オリキャラも出ます(ただし銀行強盗には関与しない)
今回も割とカオスです
便利屋68のオフィス内、電話が鳴り続けていた。しかし、アルは出ようとしない
「アルちゃん、何してんの?電話出ないの?」
「…」
「表情が暗い…もしかしてクライアント…?」
暗いアント…なんつって*1
「な、なんか寒くない…?」
「そう?…でも、そりゃそんな顔になるわ。失敗したって報告しなきゃいけないじゃん?」
「アル様…」
「…くっ。」
アルは意を決して、電話を手に取った。
「はい…便利屋68です…」
「…ふむ、興味深い報告だ。ここまでの練習は拝見したよ。で、実戦はいつだ?」
「…うぇ!?あれが実戦だったんです…が…あ、いえ、何でもありません。も、勿論実戦はすぐにでも…という感じで…あ、えっと、一週間以内には…はい…」
「!?」
「!!」
「ふふっ。はい、そうです。…お任せください。」
場面はクライアント側へと移る。
「奴らのデータ自体は正確な物だったはず。計算ミスか…?いや、違う。あのトカゲ共のせいだ…!」
電話を切った義体の男は疑問を浮かべる…が、すぐに解消される
「どうやらお困りのようですね。」
そこに、異様な男が現れた。黒スーツに身を包み、頭部は明らか常人のものではない。
この異質な世界でも、さらに異質な男だった。
「…確かに、少し困ってはいる。あの虫モドキは、地雷を踏んでもビクともしていない。」
「…あなたは少々、勘違いをしているようですね。」
「何?」
「こちらをご覧ください」
そう言うと、黒スーツの男は対策委員会と便利屋の戦闘映像を見せる。
「あなたが虫モドキと呼んでいるソレが地雷を踏んだ際に僅かですが、傷ついています。また」
そう言うと、また映像の場面は変わる
『ちゃんとダメージは受けてるから安心しなせい。…僅かだけど。』
「彼自身が、ダメージはしっかり受けていると、こう発言しています。つまり、塵も積もれば山となる
という言葉があるように、強力な攻撃を何度も与えれば無力化は可能かと。」
「では。」
それだけ言うと、黒スーツの男は立ち去った。
「…」
再び場面は便利屋サイドへ戻り…
「はぁ…」
「やつれたねえ、アルちゃん。」
「社長、一体どういうこと…まさか、また戦うの?」
「…あのクライアントは、私も詳しくは知らないけど超大物なのよ。この依頼、失敗するわけにはいかないわ。」
「…」
「だけどアビドスの連中、思ったよりも強かったじゃん。それに、あの強〜いシャーレの先生たちもいるから私たちだけじゃ絶対無理だよ。お金も使い果たしちゃったしね。どう戦うのさ?」
「わ、私がバイトでもしてきましょうか?」
「その稼ぎで傭兵を雇うには、全員あと1年は働かないと…」
「こんな高いオフィスなんか借りてるから無駄にお金ばかりかかってるじゃ…」
「う、うるさいっ!ちゃんとした会社なら事務所は基本でしょ!その方が仕事の依頼も増えるんだから!」
「別に私は前みたいに公園にテントでも構わないけどー?」
「黙りなさいよ!みんなうるさい!静かに!!
…融資を受けるわ。」
「は?アルちゃんはブラックリスト入りしてるでしょ。」
「違うわよ!私は指名手配されて口座が凍結されただけ!」
どうやらアルの口座は凍結されているらしい。
それが金欠の一因なのだろうか?
