形態変身のヒーローアカデミア   作:縁の下の焼き鳥

2 / 2
2話目です。お気に入り登録してくれた方とコメントしてくれた珈琲紳士さん、ありがとうございます


2話 入学初日で除籍されそうなんですが……

 

 

 雄英の試験が終わってから俺は家で毎日ゴロゴロしたりして過ごしていた。受験という重りから解放されて肩の荷が下がったんだからこれぐらいは許されるくね?

 

 とはいえ、いつまでも家でダラダラと過ごしてる訳なんかじゃない。しっかりと家で筋トレをしたりして、体が鈍らないように対策をしてた。

 

 体は鍛え、飯だってたらふく食べる。特にトレーニングをした後に食べる婆ちゃんの飯がマジで絶品で美味すぎて幸せすぎる。 

 

 え?何でそこで俺の婆ちゃんが出てくるのかって?そりゃあだって俺、物心ついた頃から爺ちゃんと婆ちゃんに育てられながら今まで生きて来たからに決まってんじゃん。

 

 何か俺、赤ん坊の頃から個性によるトラブルが半端なかったらしくて、それでよく俺のお袋とか親父が俺が原因で口論をしまくってたらしい。しかもその後、離婚にまで発展して俺は実の親2人から捨てられたって爺ちゃんと婆ちゃんから話を聞いた事がある。

 

 まあ別に親の顔なんて覚えてもないから会いたいとかっていう気持ちは無いかな。もし雄英に受かれば俺は一人暮らしになるから今更寂しいとかいうのに慣れとかないといけないしな。

 

 そんなこんなでいつ合否の知らせが来るのか毎日ハラハラしながら待っていると、婆ちゃんから包みが届いたと言われて俺に渡してきた。一瞬で雄英からだなと察した俺は婆ちゃんと爺ちゃんに頼んで1人で合否を確認する事にした。

 

 いや、いざ自分の合否を確認するとなると滅茶苦茶緊張と動悸が半端ないんですけど。これで俺、不合格だったら2人にどの面下げて言えば良いのでしょうか?

 

 ままよと、決心して包みを開けてみれば中から丸い小型の機械が出てきた。……何コレ?

 

 

 『私が投映された!!!』

 「うおっ……!」

 

 

 適当に機械をつついたりしてたら機械が突然映像を出したと思いきやオールマイトが画面全体を覆うように現れた。いきなりの顔面ドアップは心臓に悪いでっせオールマイトさんさぁ……

 

 まあ、結論から言うと合格でした。筆記は滅茶苦茶ギリギリだったらしいけど、終わり良ければ全てヨシッ!って事で気にしない事にしました。わはははははははっ!

 

 実技に関しては順位がまさかの2位だったという事に俺は驚きを隠す事が出来なかった。どうやらレスキューポイント?みたいなものも採点されてたらしく、俺の場合はあの蛙の子を助けようとデカブツ改めて0P敵に立ち向かった事が評価されていた。

 

 ……まあ、後先考えずに0Pをビルも巻き込みながら倒したという点もあるせいで微妙な感じだったらしい。

 

 オールマイトが直々に俺の雄英合格を認めてくれたというのは素直に嬉しい。こっちはヒーローの卵で、向こうは平和の象徴でもあるNo.1ヒーローなんだからさ。

 

 その後、俺は婆ちゃんと爺ちゃんに雄英に受かったのを報告すると、「祝いじゃあ!」と大喜びしたかと思えば焼肉屋に連れてってくれたで。……俺は嬉しいけど婆ちゃんと爺ちゃんが胃もたれしないか心配なんですが俺は。

 

 

……………

 

 

 進路先にも受かる事が出来、無事何事もなく母校を卒業しました私……三力変瞳はこれより入試以来の雄英へとやって来ました。しっかりと雄英の制服を着てな。

 

 いやそれにしても広いなぁ雄英。一応俺はA組に編入されてるらしいんだが、何せ探し出すのが面倒だわ。廊下で雑巾掛ける時に超大変そうだな。

 

 さてさて、初めての高校とはいえ迷子になりそうになりながらも何とか自分のクラスを見つけ出す事が出来た。つかドアがデカいなオイ!俺、身長に関してはかなり自信があったけどこれだと俺よりデカい同級とかも居るのだろうか?

 

 

 「すぅ……はぁ……」

 

 

 深呼吸をして気持ちを整えてから……ドアを開ける!いざ、新世界へぇ〜バンジージャーンプッ!!

