形態変身のヒーローアカデミア   作:縁の下の焼き鳥

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ティガやダイナみたいなタイプチェンジとかを使うヒーローを描きたくなったので、この小説を作りました。


1話 受験は怖いが終わり良ければ全てヨシッ!

 

 

 日も既に昇り、多くの社会人達が憂鬱な表情をしながら自身の勤め先へと向かって行く中……中学卒業間近の学生達は志望校に受かる為に受験をしに来ていた。

 

 雄英高校──通称「雄英」。

 

 嘗て平和の象徴であるオールマイトを輩出したという実績を持つ名門校であり、ヒーローを志す者ならば誰もがそこを目指そうと努力を重ね続けていた。

 

 そして今日この日、雄英には数多くの受験者が自身の憧れでもあるヒーローを目指そうと集まっていた。1人は己の強さを完膚なきまでに示そうと、1人は信じてくれている恩人に応えようと、受けに来ている者其々が思いを胸に雄英へと足を運んでおり、そんな彼等と同様にヒーローを目指すとある青年が居た。

 

 その青年の名は────

 

 

……………

 

 

 俺、三力(みつりき)変瞳(へんどう)はこれより修羅の道へと参ります……!理由は簡単で、これから俺は雄英を受験しに来たんだからな。

 

 正直に言うと筆記に関してはマジで自信が無い……。ただでさえ中学の成績なんて中の中ぐらいだっていうのにさ、仮に実技は大丈夫だとしても筆記が足を引っ張ってるんだよな。

 

 そんな俺は現在、試験の説明会場に座っている訳。試験の説明役はまさかのプロヒーローのプレゼント・マイクときた。

 

 

 「今日は俺のライブにようこそー!!!エヴィバディセイヘイ!!」

 

 

 シーン……

 

 

 何かこっちが恥ずかしくなるぐらいの静けさなんですが。多分プレゼント・マイクなりの場の和ませ方なのかもしれないんだけどさ、こちとら雄英に受かるか落ちるかの瀬戸際だってのにそんな余裕は無いと思いますよ?

 

 でも流石はプロヒーロー。たとえ滑ったとしても全く気にしてない様子で実技試験の説明をし始めた。俺もそのメンタル見習いたいぐらいだわ。

 

 それはさて置き、試験の内容は演習場に3種の仮想(ヴィラン)が配置されてるからそれを破壊するか行動不能にすれば得点が入るのだとさ。

 

 プリントには4種の仮想敵が記載されてっけど、それはあくまでも妨害的な立ち位置であるから得点は貰えないらしい。区別つかなくて得点が入らない方を倒したら嫌だから今の内に覚えとくとするか。

 

 プリントの記載について指摘してた眼鏡掛けた如何にも真面目そうな男子が居たけど、よくあんなに人がいる中で堂々とした態度で指摘出来るよな。俺はそういうのは苦手なタイプの人間だからさ……。

 

 

 「──“Plus(更に) Ultra(向こうへ)”!!それでは皆、良い受難を!!」

 

 

 滅茶苦茶良い校訓じゃん。ナポレオンの言葉から取ったって事で良いんか?小学や中学とかの校訓とか死ぬ程興味無かったけど雄英の校訓は普通に好きだわ。

 

 ほんじゃまあ、他の受験生の面々も演習場に向かい始め出したし、俺も指定されてる演習場へと向かうとしますか。こういう時こそ落ち着いて行かないといけないしな……。

 

 

……………

 

 

 説明後、指定された演習場へと向かう為にバスに乗りながら向かっていた。流石は雄英、敷地もデカいし何より説明の時に聞いていたが……模擬用で市街地って普通にヤバいんですけど。

 

 一体何処にそんな市街地を何ヶ所も作れる資金があるのですかねぇ……。感心よりも困惑が勝るのですが。

 

 取り敢えず俺は軽く準備体操とかをしながら体の調子を確かめ事にした。受験生の皆さん方は中学時代のであろう体操服とかスポーツウェアを着ており、俺も中学時代の体操服で実技に挑む事にした。

 

 しかし見れば見る程デカいな……。マジでまんま街中じゃんかコレさ。模擬用って言ってたけど、材質とかは本物のビルとかと同じなんか?

