便利屋は次回に持ち越しです。
前回、拐われたセリカを救出し、ヘルメット団をボコボコにした対策委員会編にヴェロナにイエロー。
現在は対策委員会の部室に帰還した所である。
「皆さん、お疲れ様です。
セリカちゃん、ケガはない?」
「うん、私は大丈夫。見てよ、ピンピンして…」
しかし、突然セリカは倒れてしまう。流石にキヴォトスの人間だったとしてもダメージが大きすぎたのである。
「セリカちゃん!」
「こりゃダメージが大きすぎたか…」
「私が保健室に連れて行く。」
「Flak41の対空砲を食らったんだもん、歩けるほうがおかしいって。」
「え?俺は多分食らっても普通に戦闘継続できるけど?」
「いやまぁ、当たってもちょっと痛いで済む方がおかしいから…とにかく、ゆっくり休ませてあげよー。」
「大変なことになる所でした。もし先生方がいなかったら…」
「うんうん。先生方のおかげでセリカちゃんの居場所を逃さず追跡できました。やっぱりすごいです☆」
「確かに、ただのストーカーじゃなかったってことだね。」
「モチロンサー☆」
「皆さん、これを見てください。戦闘中に回収した散らばった戦車の部品を確認した所、キヴォトスでは使用が禁止されている違法機種だと判明しました。」
「ほう、違法物品か…」
「もう少し調べる必要はありますが…どうやらヘルメット団は、自分たちでは入手できない武器まで保有しているそうです。」
「…やっぱ後ろに何か居るな、確実に。」
「あ、この部品の流通ルートを分析すれば、ヘルメット団の裏にいる存在を探し出せると私は思います!」
「…というわけで、申し訳ないがその部品を調べてくれないか?」
「分かりました。この部品を分析していけば、ただのチンピラがなぜここまで執拗に私たちの学校を狙っているのかも明らかになるかもしれませんし。」
「うん、わかった。じっくり調べてみよっかー。」
「センキュー。何か手伝ってほしい事とかあったら遠慮なくいってちょ。」
「手伝えることは手伝わせてもらう。」
そうして、この部品の解析作業が始まったのだった。
「…格下のチンピラごときでは、あの程度が限界か。主力戦車まで送り出したというのに、このザマとは。」
あるビルの一室で、何者かが話していた。
大柄な義体の男だ。
どうやら、この男はヘルメット団の後ろに居た者らしい。
「ふむ…となると、目には目を、生徒には生徒を…か。
専門家に依頼するとしよう。」
(プルルル プルルル)
(ガチャ)
「はい、どんなことでも解決します。便利屋68です」
「仕事を頼みたい、便利屋。」
ヘルメット団のアジトでは、何やら大事が起こっている様子。
「はあ…はあ…うわあぁっ!!」
ヘルメット団の一人が逃げるが、弾を撃ち込まれて倒れる。
「あーあー、こっちは終わったよー。」
「こっちも制圧完了だ。ボス。」
「う、うう…何者だ…貴様らは…」
「…ふふふ。」
「うあああっ!!ま、まさか、アビドスの!?まさか追い打ちに…!?」
「はぁ、こんな不潔で変な匂いがして、しかもこんなにボロボロな場所がアジトだなんて、あなた達も冴えないわね。」
(だいたいイエローとヴェロナが暴れまわったせいです。)
「…いいわ。あなた達を労働から解放してあげる。」
「なっ、何だと!?」
「要するにクビってこと。現時刻をもって、アビドスは私たちが引き受けるわ。」
「ふっ、ふざけた真似を!貴様らは一体…うわああっ!!」
あたりに一瞬、静寂が満ちる。
「…私たちは、便利屋68。金さえもらえれば、何でもする…なんでも屋よ」
アビドスに便利屋68という新たな脅威が迫る…が、彼女たちは知らない。
アビドスには、あのイエローとヴェロナがいることを。
場面は変わり、アビドス視点に移る。
「はぁ…あ、れ…?先生達!?ど、どうしたの?」
「俺らはお見舞いに来ただけだぜぃ。」
「…ああ、私なら大丈夫。いつまでもこうしちゃいられないし。アヤネちゃんや他のみんなも心配してるし…バイトにも行かなきゃだし。」
「…そうか。だけど、空元気だけはしないでくれよな!?」
「い、いや、空元気とかじゃないって!ほら、この通り元気よ!」
「…それなら良い。」
「…あ、あの!!」
「ん?どした?」
「何か言いたいことでもあるのか?」