「そうだっけ?…あ、そうだった。風紀委員会にやられたんだったね。」
「くっ、風紀委員会め…ここまで痛めつけられるとは思わなかったわ。」
「中央銀行も、行ったところで門前払いだろうね。」
「うるさいってば!他にも方法はあるんだから!」
「…」
「見てなさいよ、アビドス。このままじゃ終わらせないんだから。」
そう言うアルは、間違いなくアウトローだった
「便利屋のミッションはこれからなのよ!」
そう言うとアルは効果音が鳴りそうなくらい高速で何処かに行こうとした…やっぱ前言撤回で。
「…」
「へー、一体どうするつもりなんだろ。」
他の三人もアルについていくのだった
場面は対策委員会に移る。
「はぁ…しんど。」
「うーむ、思ってたよりも広いなぁ。」
「もう数時間は歩きましたよね…」
「これはさすがにおじさんも参ったなー。腰も膝も悲鳴を上げてるよー。」
「えっ…ホシノさんはおいくつなのですか?」
「17歳、ほぼ同年代!」
「ホシノ、疲れたなら俺に乗るか?」
「…いやー、だいじょぶだいじょぶ。まだ歩けるよー。」
「あら!あそこにたい焼き屋さんが!あそこでちょっとひと休みしましょう!私がたい焼きをご馳走します!」
「えっ!?ノノミ先輩、またカード使うの!?」
「先生の謎のカードもあるよー。」
「ううん、私が食べたいからいいんですよ☆みんなで食べましょう、ねっ?」
「そいじゃ、俺らは肉食だけど一回ごちそうになりますかね。」
という訳で、ノノミはカードを使ってたい焼きを買った。幸いお値段はブラックマーケットにしては親切設計だった。
「まいどー!」
「そいじゃいただきまーす! …ん!めちゃウマいzoy!*2身体の都合上主食にはできんけど、たまにはまた食べようかね?」
「旨すぎる!*3」
「(モグモグ)おいしい!」
「いやぁ、ちょうど甘い物が欲しかったところだったんだー。」
「あはは…いただきます。」
「アヤネちゃんには戻ったらちゃんとご馳走しますね。私たちだけでごめんなさい…」
「あはは。大丈夫ですよ、ノノミ先輩。私はここでお菓子とかつまんでますし…」
「しばしブレイクタイムだねー。」
「え?破壊タイム?」
「違うわよ!?休憩タイムよ休 憩 !!!」
そうしてしばし休憩して例のブツを探す途中…
「すっごい!本物の…」
「ん?」
「どうかしたの?先生。」
「いや、なんか知ってる奴の声とよく感じた気配がするんだよな…一回こっち寄り道して良い?」
「全然良いですよ☆」
「ん、それに何か見つかるかもしれない。」
「俺は構わん。」
という訳で寄り道することにした。
そこにいたのは赤髪の生徒だった
「おーっ!先生じゃん!あの時はありがとー!
…って、その制服…もしかしてアビドスの人?
こんにちわ!」
「こんにちわ☆」
「イエロー先生、知り合いなの?」
「あぁ、こいつは高島レイカ。
以前シャーレに就任して3日後くらいにD.Uでチンピラにボコられてるところを見かけて、見て見ぬふりするのは嫌だったからとりあえずチンピラボコして助けたのよ。」
「いやぁー、あの時は助かったよ。なにせあたしは戦いは苦手で*4…指示役なら結構できるんだけどなぁ。」
「んで、ここで何やってんの?」
「あ、そうだ聞いて聞いて!うちの店長が凄いものを見つけたんだ!それをあたしにくれるって!」
「凄いものって?」
「なんと!トリケラトプスのカセキだよ!しかも全身骨格!」
「全身骨格!?」
「ん、売ったら借金返済もユメ*5じゃない」
「ほーん*6…それでその全身骨格?はどこにあるんだ?」
「あ、こっちこっち!」
そうして皆、レイカに連れられて建物に入った
「あの子を助けていただいて、本当に感謝しかねぇ…」
入って出迎えてくれたのは大きな年季の入った、ボロボロなオートマタだった。イエローが自己紹介をすると、以前レイカが話していたのかいきなり頭を下げてきた。
「いや、先生として当然のことをしたまでだからそんなに頭下げなくても…」
「店長、早速トリケラトプスのカセキを見せてあげて?」
「…おっと!申し訳ない。こちらが、儂が発掘したカセキです。」
そうして持ってきたのは、1メートル程の比較的小さなカセキだった。
「ん、予想よりもだいぶ小さい。」
「ん?あぁ、儂が掘り出したものは全身骨格っても子供、しかもほぼ生まれたての個体の化石だからなぁ…期待ハズレですまねぇ…」
「いえいえ、見せてもらえるだけでありがたいですから!」
「…うーむ。やっぱコイツどっかで見覚えが」
「…?」
そんなことを話していると…突如、化石が動き出した
「ひぇぇえ!?お化け!?」
「お、落ち着きなさい!」
「動いた!?動いたよね!?これ現実!?」
「ん!ん!」*7
「コイツはまさか…」
「あー…これ骨トリケラだわ。」
どうやらイエローはこれを知っているらしい。
「え?先生は知ってんの?」
「俺らがいた世界では、ある時期になると一部の生物に骨だけなのに動く個体が出現し始めるんだよ。その内の1体がコイツ、トリケラトプスだ。」
「骨だけで動くって…訳分かんないわよ!?」
「安心しろ、皆同じ気持ちだ。」
「その時期って…」
「人間で言うと、ハロウィンって時期の近くらしい。」
何故かイエローの世界ではハロウィンになると骨だけの生物が出現するらしい。
「あー…それで、このカセキトリケラトプスどうしよう…?」
そう悩むレイカ。それに対しイエローは
「…飼っちゃえば?」
こう言ったのだった。
「ええぇっ!?」
後に本当に飼うことになったとか…
_________________________
「さっきはなんかゴタゴタさせてごめんね。
あたしたち…というか店長はキヴォトス中を回ってるから、もしかしたら何処かで会うかも?
