時は少し遡る……
トリニティ総合学園沖である一隻の駆逐艦が航行していた。その艦艇は、現代艦の見た目ではあるものの、第二次世界大戦時の駆逐艦の装備が多少なりとも見受けられる。主砲は現代艦の単装砲ではなく連装砲であり、従来の見た目の砲塔ではなかった。
「目標、標的艦!!主砲、撃ち方、始め!!」
上のセリフから演習をしているようにもとれるこの駆逐艦の主砲から、彼女らが知っている物より速い速度で砲弾が飛び出してきた。
その砲弾は一直線に標的艦に向かっていく。標的艦は一撃で粉砕、撃沈した。
「試験終了。新型主砲に故障なし。問題ありません」
「お疲れ様っす〜」
その様子を駆逐艦の中で見ていたイチカはそう言った。その彼女の視線は、ミレミアム製の新型主砲に向けられていた。
トリニティ総合学園の新型駆逐艦。そのシステムも主砲も、全てにおいてミレミアムの最新技術が詰まっていた。主砲は12センチだが、レールガンが採用されており、砲身寿命などの弱点を改善した物となっている。それに加えてイージスシステムも搭載しているため、ワイバーンの波状攻撃を防ぐことが期待されていた。
史実ではアメリカが開発したイージスシステムだが、キヴォトスのイージスシステムはミレミアムとSRTの共同開発で誕生した。その理由は主に海上にいる不良を効率的に鎮圧するために必要だったからだ。
ヘルメット団などの不良は基本的に纏まる傾向にある。特に海上では、艦隊を組んでいたりしていて、ハグレは基本珍しい。また、不良は金がないため、必然的に船は小型船になる。漁船やボートのような小型船の群れを効率的に鎮圧するためには、同時迎撃が可能なこのシステムは重要だった。
それに加えて悪徳企業の鎮圧でも重要だった。なぜなら、高性能装備を持っている時があるからだ。エデン条約締結の際に巡航ミサイルを会場に撃ち込んだのも、その企業が今まで通りの活動がしにくくなると危惧した結果だった。
このように、企業相手だとミサイルを大量に撃ち込んでくる可能性があった。だからこそ、イージスシステムの需要が高まったのだ。
そんなイージスシステムだが、最新式のレールガンと組み合わせるとさらに強力になった。
レールガンは従来の火薬式と比べて威力が高い。つまり、対応可能な範囲が広がるということになる。
それらの兵器は、異世界の勢力に対抗するため、惜しみなくそれぞれの学園に提供されていた。
「さすが、ミレミアム製っすね〜」
兵器の試験を終えた駆逐艦は、反転して帰路についていた。今いる場所は、トリニティ自治区から約300km離れた場所におり、静かな海を約35ノットと比較的速い速度で航行していた。
「レーダーに感!!距離350!!10時方向!!」
ここで、謎の物体がレーダーに反応した。最新鋭というだけあって精度も上がっているこのレーダーに、普通ならあり得ない小型船の艦隊が映っていた。
「速度、5ノット。不良の船にしては遅いですね」
そう、遅すぎるのだ。不良たちが使っている船ならば、少なくとも20ノット以上は出る。停泊して釣りをしているなら話は別だが、レーダーの反応から見た船の動き的にそのようなことはない。真っ直ぐ、艦隊を組んでこちらに接近していた。
「もしかしたら、この世界の船なのかもしれないっすね」
「この世界……それって、ガレオン船のことですか?」
「そうっすね〜」
先日漂流したガレオン船のことは、キヴォトスの各自治区のトップに共有されていた。そこから、独自の治安維持組織に流れてもおかしくない。
イチカは、CICでレーダーに映る100隻ほどの艦隊を確認すると、正義実現委員会の本部に指示を仰ぐのだった。
先ほどまで試験を行なっていた、現在臨検に向かっている新型駆逐艦の最高速度は約45ノット。その速度で、レーダーに映っている艦隊のところに急行していた。
本来なら臨検を担当する付近を哨戒しているヴァルキューレ海警局及びトリニティの哨戒艦は、新型駆逐艦よりも遠いところにいる。そのため、新型駆逐艦に乗っているトリニティの治安維持組織の正義実現委員会の面々に臨検の任務が舞い降りたのだ。
現在の駆逐艦の位置は、トリニティ沿岸から約350kmほど離れている場所を航行していた。雄大なエメラルドグリーンの海の上を北西に向かっていく。
「まもなく、不明艦隊と目視圏内です」
「全回線用意して。警告するっすよ」
やがて、相手の艦隊が視認距離に入る。件の木造船には、帆が張られ風を受けて進んでいる。キヴォトスでガレオン船と呼ばれてるその船についている国旗は、予めブルーアイから聞いていたロウリア王国の国旗と一致していた。
『こちらトリニティ総合学園哨戒部隊!!不明艦隊に告ぐ!!
