白羽さんのお父さんとのデュエルで大きなダメージを負った俺、霞理遊真。
久しぶりの学校で俺を待っていたのは、正式な部活として認可されたデュエル部とそのデュエル部を廃部にしようとする生徒会長、黒崎理央。
折角のデュエル部を廃部になんてさせない。そう意気込んで彼女とデュエルする俺だったが、デュエルの最中、黒崎会長が俺の過去について語り出した。
理央が見せた端末に表示されているのは、データとして保存された古い新聞記事。見出しには当時の時事や地域のイベントについて書かれており、その端に俺の家の事について書かれていた。
恭二「やっぱ知ってたか。游真の人生を狂わせたあの事件を」
光姫「あの、事件って何のことですか?それに霞理先輩が家族を失ったって」
恭二「そのままの意味だ。游真の家族はもうこの世にいない」
8年前――――
あの日の事は今でも鮮明に覚えている。
キッチンでは母さんが夕飯の準備をしてくれて、珍しく早く帰ってきた父さんがテレビを見ている。そして俺は、リビングで弟とデュエルを楽しんでいた。
なんてことの無い、どこにでもある普通の日常。そんな幸せな日常は一瞬で崩壊した。
突如起こった爆発で意識を失った俺が次に目にしたのは、焼け崩れた家と瓦礫の下敷きになった家族の姿。辺りは鉄が焼けたような血生臭い匂いと、煙が充満していた。異変に気付いた近所の人が通報したのか、遠くからサイレンの音が聞こえてくる。
游真「父さ……母さ……游げ、ゲホッゲホッ!」
かなり煙を吸っていたのか、上手く声が出ない。意識が朦朧として眩暈も酷い。それでも家族を助けたいその一心で俺は必死に踠いた。しかしいくらやっても体は持ち上がらず、何度も床に倒れる。痛みこそ感じなかったが、あと一歩で手が届かない現実は、俺を絶望させるには十分だった。
救助隊「救護者発見!急げ!火がすぐそこまで来ている!」
俺の意識が薄れてきたその時、扉を蹴り飛ばして救助隊が突入してきた。救助隊の1人が俺を持ち上げた時、二度目の爆発が起きた。一度目より小さな爆発だったけど、家全体がいつ崩れてもおかしくなかった。これ以上は危険だと判断し、撤退する救助隊。俺は何度も家族を助けて欲しいと叫んだが、出てくるのは掠れた声だけ。炎に包まれた家が崩る光景を最後に俺は再び意識を失った。
現在――――
游真「目が覚めたのは3日後だった。退院してまず初めに家へ向かったが、そこにあったのは焼け堕ちた建物の残骸だけだった。警察の話では、みんな焼け跡の下敷きになってたらしい。酷い状態だったらしくて、遺体は見せてはもらえなかったけど」
光姫「そんな事が……でも話を聞く限りじゃ、デュエルモンスターズは関係ないような」
理央「一見ね。でも事件発生から数週間後、事件は大きく動いた」
理央はタブレットを操作し、2枚目の新聞を游真たちに見せる。その新聞の見出しには、「没落の元チャンピオン!放火の罪で逮捕‼」と大きく書かれていた。
理央「逮捕されたのは霞理君が初めて参加したデュエルモンスターズの大会で、霞理君に敗北した元チャンピオンよ」
光姫「それってもしかして、霞理先輩が最年少デュエルチャンピオンになったっていう」
恭二「ああ、彼は誰もが認めるチャンピオンだった。出た大会は全て優勝。勝利した自分は勿論、負けた対戦相手も楽しめるデュエルで観客を沸かせる最高のエンターテイナーでもあった。ただ、あの大会で游真とデュエルするまではな……」
游真「……」
游真は自身の表情を見せないようにするためか、顔を俯かせる。その間も游真の後ろにいる恭二は話を続ける。
恭二「初め、彼はいつもの様に游真を引き立てる為にわざとダメージを受けた。ただし、自分が不利になるようなダメージは避けてだ。いつもなら、そこから強力なモンスターを召喚し、一気に逆転するんだけが、あの日のデュエルはいつもと違った。チャンピオンが次々と切り出す逆転への一手を游真は全て完封したんだ。まるで、初めからデュエルの流れが分かってたみたいにな。そして最終的にLP4000対0で游真が圧勝した」
