ARKアーカイブ   作:公開

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最近ARKにおいて、あるMOD生物の繁殖に勤しんでおります。
…そのMOD生物が登場する原作ゲームの設定では複数存在するのがあり得ない存在なのですけどね。


真実

 

 

「うへ〜…」

 

「…」

 

「…」

 

「なーに黙ってんだ?…ま、気持ちは分かる。

ほれ、このどら焼き食べな。」

 

「…ん、ありがとう、イエロー先生。」

 

そうしていると、アヤネとセリカが教室に駆け込んできた。

 

「先輩達!先生!これ見て!」

 

「アビドス自治区の関係書類を持ってきました!これを…」

アビドス自治区の関係書類をかき集めて持ってきてくれたようだ。

 

「…?」「あれ?」

 

セリカとアヤネは、今のまるでお通夜ムードな対策委員会の雰囲気に「何があったんだろう」と疑問に思った。

 

 

「「…」」

 

「…な、何…?この雰囲気…一体、何があったの?」

 

「正直言って俺にもよく分からん。」

「イエローに同じくだ。」

 

「えぇ…?」

 

「…ま、今は気にするな…いやまぁ、気にするなとか言われても無理案件だろうけども。とりあえず今はほっといて、おかえり。セリカ、アヤネ。」

 

「うん、ただいま?…い、いやそれよりも!あの行政官の言った事が事実か調べたわ!」

行政官、アコの言っていた「柴関ラーメンがある一帯はアビドスの自治区ではなくカイザーによって買い取り済み、そして住民は既に立ち退き済みの区画」というものが事実かどうかをセリカとアヤネは調べていた。

 

「そして、その全てが真実でした…柴関ラーメンの周辺地域は最早アビドスの土地ではなく…カイザーコンストラクション所有の土地となってしまっています…以前、先生が仰られていた」

そして調査の結果、アコが言っていたことは全て真実だった事が明らかに。

 

「カイザー潰すRTA、はっじまっるよ〜☆」

怒りを通り越した結果、某RTAのようになるイエロー。

 

「落ち着けイエロー。」

 

「…大将はこの事を知っていたの?」

 

「…はい。随分前から退去命令も出ていて、もうお店を畳むことを決めていたそうです…だから今回、柴関ラーメンが破壊された事も

「予定が少し早まっただけ」

と…」

 

「…」

 

「よしコクエイ呼ぼう。あいつならカイザーなんて敵じゃないぜぃ。ボッコボコのボコバットよ。」

 

「コクエイだと…!?アイツもこちらに来ていたのか!?」

 

「そうらしい。」

 

「えーっと、おじさん、全く話が分からないんだけど…そのコクエイって誰?」

 

「コクエイは"シャドウメイン"っていう魚とライオンを3:1位の比率で混ぜたキメラみたいな生物。ちなみにコクエイはそのシャドウメインの中でも特に強い。」

 

「どれくらい強いんですか?」

 

「ぶっちゃけ成体の姿でもチャージライト有りだったら姑息な戦法使わない限り普通に負けがありうる

 

「はい!?」

 

「本気の先生が負けかねないって…」

 

「ちなみにチャージライト無しだったら…?」

 

「間違いなく俺が勝つ」

 

「ん、先生もおかしいし、それに対抗できるコクエイっていうのもおかしい。」

 

 

 

 

「…さて、話を戻そう。今アビドス側が所有している土地はどれくらいだ?」

 

「…所有権がまだ渡っていないのは、今は本館として使っているこの校舎と、周辺の一部地域だけでした。」

 

「で、ですが、どうしてこんなことに?学校の自治区を取引だなんて、普通できるはずが…いったい誰がこんなことを…」

 

(いや…待てよ?もしかすると…)

(土地の所有権を取引できる…となると、もうそれは…)

 

 

「…アビドスの生徒会、でしょ。」

 

「やっぱそうだよなぁ…」

 

「…!」

 

「学校の資産の議決権は生徒会にある。それが可能なのは普通に考えて、その学校の生徒会だけ。」

 

「…はい。その通りです。取引の主体は、アビドスの前生徒会でした。」

 

「そんな…アビドスの生徒会は、もう2年前になくなったはずでは…」

 

「…はい。ですので、生徒会が無くなってからは、取引は行われていません。」

 

「そっか、2年前…」

とホシノが何か言いかけた時、

 

