あの後、なんとかしてアリスにゲーム機を吐き出させた。
「うーん…やっぱり心配…この子をうちの部員に偽装するなんて…本当に大丈夫?」
「大丈夫だ、問題ない」
「それ、所詮フラグというものでは?」
ジェネシス1では君もフラグ立ててたでしょ
「大丈夫の意味を確認…状態が悪くなく問題が発生していない状況のことと推測。肯定します。」
「…いやいや、肯定できないって!この口調じゃ絶対疑われるよ!
やめておこう!?お姉ちゃん!これは絶対無理だって!」
「今やめるって選択肢の方が無理だよ。何としても、私たちのゲーム開発部を守らなきゃ。
そうしないとユズの居場所が…寮に戻るわけにはいかないし…」
「何があったん?」
「えっと…ユズの作ったゲームが酷評されて、悪い意味で学校の話題になっちゃって…それでユズは人と接するのが怖くなっちゃったの」
特に元々内気であったが故にガラスのメンタルに銃乱射するような事があればそりゃもうこうなってしまうのも仕方がないと思う。
というかそもそも【過激内容につき規制済】
「oh…」
「…コメントしにくいな。」
「そうですか…だから貴方達はどうにかしてこの部活を守ろうとしているんですね。」
「うん。ゲーム開発部がなくなっちゃったら、ユズの居場所が消えちゃうから。絶対にそんな事させない!」
「ヨシその調子だぜぃ!何だったら今から廃部撤回させるために生徒会に殴り込む?
…ユウカには申し訳ないけど。」
「いやしないよ!?
…多分」
…後に本当にに生徒会を襲撃することになるとは、この時はまだ誰も思っていなかった
――――――――――――――――――――――
「…服装もある程度揃ったし、後は武器と…学生登録をして学生証を手に入れないと。
学生証については、私が何とかするから」
どうやら学生証に関してはモモイが何とかしてくれるようだ。
「えっできんの?」
「もっちろん!」
「おけ。なら任せた!」
「任されたっ!…それで、ミドリはユズと二人で、アリスに話し方を教えてあげて。」
「は、話し方?」
「まぁこのままだと間違いなく疑われるもんなぁ。」
「イエロー先生の言う通りだよ。
それに、ただでさえ「友達もいないあなたたちに、新しい部員の募集なんて出来るはずないでしょ」って言われてるし…もし、何かの拍子にユウカに「本当にゲーム開発部なのか」って聞かれたとして…」
――――――――――――――――――――――
「肯定、あなたの質問に対し、アリスの回答を提示。私はゲーム開発部の部員」
――――――――――――――――――――――
「…なんて言っちゃった暁には、全部台無しになりかねない」
「いや、それはそうだけど…まぁ、やれるだけやってみるよ」
「それなら俺らでも手伝えるから手伝うぜぃ!
ヴェロナとミニヘレナも手伝ってちょ!」
「了解した。」
(アロナ、言葉に関する教科書やそれに類ずる本を探してくれ。できるだけ多く)
「了解しました!」
(あの子…なんとなーく気になりますが…まぁ今は置いておきましょうか)
「一応、私の内部メモリにも教材データがインストールされているはずです。その中に言葉に関するものがあるか少し探してみます!」
そう言うと、HLN-Aは目を閉じて動かなくなった。
「ありがとうミドリにイエロー先生とヴェロナ先生、あとHLN-Aさん!