 

 そういえば偶々聴こえてしまったんだが、どうやら同じ中学出身の者は違う演習場になってるらしい。そりゃまあ互い協力する可能性だってあるからな、当然と言えば当然か。まあ俺は同じ中学の友人とかは居ないんですけどね……。

 

 そんな感じで感傷に浸りながら俺はチラリと周囲のライバル達を確認する。……ちょくちょく見た目だけで何の個性なのか何となく分かっちまう奴が居るな。特にあそこに居る女子なんて絶対個性が蛙とかじゃん。だけど可愛いな……出来ればお近づきになりたいなんて思っちゃったりして?

 

 

 『ハイスタート!』

 

 

 ──ほえ?

 

 いきなりプレゼント・マイクの声が聞こえてきたと思ったんだけど、え?今もしかしてスタートって言った?いやいやいやいや流石に軽すぎるでしょ、こういう時はカウントダウンとかあるもんなんじゃないのですか?

 

 え?今もしかしてスタートって言った?いやいやいやいや流石に軽すぎるでしょ、こういう時はカウントダウンとかあるもんなんじゃないのですか?

 

 ホラ、他の皆んなも困惑しちゃってるし何かの間違いでいきなりスタートとか言ったんじゃ──

 

 

 『どうしたあ!?実戦じゃカウントなんざねえんだよ!!走れ走れぇ!!賽は投げられてんぞ!!?』

 

 

 間違いどころかカウントも否定されたわクソッタレが。

 

 俺も含めて受験生達が一斉に駆け出す。制限時間がさ設けられている中、悠長に歩きながら得点を稼ぐバカは居ない。当然俺もそうさ……。個性を使わないで得点を得られるなんて最初から考えてないし、先ず無理だから俺も遠慮無く個性を使う。

 

 それにしても、いきなりのスタートとかは流石にナイと思うわぁ〜……。こちとら初めての受験なんだぞ?若葉マーク付けた受験生なんだぞ?少しは手心というものを加えられてもよろしいのではないか?

 

 まあ今更愚痴った所でしゃーないからな。とっとと切り替えて、実技で結果を残せるように頑張っていきますかっ!

 

 

 『標的捕捉!!ミンチ二シテヤル!!』

 

 

 ……おい、義務教育を終えたとはいえ仮にも雄英だろ。そんな暴力的な言葉を使って大丈夫なのかよ……。っと、あまりな暴言につい動揺してしまったよ。それじゃあ改めて──

 

 

 「遠慮なく使わせてもらおう……

 

 

 そう言って俺は、自身の個性を発動した。

 

 

……………

 

 

 個性を発動した俺は、瞳の色が海の如き青色へと変色をし始めていた。

 

 俺の個性「形態変身(タイプチェンジ)」。それはある特徴を持った2つのタイプの姿になれる、というものだ。

 

 その内の1つが今俺がなっている姿、自称ではあるが俺は今の姿を「スピードタイプ」と呼称している。

 

 スピードタイプはその名の通り、速さに等に優れている形態である。だが何故か脚力も強化されており、ジャンプすればかなりの高さまで昇る事が可能だ。敏捷性と脚力が個性の影響を受けているから、まだ実際に試した事は無いが高速戦とかにも優れていると俺は考えている。

 

 それだけならまだ俺は良い個性を得たなと思ってた……。問題は次にある。

 

 それは……2形態による性格の改変だ(・・・・・・・・・・・・)

 

 スピードタイプは通常と異なり、冷静沈着となるがその分だけ冷酷な性格となる。が、個人的にスピードタイプに関してはまだマシな方だと俺は思っている。

 

 もう1つの形態に関してはまた後で話そうと思う。今は先ず、P(ポイント)を得る為に目の前の仮想敵を倒すとしよう。

 

 俺は一度仮想敵から距離を取り、一気に距離を詰めてから1Pの伸びている頸部に足蹴りを喰らわせる事で頸部ごと破壊する。

 

 スピードタイプは速度に特化しているだけであって何も通常時よりもパワーが下がっている訳じゃない。寧ろスピードタイプだからこそ威力が更に向上している。

 

 人間が全速力で走って他の人間に思いきりぶつかれば必ず衝撃が生まれる。ならば、更に速度を加えれば?

