遊戯王アウトサイダーズ   作:とある遊戯王プレイヤー

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早すぎた再会 ①

 

【デュエルモンスターズ】

 わざわざ語るまでもないだろう。世界中で愛されプレイされているカードゲームである。

 

 人々はこのカードゲームをプレイする者を、畏敬の念を込めて決闘者と呼んだ。

 

 

 

――「クソが! やっぱダメか」

 

 マナカ ユウ(20)

 職業 決闘者

 

 ユウは苛立たしげに、会場をあとにした。

 今しがた、この会場で開催される賞金有りのカードゲーム大会にエントリーする為に、こうして足を運んだ彼だったが…

 

 出場を拒否されてしまっていた。

 理由は単純明快で、顔に刻まれた刻印【マーカー】のせいである。

 

 マーカーは罪を犯した者に刻まれるもの。

 即ち犯罪者の証だ。

 これがあるだけで真っ当な仕事に就くこともままならないのだから、賞金有りの大規模大会に拒否されるのも仕方のないことだった。

 

(ったく、出所してんだしケチケチすんじゃねぇよ)

 

 彼は以前、地下闘技場の不正デュエル大会に出場した事と、駆け付けた治安維持組織、セキュリティと一悶着起こした罪により捕縛された。

 その後は秘密裏に行われていたデスゲーム紛いのイベントを勝ち抜き、晴れて無罪として娑婆に戻って来ている。

 

 が、だからといって、マーカーが消える訳ではない。

 それにユウの顔は、僅かにとはいえメディアに報道されてしまっている。

 

「チッ……腹減った…また日雇い仕事やるっきゃねーか」

 

 等と、ブツブツ言いながら歩いていると、道端に座り込む無精髭の中年男が目についた。

 男は見るからに汚れたナリで、ゴザのようなボロを敷き、通りがかる人に話し掛けていた。

 

「レアカードだよぉ〜あ、ほらそこの坊ちゃん、レアカードあるよ〜見てってよ〜」

 

 しかしほとんど無視されている。

 たまに反応してくれるのも居たが、「どこがレアカードだよ! ノーマルばっかじゃん」だのと言われていたりもした。

 

 だが…ユウは、その人物に見覚えがあった。

 

「はぁぁ〜…お、そこのアンちゃん、レアカード売ってる――」

 

「おいオッサン、何してんだ?」

 

「は、はぁぁぁぁ!? ゆ、ユウくんじゃん!!」

 

 オガタ ケーゴ(37)

 職業 元三流イカサマ師

 

 道端でホームレス同然の所業をしていたのは、かつてユウと共にデスゲームで戦った、オガタであった。

 

「いやーユウくん、助かったぁ! お願いがあるんだ」

 

「奇遇だなオッサン。オレもアンタに頼みがある」

 

「「金を貸してくれ!!」」

 

 奇しくも、二人が思っていたのは同じ事だった。

 

 

 

 

 

 

――「なーんで文無しなのよユウくん! あの島のデスゲーム優勝したんでしょ? 賞金とか出なかったん?」

 

 差し向き、大会会場の裏口まで移動した二人。

 開口一番オガタはそう言った。

 

「ただ無罪になっただけだ。適当に島から放り出されただけ…服とか最低限のものはくれたが、後は好きにしろだとさ」

 

「かぁ〜…ケチだな! まあ、服くれるだけマシか」

 

 と、自らのボロ布としか表現出来ない服を示した。

 

「てかあれから1週間も経ってねーと思うが、オッサン何で娑婆に居んの? 確か…詐欺罪とかだろ?」

 

「俺の刑期は元々短かったの! しょーもない罪でさぁ、恩赦だか何だかで直ぐに出れたってワケよ」

 

「ま、とはいえ助かった…手ェ貸せオッサン!」

 

「は? え、な、何やんの?」

 

「日雇いで働くんだよ。1人より2人居たほうが良い仕事にありつけるってモンだ」

 

「日雇いって…キツいの無理よ」

 

「だからってあんな売れもしねぇ商売してるよかマシだろ! いいから一緒に来いって!」

 

「フツーに嫌だわ。マーカー付き雇う日雇いとか、人間を人間と思わない仕事しかないじゃんか!」

 

「ったく、しかたねーな! オッサン、デュエルディスクはあんのか?」

 

「へ? あ、ああ。これだけは死守してるよ」

 

「なら話は早えぇ…デュエルだ! オレが勝ったら着いて来い。オッサンが勝ったら、オレの稼ぎで奢ってやるよ」

 