理央「結果、霞理君は最年少デュエルチャンピオンとして名を馳せた。同時に、元チャンピオンの方は初心者同然の小学生に大敗した事が世間に広まり、彼を支持していたスポンサーは撤退。全てを失った彼は、人生を狂わされた復讐として霞理君の家を放火し、貴方は家族を失った」
理央はデュエルディスクを降ろし、真剣な眼差しで游真を見つめる。
理央「こんな事があったんだもの。当然デュエルは辞めている思っていたわ。だから、貴方が問題児の宝城君と一緒に先生の目を掻い潜ってデュエル部っていう非公認の部活動を行っていると知った時は、彼に付き合わされてるだけだと思ってたわ。でも、こうして貴方と対峙してみてわかった。デュエルを続けているのは貴方の意志。それが私にはどうしても理解できない。家族を奪ったデュエルモンスターズが憎くないの?どうして、そんな平気でいられるの?」
游真「……そうだな。強いて言うなら、俺にはもう、
俯いていた游真が顔を上げる。その表情は哀しげではあったが僅かに笑みが浮かんでいた。
游真「勿論初めはデュエルを恨んだ。俺があの時チャンピオンに勝たなければ、大会にでなければ、そもそもデュエル自体始めなければ……そう考える事もあった。一時期はデュエルを辞めようとも思った。でも、完全にデュエルを拒絶する事はできなかった。デュエルは今も俺と家族を繋ぐ唯一残った絆だから」
理央「絆?」
游真「そう。俺たち家族の絆。それがデュエルモンスターズ。父さんと母さんはデュエルを通じて出会った。2人はプロって訳じゃなかったけど、デュエルの話をする時はとても楽しそうでさ、そんな2人の子供だった俺と弟も自然とデュエルが好きになっていった。俺と家族の思い出は、どこを切り取っても常にデュエルがあった。その事に気付いたら、もうデュエルを辞めようなんて気にはならなかった。今でもその判断は正しかったと思っている。お陰で、俺みたいに悲しい思いをする人を出さずに済んだから」
そう言って游真は一瞬、後ろに立っている光姫に目を向け、すぐに理央の方に向き直る。
理央「そう。なら、もうこのデュエルに意味はなさそうね」
游真「え?」
理央「私がデュエル部を廃部にしようとしたのは霞理君、貴方のため。事件のことを偶然知ってから、貴方が宝城君に無理矢理付き合わされているんだったら、私が止めるべきだと思ったから。でもそうじゃなかった。貴方は過去との折り合いをつけて自分の意志で宝城君と活動をしていた事、良く分かったわ。だからこれ以上、このデュエルを続ける理由もないわ。デュエル部の廃部は無し。だから、このデュエルはこれで終わり」
恭二「待ちな!黒崎会長!」
装填されているデッキを取り出そうとデュエルディスクに手を伸ばす理央を恭二が大声で止めた。
恭二「デュエルはいつだって真剣勝負!戦う理由がなくなったからって、途中で降りる事は許さないぜ!特にこのデュエルは自分から吹っ掛けて来たんだ!もしアンタがどうしてもここで切り上げるっていうなら、生徒会長は勝負を途中で投げ出す臆病者だって学校中に言いふらすからな‼」
理央「はぁ?何でそうなるのよ?」
游真「恭二、変な事言うなって。まあ俺もこんな中途半端な状態でデュエルを終わらせるのは反対かな。続けようよ黒崎さん。まだ君のエースモンスター見てないしさ」
理央「! そこまで言われたら仕方ないわね……良いわ、デュエルを再開しましょう」
游真 LP:2500 手札1枚
《モンスター》
・
・幻獣王キマイラ 星6 ATK:2100
・化合獣オキシン・オックス 星2 DEF:2100
《魔法・罠ゾーン》
・伏せカード1枚
理央 LP:4000 手札:1枚
《モンスター》
・進化合獣ヒュードラゴン 星8 DEF:2800
《魔法・罠ゾーン》
・なし
理央「私のターンからね。ドロー!」
理央 手札:1枚 → 2枚
理央「私は手札から『強欲で金満な壺』を発動!EXデッキから6枚のカードを裏側で除外して、カードを2枚ドロー!」
『強欲で金満な壺』 通常魔法
①:自分メインフェイズ1開始時に、自分のEXデッキの裏側のカード3枚か6枚をランダムに裏側で除外して発動できる。除外したカード3枚につき1枚、自分はドローする。このカードの発動後、ターン終了時まで自分はカードの効果でドローできない。
理央 手札:2枚 → 3枚