それじゃ、またねー!」
「またのー!」
「また何処かで会おう。」
「ん、いつかまた会いに行く」
レイカと別れたあと、再び例のブツを探し始めたが…どこに行っても見つからない。
「ここまで情報が無いなんてありえません…妙ですね…お探しの戦車の情報…絶対何処かにあるはずなのに探しても探しても出てきませんね…販売ルート、保管記録…すべて何者かが意図的に隠しているような、そんな気がします。いくらここを牛耳っている企業でも、ここまで徹底してブラックマーケットを統制することは不可能なはず…」
「そんなに異常なことなの?」
「異常と言うよりかは…普通ここまでやりますか?という感じですね…ここに集まっている企業は、ある意味開き直っていますから、逆に変に隠したりしないんです。例えば、あそこのビル。あれがブラックマーケットに名を馳せる闇銀行です。」
「闇銀行?」
「十中八九犯罪組織だろうな」
「要はヤバい所じゃろ?」
「ブラックマーケットで最も大きな銀行の一つで、先生の仰られる通り、聞いた話だとキヴォトスで行われる犯罪の15%の盗品があそこに流されているようです。横領、強盗、誘拐などなど、様々な犯罪によって獲得した財貨が、違法な武器や兵器に変えられてまた他の犯罪に使われる…そんな悪循環が続いているのです。」
「アレだけは力取り戻したら潰そうかな」
「ええっ!?き、危険ですよ!!もしかしたら…」
「その程度でくたばってるんじゃ今ここに俺はおらんよ。」
「お前が言うと説得力が凄いな…」
「そんなの、銀行が犯罪を煽っているようなものじゃないですか。」
「ようなもの、ではなく本当に煽ってんだろうなぁ…」
「その通りです。まさに銀行も犯罪組織なのです…」
「…」
「ひどい!連邦生徒会は一体何やってんの!?」
「急に失踪した連邦生徒会長の捜索に全力注いでるよ。」
「それよりももっとリソースを注ぐべき所があるのではと思うがな…」
「連邦生徒会長失踪してたの!?」
「うへ〜、あの噂は真実だったんだねー」
「現実は、思った以上に汚れているんだね。私たちはアビドスばかりに気を取られすぎて、外のことをあまりにも知らなさ過ぎたかも…」
「これから知ってきゃいーのよ。まだまだこれからなんだしな!」
そう話していると、アヤネが通信をかけてきた。
「お取り込み中失礼します!そちらに武装した集団が接近中!」
「!!」
「気づかれた様子はありませんが、まずは身を潜めた方が良いと思います…」
「あ、あれはマーケットガードです!!」
「マーケットガード?」
「ここの治安機関か。」
「はい、その治安機関の中でも最上位の組織です!急ぎましょう!」
そうして皆で物陰に隠れた。ちなみにイエローは地中に潜って移動した。
「…パトロール?護衛中のようですが…」
どうやら何かを護衛中らしい…そしてその何かとは、何処か見覚えのある現金輸送車だった。
「トラックを運転してる…現金輸送車だね。」
「あれ…あっちは…闇銀行に入りましたね?」
「…?あの車、見覚えが…」
「…よし、ちょっくら地中移動して盗み聞きしてくるわ」*8
「ちょっ、先生!?…行っちゃった。」
イエローは地中を移動し、トラックの真下付近に移動した。
そうして現金輸送車から出てきたのは…なんと例の銀行員だった。
「今月の集金です。」
(あれ、この声…あの銀行員じゃねえか!?
あんの【自主規制】野郎!!!)