貴艦隊はキヴォトス及びトリニティ総合学園に接近している!!停船して今すぐ航行目的を述べるか、反転して当海域から離脱せよ!!繰り返す!!こちら………』
相手はガレオン船であることを考慮して、スピーカーでも同様の呼びかけを行う。船速を原速まで落として、主砲の照準を先頭のガレオン船に合わせながら主砲の充電を行う。
『………反転して当海域から離脱せよ!!繰り返す!!こちらトリニティ…』
やがて、相手のバリスタの射程内に入ると相手は躊躇なく矢を射ってきた。
「撃ってきました!!反撃を開始します!!」
「こちらが一隻だから、攻撃してきたんでしょうか?」
「わからないっす。でも、こちらと対話する気はないようっすね」
CICから外を見ると、主砲のレールガンを始めとして、ファランクスや短距離ミサイルなどで蹂躙している様子が窺えた。相手の船上にいる水兵たちは阿鼻叫喚としていて、瞬く間に海に投げ出される。
ロウリア側にとって誤算だったのは、キヴォトス人は基本容赦はないことだった。キヴォトス人どうしの戦いでは、ヘイローがあるために実力者以外の者だけの戦いは中々決着がつきにくく、油断すると思わぬ反撃を喰らう。それがなくても、銃撃戦が日常なだけに、正当防衛に関しては容赦はなかった。例外はいるが……。
「逃げる船は攻撃しなくていいっす。抵抗する船だけ沈めるっす」、
「はい!!」
一隻の新型駆逐艦からの攻撃は、ロウリア側からすると苛烈だった。たった数分間だけで約50隻以上撃沈しており、バリスタを放とうとするも、駆逐艦の速度が早く射程外を航行しているため一方的にやられていく。
「逃げていきますね」
「戦闘用具納め。報告は任せるっすよ」
これが、ロウリア艦隊とのファーストコンタクトの詳細であった。
「そ、そんなことが……」
ナギサはハスミから聞いた詳細に胃を痛めていた。そのせいか、紅茶の飲むスピードも心なしか早くなっている。
彼女らから聞いた報告は、先ほど提出された報告書に書いてある内容と違わないものだった。
「捕虜からは何か情報はありますか?」
「情報といいますか……」
ハスミの表情は、「これ言ってもいいの?」というような戸惑いが浮かんでいた。その理由は、捕虜の尋問時に遡る。
「何故こちらにやってきた?」
正義実現委員会の牢屋にて、ツルギは捕虜の尋問を行なっていた。だが、文明圏外国で突出しているという認識だったロウリア王国の艦隊が100隻のみとはいえ一隻の巨大船に一方的にやられ、ツルギの威圧感も相まって、捕虜は完全に萎縮してしまっていた。
ロウリア王国の所業はブルーアイから連邦生徒会経由で知らされている。そして、女性の人口が多く実力者のほとんどが女性であるキヴォトスでは、尋問の相手が必然的に女性となる。しかも、ツルギは豊満だ。なのに、このようになっているのは、上のことで恐怖を感じているからだろう。
「キキキ…」
「ひっ!」
捕虜たちは、恐怖で体が震えて喋れない。1人ずつ区切られて収容されている牢屋の中で、ガタガタと震わせることしかできない。
「捕虜たちが怯えています、ツルギ」
「キキキ…、すまない」
ツルギが無意識に出していたであろう威圧感が消えると、捕虜の震えが少しはマシになった。そこで、ハスミは航行目的を問いただした。
「何故、キヴォトスにやってきたのですか?」
「ば、蛮族が俺様に口聞いてんじゃねぇ!!俺様を誰と思っている!!早く解放しやがれ!!この
1人の捕虜が癇癪を起こしたかのように喚く。しかし、そんな彼が放った一言は、ハスミにはクリティカルヒットだった。ハスミは体重のことを人一倍気にしており、先ほどの一言は、彼女の逆鱗に触れたのだ。
「だ、誰がデカ女ですかー!!!」