理央「続いて手札から『心変わり』を発動!私のオキシン・オックスは返して貰うわ」
『心変わり』 通常魔法
相手フィールドのモンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターのコントロールをエンドフェイズまで得る。
理央「更に手札から速攻魔法『フォース・リリース』を発動!ターンの終わりに裏側守備表示になる代わりに、私のデュアルモンスターは全て再召喚された扱いになるわ」
『フォース・リリース』 速攻魔法
このカードの発動時に自分フィールド上に表側表示で存在する全てのデュアルモンスターは再度召喚した状態になる。この効果を適用したモンスターはエンドフェイズ時に裏側守備表示になる。
理央「これで準備完了。お望み通り見せてあげるわ。私のエースをね」
游真(この気迫……来るか、黒崎さんの
理央が手に取ったカードが放つ全身が焼かれるようなプレッシャーに游真は身構えると同時に、一体どんなモンスターが姿を現すのか、胸の高鳴りを抑える事はできなかった。
理央「私はオキシン・オックスの効果発動!手札からデュアルモンスターを特殊召喚する!出てきて、無限の可能性をもたらす紅き炎竜!『
『
①:このカードはフィールド・墓地に存在する限り、通常モンスターとして扱う。
②:フィールドの通常モンスター扱いのこのカードを通常召喚としてもう1度召喚できる。その場合このカードは効果モンスター扱いとなり以下の効果を得る。
●このカードが戦闘を行ったバトルフェイズ終了時に発動できる。このカードの元々の攻撃力分のダメージを相手に与える。「真紅眼の黒炎竜」のこの効果は1ターンに1度しか使用できない。
恭二「れ、『レッドアイズ』だぁ⁉」
光姫「えっと、そんな凄いカードなんですか?」
恭二「凄いなんてもんじゃない!レッドアイズはデュエルモンスターズの中でもレア中のレアカード!特にオリジナルの『
理央「オキシン・オックスの効果はまだ終わってないわ。私のフィールドのデュアルモンスターは全て、この効果で特殊召喚したモンスターと同じレベルになるわ。今回はあまり意味ないけど」
・化合獣オキシン・オックス 星2 → 星7
・進化合獣ヒュードラゴン 星8 → 星7
理央「そして私は真紅眼の黒炎竜をデュアル召喚!この瞬間、進化合獣ヒュードラゴンの効果、自身以外の召喚されたデュアルモンスターの攻撃力と守備力を500ポイントアップ!」
・
光姫「攻撃力が上がった!」
理央「まだよ!私は墓地の『
『
このカード名の①②の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
①:以下の効果から1つを選択して発動できる。
●デッキから「化合電界」1枚を手札に加える。
●デッキから「完全燃焼」1枚と「化合獣」モンスター1体を手札に加える。
②:墓地のこのカードを除外し、もう1度召喚された状態のデュアルモンスターを含む自分フィールドの表側表示モンスター2体を対象として発動できる。ターン終了時まで、対象のモンスター1体の攻撃力を0にし、その元々の攻撃力分もう1体のモンスターの攻撃力をアップする。
・進化合獣ヒュードラゴン ATK:200 → 0
・
光姫「攻撃力、3100…!」
恭二「大丈夫だ!いくら攻撃力を上がっても、幻惑の魔術師の効果で返り打ちだ!」
理央「それはどうかしら?バトルよ!真紅眼の黒炎竜で幻獣王キマイラを攻撃、"
游真「……ダメージステップ開始時、幻惑の魔術師の効果発動。真紅眼の黒炎竜を破壊する」
レッドアイズとキマイラの間に割り込んだ幻惑の魔術師が黒炎弾をが魔力の壁で防ぎ、お返しと言わんばかりに、魔力の弾をレッドアイズ目掛けてと発射する。
游真(さあ、どう対処する)
理央「ヒュードラゴンのもう1つの効果、私のデュアルモンスターが効果で破壊される場合、他のカードを身代わりにできる。私はオキシン・オックスをレッドアイズの身代わりに」
瞬間、レッドアイズの前に飛び出したオキシン・オックスが幻惑の魔術師の放った魔力弾をその身に受け、破壊された。
理央「ありがとうオキシン・オックス。レッドアイズ、もう一度キマイラに黒炎弾よ!」