「ご苦労様、早かったな。では、こちらの集金確認書類にサインを。」
「はい。」
「いいでしょう。」
「では、失礼します。」
「さぁ、開けてくれ。今月分の現金だ。」
(あれはあの子らが一生懸命貯めた資金、それをあんな風に…あんにゃろう…!)
「見てください…あの人…」
「な、何で!?アイツは毎月うちに来て利息を受け取っている銀行員…!?」
「どうりで見覚えがあったはずだ…」
「あれ、ホントだ。」
「えっ!?ええっ…?」
ヴェロナ側でも皆に衝撃が走っていたようだ。
「…どういうこと?」
「ほ、本当ですね!車もカイザーローンのものです!
今日の午前中に、利息を支払った時のあの車と同じようですが…なぜそれがブラックマーケットに…!?」
「か、カイザーローンですか!?」
ヒフミはカイザーローンと聞いて驚く。その声色をみる限り、カイザーローンは相当ヤバい所のようだ。
「知ってるの?」
「カイザーローンと言えば…かの有名なカイザーコーポレーションが運営する高利金融業者です…」
「有名は有名でも、この場合は恐らく悪い方の有名だな?」
「悪い方で有名…?マズいところなの?」
「いえ…カイザーグループ自体は犯罪を起こしていないのですが…合法と違法の間のグレーゾーンでうまく振る舞っている多角化企業で…」
「カイザーは私たちトリニティよ区域にもかなり進出しているのですが、生徒たちへの悪影響を考慮し、ティーパーティーでも目を光らせています」
「ティーパーティー?」
「トリニティの生徒会のことだよ…それにしても、まさかあのトリニティの生徒会が警戒してるなんてね。」
「ところで皆さんの借金とはもしかして…アビドスはカイザーローンから融資を…?」
「借りたのは私じゃないんですけどね」
「昔のアビドスが借金したのが今の生徒たちにも引き継がれてしまったんだよなぁ…」
イエローが地中から這い出てきた。
「あ、おかえり〜先生。ま、先生が言ったような感じかな。アヤネちゃん、さっき入っていった現金輸送車の走行ルート、調べられる?」
「少々お待ち下さい…ダメですね。全てのデータをオフラインで管理しているようです。全然ヒットしません。」
「だろうねー。」
「そうか…」
「そういえば、いつも返済は現金だけでしたよね。それはつまり…」
「私たちが支払った現金が、ブラックマーケットの闇銀行に流れていた…?」
「つまりアビドスは…」
「…ブラックマーケットに犯罪資金を提供してたってこと!?」
「だろうなぁ…」
「「「「…」」」」
「ま、まだそうハッキリとは…証拠も足りませんし。あの輸送車の動線を把握するまでは…」
「…」
イエローは考えていた。何が証拠証拠になるのかについて。
(証拠…証拠ねぇ…?何かお金回収しましたよーってのがあれば…いや、あるじゃねえか!?)
「なぁ、さっきあのクソ…じゃなかった。銀行員がサインした集金確認の書類って証拠になると思うか?」
「集金確認の書類…はい!バッチリ証拠になるかと!」
「さすが。」
「でも考えてみたら、書類はもう既に銀行の中ですし…どうしましょう…ブラックマーケットでも最も強固なセキュリティを誇る銀行の中となると…それに、恐らくかなりの数のマーケットガードが目を光らせてますし…」
「そこだよなぁー…肝心の書類をどうやって盗む…」
その時、イエローの頭に電流走る!
「…いや、あるじゃないか。」
「えっ?」
「…!」
「俺が定例会議の時に「お前なんなんだよ!?」って心から叫んだあの方法が…!」
「なるほど、あれかー。」
「…え?」
「あ…!!そうですね、あの方法なら!」
「…まさか、あれ?」
「恐らくセリカが思ってる通りだぞ。」
「ちょっ、嘘!?本当にやるの!?」
「それ以外に方法があるとお思いで?」
「それは…そうだけど…」
「…」キラキラ
シロコの目はいつにもまして生き生きしている。
この時点で感の良い人は何をしでかそうとしているかお察しだろう。
「…あ、あのう。全然話が見えて来ないんですけど…あの方法って何ですか?」
「残された方法はたった一つ」
そう、あの方法とは…!
「ん、銀行を襲う」
皆さんお待ちかねの銀行強盗じゃーい!!!!