「…え、ええとね…そういえば、先生達にちゃんとお礼を言ってなかったなぁって思って…あ、ありがとう、色々と…でもっ!この程度でアビドスの約に立ったなんて思わないでよね!この借りはいつか返すんだから!」
「ヘッヘッヘッヘッヘ…」
「な、何よ!?何ヘラヘラ笑ってんのよ!?」
「いや何、素直ではないなと思っただけだ。」
「はぁ!?…はぁ、全く、じゃあ、また明日ね!えっと、せ…先生。」
「おう!また明日な!」
「それではな。」
翌日…
「…それでは、アビドス対策委員会の定例会議を始めます。本日は先生方にもお越しいただいたので、いつもよりは真面目な議論ができると思うのですが…」
「は〜い☆」
「もちろん。」
「何よ、いつもは不真面目みたいじゃない…」
「うへ、よろしくねー、先生達。」
「お、おう。(なんかヤバいことになる予感がする…!)」
「…早速議題に入ります。本日は、私たちにとって非常に重要な問題…「学校の負債をどう返済するか」について、具体的な方法を議論します。」
「おーいいじゃん。」
「ほう。」
「ご意見のある方は、挙手をお願いします!」
まず最初に挙手をしたのはセリカ。
「はい!はい!」
「お、セリカがトップバッターね。」
「はい、一年の黒見さん。お願いします。」
「…あのさ、まず苗字で呼ぶのやめない?ぎこちないんだけど。」
「せ、セリカちゃん…でも、せっかく会議だし…」
「いいじゃーん、おカタ〜い感じで。それに今日は先生達も居るんだし。」
「ですよね!なんだか委員会っぽくてイイと思いま~す☆」
「…ま、いいんじゃないの?たまにはお硬い感じでも。」
「ふむ…どうする?セリカ。」
「はぁ…ま、先輩たちやイエロー先生がそう言うなら…」
「…とにかく!対策委員会の会計担当としては、現在我が校の財政状況は破産寸前としか言いようがないわっ!」
「まぁそりゃ9億6235万の借金に加えてかなりの金額の利息を払い続けてるんだろ?これで逆に破産してないのが奇跡としか言いようがないなコレ。」
「そう!いつ破産してもおかしくない状況、このままじゃ廃校だよ!みんな、わかってるよね?」
「うん、まあねー。」
「毎月の返済額は、利息だけで788万円!私たちも頑張って稼いではいるけど、正直利息の返済も追いつかない。これまで通り、指名手配犯を捕まえたり、苦情を解決したり、ボランティアするだけじゃ限界があるわ。」
「このままじゃ埒が明かないってこと!何かこう、でっかく一発狙わないと!」
「でっかく…って、例えば?」
「…ギャンブルでもするんか?」
「いやいや!?そんなモノしないわよ!?もっとお金が減って借金が増えるじゃない!これよこれ!街で配ってたチラシ!」
「これは…!?」
「どれどれ…」
「うーむ…」
「…」
「「ゲルマニウム麦飯石ブレスレットであなたも一獲千金」…ねぇ…?」
「そう!これでガッポガッポ稼…」
「ダメー」
「却下ー。」
「えーっ!?何で?どうして!」
「セリカちゃん…それ、マルチ商法だから…」
「うん。どう見ても
アヤシイ すぎ
だから。」
「儲かるわけない。」
「へっ!?そ、そうなの!?私、2個も買っちゃったんだけど!?」
「セリカちゃん、騙されちゃいましたね。可愛いです☆」
「もう少し警戒というものをだな…」
「…!!」
「まったく、セリカちゃんは世間知らずだねー。気をつけないと悪い大人に騙されて、人生取り返しのつかない事になっちゃうかもよー?」
「そ、そんなぁ…そんな風には見えなかったのに…せっかくお昼抜いて貯めたお金で買ったのに…」
「…はぁ、しょうがねぇなぁ。後で何か奢ってやるから。」
「大丈夫ですよセリカちゃん。お昼、一緒に食べましょう?私がご馳走しますから。」
「別に俺達が奢ってもいいのだがな…」
「ま、そういうことなんで、後で美味いもん食いに行こうぜ。」
「ぐすっ…ノノミせんぱぁい…イエローせんせぇい…」
「えっと…黒見さんからの意見はこの辺で…他にご意見のある方…」
次にホシノが挙手をした。
「はい!はい!」
「えっと…はい、3年の小鳥遊委員長。ちょっと嫌な予感がしますが…」
「うむうむ、えっへん!我が校の一番の問題は、全校生徒がここにいる5人だけって事なんだよねー。
生徒の数=学校の力。トリニティやゲヘナみたいに、生徒数を桁違いに増やせれば、毎月のお金だけでもかなりの金額になるはずー。」