「何をやってんのよ、その生徒会の奴らは!!!!!!」

セリカが爆発した。もちろん本当に爆発して「きたねぇ花火だ…」となったわけではない。

 

「学校の土地を売る?それもカイザーコーポレーションなんかに!?学校の主体は生徒でしょ!?どうしてそんなこと…っ!」

 

「…」

 

「こんな大事に、ずっと私たちは気づかないまま…」

 

「それぞれの学校の自治区は、学校のもの。余りにも当たり前の常識です。当たり前すぎて、借金ばかりに気を取られて、気付くことが出来ませんでした…私が、もう少し早く気付いていれば…」

 

学校の自治区は学校のもの。それはここ、キヴォトスにおいて当たり前の事。故にそこに焦点を向けることは考えもしなかった。

 

「…ううん、それはアヤネちゃんが気にすることじゃないよ。これはアヤネちゃんが入学するよりも前の…いや、対策委員会ができるよりも前のことなんだから。」

 

「…ホシノ先輩、何か知ってるの?」

 

「あ、そうです!ホシノ先輩もアビドスの生徒会でしたよね?」

 

「え?そ、そうだったの!?」

 

「それに、最後の生徒会の副会長だったと聞きました。」

 

「…最後の生徒会の副会長、か。」

イエローは何かを考えているようだ。

 

「…うへ〜、まぁそんな事もあったねぇ。2年も前のことだし、そもそも私もその辺の生徒会の先輩達とは、実際に関わりは無くってさー。私が生徒会に入った時には、もう生徒会の人たちは殆ど辞めちゃってたから。」

 

「その時は何人ほど在籍していた?」

ヴェロナがそう聞く。

 

「えーっとねぇ、その時にはもう在校生も2桁になってたし、教職員もいない状態だったよ。」

 

「oh…超過疎ってら…」

 

「生徒会室も、そうと言われなければただの倉庫にしか見えないところだったし、引継ぎ書類なんて立派なものは1枚もなかった。丁度砂漠化を避けようとして、学校の建物を何度も移してた時期だった。そもそも最後の生徒会って言ったって、新任の生徒会長と私の2人だけだったし。」

 

「…その生徒会長は無鉄砲で、会長なのに校内でも随一のバカで…私の方だって嫌な性格の新入生でさ。いや〜…何もかもめちゃくちゃだったよ。」

 

(…)

 

 

「校内随一のバカが生徒会長…?何それ、どんな生徒会よ…?」

 

「成績と役回りは別だよ、セリカ。」

 

「俺だってバカだけどリーパーのまとめ役だしな。」

 

「そもそもセリカちゃんも成績はそんなに…」

 

「わ、分かってるってば!!どうして急に私の成績の話になるわけ!?一応突っ込んでおいただけじゃん!?」

 

「うへ〜、いやいや、正にその通りだよ。生徒会なんて肩書だけで、おバカさんが二人集まっただけだからね。何の間違いだか、生徒会なんかに入っちゃって…いや〜、あの時はあちこちに行ったり来たりだったねぇ。ほんっとバカみたいに、なんにも知らないままさ…

 

(あの笑み…きっと、ホシノは無理して笑ってんだ。)

 

(あの笑み…そしてあの言葉…過去の自分を嘲笑っているように感じるが…)

 

ホシノは笑みを浮かべていた。けれどその笑みは…イエローはどこか無理をして笑っているような、ヴェロナは過去の自分を嘲笑っているようだと、二匹は感じた。

 

「…」「ホシノ先輩…」

 

「…ホシノ先輩が責任を感じることじゃない。昔の事情は知らないけど、実際に生徒会が解散になった後…アビドスに対策委員会ができたのは、間違いなくホシノ先輩のおかげ。」

 

「う、うん…?」

 

「…ホシノ先輩は怠け者だし、色々とはぐらかしてばっかりだけど、大事な瞬間には絶対に誰よりも前に立ってる。」

 

「そうです。セリカちゃんが行方不明になった時、真っ先に先生に助けを求めたのもホシノ先輩でしたし…。」

 

「…うへ〜、そうだっけ?よく覚えてn「そのとーり!ホシノはいっつも、大切な誰か、何かを守るために死地にすらも飛び込むのだ!」う、うへ…割り込まないでよ先生…」

 