「はいっ!?」
「それしかねぇよなぁ!?」*9
「だよねー、そういう展開になるよねー。」
「はいいいっ!?」
「わぁ☆そしたら悪い銀行をやっつけるとしましょう!」
「えええっ!?!?ちょ、ちょっと待ってください!!!」
「はぁ…マジで?マジなんだよね?」
「そうだよ。」
「ふぅ、それなら…とことんまでやるしかないか!!!」
「その意気だぜ!」
「あ、うあ…?あわわ…?」
ヒフミ絶賛困惑中である。慣れるんだヒフミ。アビドスはこういうやつらだ。
「…」
「…ま、アヤネ、今回だけの特例ということで許してくれ。」
「…はぁ、了解です。こうなったら止めても聞く耳持たないでしょうし…どうにかなる、はず…」
「ま、俺らがいる以上どうにかなるよ。」
「…」
「ごめん、ヒフミ。あなたの分の覆面はない。」
「うへー、ってことは、バレたら全部トリニティのせいだって言うしかないねー。」
「ええっ!?そ、そんな…覆面…何で…えっと、だから…あ、あう…」
「…なんかヒフミが可哀想になってきた…」*10
「先生の言う通り、それは可哀想です!ヒフミちゃん、とりあえずこれでもどうぞ☆」
ノノミが手渡したもの…それはたい焼きの紙袋だった。
「おっ、それなら身バレ防げるな!」
「え?ちょ、ちょっと待ってください、皆さん…あ、あうう…」
「あううっ…」
そうしてヒフミは5と書かれた紙袋をかぶった。後のファウストである。
「ん、完璧。」
「番号も降っておきました。ヒフミちゃんは5番です☆」
「じゃあ俺6番〜♪」
イエローはダンボールにデカデカと6を書き足した。
「見た目はラスボス級じゃない?悪の根源だねー、親分だねー。」
「…俺も成体の姿ならもうちょいラスボスっぽいのに…まぁしょうがねえか…今は虫にしか見えんし。」
「わ、私もご一緒するんですか!?闇銀行の襲撃に…?」
「さっき約束したじゃーん?ヒフミちゃん、今日は私たちと一緒に行動するって。」
「う、うああ…わ、私、もう生徒会の人に会わせる顔がありません…」
「問題ないよ!私らは悪くないし!悪いのはあっち!だから襲うの!」
「俺らの世界じゃ悪くなくても襲うけどな。弱肉強食だから。」
「あ、あはは…」
「それじゃあ先生例のセリフを。」
「おけおけ。そいじゃ…銀行襲うぞォ!」
「はいっ!出発です!」
「あ、あうう…」
「有名になってしまった上に、イエローのようにごまかしもきかんからな。俺のせいで襲撃者がアビドスだとバレてしまえば大変だ。故に、俺はここで待機しておく。
その代わり、シッテムの箱で指揮をさせてもらう。」
「わかりました、ヴェロナ先生。…では、覆面水着団。出撃しましょうか。」
「出撃ーィ!」
そうして、闇銀行へと駆けていくのだった。
「…」
故に知らなかった。甲殻を纏い、ミノカサゴの様なたてがみを持つライオンのような生物が見ていたことに。
その魚ライオン?は、イエロー達が闇銀行に入るのを見届けた後、透明になり何処かへと去っていった…
闇銀行。そこには、何と便利屋の姿があった。 …ただし、アル以外は寝ているが。
「お待たせ致しました。お客様。」
「何がおまたせしました。よ!本当に待ったわよ!6時間も!ここで!融資の審査に、何で半日もかかるの!?別にうちより先に人もいなさそうだったのに!」
…どうやらだいぶ待たされたらしい。
「私の連れはくたびれて、そこのソファーで寝ちゃってるし!」
「私どもの内々の事情でして、ご了承ください。…ところで、アル様。貴女はそのような態度をとれる状況ではないと思うのですが?」
「あ、うう…」
「当行の助けが必要なら、辛抱強くお待ちいただくことも大事かと。…あ、それとお連れの方ですが、そちらでお休みになられては困ります。セキュリティ。あの浮浪…いえ、お客様を起こして差し上げなさい。」