それじゃあ任せたよ!」
そう言うと、モモイは部室からダッシュで出ていった。
「ちょ、ちょっと待って!」
「…大丈夫なんだろうな?」
「大丈夫だぜ
…多分、きっと、メイビー」
「???」
「え、えっと…アリス、ちゃん?」
「肯定。本機の名称、アリスです。」
「うん、じゃあアリスちゃんって呼ぶね。
それにしても話し方かぁ…よく考えると、どうやって習得するんだろ。普通は動画を見たり、周りの言葉を真似していく内に自然に、って感じだと思うけど…
…そう言えば先生はどうやって言葉を学んだんですか?」
「そりゃ俺らの主人話してる言葉を聞いて…って感じよ。まぁもともとは喋れなくていつの間にか喋れるようになってたんだけど。」
「うーん…ってことは、やっぱり私たちの言葉を聞かせて覚えてもらうしかないんでしょうか?」
「…おいイエロー、言葉遣いには気をつけろよ」
イエローに対して言葉遣いに気をつけろと言うヴェロナ。
「え、待ってなんで俺?」
「お前はカイザー連中…特に理事に対して暴言を放ちまくっていただろう。」
何故気をつけろとヴェロナが言ったのかというと、一番カイザーに自主規制しなきゃ行けない暴言を放っていたからである。
「あー、アレね。いや別にこういった普段では使う気はないから多分大丈夫」
「それなら良いのだが…」
と、ここでHLN-Aが目を開ける
「おっ戻ってきた。どうだったよ?」
「それがですね…えーと…
地質学や生物学的、機械学などの教材は縛って倉庫にポイするレベルにはありますが、言葉に関する教材はほぼありませんでした。
結論を言いますと何の成果も得られませんでした!」
「ダメじゃねーか!?」
「ダメでした!」
「うーん…ならどうしましょう…教育用のプログラムってインターネットに落ちてるかな…」
「最悪シャーレの権限使って取り寄せるか?
いやでもこういう場合ってシャーレの権限使えるのかね…?」
そんなこんなで考えていると
「正体不明の物を発見。確認を行います。」
どうやら部室内をうろついていたアリスが何かを発見したようだ。
「ん?あっ、そ、それは…っ!?
えっと…ちょっと恥ずかしいんだけど、実はそれ私たちが作ったゲームなの。まぁ、凄い酷評されちゃったんだけどね…」
『ゲームを作ったことのある者だけが彼女達のゲームを批判しなさい』
「ってことはコレが例の?」
「はい、テイルズ・サガ・クロニクルです。
…あ、そうだ!」
ミドリが何かをひらめく。悪魔のひらめきとか言ってはいけない。
「クソゲーランキング1では位になっちゃったし、アリスちゃんがどう思うかは分からないけど…アリスちゃん、私たちのゲーム…やってみない?
「会話」をしながら進められるから、ゲームをやってみるのも勉強になるかも。」
「おお良いじゃん!
で、どうすんのアリス?
ゲームやってみる?」
「ここまでの言動の意図、完璧には把握しかねます。しかし…
…肯定。アリスはゲームをします。」
「ほ、本当に!?ちょ、ちょっと待ってて、すぐにセッティングするから!」
そう言うと、ミドリは早速セッティングに取り掛かった。
「しっかしクソゲーランキング1位のゲームかぁ…どんなのか気になるぜぃ。」
「…」「…」
「ん?どしたん二人とも。」
「いや…どうにも嫌な予感が…」
「えぇ…私も悪寒がします。…今更ですがこの体だと寒さなども感じ取れるんですね」
「いやいや、いくらクソゲーランキング1位のゲームでもそこまではならんでしょ…」
…しかし後に、この嫌な予感というのは当たることとなる。
――――――――――――――――――――――
「よし、準備完了!」
「おーいよいよか!」
「…とりあえず見るだけ見てみるか」
「…そうしましょうか」
「…アリス、ゲームを開始します」
「タイトルから分かるかもしれないけど、このゲームは童話テイストで、色彩豊かな王道ファンタジーRPGなの。」
(…そういやテイルズ・サガ・クロニクルって訳すとどうなんの?)
(えーと…テイルズ・サガ・クロニクルを訳しますと…
物語・物語・物語
になります。
いくらなんでも、物語であることを強調しすぎじゃないでしょうか?
まぁ訳に目を瞑ればそこそこ格好いいですし、結構良いタイトルですね!)
