暇をなくした暇人の集
咲夜、助けて!!
「不死鳥の尾羽・・・
まさかこんなものを孤児院の中で拾うことになるなんてね。」
さて、ここからどうしたものか。
私としては今すぐにでも院長の部屋に行って色々尋ねてみたい所である。が、先ほどの出来事を私はいまいち受け入れられていないので、それをまずどうにかするべきだろう。
「ああ、折角平穏な人生が手に入る希望が見えたのに・・・」
どうやら我が主は私から勉強時間だけでは飽き足らず平穏な人生までもを奪うつもりのようだ。なんだか悪魔にでも祈った方がマシな気がしてきた。
いや、たしか魔女は悪魔の手先だったはずだから、私は既に立派な神への反逆者なのかもしれない。
「もういいや。」
なんだか何もかも面倒くさくなってきたので一度仮眠をとることにする。
私は能力を発動させ時間を止めてベッドに入った。
体内時計で数刻後、私は目を覚ました。
まあ、数刻であろうが数分であろうが世界の時間は進んでいないので0秒でしかないのだが。
「うーん・・・
やっぱり夢じゃなかったかあ・・・」
目を覚ましてもやはり手紙と尾羽は机の上にあった。
「まあいいや、書類を読む限り全寮制の学校らしいし、しばらくの衣食住が手に入ったと思えば良いじゃない。」
返答は無い。まあ、当たり前だ。そもそも返答など期待していないのだから。
ただ、自分から生じる音以外どんな音も存在しないこの世界では、たとえ自分の声だとしても何かしらの音が聞こえないと落ち着かないのだ。
完全な無音状態を人間は本能的に恐れる。周りの状態が分からなくなるからだ。
たしかこの方法を用いた拷問をCIAかどこかが研究していたはず。もしかするとCIAなら私の能力を明かしても採用してくれるのではないか?と、考えたものの、実験動物にされる未来しか見えないのでやめておくことにする。
「うまくいかないなあ・・・」
仕方が無いので私は服を着替え、髪を梳かして院長の部屋に向かう。
「院長、居ます?咲夜です。」
私は院長の部屋をノックして尋ねる。
「ああ、咲夜。入りなさい。」
「はーい」
私は院長に適当に返事をして入室する。
まあ、彼もこの方が良いと言っているのだし問題ないだろう。
「やあ咲夜。来ると思っていたよ。
アルバスとの話は面白かったかい?」
アルバス・・・?ああそうだ、ダンブルドア教授のことだった。
「ええまあ、なんというか・・・変人ですね、あの人は。」
院長は私の言葉を聞いて苦笑する。
「やっぱりそうか。まあ、許してやってくれ。あの人は昔からそうなんだ。」
「院長に頼まれたら仕方ないですね。
・・・で、本題なんですが、院長が魔法使いっていうのは本当なんですか?」
院長は私の言葉に首肯で答えた。
「じゃあ、その、私が入学するホグワーツって何なんです?」
院長は不思議そうな顔をして私を見つめ、質問した。
「ホグワーツに関してアルバスからの説明は無かったのかい?」
「あんまり無かったですね、ただあの人は私を驚かせて、入校許可証を渡して、院長のことを説明して帰っていきました。」
院長は苦笑しながら私に言った。
「あれでもあの人は凄い人なんだよ。
昔、史上最悪の魔法使いと呼ばれた魔法使いがいた。彼は自分の革命を成功させるために多くの魔法使いや魔女を殺し、やがてフランス魔法省やドイツ魔法省を陥落させた。しかしある日、ある一人の英国人魔法使いが彼を決闘で破った。その人物こそ先ほどの変人、アルバス・ダンブルドアなのだよ。」