銀行審査員がそう言うと、銀行ガードが他のメンバーを起こす。
「ほら、起きた起きた!」
「むにゃ…うはっ!?なになに!?」
「…!!」
「ああっ…す、すみませんっ、居眠りしてすみません!!」
「…」
「さて、では一緒にご確認を。お名前は…陸八魔アル様。ゲヘナ学園の2年生ですね。現在、便利屋68の社長、ですか…この便利屋は、ペーパーカンパニーではありませんか?書類上では、財政が見事なくらいに破綻していますが?」
…ボロクソに言われているが、事実である。
「ちゃ、ちゃんと稼いでるわよ!まだ依頼料を回収できてないだけで…」
「それと、従業員は社長を含めて四名のみですが、室長に課長、そして平社員…肩書の無駄遣いでは?会社ごっこでもしているのですか?」
「そ、それは…か、肩書があったほうが仕事の依頼を…」
「あとですね、必要以上に事務所の賃貸料が高いです。財政状況に合った物件を見つけていただかないと。」
「ちゃ、ちゃんとしたオフィスの方が…仕事の依頼を…」
「…アル様、これでは融資は難しいですね。」
「えっ、えーっ!?」
そりゃそうだろう…仮にこの従業員がシャドウガイだったとしてもこうなるぞアル…
「まずはより堅実な職に就いてみてはいかがでしょうか。日雇いや期間工など、手っ取り早く始められるものもありますが。」
審査員は堅実な職に就いてみてはと言っている。
…だが、誰にも譲れないものというのはあるのだ。
「は?はぁぁ!?」
(ムカつく…もう大暴れして、銀行のお金を持ち出しちゃおうかしら?…いや、それはダメね。ここからお金を持ち出せたとしても、ブラックマーケットから抜け出すのは至難の業。あちこちにマーケットガードがいるし…)
(…でも、もしかすると、実は大したことないかもしれない。私たち四人なら、全員叩きのめして逃げ切れそうな気も……はぁ、やっぱ無理ブラックマーケットを敵に回すなんて、そんな勇気ないわ…)
(くそっ、何よこれ、情けない…キヴォトスいちのアウトローになるって心に決めたのに、私は…融資だのなんだの…こんなつまらないことばかりに悩まされて…)
(私が望んでいるのはこれじゃない…何事にも恐れず、何事にも縛られない、ハードボイルドなアウトロー…そうなりたかったのに…)
ハードボイルドなアウトローという理想、そして、目の前で突きつけられたどうしようもない現実。アルはそれに押しつぶされかけていた。
「…様、アル様!」
「わ、わわっ!?は、はいっ!?…えっと、何かいった?」
審査員の声で、アルは現実に戻ってくる。
「融資の承認は下りませんでした。お力になれず申し訳ありません。」
「え、ええっ!?ちょ、ちょっと待ってよ!!」
その瞬間…
あたりが漆黒に染まった
正確には、電気が消えたのだ。
「な、何事ですか!?停電!?」
「い、いったい誰が!?パソコンの電源も落ちてるじゃないか!」
すると、銃声…恐らく連射できるタイプの銃のものが聞こえた
「銃声っ!?」
今度は、ショットガン。
「うわっ!ああああっ!」
「うわああっ!」
「なっ、何がおきて…うああっ!!」
すると電気がついた。
そこには…
覆面を被った(1人は紙袋だが)5人と、ダンボールの下にいるであろう何者かが立っていた。
「全員その場に伏せなさい!持っている武器は捨てて!」
「言うこと聞かないと、痛い目にあいますよ!」
「そうだ。特にそこの貴様、さっさと武器を捨てろ!さもなくばその足を引きちぎるぞ!」
「ひ、ヒイッ!」
ダンボールの中にいる何者かが一番物騒なことを言っている。
(な、何故だ…!?目の前にいるコイツは小さい…その上銃の類も持っていない…!だというのに、何故俺はここまで怯えている!?)
