遊戯王アウトサイダーズ   作:とある遊戯王プレイヤー

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モコモッコをボコボッコ!?

 

 デュエルモンスターズにおけるメタ戦術は、悪、陰湿といった負のイメージが強い。

 それは仕方の無い事だ。メタ戦術の大半はモンスターの否定…デュエルするモンスターの否定とも取れる戦い方だからだ。

 

 オオタケ デルタは幼き頃よりそんなメタ戦術を使っていた。

 理由は単純だ。好きだから。

 

 相手の戦術を見抜き、それに対してのメタを張る事によって、身動きが取れなくなる相手に優越感を、そして喜びを覚えた。

 

 だがそれ以上に…メタ戦術を、思いもよらぬ手段で突破してくる相手を見るのが好きだった。

 まるで物語の主人公の様に、こちらの拘束を粉砕し迫る相手は素敵だと思う。

 

(チッ、メタかよ鬱陶しいなぁ…サレンダーだよ、ンなカード使われたら動けないじゃん)

 

(そんなつまんねーデュエルしてんのお前くらいだぜ)

 

 だが壁は高かった。

 思う様に動けなくなった相手に、勝負を投げられる事も少なくなかったのだ。

 

 ならばせめて面白い事でも言って、相手を楽しませようとも思った。

 しかし元来より暗い性格だったオオタケにそれは無理だった。

 

 (本人はジョークだと思っている)小粋なジョークは寧ろ相手を激怒させ、益々、デュエルに消極的になっていったのだ。

 

 だが彼はデュエルを、メタ戦術を辞めることは無かった。

 それはあらゆるデュエルも許容される裏デュエルがあったからだ。

 

 エンターテイメント等、クソ喰らえ。

 シンプルにコンパクトにメタで勝つ。

 やがてはそれが彼の信条となった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 ユウ LP3700

 

 ユウのフィールドにはモンスターが2体。

 しかしながら光属性モンスター全ての効果発動は、マジックミラーによって封じられてしまっている。

 

 更に展開やシンクロ召喚など、墓地にカードが送られる度に300ポイントのダメージを受けてしまう。

 全身に鎖が巻き付く様に、ジワリジワリと動きを封じられつつあった。

 

「ったく、鬱陶しい事この上ねーな! だけどよォ、死霊の誘いは、お前のカードが墓地に行けばお前もダメージを受ける。ならぶん殴るしかねーわな! 手札からSSストームメイカーを召喚!」

 

 SSストームメイカー ATK1900

 

「ほぅ、モコモッコをボコボッコに殴りに来るという訳か」

 

「…………バトル! ストームメイカーでモコモッコを攻撃!」

 

「速攻魔法【月の書】を発動。モコモッコを裏側守備表示に変更する」

 

 オオタケ LP4000 →3700

 

 ストームメイカーがモコモッコを攻撃するが、守備の為ダメージは通らない。

 しかもモコモッコがリバースした為、オオタケは1枚ドローしてしまう。

 

「チッ、ならミッドソードナイトで裏守備モンスターを攻撃ィ!」

 

「裏守備モンスターは【ウォーム・ワーム】このカードが破壊された時、相手はデッキの上からカードを3枚墓地に送る」

 

 ウォーム・ワームの効果により、【SSショートダガー】【SSリクルート】【シンクロキャンセル】が墓地に送られる。

 その後、ウォーム・ワームは戦闘破壊された。

 

 オオタケ LP3700 → 3400

 

 ユウ LP3700 → 2800

 

「ぐっ、クソッタレ!!」

 

「いよいよ首が締まって来た様だな。このまま行けばジブンは最小の労力で勝てそうだ」

 

「うるせぇ! オレはこのままターンエンドだ! テメェのターンだぜ!」

 

「ジブンのターン、ドロー。モコモッコの効果発動! 自身を裏守備にして、その後表示形式を変更する。モコモッコの効果により1枚ドロー」

 

 ドローしたカードを見たオオタケは、勝利を確信した。

 

「ジブンはカードを1枚セットし、モンスターをセットしてターンエンド」

 

「また伏せだけかァ!? オレのターン、ドロー!」

 

「勝利への布石(ふせき)だ。()せカードだけにな」

 

「………………」

 

 いよいよもって、歓声がブーイングに代わりつつある。

 