 

 

 「……ざいまーす」

 

 

 大声出して挨拶するとでも思ったか?態々自分から孤立していくような真似をする訳ねぇだろう戯けが。

 

 とはいえ、こんな挨拶をしたからちょっとした感じの返しだった。敢えて大人しい感じで行ったのが逆に裏目に出てしまったか。

 

 初日からやらかしたかと脳内反省しながら席に着いて溜め息を吐いてると、突然背中をトントンと叩かれた。誰かと思って振り向いてみれば、あらまびっくり。いつぞやの蛙の子が雄英の制服を着て立っていた。

 

 

 「あっ!いつぞやの……」

 「ケロ。蛙吹梅雨よ。梅雨ちゃんと呼んで」

 「梅雨ちゃんか!改めてよろしく!俺、三力変瞳。お互い雄英に受かれて良かったよ」

 

 

 いやーまさか蛙の子改めて梅雨ちゃんも合格出来てたのは素直に嬉しい限りだよ。うん、うん。特に目立った怪我も無さそうだから安心したわぁ。

 

 

 「三力ちゃんね。入試の時にお礼が言えてなかったわ。あの時は助けてくれてありがとうね」

 「いいよ礼なんて。寧ろ逆にドン引かれたかと思って悩んでたぐらいだからさ」

 「ケロ?どうして私が三力ちゃんを引くと思ったの?」

 「いやだって……見たでしょ?俺の個性……使うと性格が変わるからさ」

 「助けてくれた事に変わりはないし、それぐらいじゃ私は三力ちゃんの事を引いたりしないわ」

 

 

 え?何やだ梅雨ちゃんってもしかしなくても天使なのではないのでしょうか?滅茶苦茶良い人じゃん。もう感動を覚えるぐらいだわコレ。泣きそう……

 

 入試での件もあったお陰で何とか3年間ぼっちとかいう最悪の事態は回避された。暫く梅雨ちゃんと会話をしてると続々と教室に人が入って来た。

 

 特に1番キャラが濃いって思ったのが机に足掛けてるツンツン頭の男子生徒だな。今時見ないぞ?あんな不良みたいな奴。

 

 とはいえ、だ。これから3年間共に切磋琢磨していく仲なんだから挨拶ぐらいはしとかないとな。

 

 

 「机に足をかけるな!雄英の先輩方や机の製作者方に申し訳ないと思わないか!?」

 「思わねーよ!てめーどこ中だよ端役が!」

 

 

 ……もう筋金入りの不良じゃねえか。

 

 えぇ……何でこんな危なそうなの合格させたの雄英?完全にヒーローが言って良い言葉じゃないんよ。端役とか。

 

 

 「お、おっす!俺の名前は三力変瞳。これから3年間よろしく!」

 「む!ぼ……俺は飯田天哉という!此方こそよろしく頼む!三力くん!」

 「ケッ!」

 

 

 んんー清々しい程の真面目オーラ!逆に好きになっちゃいそうだわ。是非とも仲良くしていきたいと思うところだ!

 

 そういやコイツ、入試の時の説明でも見かけたな。あの入試の時から思ってたけど、やっぱ真面目系の人間だったか。……で、案の定こっちの不良は反応は予想通りだったか。まともに答えてくれるなんて思ってなかったけどな!

 

 そしてこの雰囲気を保ったまま、俺は他のクラスメイト等にも挨拶をしたりしていた。すると後から緑髪の……口に出したら悪口になっから言わないけどマリモみたいな髪の男子が来たから挨拶をした。

 

 それで飯田と一緒に緑谷と話してたら、お手洗いに行ってたのか何も持ってない女子が緑谷の後ろから現れた。すんげぇほんわかそうな顔してんな……。名前は麗日お茶子って名前らしい。

 

 飯田と麗日が緑谷の事を知っているらしく、聞けば同じ演習場で試験を受けたらしい。しかも試験の際に緑谷自身の個性であの0P敵を一撃で倒してしまったとか。え?強すぎね?とてもそんな事を成し遂げる奴には見えないんだけど……

 

 

 「お友達ごっこしたいなら他所へ行け。此処は……ヒーロー科だぞ」

 

 

 何だこいつ〜!?どっから現れたんだこのホームレス!いきなり聞き慣れない渋い声が聞こえてきたと思えば、廊下で芋虫みたいに寝袋に入った男が居た。いや、マジで不審者なん?だとしたら雄英のセキュリティどうなっとん?ガバガバすぎん?