マーケットガードの1人は怯えていた。自分よりも小さく武器の類も持っていないはず、それなのに、言うことに背けば死ぬと、それほどの気配をダンボールの内側から感じていた。
(足引きちぎるとか言ったけど…今はほぼ無理なんだよなぁ…どうしようかなこれ)
そして、ダンボールの中にいる者にとっても、足を引きちぎる際に正体がバレそうなので引きちぎれないのだった
「あ、あはは…みなさん、ケガしちゃいけないので…伏せてくださいね…」
「ぎ、銀行強盗!?」
「非常事態発生!非常事態発生!」
「うへ〜無駄無駄。外部に通報されるシステムの電源は落としちゃったからねー。」
「大人しくしていろ…物言わぬ鉄屑になりたくなければな。」
「ひ、ヒィィィィッ!!!!」
「ほら、そこ、伏せてってば!下手に動くとあの世行きだよ!?」
「そこの貴様…今何をしようとした?」
「ヒッ!?」
「動くな…動いたら死ぬことを覚悟しろ…」
「みなさん、お願いだからジッとしててください…あうう…」
「うへ〜ここまでは計画通り!次のステップに進もうー!リーダーのファウストさん!指示を願う!」
1番の覆面は5番…ファウストに指示を求めた。
「えっ!?えっ!?ファウストって、わ、私ですか!?リーダーですか?私が!?」
「そうですとも。貴女以外に、誰がリーダーになれと言うのです?」
ダンボールの中にいる何者かもそう言っている。
「リーダーです!ボスです!ちなみに私は…覆面水着団のクリスティーナだお♧」
「俺の名はアクセル。ある黄色い死神の名を借りたのだ。」
「うわ、何それ!いつから覆面水着団なんて名前になったの!?それにダサすぎだし!」
「「…」」
「うへ、ファウストとアクセルさんは怒ると怖いんだよー?言うこと聞かないと本当に殺されちゃうよー?」*11
「あう…リーダーになっちゃいました…これじゃあ、ティーパーティーの名に泥を塗る羽目に…」
「あれ…あいつら…」
「あ…アビドス…?」
便利屋は覆面水着団の正体に気がついたようだ。そう、覆面水着団は対策委員会だったのである!
ちなみにアクセルはイエロー。
「だよね、アビドスの子たちじゃん。あのダンボールは…黄色い死神とか言ってたしどうせイエロー先生とかでしょ。にしても、あんな感じの演技もできるなんてねぇ…いや、どっちが演技なのかはわからないけどさ…あと知らない顔もいるね。…ここで何やってるんだろ?それも覆面なんてしちゃって。先生に至ってはダンボールだし。」
「ねっ、狙いは私たちでしょうかっ!?それなら返り討ちにしちゃいましょうか!?」
「いや、ターゲットは私たちじゃないみたい…あの子たち、どういうつもり?まさか、ここを…」
「もー、アルちゃんは何してるのさ。」
「監視カメラの死角、警備員の動線、銀行内の構造、全て頭に入ってる。無駄な抵抗はしないこと。」
「おとなしくしておけ。であれば何もしない。」
「さぁ、そこのあなた、このバッグに入れて。少し前に到着した現金輸送車の…」
「わっ、わかりました!何でも差し上げます!現金、金塊でもいくらでも差し上げます!だから命だけはお助けを!」
(…やりすぎたかもしれん…)
「おい、俺が欲しいのは集金記録だ。勝手な真似をするな。」
「は、はははは、はいっ!こちら本日の集金記録です!差し上げますからどうか命だけは!!!」
「…いいだろう。」
この一連の流れを見ていたアルは…
(や、ヤバーい!、この人たちなんなの!?ブラックマーケットの銀行を襲うなんて!どう逃げるつもりかしら?いや、それ以前に、こんな大胆な計画を立てちゃうアウトローが未だに存在したなんて!!!)
(めちゃくちゃ手際いいし、超プロフェッショナル。まるでこのためだけに生まれてきたみたい。ものの5分でやってのけたわ!かっ、カッコイイ…!シビれるっ!これぞまさに真のアウトロー!うわぁ…涙出そう!)
目をキラキラに光らせながらそう思っていた。
「全然気づいてないみたいだけど…」
「むしろ目なんか輝かせちゃって。」
「はぁ…」
「わ、私たちはここで待機でしょうか?」
「…あの子たちを手助けする理由も、銀行に助太刀する理由もない。それに社長が今あんな状態だから…とりあえず隠れていよう。」
「は、はい…」
「あの、シロ…いや、ブルー先輩!それとイエ…アクセルさん!ブツは手に入った?」
「あ、う、うん。確保した。」
「集金記録の強奪に成功。あとは爆速かつ安全に帰宅するだけだ。」
「それじゃ逃げるよー!全員撤収!」
「撤収!」
「アディオ〜ス☆」
「け、ケガ人は居ないようですし…すみませんでしたっ!さよならっ!」
そうして覆面水着団は撤退した!
「や、やつらを捕らえろ!!道路を封鎖!マーケットガードに通報…ん?」
審査官は何か箱が落ちているのを見かけ、開けてみるとそこには
【これを見てる誰かへ
アンタはからかわれてます。バーカバーカ】
…と書かれた紙と…複数個の爆弾が入っていた
「:0」
ドカーン デテーン!!