 

 速度が上がれば衝撃は2乗の割合で増す。それを利用する事でパンチやキックの威力を補う事が出来る。そのお陰で多少は頑丈な相手でもダメージを与える事が可能だ。

 

 

 「次だ

 

 

 まずまずといった感じだな。この調子をキープしたままPを稼いでいくとしよう。

 

 目標としては70は目指していこうと思っている。目標に達したとしても緩めるつもりは毛頭無いが、最低でも最下位になる事は先ず無いだろうな。

 

 そうと決まれば、と俺は街灯の上に跳躍して登り、そのままビルの屋上からまだ活動している他の仮想敵を探し出す為に跳躍をした。

 

 

……………

 

 

 『あと5分〜!』

 

 

 タイムリミットも刻一刻と迫って来ている中、個性を発揮してPを稼いでいく受験生達の姿をモニター越しに観ている者達が居た。

 

 それは雄英の教師達であり、教師等はモニターに映る実技試験を行なっている受験生の1人1人にへと注目をしていた。

 

 情報力、機動力、判断力、戦闘力……その全てが実技試験でPという形で現れ、炙り出されている事を全ての受験生達は知る由も無かった。

 

 

 「今年は中々豊作じゃない?」

 

 

 1人の教師がそう呟く。確かに優れた個性や技術を扱う者もチラホラと存在している。豊作という言葉も強ち間違っている訳ではないのだろう。

 

 だからこそ試される……

 

 

 「いやーまだ分からんよ?」

 

 

 ──圧倒的な脅威というものを目の当たりにした者達の行動が如何なものなのか……

 

 それが今、証明される。

 

 

……………

 

 

 「ハァ……取り敢えず、あれだけ倒したから、大丈夫か?」

 

 

 個性を一先ず解除した俺は少し休みながら辺りを見渡したりしていた。

 

 いやぁ、気合い入れてたけど個性をあんなに酷使するとは思わなかったよ。流石に俺ツカレちった……

 

 まあでも、頑張った甲斐はあったんじゃないんですかね?かなりの数の仮想敵をぶっ壊したりしたからさ。流石に100までは……いけてる訳ないか。てか途中から仮想敵の種類とか分かんなくなってきたし……

 

 ……まっ、また仮想敵を見つけたら俺の個性で速攻ぶっ壊してやったらいっか。今は少し休みたいんですよね俺。流石に足が痛くなってきてしょうがないんだよ。あーしんど──あ?何か揺れてるくね?

 

 何事かと思って振り返ればバッカデカい仮想敵が突然現れてきたんですけど……何なんですかアレ?もしかしなくてもあれがお邪魔虫的な立ち位置と言われてた4種類目の仮想敵か?

 

 いやいやいや呆けてる場合じゃないだろ!?幾ら何でもあんなの無茶苦茶すぎんだろうが!?そりゃ戦っても無駄だわ!寧ろ誰があんなデカブツと真正面からやり合おうとするんだよ!!普通に逃げるわ!

 

 そうと決まればスタコラサッサと逃げるしかないだろ。何かデカブツが移動したり腕を動かしたりしてるだけでビルが崩れたり瓦礫が飛ばされてるんですが……下手すりゃ死者が出るんじゃないの?

 

 ふざけんなよチクショウめ!あんなのが出るって知ってたら態々あんなデカブツの近くでウロチョロしてなかったっての!行動が裏目に出てんじゃねえか!!個性発動してたんならこれぐらいの事態を予想しとけや!!

 

 冷静な癖に予想も出来ないのかよ!ほんっと使えねーわ!それでも俺の個性かってんだ!!(自分自身をボロカスに罵ってるアホの姿)

 

 ……こういう時こそスピードタイプで遠い所まで避難したいだけど生憎と仮想敵を倒すのにだいぶ足とかを酷使したせいで発動しようにも足を痛めてて発動出来ないんだよな。

 

 

 「ケロ……」

 

 

 案の定あのデカブツの暴れっぷりのせいで怪我を負ってる奴が出てきてしまったようだな。

 

 というかあの子よく見たら蛙の女子じゃんか。頭から血を流してるし、多分ビルの破片とかが頭に当たったりしたんだろうな。

 

 ……いやいやいや、普通に分析してる場合じゃねえだろ!女の子が頭から血ぃ流してんだぞ!?ここで行かなきゃ男の名が廃れるってもんだぞぉ!!