「おいおい…人生の後輩が、そんな事言うなよ。そうだな、俺が勝ったら俺の商売の手伝いをしてくれ。それで五分だ」

 

「分かった。んじゃあ行くぜ…!」

 

「「デュエル!!」」

 

 お互いのデュエルディスクが展開され、モンスターをセットするゾーンが現れる。

 初期手札の5枚をデッキから引き、勝負は始まった。

 

 ユウ LP4000

 

 オガタ LP4000

 

「オレの先攻! 手札から【SSミッドソードナイト】を召喚し、効果で手札の【SSヒールマジシャン】を守備で特殊召喚する!」

 

【SSミッドソードナイト】

【レベル4、光、戦士族、ATK1450】

 

【SSヒールマジシャン】

【レベル4、光、魔法使い族、DEF2000】

 

「お馴染みのコンビだね」

 

「まあな。特殊召喚されたヒールマジシャンの効果で、デッキから【SSリザードマン】を手札に加える。ミッドソードナイトは他のSSモンスターが存在する時、攻撃力は500アップし、ヒールマジシャンはデッキから1枚ドロー出来る」

 

 ミッドソードナイト ATK1450 → 1950

 

「魔法・罠ゾーンにカードをセットしてターン終了だ」

 

「ほいっ、と、オジサンのターンね。ドロー」

 

 デッキからカードを引いたオガタは、感慨深そうに言う。

 

「それにしてもさ〜…こんな緊張感無いデュエルしてるの久々だよな」

 

 2人の居た島では、デュエルに敗北した者はデュエルゾンビとして彷徨う羽目になる、デスゲーム紛いのものだった。

 彼の口から、この様な言葉が漏れるのも無理はない。

 

「あ? オレはマジでやってんぞ?」

 

「いやいやでも、負けて死ぬ訳でもないしさ、ちょっと、ね。手札から【キラートマト】を召喚しとくぞ」

 

【キラートマト】

【レベル4、闇、植物族、ATK1400】

 

「バトル! キラートマトでミッドソードナイトを攻撃!」

 

 ミッドソードナイトの攻撃力は1950。

 対してキラートマトは1400しかない。

 

 結果、仕掛けたキラートマトは戦闘破壊され、1950から1400を引いた550のダメージを、オガタは受ける。

 

 オガタ LP4000 → 3450

 

「戦闘破壊されたキラートマトの効果だ! デッキから【魅幽鳥(みくらどり)】を特殊召喚するぜ!」

 

【魅幽鳥】

【レベル4、闇、鳥獣族、ATK1300】

 

「おいおい、せっかくの効果で呼んだモンスターが、キラートマトより弱ぇじゃねえか」

 

「いやいや甘いよ少年。魅幽鳥はモンスターゾーンに置く位置で効果が変わる。例えば俺から見て左端のゾーンに置けば、攻撃、守備力が1000ポイントアップする!」

 

 魅幽鳥 ATK1300 → 2300

 

「へっ、なるほどなぁ!」

 

「そーゆーこと。魅幽鳥で…そうだなぁ、ヒールマジシャンを攻撃!」

 

 ヒールマジシャンの守備力は2000。

 魅幽鳥の攻撃で破壊されたものの、守備表示であった為、プレイヤーであるユウはダメージを受けない。

 

 だが、他のSSモンスターが居なくなった為、ミッドソードナイトの攻撃力は元通りの1450に戻った。

 

「バトル終了、メイン2に魔法・罠ゾーンに3枚伏せてターンエンドだぜ」

 

「随分伏せたなオッサン。オレのターン、ドロー!」

 

 





マナカ ユウ
今作の主人公。世界に1つしか存在しないデッキ「SS(シャイニーソルジャー)」を操る。散らばったSSカードを集める為に様々なデュエル大会…特に裏デュエルへと参加していたが、遂にセキュリティに捕縛されてしまう。しかし、セキュリティ副長官のファングが主催する【遊技の島 サバイバルデスデュエルゲーム】を勝ち抜き、晴れて無罪となり社会復帰を果たした。

オガタ ケーゴ
ユウと共に、サバイバルデスデュエルゲームを戦い抜いた元3流詐欺師。最終トーナメント戦まで生き残るものの敗退し牢屋に逆戻りした。が、恩赦によりすぐに牢を出た。元より天涯孤独の身ゆえ、ホームレスとして彷徨っていた。
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