游真「くっ!キマイラ……!」LP:2500 → 1500
再び放たれたレッドアイズの黒炎弾がキマイラを吹き飛ばし、その余波が游真のライフを削った。
恭二「まさか、游真がここまで一方的にやられるなんてな。でも、生徒会長の場には守備表示のヒュードラゴンだけ。何とか凌ぎきった。次のターンで」
理央「残念だけど、霞理君に次のターンはないわ。真紅眼の黒炎竜の効果、このカードが戦闘を行ったバトルフェイズの終わりに、元々の攻撃力分のダメージを相手に与えるわ!」
理央が効果の発動を宣言した瞬間、レッドアイズの翼が轟々と燃え上がり、その炎は瞬く間にレッドアイズの全身を包み込んでいく。
理央「"
咆哮と共に天高く舞い上がったレッドアイズは地上にいる游真へ目掛けて全身に纏った炎を放つ。レッドアイズの姿を模した炎は着弾と共に爆発し、大きな火柱が天高く噴き上がった。
恭二「すっげぇ迫力。本当にソリットビジョンかよ……」
光姫「感心してる場合じゃないですよ宝城先輩!今ので霞理先輩のライフが…!」
爆発の煙が晴れていき、段々とそこに立つ人影が見え始める。誰もが游真のライフは0になった。そう確信し、彼の隣に表示されているであろうLPを確認したその時、游真以外の全員が驚愕した。
游真 LP:300
理央「どうして⁉ダメージは確実に通った筈!」
游真「俺はダメージを受ける直前、このカードを発動していた」
更に煙が晴れ、今度は游真の足下で発動しているカードに全員の視線が集中する。
游真「速攻魔法『ご隠居の猛毒薬』このカードの効果でLPを回復したんだ」
『ご隠居の猛毒薬』 速攻魔法
①:以下の効果から1つを選択して発動できる。
●自分は1200LP回復する。
●相手に800ダメージを与える。
游真 LP:1500 → 2700 → 300
理央「流石ね。このターンのエンドフェイズ、フォース・リリースの効果でヒュードラゴンは裏側守備表示になる」
游真「なら俺は墓地の幻獣王キマイラの効果発動。このカードを除外して、墓地の獣族・悪魔族・幻想魔族いずれか一体を特殊召喚する。甦れ、ジョングルールの幻術師」
・ジョングルールの幻術師 星4 ATK:2000
理央「私はこれでターンエンド。ターンの終わりに、二重合成でアップしていた分のレッドアイズの攻撃力は戻るわ」
理央 LP:4000 手札:0枚
《モンスター》
・
・伏せモンスター 1体
《魔法・罠ゾーン》
・なし
光姫「何とか、持ち堪えましたね」
恭二「ああ。だけどこの状況は本格的にやばいかも」
光姫「どういう事ですか?」
恭二「游真の残りLPは300。対して生徒会長のLPは4000のまま。游真のフィールドで最も攻撃力が高いモンスターは幻惑の魔術師。だけど、レッドアイズの攻撃力も、ヒュードラゴンの守備力も幻惑の魔術師の攻撃力を300上回ってる」
光姫「でも、効果でモンスターを奪えば……あ」
恭二「そう、幻惑の魔術師のコントロール奪取効果はダメージステップ終了後。游真の今のLPじゃ、コントロールは奪えない。一体を効果破壊しても一体は場に残る。次のターンでLPを0にされる可能性がある以上、游真が勝つには、このターンで決着を付けなきゃいけない」
恭二は説明しながら游真へと視線を移す。当の本人は集中しているのか、眼を閉じ、デッキに手を置いたままじっと止まっていた。
游真「俺のターン……ドロー」
游真 手札:1枚 → 2枚
引いたカードを確認した瞬間、ニヤリと游真の口角が上がる。
游真「俺は『受け継がれる力』を発動!ジョングルールの幻術師を墓地に送り、その攻撃力分、幻惑の魔術師の攻撃力アップさせる!仲間の力を受け取れ、幻惑の魔術師!」
『受け継がれる力』 通常魔法
自分フィールド上のモンスター1体を墓地に送る。自分フィールド上のモンスター1体を選択する。選択したモンスター1体の攻撃力は、発動ターンのエンドフェイズまで墓地に送ったモンスターカードの攻撃力分アップする。
・幻惑の魔術師 ATK:2500 → 4500
光姫「攻撃力4500!これなら!」
游真「バトル!幻惑の魔術師で真紅眼の黒炎竜を攻撃!"