【コスモス世紀2354年、人類は劫火の炎に包まれた…】
「…?」
「うーんファンタジーってこういうものだっけ?」
「いえ、違うと思います…きっと…多分。」
「えっと…王道とは言っても、色々な要素を混ぜてるんです。トレンドそのままでもダメだけど、王道にこだわり過ぎても古くなるからってことで。」
「なるほどな」
ちなみにARKも恐竜サバイバルなのにSF要素を混ぜていたりする…と言うより最早SFサバイバルが基礎で、恐竜要素の方が混ざっていると言っても過言ではないと思う
【チュートリアルを開始します。
まずはBボタンを押して、眼の前の武器を装備してみてください】
「Bボタン…」
アリスはBボタンを押す。
すると…
(ドカーーーーーン!!)
〈GAME OVER〉
「 は ぁ ? 」
「huh?」
「…????????????」*1
「!?!?」
なんとチュートリアルに従った結果、がめおべらになってしまった。
「あはははっ!予想できる展開ほどつまらないものはないよね!本当はここで指示通りじゃなくてAボタンを押さきゃといけないの!」
いつの間にか帰ってきていたモモイが笑いながらそう話した。
「初見殺しにも程がないかなぁコレ!?」
「…嫌な予感、当たったな…」
「…(溜息)」
「お姉ちゃん、学生証を作りに行くって言ってなかった?」
「行ってきたけど遅かったからもう誰もいなかったの。また明日行ってみる。」
どうやら本当に言ってきたものの誰もいなかったので帰ってきたという。
「そっか。…それはさておき、改めて見てもこの部分はちょっと酷いと思う。」
「も、もう一度始めます…再開…テキストでは不明な感情が発生しています…」
「…ん?」
「あっ、私それ分かるかも!きっと興味とか期待とかそういう感情だと思う!」
「どう考えても怒りか困惑だと思うけど…」
――――――――――――――――――――――
【武器を装備しました】
「装備完了…」
「お、良い感じ。そのまま進めば、RPGの花である戦闘が…」
【エンカウントが発生しました!
野生のプニプニが現れた!】
「おっエンカウント。さーて最初の敵は…プニプニ?
こっちで言うドードー的なやつか。」
「緊張、高揚、興味。」
「Aボタンを押して!今度は嘘じゃないから!」
「Aボタン…秘剣つばめ返し:敵に対して2回攻撃をする*2
行きます、プニプニに対して…
秘剣!つばめ――」
【ッダーン!
攻撃が命中、即死しました】
〈GAME OVER〉
「!?!?」
「…うそーん。」
「即死だと…」
【プニプニ:どれだけ剣術を鍛えた所で、我が銃の前では無力…ふっ。】
「…」
「遂にミニヘレナが何も言わなくなった…」
「うーん、やっぱりプニプニが「ふっ」て言うのは不自然かな。」
「…ツッコみどころはそこじゃないと思う。」
「思考停止、電算処理が追いつきません。」
「あ、アリスちゃん大丈夫…!?」
「…リブート、再開します。
今度は銃の射程距離把握に努めながら、接近しすぎないようにプニプニを排除します」
「そう、まさにそれ!諦めずに繰り返し挑戦して試行錯誤のすえに答えを見つけるのがレトロチックなゲームのロマンだよ!」
「なにか違う気もしますが…まぁ、今は置いて…
おきましょう、ええ。」
――――――――――――――――――――――
「…電気処理系統、および意思表示システムに致命的なエラーが発生。」
「頑張ってアリス、ここさえ乗り越えれば待望のクライマックスだよ!」
「今のはどう考えても「草食系」って言葉が思い出せないからって、それを「植物人間」って書いたお姉ちゃんのせいでしょ!?
「ごめんなさい。私は植物人間ですので、女性に対して気軽に声をかけることはできません」
ってテキストを呼んだ瞬間に、アリスちゃんが一瞬気を失ってたじゃん!」*3
「…質問。どうして母親がヒロインで、それでいて実は前世の妻で、さらにどうしてその妻の元に、子供の頃に別れたきりの腹違いの友人がタイムリープしてきているのか…いえ、そもそも「腹違いの友人」という表現は辞書データに登録されていな―
Fatal_ERROR!!
