遊戯王アウトサイダーズ 作:とある遊戯王プレイヤー
先日のUCS、会場崩落事故は多数の犠牲者を出した。
生存者 222名
内重症、意識不明 139名
軽症 83名
死亡 47名
行方不明 1866名
と、現在のところは発表されているが、これはあくまでも観客のデュエルディスク登録データより確認された人数だ。
スタッフらを含めると、まだまだ犠牲者は増えるだろう。
それよりも、異常な人数の行方不明者だ。
痕跡が無いのである。
存在していた形跡が全く無い。
観客や選手としてのデータがある人間が、最初から居なかったかの様に、忽然と消えてしまっている。
これはただの事故などではない。
裏には何かしらの陰謀めいたものがあるのだ。
――3流記者の書いたゴシップ記事だと揶揄されたソレをクシャクシャに丸め、ゴミ箱に放り込むアミ。
彼女は幸いながら難を逃れ、オガタと共に崩落する会場を脱出、同時に複数のコネを行使し屋敷へと逃げ延びていた。
爆炎は舞獅子神姫がある程度防いでくれた為、怪我は腕の骨折と、鼓膜、眼球への僅かな異常で済んでいた。
オガタも似た様なものだ。
ごく一部かつ、初期の報道では【堕天使の会】の教祖と信徒についても触れていたメディアもあったが…
現在は被害の大きさをひたすらに報道するのみとなっている。
「ユウ…貴方は、どこに身を潜めているの?」
アミが呟いた。
彼の死亡は今のところ確認されていない。
莫大な行方不明者リスト群に数えられているだけだ。
(貴方はこんな事で死ぬ筈はないわ…!)
いつまでも既読のつかないメッセージに苛立ちを覚えながらも、彼女は律儀に待ち続ける。
ユウの帰還を。
――「うっ…? あッ!?」
ユウはようやく、目を醒ます。
ボンヤリとしていた頭へ急激に血が駆け昇り、強引に意識を引き戻した。
同時に、激しい頭痛が脳内を引っ掻き回す。
彼はそれに構わず即座に周囲を見渡し、現状把握に努めた。
視界に写ったのは濃い霧と、自分の周りに微かに見える草むら…どうやら、地べたに寝そべっていた様だった。
「な、ンだココは?」
ヨロヨロと立ち上がってみたが、霧のせいもあり、まるで情報が得られない。
さっきまで――どのくらい前までかは分からないが、UCSに出場し、地下デュエル場にて戦っていた筈である。
「ぐっ…クソ、地獄じゃねぇよな…」
もしもここが地獄だったとするならば、あまりにも静か過ぎて即座に脱出したいところだ。
彼は、手探りに歩き始めた。
先は見えず、辿り着ける場所があるかも分からない。
そんな霧の中を、進み続けた。
右手のデュエルディスクは、機能を失っていた。