「ハスミ!?落ち着け!」
ハスミが大声を出す。ツルギは咄嗟にハスミを落ち着かせる。
一悶着あったが、この会話で、ロウリア王国はこちらを見下していることがわかった。それは、事前情報と一致していた。ならば、ある情報ーーーロウリア王国がこちらに侵攻する可能性について聞かなければならない。もし、これも一致していたのなら、キヴォトスは早急に防衛態勢を取らなければならないからだ。
「キヴォトスに、ここにやってきたのは、侵攻するためなのですか?」
「ああ!!そうだ!!特にアンタらみたいな亜人も殲滅できるしな!!」
「……攻撃したのもその一環ですか?」
「そうだ!!アンタらみたいな蛮族が我が軍を沈めておいて、ただで済むと思うなよ!!」
言っていることはメチャクチャだが、情報はペラペラ喋ってくれていた。本当に軍人なのか?と思うぐらいに喋っていた。
だが、そのおかげで、ロウリア王国や現在のロデニウス大陸の情報が手に入ったことは大きな収穫だった。
以上が、尋問時にあった出来事なのである。
「そ、それは本当なのですか?」
ナギサは頭を抱えたくなった。頭痛の種が増えたのだから仕方ない。
「情報を得たというよりかは、勝手にベラベラ話してくれたので尋問しなくても良くなりました。念の為に他の捕虜にも本当なのか問いただしたのですが、満場一致で本当のことだと判明しました」
「ということは、こちらに攻めてくるのは確定だと?」
「おそらくは」
尚、ロウリア王国捕虜の証言を確実にする証拠は、衛星画像にて映っていた。その画像には、ロウリア沿岸部から約4000隻以上ものガレオン船が出撃準備を行なっている様子が映し出されていた。その中には砲艦の姿があり、それらの船の一部は既に海に出ていた。恐らく、魔信とやらで知らされたのだろう。
「正義実現委員会としては、早急に防衛態勢をひくことを求めます」
「………そうするしか、ないのですね…」
ナギサとしては、対話することが望ましかった。しかし、相手がそうだとは限らない。今回がまさにそうだった。
「わかりました。
エデン条約機構。通称ETO。それは、簡単に言うと、ゲヘナとトリニティの友好条約である。その中に軍事同盟も盛り込まれていた。そのおかげか、2カ国連合と言っても差し支えない規模の同盟となっていた。そこにナギサは防衛の協力を要請する。それを受けて、ETOはトリニティ沿岸で防衛戦の準備をしていた。
トリニティは、いつか来るロウリア王国のため、戦争に備えるのだった。
中央暦1639年4月15日 アビドス軍港
「おかえり〜!!」
「ただい…ムグッ!」
アオイらが帰ってきたのを出迎えたのは、梔子ユメを始めとしたアビドス高校の生徒だった。ユメは船から降りたアオイに思いっきり抱きつく。彼女の凶悪なほどの豊満な胸を彼の顔に押し付けながら抱きしめる。
「んー!!んー!!」
アオイは呼吸ができなくなっていることに焦り、ユメの腕をパンパンと叩くが彼女は全く気付く気配がない。その間にも、アオイの顔は酸欠で真っ青になっていく。
「ユメ先輩!!アオイを離してください!!そのままじゃ、窒息しますよ!!」
「え?あっ!!ごめんなさい〜!」
「ゴホッゴホッ」
その状況に助け船を出したのはホシノだった。彼女はユメのいつもの天然さに呆れつつもアオイを救出する。
ユメに軽く説教をした後、ホシノはアオイの方を向く。
「おかえり、アオイ」
「ただいま」
その後、副会長護衛艦隊はその場で解体となり、元の所属に戻ることになる。だが、停泊場所は変わらず、そのまま外界に対する警戒を続けるよう、アオイは指示した。旗艦だった巡洋艦『イルマリネン』は旗艦任務から外され、新たに戦艦『ロウヒ』が旗艦として任務に従事することになる。