 

 

 「そこの蛙の子!大丈夫か!?」

 「ケロ……大丈夫よ。見た目程傷は酷くないわ」

 「立てるか?」

 「ええ、立て──っ……!」

 

 

 手を差し伸べて立つのを手伝おうとしたのだが、どうやら足を痛めているらしく蛙の子が立ち上がれなかった。……マズい。非常にマズい。

 

 俺達の後ろから轟音が段々大きくなっているから近づいてきてるのは確実だし、追い付かれるのも時間の問題だ。どうすれば良い?流石に蛙の子を背負って逃げるという手段もあるが逃げられる気がしない。

 

 

 「私の事は良いわ。早くしないと貴方があの敵に巻き込まれてしまうわ」

 

 

 なんつー自己犠牲……。自分の方が危ないっていうのに他人の俺なんかを心配してくれてんの?下手すりゃ不合格になるかもしれないっていうのにさ。

 

 怪我してる女子が目の前に居るっていうのに逃げてしまったら多分この先の人生で罪悪感に悩まされてしまうだろう……

 

 ……もうこれ、助けるっきゃなくね?

 

 

 出来ればこっちのタイプ(・・・・・・・)は実技で一回も使わずに終わらせたかったんだけどなぁ……まあ、事前に伝えておけば良いか?

 

 

 「これから個性使うんだけど、個性の都合で性格が変わるからドン引きしないでくれる?」

 「ケロ?何を──ッ!危ないわ!」

 

 

 俺は蛙の子の疑問には答えず、立ち塞がるように前に出た。すると待ってましたと言わんばかりに暴れまくるデカブツが飛ばしたビルの瓦礫が真っ直ぐ此方に向かって来ていた。

 

 このままだと俺も蛙の子も押し潰されてしまう。

 

 衝突まで8m。

 

 

 

 ──4m。

 

 

 

 ──1m。

 

 

 

 ……いつまで経っても瓦礫によって押し潰されない。何故か……だと?

 

 そいつは当然だろ、俺がその瓦礫を掴んでんだからよ(・・・・・・・・・・・・・・・)

 

 

 「やられたらやり返すってなアァッ!!!

 

 

 掴んだ瓦礫をそのまま投げ返す。そして投げた瓦礫は見事顔面に直撃してクリーンヒットって感じか?知らんがな。

 

 だが久々に変身したからか、どうにも滾っちまってどうしようもないぜ。このままじゃ試験どころじゃなくなっちまう。だから……

 

 

 「一発だけで勘弁してやるよ。

 

 

 俺は瓦礫を使ってデカブツの顔面の所まで飛び上がる。俺が瓦礫をコイツに叩き込んだお陰でかなり凹んでたからもう一回そこにデカいのをブチ込んでやろうと思う。

 

 精々派手にぶっ壊れてくれよ?

 

 

 「レッキングインパクトオォォォッ!!

 

 

 即興で考えた技名を叫びながら渾身のパンチをデカブツの顔面に叩き込む。

 

 原型を留めてないぐらい顔面が潰れながら倒れていき、そして爆発していくのを見た俺は満足して個性を解除する事にした。あんな殴り甲斐のあるのを殴れるんなら俺は大歓迎だし、満足したぜ。

 

 ……個性を解除したが、ここでスピードタイプの時に話していたもう1つの形態について話そうと思う。まあ、ここまで来たら何となく名前は分かっちゃうかもしれないけど……

 

 さっき俺が使った形態ことパワータイプ。通常時と比べて圧倒的に力とかに特化した形態で、スピードタイプで瞳の色が青色に変化したように、瞳は赤色に変わる。

 

 そして当然パワータイプによる性格の改変もある……それはかなりの好戦的になって、戦い方もかなり荒っぽくなる。主にこの形態のせいで小・中学時代は何度問題を起こしてしまったことやら……

 

 

「……はぁ、戦闘狂とか俺のキャラに合ってないっての」

 

 

 思わず己の個性について愚痴を溢しているとプレゼント・マイクが実技試験終了の声を上げていた。今回の実技試験で久々に個性を使ってみたが、めっちゃ疲れちった。

 

 使えば冷酷になるスピードタイプ、使えば戦闘狂になるパワータイプ。

 

 ……改めてほんっと、俺ってば難儀な個性を得てしまったものだな。

 

 

……………

 

To Be Continued…




作ってる当初は個性の名称をタイプチェンジにするか、フォームチェンジにするかで悩んでました。
後、自分で冷酷って言いながら全然冷酷ムーブかましてないオリ主くん……
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