遊戯王アウトサイダーズ 作:とある遊戯王プレイヤー
「オレのターン、ドロー!」
デッキからカードを引いたユウは、挑発的な笑みを浮かべて「メインフェイズに入るぜ」と言った。
「どうぞ〜」
「オレは手札から【SSリザードマン】を召喚するぜ!」
【SSリザードマン】
【レベル4、光、爬虫類族、ATK1600】
ミッドソードナイト ATK1450 →1950
「リザードマンの効果発動! 他のSSモンスターが存在する時、相手モンスター1体を対象に取って破壊する。魅幽鳥を破壊するぜ!」
「ちょっと待ったー! 罠カード【身代わりの闇】を使うぜ! モンスターが破壊される効果を無効にする。その後デッキから【トリック・デーモン】を墓地に送っとくぜ」
「チィッ!」
「まあまあ、そう一気に決めようとか考えんなよ。トリック・デーモンの効果でデッキから【デーモンの杖】を手札に加えとくぜ」
「そうなると…こうだなァ! リザードマンと、ミッドソードナイト、レベル4モンスター2体でエクシーズ召喚! 【SSHセイント・パラディン】!」
エクシーズ召喚。
同じレベルのモンスターを重ねて、特殊召喚するモンスターだ。
セイント・パラディンはランク4、つまりレベル4モンスターを使用する。
【SSHセイント・パラディン】
【ランク4、光、天使族、ATK2200】
(出たな、ユウのエクシーズモンスター…よく覚えてるぜ、コイツは面倒だ)
以前もオガタはこのモンスターに辛酸を嘗めさせられている。
よって直ぐ様処理に動くのは当然だった。
「またまた罠カード、【強制脱出装置】を発動! セイント・パラディンには帰って貰うぜ!」
罠を受けたセイント・パラディンは、出てきたエクストラデッキへと蜻蛉返りする羽目になりそうだった。
しかし、ここでユウが動く。
「速攻魔法【SSサモンリピート】を発動! 罠の対象になったパラディンをリリースして、手札とデッキからSSモンスターを特殊召喚する! デッキから【SSストームメイカー】手札から【SSキューブストーンゴーレム】」
【SSストームメイカー】
【レベル4、光、鳥獣族、ATK1900】
【SSキューブストーンゴーレム】
【レベル4、光、岩石族、ATK1800】
「なにィ!?」
「ヘヘへ…オッサン分かってたぜぇ? セイントパラディンが出てくりゃ反射的に罠を使っちまうってなァ」
「ユウくん? ちょ、ちょっとタンマ…」
「ダメだなァ! ストームメイカーとゴーレムの効果で、デッキから【SSグリーン・ウィッチ】と【ミディエイト・サイキッカー】を手札に加え、ストームメイカーの効果で、オッサンの伏せカードを破壊してやるぜぇ!」
「くぅぅ…伏せカードは【炸裂装甲】だ。破壊される…」
「んじゃあ行くぜ! 墓地のセイント・パラディンを除外してグリーン・ウィッチを特殊召喚! グリーン・ウィッチの効果で自身のレベルを4に変更して、ストームメイカーとグリーン・ウィッチでエクシーズ召喚! 【SSFストームライダー】!」
【SSFストームライダー】
【ランク4、光、鳥獣族、ATK?】
「バトル! ストームライダーで魅幽鳥に攻撃! ストームライダーが戦闘する時、エクシーズ素材を1つ取り除き、戦闘相手の倍の攻撃力になる」
魅幽鳥の攻撃力は2300。
よってストームライダーの攻撃力はその倍の4600となる。
「うぐあああああ!」
オガタ LP3450 → 1150
「トドメだ! キューブストーンゴーレムで攻撃!」
「ちょっと待てってェェェェ!!」
オガタ LP1150 → 0