アビドス軍港からアビドス高校に移動したアオイは、借金から解放されて順調に復興しているアビドスの街並みを眺める。彼がアビドスの復興の支援をし始めた時に比べて、活気が桁違いに溢れていた。
「復興は順調そうだね」
「そうですね」
アビドス高校の屋上でホシノと2人でいるアオイ。その時だった。
プルルルルルルルルルルルルルル
「ん?電話だ。少し外す」
懐から取り出したアオイのスマホの画面には、「七神リン」の文字が映っていた。何かあったのかと思い、電話に出る。
『副会長、おかえりのところ申し訳ないのですが、至急、お伝えしたいことが』
「どうした?」
『トリニティから、キヴォトスに接近したロウリア艦隊を撃沈したと報告がありました』
「………」
「ど、どうしたの?」
アオイの顔は今どうなっているのだろうか。少なくとも、固まっていることは間違いない。ホシノはいきなり固まったアオイを心配する。
1分ほど固まったアオイは、復活すると詳細を問いただす。
「経緯は?」
『キヴォトスに接近したロウリア艦隊を臨検しようと停船を要請したものの、それを受け入れずいきなり攻撃を仕掛けてきたため、反撃して撃沈したということです』
「現在のトリニティは?」
『この件があってから、トリニティはETOとして、ゲヘナと協力して防衛態勢を整える模様です。防衛室はこれに対して支援を行うとのことです』
トリニティは今回の件があってからすぐに連邦生徒会に報告していた。こういう外界の事は連邦生徒会に報告するよう要請されていたので、それに乗っかった形だ。
「わかった。すぐにトリニティに向かう。トリニティには、一報入れといてくれ」
『わかりました』
「………トリニティで何かあったの?」
アオイが電話を切ると、ホシノが先ほどの電話の内容について問いただしてきた。この内容は、キヴォトスが戦時状態になるかもしれないという内容であるのだが、幸いにもホシノはアビドス高校の生徒会長。いわば、アビドスのトップの立場であるため、アオイは話すことにした。また、これは近いうちに各学園で共有する情報なため、簡単に話した。
「ロウリア王国の件は知っているな」
「前にトリニティに漂流した人からの情報だよね?」
「そうだ。そのロウリア王国の海軍の一部の艦隊がこちらにやってきた」
「え?」
「その艦隊にトリニティが臨検をしようとしたところ、攻撃を受けたために反撃して撃沈した」
「……嘘だよね?」
「そうだったら、どれだけ良かったか……」
アオイはため息をつきながらそう言った。ホシノは、これらの出来事から、ロウリアがもしかしたら攻めてくるかもしれないと考えた。
現在のアビドスは海と面してしまっている。転移前はそんなことはなかったのだが、今は違かった。海に面しているが故に、海からの侵攻を警戒しなければならない。今回の出来事で、さらに警戒する必要が出てきた。
「無論、支援はする。ETOが中心になるだろうが」
ロウリア王国がこちらに侵攻するとして、その攻撃地点はおそらくトリニティだとアオイは予測していた。アビドスという考えもあるが、わざわざ遠回りしてまで攻撃しないだろう。だからこそ、アオイはETOを中心に支援を行う予定だった。
「とりあえず、連邦生徒会から各学園に今回の事に関する詳細を通達する予定だ。それに伴って、各学園でETOの支援も行うよう要請する」
「それじゃあ、ガラスの需要も増えそうだね」
「ああ、確かにな」
アビドス自治区では、復興の一環として、砂漠の砂を活用した産業が盛んである。その一つがガラスであった。