 

 

 「ハイ静かになるまで8秒掛かりました。時間は有限。君達は合理性に欠くね」

 

 

 え?もしかしてこの不審……じゃなかった、この人ってまさか先生なん?めっちゃ無精髭だし、普通に学校の関係者とかなんて1ミリも考えてなかったわ。というかさっき合理性とか言ってたよな?もしかして合理的に考えて髭とか剃らない感じ?この人結婚すんのに苦労……というか結婚すらも合理的とかでしなさそう〜。

 

 

 「担任の相澤消太だ。よろしくね」

 

 

 しかもまさかの俺達の担任でございました。嘘だろ?いくらなんでも身なりぐらいちゃんとしたらどうだよ。つか先生って事はこの人もプロヒーローって事かよ。こんなプロヒーローなんて居たっけ?

 

 初日から度肝を抜かされた俺達を他所に相澤先生はゴソゴソと寝袋の中を漁っていた。やがて先生が中から体操服を出したかと思えば、突然体操服を着てグラウンドに出ろとか言い出した。

 

 ……え?入学式は?

 

 

……………

 

 

 「「「個性把握テストォ!?」」」

 

 

 ……高校生活で最初で最後の入学式を潰してまで何すんのかと思えば個性把握だとぉ?それ今すぐじゃなきゃ駄目なのかよ。

 

 他のクラスメイトも困惑しちゃってるし、何なら麗日が入学式やガイダンスについて聞いたら「そんな悠長な行事に出る時間ないよ」だってさ♪……マジもんの合理性を求める人やんコワ……

 

 初めてだわ。入学式を悠長な行事とか言って文字通りカットしてくる先生なんて……

 

 

 「爆豪、中学の時ソフトボール投げ何mだった」

 「67m」

 「じゃあ個性を使ってやってみろ。円から出なきゃ何しても良い。思いっ切りな」

 

 

 個性アリで体力テスト出来るのかよ!個性禁止の体力テストの時は個性使ってテストしたら、ってよく想像してたなぁ……まさか現実になるなんて夢にも思わなかったぜ。

 

 

 「んじゃまぁ……死ねえ!!!」

 

 

 ……俺にはアイツが立派にヒーローやってるビジョンが全くと断言して良い程に想像が出来ない。何食ったらそんな気合いの声が死ねになるんだよ。流石に大昔に居たツッパリとかでも言わないだろ……

 

 とはいえ、投げた距離は705.2m。ただ粋がってるだけではないのは確かだな。多分普通に実力あるわアイツ。

 

 

 「何だこれ!!すげー面白そう!」

 「705mってマジかよ」

 「個性思いっ切り使えるんだ!!流石ヒーロー科!!」

 

 

 まあでも、それはそれで今まで制限されてた個性が使えるってマジで楽しみだわ!これからの学生生活は間違いなく楽しくなってくるぞぉ〜!

 

 

 「よし、トータル成績最下位の者は見込みなしと判断し、除籍処分としよう」

 「「「はあああああ!?」」」

 

 

 ……は?

 

 この人……今何て言った?除籍?最下位の奴は見込みなし?いや何それ。他に限らず俺まで除籍される可能性アリ?まさかの入学初日で?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ジーザス……

 

 

……………

 

 

 第1種目:50m走

 

 

 『ヨーイ……START!』

 

 

 さて、生きるか死ぬか(除籍)の体力テストが始まった訳だが、まあ50m走は普通に考えてここはスピードタイプで行くしかないわな。

 スピードタイプ(厨二病モード)行きまーす。

 

 

 

 『3秒02!』

 

 

 「チッ、遅い……!

 「いや普通に速っ!?」

 「てか何か雰囲気変わった?」

 「アイツの瞳、青かったか?」

 

 

 第2種目:握力

 

 

 「あっ?186かよ!もっといくと思ったんだがよぉ……

 「十分だろ……」

 「ていうかまた瞳の色が変わってるな」

 「ケロ。あの雰囲気、入試の時の三力ちゃんだわ」

 

 

 第3種目:立ち幅跳び

 

 

 「フッ……!

 「普通に砂場を超えやがった!?」

 「スピードもあるし跳躍力もあるのかよ!」

 「今の所、握力以外は全部三力が1番だな」

 

 

 第4種目:反復横跳び

 

 

 「クッ……!上手く制御が出来ん……

 「それでも他皆んなの記録を結構超えてんな……」

 「アイツずっと自分の記録に満足してなくね?」

 「どんだけ自分に厳しいんだよ」

 

 

 第5種目:ボール投げ

 

 

 さっきのデモンストレーションで不りょ……じゃないわ。爆豪がやってたやつだな。まあ、個性を発動してる時の俺は(・・・・・・・・・・・・)これまでの記録はお気に召さなかったようだけど、俺としては最下位じゃなきゃ何でも良いんですけどね。

 

 みんなすげーな。特に麗日なんかは個性が重力でボールを浮かせたら、そのまま上昇しててって記録が∞って表示されてた。流石に∞は無理だろ。

 

 よし、そろそろそれは置いといて、いっちょ俺も投げるとしますか。

 

 

 「ウルァァッ!!