「っしゃあ、オレの勝ちだなオッサン! さあとっとと来い!」
「いやいやズルいよユウくん! 俺のデッキなんざ寄せ集めなんだしさぁ、弱い者イジメして楽しいかよ!?」
「知るかァ! 勝負は勝負だ、早くしねーといい仕事にありつけねーぞ!!」
ズルズルと引き摺られてゆくオガタ。
そんな光景にも、人々は足を止めもしない。
――「ゼェ…ゼェ…ユウくん、マヂムリだよ。退職代行マヂムリ使おう、ね?」
「あ? 情けねーなオッサン、泣き言垂れる暇あったら、一本でも多く木くず片付けろや!」
と、作業着に身を包んだユウとオガタは怒鳴りあっていた。
業務内容は、庭木の剪定で出た枝葉を集め、処分する事。
たったそれだけの業務で日給三万、だが何故希望者が居ないのかと疑問を抱くべきだった。
理由はごく単純で、庭とやらがとてつもなく広く、防砂林が如く庭木が植えられていて、人海戦術をとらなければ期日に間に合わない類いの業務だったからだ。
「何怠けてんだ新入りィ! キリキリ片付けろよゴミがたまってんだろ!!」
「うっせえんだよやってんだろうが!! おいオッサン、いいから休んでろ、テメェの分までやってやっから日給半分寄越せよ!」
「ユウくん……いいや、年長者として音を上げてんのカッコ悪いったら無いからさ、俺も身体が動く限り――あ、ムリ、動かないやっぱ任せた!!」
「仕方ねーな。っしゃあ行くぞオラァァァァ!!」
「おいおい何だよ口は悪いがやりゃあ出来んじゃないの! いいぞ新入り、こっちも頼む!」
と威勢の良いユウは、他のエリアを任される始末だったが、
「いいぜェいくらでもやってやらぁ!! 日当は倍なァ!」
結局、ユウの働き振りもあり、昼休みを取る余裕まで生まれていた。
木陰でグッタリしているオガタに対し、ユウは肩で息をしつつも支給弁当をガツガツ喰らっている。
「ユウくん、ゴメンな、結局やらせちまってさ…」
「いいって。んな事よりしっかり食っとけよ。どーせマトモに食ってねえんだろ?」
「……なんだよ、知ってたんだ」
「てかあんな様子じゃ誰でも分かんだろ。いいから腹ん中に無理矢理にでも突っ込んどけって」
そこでようやく、オガタはユウの真意に気付いた。
最初から自分だけでやるつもりだったんだ、と。
2人組なら、取れる仕事の幅が広がる。
そしてユウは2人分働いて、自分まで食べさせてくれてるんだ、と。
(ううっ、泣かせるじゃないのユウくん…こりゃあ伊達に年くってるだけじゃねえってトコ見せないとよォ!!)
(クソオヤジが根性ねえな…優しくしとかねぇと逃げられたら堪らんし…午後からは飴だけじゃなくて適度に鞭も使うかァ)
と、ようやくオガタが弁当に手を付けたタイミングだったか。
何者かが、2人の前に立っていた。
その姿を認めたユウとオガタは、箸をポロリと落とした。
「聞いたことある様な声がする、と思ったけれど…やっぱり貴方達だったのね」
「あ、アミちゃん!?」
そこに居たのは、タスク アミ。
かつての島のデスゲームにて、オガタと同じく共に戦い、そしてユウが最期に戦った女決闘者であった。
タスク アミ(19)
ユウと共にサバイバルデスデュエルゲームを勝ち抜き、トーナメント戦にて最後にユウの前に立ち塞がった女決闘者。使用デッキは月光で、パワフルかつ一撃必殺の戦術を得意とする。
その正体はセキュリティ副長官ファングの腹違いの妹であり、ユウを始末する為に送り込まれた刺客の1人。しかし彼女自体はかなりの決闘狂で強敵に飢えていた為、最終戦では目的関係なしにユウと激戦を繰り広げた。
精霊モンスターは月光舞獅子姫。