アビドス砂漠の砂はとにかく質が良い。それにアオイは目をつけた。この砂でガラスを作れば、質の良いガラスが作れるのではないかと。これには、アビドス生徒も目から鱗だった。なにせ、そこら中が原材料の山である。そこら辺からとってきた砂を加工してガラスを作り、それを売れば儲かる。その儲けでアビドスを復興させることができる。一石二鳥であった。
アビドス生徒はそれを実際にやってみた。その結果、このガラスはキヴォトス中で有名になり、アビドスの特産品となった。それに伴って、アビドス高校の予算も潤沢になった。
このような経緯で広まっているアビドス産ガラスだが、実は各種兵器の窓にも使われている。装甲車のフロントガラスや戦闘機のコックピットなどに使われるなど、様々な場所で活躍していた。また、そもそもキヴォトスでは銃撃戦が日常なので、防弾ガラスの需要は常に高かった。
そんな中での今回の出来事。おそらく、兵器のさらなる増産が行われるだろう。その際に、ガラスは必要になるし、その分のガラスはアビドスに発注する。そうなれば、アビドスは好景気に湧くだろう。
アオイたちは、これからのアビドスを想像して微笑むのだった。
トリニティ総合学園 ティーパーティー テラス
「ミレミアムの会長がなんのご用ですか?」
ナギサは突然連絡をかけてきたミレミアムの会長、調月リオとリモートで会談していた。
『ロウリア王国とかいう外界の国家のことよ』
「…連邦生徒会からの通達でわかる通り、その件はETOで対処するはずですが?」
『そうね。そのような通達はあったわ』
リオは何が目的なのか?。それがナギサが抱いた疑問だった。唯一関係ありそうな新型駆逐艦はミレミアムから既に受け取ってトリニティの物になっている。だから、ミレミアムが関われると言ったら連邦生徒会からの要請なのだが、副会長のアオイからは何も聞いていなかった。
『でもね、
「ッ!?」
リオの目的。それは観戦武官の派遣だった。
軍事衝突があるかもしれないと聞いたからには、この世界のデータを取れる可能性があるため、なんとかしてそのデータを得たかった。しかし、当事者はロウリア王国とETO。ならば、観戦武官という名目で人員を派遣すれば、データを高確率で取れる。しかも、この世界に対応するために観戦武官等の派遣は受け入れるように連邦生徒会から要請されていた。
決定権はこちらだが、一度アルタラス王国で軍事衝突しているアオイからそのデータは公開されるだろう。それに乗じてETO側が公開しなければ、各学園から批判を買う可能性があった。それだけ、この世界の外のデータの関心は高いのだ。
「データは戦闘後にETOとして公開するつもりですが、そちらではダメなのですか?」
ナギサは、動揺する内心を抑えながら問い返す。彼女としては、戦闘データの公開だけで済ませたかったのだ。
『ダメね。向こうの情報はできるだけ知りたいもの。それに、我々が譲渡した新型駆逐艦の戦闘を生で観れるのよ?実戦データを直接取れるいい機会を見逃す手はないわ』
合理的なリオらしい理由だ。新型駆逐艦のほとんどがミレミアム製ということもあり、この世界における実戦データが欲しいのも頷ける。また、今回の相手はガレオン船であり、それらを殲滅する際に効率的な運用の仕方も学べるかもしれないのだ。こんな機会を彼女は見逃すはずがない。
「ゲ、ゲヘナには話は通してあるのですか?」
『既に了承を得ているわ。後はトリニティだけだもの』
既に外堀を埋められていた。ナギサは苦虫を噛み潰したような表情をするしかなかった。
こうしてETOは、ミレミアムの観戦武官の受け入れを行うことになった。
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