 「1000m!?」

 「あっ、初めて満足そうな顔してる」

 「シャアアアアアアッ!!!

 「チッ!……クソがッ!」

 

 

 ふぅ……麗日のせいで霞んじゃってるけど、それなりに良い記録を出せたんじゃね?どう足掻いても∞には勝てんけど。そこはもう受け入れるしかなくね?

 

 

 「緑谷出久、お前の“力”じゃヒーローになれないよ」

 

 

 あれ?何か雰囲気が良くない方向に向かってるなと思ってたら何か緑谷が先生の肩に巻かれてる布に巻き取られてるんですけど……え?抹消ヒーローイレイザーヘッド?見ただけで個性を消す?何それ仮に敵側だったら詰みじゃん。恐ろしやイレイザーヘッドこと相澤先生……

 

 状況から察するに、ボール投げで個性を発動しようとした所を先生に個性を抹消されたんだろうな。マジ?個性の制御が出来ないの緑谷?あっでも思えばこれまでの緑谷は全て個性を使っている様な素振りはなかったな。

 

 個性を戻してもらえた緑谷が何やらブツブツ言いながらボールを握り締めてる。除籍処分もあるから焦る気持ちは分かるけど怖いんですが緑谷さん。

 

 

 「何やら指導を受けていたようだが」

 「除籍宣告だろ」

 

 

 コラ!モーニングスターヘッド、そんな事言わないの。いやまあ正直な所、多分1番除籍されそうなのは満場一致で緑谷なんだけどさ。

 

 短い間とはいえ、朝の時間で緑谷と話したりした仲なんだ。せめてこの種目では良い記録を叩き出して欲しいと思っている。頑張れよ緑谷!

 

 緑谷の投球を見届けていると、一瞬緑谷の人差し指が赤く光った様に見えた。気のせいかと思って目を擦っていた瞬間……緑谷が投げたボールが大砲なんて生優しい言葉じゃ表せないぐらいの勢いで空へ駆け上がって行く。

 

 記録は705.3m。ここで初の個性による大記録を出した。

 

 マジかよ緑谷!お前スゲー奴だったんだな!その見た目であんなパワー隠してるとか何処の漫画の主人公(・・・)だよ!

 

 ……だけど人差し指がとんでもない事になってんだけど。あれもしかして骨、逝ってるくね?制御出来ないってそういう事だったのかよ。

 

 だけど、それを踏まえた上で俺は緑谷について一言だけ言いたい事がある。

 

 

 ……尊敬しかない。

 

 

 そりゃ尊敬するさ、誰だって痛いのは嫌に決まってる。俺だって嫌に決まってる。だけど緑谷は個性を使えば指が変色して、涙が出るぐらい痛いって分かってるのにそれを自らの意思で決めたんだぞ?

 

 緑谷、お前のそのイかれた根性……危うさを感じるし、少し恐怖も感じるけどそれ以上に俺はお前の事を尊敬してるぞ。

 

 

……………

 

 

 「因みに除籍はウソな。君らの最大限を引き出す合理的虚偽」

 

 

 ────バカヤローーー!!!

 

 ふざけやがって!ぬぅあにが合理的虚偽だ!テメェのサイドキックは合理性かよ!!

 

 あの後、俺達は全ての種目を終わらせて結果発表を待ち望んでいた。

 

 そしたら相澤先生が結果発表を開示しながら合理的虚偽をしやがった!あまりの事に思わず叫んだが、緑谷は最早何かの美術品に出てくる人間みたいな顔をしていた。……ちょっとキモいと思ったのは内緒で。

 

 因みに俺は1位だった。主にスピードタイプを使ってたら大抵の種目は何とかなっていた。スピードイズジャスティス!いやー初日から高校生活の危機に見舞われたりしたが、最下位どころか1位になれて一安心でございますわぁ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  暫く“合理性”とか“除籍”って言葉は聞きたくない……。

 

 

……………

 

To Be Continued

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
一言
0文字 一言(任意:500文字まで)
※評価値0,10は一言の入力が必須です。参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。