「え…そ、そうなんですか?」
「そういうことー!だからまずは生徒の数を増やさないとねー、まずはそこからかなー。そうすれば議員も輩出できるし、連邦生徒会での発言権も与えられるしね。」
「おお!いいじゃんいいじゃん!何か嫌な予感してたけど普通にいい案だな!」
「だが、どうやって生徒数を増やすつもりだ?現在のアビドスは悪く言うが、廃校寸前のお先真っ暗校。入学希望の生徒が大人数来るとは思えんぞ。」
「言い方はあれですが…確かにその通りですね。小鳥遊委員長、その点に関してはどうお考えですか?」
「うーむ…やっぱPVとか撮ってアピールしてみるか?今は機材とかそういう人とか居ないから出来んけど。」
「いやいや、そんな事しなくても大丈夫ー。もっと簡単だよー、他校のスクールバスを拉致ればオッケー!」
「はい!?」
「アウトだよ!?」
「案自体は普通に良いものだが方法が完全にアウトだ…」
「他校のスクールバスをジャックして、うちの学校への転入学書類にハンコを押さないと出られないようにするのー。うへ〜、これで生徒数がグンと増えること間違いなーし!」
「絶対に俺らが許可出さんからな!?」
「それ、興味深いね。」
「乗るなシロコォ!!!」
「あぁ…嫌な予感が当たったな…」
「ターゲットはトリニティ?それともゲヘナ?ミレニアム?狙いをどこに定めるかによって、戦略を変える必要があるかも。」
「やる前提で話し進めるなぁ!?」
「お?…えーっと、うーん…そうだなぁ、トリニティ?いや、ゲヘナにしよーっと!」
「ちょっとそろそろいい加減にしようか?」
「う、うへ…分かってるよーイエロー先生。冗談、冗談だって~…」
「はぁ、はぁ…」
「ホシノ先輩…もっと真面目に会議に臨んでください…」
そうしてホシノの案は不採用となったが、生徒数を増やすため、PVに関しては後々撮ることになったとか…
「いい考えがある。」
そういったのはシロコ。また何やら嫌な予感がするが…
「…はい、2年の砂狼シロコさん…」
「銀行を襲うの。」
「お前なんなんだよ!?」
「はいっ!?」
「これは完全にアウトだな…」
「確実かつ簡単な方法。ターゲットも選定済み。市街地にある第一中央銀行。金庫の位置、警備員の動線、現金輸送車の走行ルートは事前に把握しておいたから。」
「さっきから一生懸命見てたのはそれですか!?」
「5分で1億は稼げる。はい。覆面も用意しておいた。」
そう言うとシロコは1〜5までの番号が書かれた覆面を取り出した。ケモミミがある生徒の分はしっかりとその部分の穴も空いている。
「いつの間にこんなものまで…」
「は、はぁ…わしゃもう疲れたよ…」
「うわー、これ、シロコちゃんの手作りー?」
「わぁ、見てください!レスラーみたいです!」
「…」
「もうなんでもいいよ…」
「諦めるなイエロー!」
「いやーいいねぇ。人生一発でキメないと。ねぇ、セリカちゃん?」
「そんなわけあるか!!却下!却下ー!!」
「そ、そうですっ!犯罪はいけませんっ!」
「セリカとアヤネだけが希望の光だ…いやほんとマジで。」
「…」
「そんなふくれっ面をしてもダメなものはダメです、シロコ先輩っ!」
「はぁ…皆さん、もうちょっとまともな提案をしていただかないと…」
「会議が…成り立たんぜ…」
「あのー!はい!次は私が!」
最後にそう言ったのはノノミ。彼女の案がマトモなことをイエローは切実に願っている。
「はい…2年の十六夜ノノミさん。犯罪と詐欺は抜きでお願いします…」
「頼む…これ以上まともじゃない案を出されたら俺はおかしくなってしまう!!」
「はい!犯罪でもマルチ商法でもない、とってもクリーンかつ確実な方法があります!アイドルです!スクールアイドル!」
「お、おお…!なんだろう…犯罪じゃないだけでマシに思えてしまう…」
「ア、アイドル…!?」
「そうです!アニメで観たんですけど、学校を復興する定番の方法はアイドルです!私たち全員がアイドルとしてデビューすれば…」
「却下。」
「なんでだよ!?」
「あら…これも駄目なんですか?」
「なぜ却下なんだ?ホシノ。」
「なんで?ホシノ先輩なら、特定のマニアに大ウケしそうなのに。」
「うへー、こんな貧相な体が好きとか言っちゃう輩なんて人間としてダメっしょー。ないわー、ないない。」
え?つまり作者って人間失格?