「…………墓地のSSリクルートを除外し、デッキからSSヒールマジシャンを手札に加える」

 

(無駄だマナカ。ジブンの伏せカードは【神風のバリア―エア・フォース】と【アヌビスの裁き】…セットモンスターは【幻蝋館の使者】守りは万全だ)

 

「ヒールマジシャンを召喚! オレはヒールマジシャンとミッドソードナイトでエクシーズ召喚! 【SSCフォーチュン・テラー】を特殊召喚!」

 

 当然ながらエクストラデッキのモンスターも光属性である。

 効果を発動すれば無効化されてしまう。

 

「更にエッジストーンゴーレムとストームメイカーでシンクロ召喚! 【SSIホワイト・ラミア】!」

 

 素材の2体が墓地に送られ、ユウに600のダメージ。

 

 ユウ LP2800 → 2200

 

「そんな事をすれば死が早まるだけだぞ? モンスターの光はこのマジックミラーに吸収され意味を成さない…いい加減理解したらどうだ?」

 

「知るかボケェ!!! なら吸い込まれなきゃいいんだろォ!! ホワイト・ラミアとフォーチュン・テラーを墓地に送り融合召喚!!」

 

 2体と、エクシーズ素材が墓地に落ち、1200のダメージ。

 

 ユウ LP2200 → 1000

 

 飛び去ったフォーチュン・テラーとホワイト・ラミアは互いに玉となり飛び回る。

 そしてフォーチュン・テラーの変化した漆黒球が、ホワイト・ラミアの変じた純白球にぶつかり、弾けた!

 

 そこから生まれた暗黒の渦。ブラックホールの如きその渦中より降臨する一匹のドラゴン。

 

「苛烈なる光を超え、闇を纏いて現世に降り立つ龍よ、全てを喰らい無に還せ!! 現れろ【SsD(シャドウサーバント・デストロイ)黒血龍アクシスク・ドラゴン】!」

 

 アクシスク・ドラゴン

【レベル8、融合、闇属性、ドラゴン族、ATK3000】

 

「えっ!? ま、まさかや、闇モンスターが居たのか!?」

 

「唯一のだがなァ! しかもコイツはテメェのモンスター全てに攻撃でき、ダメージを貫通させる! くたばりやがれェェェ!! アクシスク・ドラゴンで裏守備のモコモッコに攻撃ィィ!!」

 

「馬鹿がぁ!! 罠カード発動、【神風のバリア―エア・フォース】!! 攻撃表示モンスターを全て手札に戻す! くたばるのはそっちだぁぁ!!」

 

「フッ……」

 

「な、なんだ!? その、それはどうかな?とか言いそうな顔はぁ!!」

 

「馬鹿はテメェだ死ね」

 

「ただの誹謗中傷だぞソレ!」

 

「ライフを半分払い、手札からカウンター罠【レッド・リブート】を発動ォ!! エア・フォースを無効にしセット状態に戻す。そしてテメェはデッキから罠を1枚セット出来るぜ良かったなァ! このターンはもう罠が使えねえけどよォォ!!」

 

 ユウ LP1000 → 500

 

「そ、そのカードは…罠デッキに対する、メタカードぉ…」

 

「早くしろ、セットすんのか、しねぇのか」

 

「ぐっ…ぐぐ…群雄割拠、をセット」

 

 レッド・リブートが墓地に送られる。

 

 ユウ LP500 → 200

 

「よぉし…殺れェェェェアクシスク・ドラゴン!!」

 

 アクシスク・ドラゴン ATK3000

 モコモッコ DEF300 貫通ダメージ2700

 幻蝋館の使者 DEF1800 貫通ダメージ1200

 

 オオタケ LP3400 − 2700 − 1200 = 0

 

「うわああああああああああああ!?」

 

「…………ああ〜〜スッキリしたァァ!!」





つまんねーデュエル
メタ戦術は相手の効果を発動不可にしたり、カードを墓地より除外したり、あるいは攻撃を封じたり…どの道相手を拘束し、戦術を限定的にしてしまう。特にメタが刺さり、一切の身動きを取れずに嬲り殺しにされれば気分も良くないだろう。
だがメタも立派な戦術であるし、対抗不能のメタ戦術は存在しない。折れずに戦い抜く事こそメタに対する最大のメタだ。
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