ホシノは大切な誰かを守るためなら、死地にすらも飛び込む勇敢な生徒だと、イエローはそう言った。

 

(…だけど…大切な何かを守ろうとするあまり、自分すらもホシノは犠牲にするかもしれない。いや、もしそれで本当に守れるなら…間違いなくホシノはそれを実行する。正直言って、怖い。ホシノが居なくなってしまうかもしれないのが。)

 

 

「ホシノ先輩は色々とダメな所もある。でも、尊敬してる。」

 

「それって褒め言葉なの?悪口なの…?」

 

「どちらでもあるのではないか?」

 

「ど、どうしたのシロコちゃん!?急にそんな青春っぽいセリフを…!おじさんこういう雰囲気、ちょっと苦手なんだけど!?」

 

「…や、何となく言っておこうかなって思って。」

 

「え、えぇ…?」

 

 

 

 

 

 

 

「…では、どうして前の生徒会は、カイザーコーポレーションにアビドスの土地を売ったんでしょうか?」

 

「借金を減らすために、土地を売ったんじゃね?

わずかしか価値がないとは言えど、無いよりはマシ。

それでも返済分を稼ぐのは難しかった。だからどんどんと土地はカイザーの所有物になり借金も減らず…って感じか?」

 

「…なにそれ、何かおかしくない?最初からどうしょうもないっていうか…」

 

「…なーるほどなぁ。アビドスは悪質な罠にはめられちまった…ってことか。」

 

「え?」

 

「あー…なるほど、そっか。」

 

「…アビドスはカイザーに借金をしている。そして当然、アビドス側が返済不可能だった時もあったと思われる。何せ、利子だけで788万3250円という大金。そうそう用意できるモノではない。そこで、アビドスの土地が欲しかった奴らはこう取引をかけた。【利息が払えない時、代わりに土地を売るのはどうか】と。これならばある程度辻褄は会う。」

 

「はい。きっと最初は、要らない砂漠や荒廃した土地でも売ったら?と甘言を弄したのでしょう。どうせ砂漠化した使い道のない土地、その提案を断る理由もなく…ですが、売った所で借金が減るわけでもなく、イエロー先生の仰った通り、土地を取られる一方で…アビドス自治区そのものが、ゆっくりと、誰にも気づかれずカイザーコーポレーションそのものになってしまう。」

 

「アビドスにお金を貸した時点で、こうなるように全てを…」

 

「だいぶ前から計画してた罠だったのかもね。それこそ、何十年も前から。それくらい、規模の大きな計画だったのかも…」

 

「なにそれ!?ただただカイザーコーポレーションの奴らに弄ばれてるだけじゃん!*1生徒会のやつら、どんだけ無能な訳!?こんな詐欺みたいなやり方に騙されてさえいなければ…!」

 

「そんなに言うのは辞めなさい、セリカ。」

普段とは少し違う口調でイエローはセリカを止める

 

「で、でも」

 

「…生徒会だって、必死でアビドスを守ろうとしていたはず。現に今セリカ達がここにいるのは、生徒会がいたからだぜ?

…ま、セリカ、確かにその気持ちは分からなくもない。もし同じ立場だったら間違いなくそう心の内では思ってる。だけどさ…必死に必死に、大切な場所を守ろうとした人たちを愚弄するのはお門違いだぜぃ。それに、元凶は元々カイザーだし。

ま、その結果がこうだったとしても、その人らは全力で守ろうとした。…俺達の世界の人類もある意味そんな気持ちだったのかねぇ…?」 

 

「先生の世界の人?」

 

「あぁ。」

 

「…イエロー、そろそろ話す時なのでは?」

 

「分かった。…という訳なんだが、聞いてくれるか?」

 

「先生の世界の人の話、聞かせていただきます…!」

 

「おじさんはそれで構わないよ〜。皆もそれでいいよね?」

 

「うん。」

 

「ある意味うちの生徒会と似た気持ちだったっていうのが気になるわね…」

 

「構いませんよ☆」

 

皆問題ないようだ。

 

「ありがとうな…!それじゃ、話すとするか。」

 

 

「…方舟の物語(ARK: Survival Evolved)を。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

*1
????「アビドス高等学校です。もてあそぶことができます。」




次回:ARK: Survival Evolved
次回はARKの根幹、その重大なネタバレが含まれます。

エデン条約編………

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