「決めポーズも考えておいたのに…水着少女団のクリスティーナで〜す♧」
「どういうことよ…」
「俺にも分からん。」
「何が「で〜す♧」よ!それに「水着少女団」って!だっさい!」
「えー、徹夜で考えたのに…」
「あのう…議論がなかなか進まないんですけど、そろそろ結論を…」
「お〜い!あと1人誰か忘れちゃいませんかってんだ!」
「あ、すみません。先生も案を考えて下さっていたんですね。では、シャーレのイエロー先生、案をお願いします。」
「オーケ。…まず先に言っとくけどあんま期待はしないでくれぃ。割とガバガバな案だから。」
「ガバガバって…どんな案よ?」
「簡単に言うとアビドスの砂を使った案やね。
アビドスの砂って、多分品質良いんだよ。
まるで"何かが掻き回してる"ってぐらいには。
で、この砂を採取します。」
「ほうほう?」
「んで次に…サボテンの樹液を用意します」
「…サボテンの樹液?」
「え、えっと…どうしてサボテンの樹液が必要なんですか?」
「まぁ見てりゃわかるよ。ヴェロナ、アレを取り出してちょ!」
「了解した。」
そう言ってヴェロナが取り出したのは…すり鉢とすりこぎである。
「すり鉢とすりこぎ…先生、まさか…」
「お?これはもしかしてー?」
「えー…まぁ、多分察しがついてると思うけど…これを使って、砂とサボテンの樹液を2:1で混ぜ合わせます。すると…」
「粘土ができます」
「ちょっと待ちなさい!?なんで砂とサボテンの樹液を混ぜるだけで粘土ができんのよ!?」
「そういうもんだから。」
「ええ…?」
「た、確かにこれはまともですしいい案ですけど…」
「そう、これには色々問題点もあって、まずサボテンの樹液の確保。アビドスにサボテンが生えてるのを俺は見た事が無いから、樹液を取るためにわざわざサボテンを育てにゃならんし、それに粘土自体も仮に売ったとしてもかなり安いと思うから、あまり根本的な解決にはならないんだよなぁ…」
「それでもまともな案を考えて下さっただけでもありがたいです。ほんとに…」
「…後で何か奢ったるわ。」
「ん、だったら銀行強盗すべき」
「へ?」
「いやいや、ここはやっぱりバスジャックして…」
「いえ!スクールアイドルにすべきです!」
「何かわちゃわちゃしてきたぞ…?」
「何だ、猛烈に嫌な予感が…」
「…い…」
「い…?」
「「あ」」
「いいわけないじゃないですかぁ!!」
ついにアヤネの怒りは限界に達し…見事なちゃぶ台返しを繰り出した。
「出たー!アヤネちゃんのちゃぶ台返しー!」
「…」
「と、とりあえず落ち着け。めちゃくちゃな彼奴等に苛つくのも分かるがとにかく落ち着け。」
「きゃあ、アヤネちゃんが怒りました!非常事態です!」
「うへ〜キレのある返しが出来る子に育ってくれたねぇ。ママは嬉しいよーん。」
「カオスだよカオスだね…」
「誰がママですかっ!もうっ、ちゃんと真面目にやってください!いつもふざけてばっかり!銀行強盗とかマルチ商法とかそんな事ばっかり言って!今回もイエロー先生以外まともな案を出してないじゃないですか!!!」
その後、めちゃくちゃ説教されたとか。ただしイエローとヴェロナは説教されなかった。
ARKアイテム解説
粘土
すり鉢とすりこぎで砂とサボテンの樹液を材料としてクラフトできる。
アドベの建材や壺等の材料となるが、キヴォトス的に見ればあまり使い道はない。
せいぜい100均で子供向けの玩具として売るくらい。
現在のイエローの所持品は
チャーシュー×40
爆弾×20(ヴェロナのトゲに付ける用)
粘土×1
砂×100
ダンボール×1
謎のカード
ガラス?(ブラックシャード)
ヴェロナの所持品は
チャーシュー×40
サボテンの樹液×20
すり鉢とすりこぎ×1
シッテムの箱
針金(爆弾を結ぶ用)
意外と普段から色々持ち歩いているようです。
評価や感想(特に感想)をお待ちしております!
してくださると作者の励みになります。
いずれ書くことになる対策委員会編3章は…
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消滅
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縮小
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◯◯(MOD生物)によるセト蹂躙劇