Fatal_ERROR!!」
「え、エラー吐いてる…が、頑張ってアリスちゃん!クライマックスまでもうすぐだから!」
「…リブート
プロセスを回復…これが、ゲーム…」
――――――――――――――――――――――
数多の苦行以上の何かを経て遂にトゥルーエンドへとたどり着いたアリス。
クリアして始めて言った言葉は…
「こ…ろ…し…て…」
この始末☆
「凄いよアリス!開発者二人が一緒とはいえ3時間でトゥルーエンドなんて!」
「そ、それもそうだけど…もしかして、本当にゲームをやればやるほど…アリスちゃんのしゃべり方のパターンがどんどん増えてる…!?」
多分それTSCのせいでバグってきてるんだと思われ
「うん、確かにそう…かも?」
「ゲームからそのまま覚えたからちょっと不自然かもしれないけど…機械っぽく言葉を羅列するより全然良くなったと思う!
と、ところでその…こういうのを面と向かって聞くのは緊張するんだけど…」
「わ、私たちのゲーム、どうだった?面白かった!?」
この質問に対して、アリスは…
「…説明不可。類似表現を検索…ロード中…
面白さ、それは、明確に存在…」
面白い、と明確に言った。
「おおっ!」
「プレイを進めれば進めるほど…まるで、別の世界を旅しているような…夢を見ているような、そんな気分…もう一度…もう一度…」
「ええっ!?」
モモイが驚いた声を上げた。何故なら…
「あ、アリスちゃん!?どうして泣いてるの!?」
アリスが、突然泣き出したからだ。
「決まってるじゃん!それくらい私たちのゲームが感動的だったってことでしょ!」
「い、いくらなんでもそれは…というかこのゲーム、ギャグ寄りのRPGのはずだし…」
「ありがとうアリス!その辺の評論家の言葉よりもずっとずっと嬉しい!!
あー、早くユズにも教えてあげたい!」
と、それを言った瞬間…
「…ちゃ、ちゃんと、全部見てた」
ロッカーの中から声がした。
そしてロッカーの中から声の主が出てきた。その正体は…
「ユズ!」
このゲーム開発部の部長、花岡ユズだった。
「ユズちゃん、あれだけ探しても見つからなかったのに!いつからロッカーの中にいたの?」
「み、みんなが、廃墟から帰ってきたときから…」
廃墟から帰ってきたときからなので、少なくとも3時間以上ロッカーの中にいたという。
…つまり【自主規制】【自主規制】【自主規制】*4
「だいぶ前じゃん!?その時からずっとロッカーの中にいたの?あ、もしかしてアリスちゃんが怖かったから?モモトークか何かで伝えてくれればよかったのにびっくりしたよ…」
「アリスは始めましてだよね。この人が私たちゲーム開発部の部長のユズだよ」
「えっと、あの、その…
あ、あ、あ……ありがとう。
ゲーム、面白いって言ってくれて…もう一度やりたいって言ってくれて…
泣いてくれて…本当に、ありがとう」
「???」
「面白いとか、もう一度とか…そういう言葉が、ずっと聞きたかったの。」
ユズは大きな感謝を込めて、アリスに言葉を伝えた。
「とにかく、あらためまして。ゲーム開発部の部長、ユズです。
この部に来てくれてありがとう、アリスちゃん。
これからよろしくね。
…えっと…それじゃあ…」
「あひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃマーガリンが共通言語にーーーーー!!!!」*5
「あいあむしょくぱん」*6
「名前空間STDを使用。INTメイン、オープン。C、合うと。ハローワールド
おはようございます、こんにちは、おやすみなさい!私はGenesisシミュレーションであなたのガイド役を務めます、HLN-Aです。冒険の準備はよろしいですか?まずはお名前を入力してください」*7
「…おかしくなっちゃったあの人達を戻そっか…」
「「う、うん…」」
大体5分くらいで元にに戻った
HLN−Aさんがメインで使う武器
-
TEKライフル
-
TEKレールガン
-
TEKフェーズピストル