理央「幻惑の魔術師の効果でレッドアイズは破壊されない。けど、」
游真「そう、ダメージは受ける」
理央 LP:4000 → 2400
游真「更に幻惑の魔術師の効果で、真紅眼の黒炎竜のコントロールを得る。"
幻惑の魔術師の指先から伸びる糸に絡まれ、レッドアイズは操り人形のように操られる。
游真「続いて、レッドアイズで裏守備のヒュードラゴンを攻撃!"
攻撃対象となり、表になるヒュードラゴンだったが、守備力は僅かにレッドアイズの攻撃力に及ばす、黒炎弾の直撃を受けて破壊された。
游真「そしてバトルフェイズ終了時、真紅眼の黒炎竜の効果。このカードの元々の攻撃力分のダメージを相手に与える。さあレッドアイズ、本来の主人の元へ戻りな」
游真がそう呼び掛けると、レッドアイズは自身の体を炎で包み、幻惑の魔術師の糸を焼き切る。そして、燃え上がった翼を一度大きく広げ、理央を抱きしめるように翼と体で彼女を包み込んだ。
理央 LP:2400 → 0
▼
游真side――
游真「いいデュエルだった。ありがとう」
理央「こちらこそ。まさかLPをピッタリ0にされるとは思わなかったわ」
游真「それは黒崎さんのレッドアイズのお陰だ。墓地の
理央「流石、そこまで見越してるなんてね。機会があれば今度はリベンジさせてもらうわ」
游真「ああ、またデュエルしよう」
デュエルの決着がつき、俺と黒崎さんが握手を交わしながらそんな会話を続けていると、突然、恭二が後ろから飛びついてきた。
恭二「よくやった游真!これでデュエル部の未来は守られた!」
游真「(そう言えば、廃部を掛けてたんだったな)その話、途中でなくならなかったか?」
恭二「へっ?」
理央「そうね。宝城君が無理矢理2人を引き込んだっていうのは私の誤解だったみたいだったし。というか、私『デュエル部の廃部は無し』って言ったわよね?宝城君あなた、どれだけ人の話聞いてないの?」
恭二「い、いやーそうだったっけ?なあ、白羽さん?」
光姫「言ってましたよ。てっきり私は、黒崎さんがデュエル部を廃部にする気はないと分かった上で、デュエルを続けさせたと思ってましたよ」
恭二のバカっぷりにみんな呆れながらも、一斉に吹き出して笑った。
理央「とにかく、デュエル部の廃部の件は撤廃するわ。ただし、今後なにか問題を起こした場合、即刻廃部にするから、節度を守った活動をするように」
恭二「分かってるって」
理央「(本当に大丈夫かしら……)じゃあ私は先に帰るから、屋上の戸締りよろしく。また、明日」
游真「ああ。(明日?)」
翌日――
恭二「いやあ、昨日は大変だったな!」
游真「誰のせいだよ。まあ、デュエル自体は楽しかったけど」
恭二「本当、まさかレッドアイズを間近で見られるなんてな。惜しい事したよ。生徒会長があんなカード持ってるって知ってたら絶対俺がデュエルしてたぜ」
游真(お前がやってたら瞬殺されてただろうな……言わないけど)
一日の授業も終わり、俺と恭二は昨日のことを話しながらデュエル部の部室に向かっていた。
恭二「何はともあれ、これで本当に学校側からも正式な部活として認められた訳だし、今日から本格的にデュエル部の活動を始めていこうぜ!」
そうして恭二が勢いよく部室の扉を開けると、驚きの人物がそこに座っていた。
理央「遅かったわね貴方達。5分遅刻よ」
恭二「ゲッ!生徒会長⁉何でいるんだよ!」
理央「私もデュエル部に入る事にしたのよ。こっちの方が貴方たちが問題を起こさないか近くで監視できるからね。っという訳で、これからは部長としてよろしく」
恭二「って、部長の座は譲らねぇ!」
こうして廃部を免れたデュエル部に無事(?)新しく部員が加入した。
因みに部長の座についてなんだが……
理央「真紅眼の黒炎竜でダイレクトアタック!
恭二「グワァアアアアアア‼」 LP:2400 → 0
圧倒的な差でデュエルに勝った黒崎さんが部長になる事で落ち着いた。
游真(分かってたけど、黒崎さん強すぎ)
今回はここまで。
執筆途中にKONAMIさんが良いカードを公開してくれたので、早速名前だけ拝借しちゃいました。
機会があればまた次回もよろしくお願いします。