ダンジョンに進化するモンスターがいるのは間違っているだろうか? 作:寝心地
そこを退けガキ、でなければ貴様も殺す
「そうは行かないよ!!私だって冒険者なんだ!!」
ティオナはそう言い拳を向けてくる、どうやら大人しくカーリーを渡すつもりは無いらしい
そうか、ならば俺の糧となり死んでくれ
鋭い爪がティオナを襲いティオナは易々と避け距離を取る、しかし儀式とやらの疲労が抜けていないのか波に足を攫われ膝を付く、その隙を見逃さず俺は魔法を放つ
闇魔法:コントロールダーク・アサルト
無数の黒い槍がティオナを襲い四肢に風穴を空ける
「いっつ」
手足に穴を空けられてそれで済むとは、この世の人間は本当に強いな。いや、お前もアイズと同じく長くダンジョンにいた者だな?
「ッ!アイズを知ってるの?」
知っている、俺は復讐する。奴は俺を殺し掛けた敵だ
「殺し掛けた?」
そうだ、あの屈辱はどんなに強くなろうと忘れない
「………………させないよ、アイズを殺すって言うなら私がここで止める」
……………………それは叶わぬ願いだな
俺は立ち上がろうとするティオナにアサルトを放ちその命を狙う、誰もが決まったと思った攻撃は
「【目覚めよ】」
そのたった一言により巻き起こされた魔法によって弾き返された
「大丈夫?」
「アイズ!!」
アイズ………まさかそちらから来てくれるとは
「ガルム…………」
「アイズこの狼の事知ってるの!?」
「ソイツは冥府の番犬や」
2人とは別の声が聞こえ振り替えると見たこともない糸目の人物が立っていた
「ロキ!!何でここに!?」
ロキと呼ばれたソイツは此方に向かって歩いてくるとある程度の距離で止まり俺を見上げる
「よぉガルム、久しぶりやな。門番の仕事はどうした?はよ帰らんとオーディンの爺が黙っとらんやろ?」
こいつは何を言っているんだ?オーディン?誰だソイツは?いや、ロキと言いオーディンと言い神の名前である事くらいは分かるが何故ソイツらが俺を知っている前提で話を進めてくるんだ?
「なんや、返事の1つ位したらどうや?ほら、伏せ」
ソイツに爪を振り下ろし粉々に砕こうとするとアイズが間に入って邪魔をしてくる
「流石アイズたん愛してるで」
「邪魔になるから離れてて下さい」
冷たい態度でアイズはそう言うとロキはそそくさとその場を離れる、何にせよ漸く俺が望んだ対戦が始まる、俺はアイズに一言念を送る
どちらかが死に果てるまでやろう
「……………………分かった」
アイズは剣を構え俺は姿勢を低くし全ての足に力を溜める
アイズが動き俺に向かって剣を振り上げる。
冥府の番犬!!冥府の冷気!!
体から冷気が漏れ無造作に飛び出したアイズの体を覆っていく
体に薄く氷が張ったアイズは飛び退き両手を見る
氷が張っていない体にも霜が降りている
(一瞬触れただけでこんな事が)
「アイズたん気を付けえ!!ソイツは冥府の冷気や!!下界にあるどんな防寒装備もソイツには通用せんで!!絶対それ以上触れたらあかん!!」
ロキが叫びアイズは更に警戒し距離を取る。どうせならもっと早く教えてやれば良かったのに
俺はそう思いながら再びアイズに向き直る
(迂闊やった、アイツがうちの知るガルムやないってのはさっきのやり取りで分かったがまさか冥府の冷気まで使えるとは、もしかしたらアイツはうちの想像以上にヤバい奴なのかもしれん。アイズたん、十分に気を付けてくれな)
ロキは冷や汗を流しながらそう願う他無かった