結果、マーケットガードにへの通報は遅れ、さらにヴェロナが時間稼ぎをしたことで覆面水着団は無事にブラックマーケットを抜け出せたのだった…
ちなみに、マーケットガードは聞く所によれば
ミノカサゴの様なたてがみを持つライオンのような生物によって壊滅させられたらしい…
ヴェロナはキヴォトスでは十分デカいし誤魔化しが効かないので銀行強盗は参加しませんでした。ただ、追手に不意打ちで爆弾付き棘を放って結構な打撃を与えています。
オリキャラ解説
高島レイカ
赤髪でボブヘアの生徒。本作オリジナルキャラで、作者がアンポンタン三昧していた時に考えた。
ちなみに元々の設定ではエルと同じチームメンバーだった。
年齢は16歳
戦いは苦手で、特にタイマンは超苦手。多対1の1側はもっと無理。ただし遠距離狙撃の腕前は中々のもの。
武器種はSR。
憧れの人が使っていたから好きらしい。
元々ゲヘナ所属だったらしいが、色々あって退学した(本人曰く後悔はしていないらしい)。
現在は店長と呼ばれるオートマタの下で働いている。
ちなみにトリニティ側に幼馴染の親友がいるとか。
(トリカスではない)
ARKキャラ解説
トリケラトプス
現実においてはティラノサウルス、ステゴサウルスと並び恐竜でも非常に高い人気と知名度を誇り、恐竜モチーフの作品では必ずと言っていいほど登場する。
白亜紀末の北米地域では、本種が草食恐竜の中でも大いに繁栄していたらしく、同時代の同地域ではかなり頻繁に発掘される。性質は現生のサイやバッファローのようにかなり気性が荒くその巨体もあって「大人しい草食動物」などとは到底呼べない生物だったようである。
ARKにおいては現実と異なり、多くの草食生物のように手出ししなければ襲ってこない温厚な性格である。
攻撃すると突進などの強力なノックバック攻撃で反撃してくる。
また近くに別のトリケラトプスがいた場合、リンクして一斉に襲ってくるので無闇に手を出すのは危険。
ただし足は比較的遅いため、素早い生物であれば逃げるのは容易
そして大型肉食恐竜を前にすると、赤いモヤを纏うバフを発生させ、能力が大幅に上昇する。
頭部の襟巻部分は射撃物に対して非常に高い防御力を持ち、約0.155倍にする。
弾丸に対する防御なので殴り合いでは機能しないが、矢などを頭に打ち込むと明らかに威力が落ちる
また、突進攻撃ができる。
右クリック長押しでゲージを溜め、ゲージを消費して突進。ケブカサイのような圧倒的な攻撃力はなく、せいぜい通常の1.5倍程度の威力。
当たった生物を大きくノックバックさせると同時にスタンさせる。
攻撃というより、高速移動手段。スタミナ消費はそれなりに大きいが調整前と比べるとグンと機動力が上がった。
木々をなぎ倒して進むので、森で使うと大量のワラを獲得出来る。地味ながら序盤では有り難い。
また、前述の通り大型肉食恐竜に対するバフを持ち、
大型肉食恐竜を前にすると、頭が真っ赤なモヤに包まれ、攻撃力1.15倍、被ダメ3%減、最大HP10%UP。
とかなりのステータスアップバフがかかる。
骨恐竜
ハロウィンイベント中に出現する骨でできた生物。通常種と同じ場所にスポーンする。逆に言えば、通常種が存在しないマップだと出現することはない。
ゲーム内ではテイム不可能。
今回のような例は記録がない。
ステータスがかなり強くなっているため、安易に挑むと返り討ちに遭う。倒すとイベントアイテムの骨と骨スキンを落とす。
骨恐竜の種類は
スケルタルラプトル
スケルタルトリケラトプス
スケルタルカルノタウルス
スケルタルステゴサウルス
スケルタルレックス
スケルタルケツァル
スケルタルブロント
スケルタルトビネズミ
スケルタルファイアワイバーン
スケルタルギガノトサウルス
…となっている。
かつてイエローとヴェロナも(ギガノトサウルス以外の)骨恐竜と何度も戦ったようだ。
魚ライオン?
今回イエローを見ていたり、マーケットガードを壊滅させた生物。
実はもうあとがきで解説されてる生物だったりするのだが…
アイテム解説
ダンボール
イエローがインベントリ内に持っているダンボール。
普段は寝床として使っているらしい。
ちなみに何故か防弾、防水、燃焼防止のコーティングがされているらしい…