ダンジョンに進化するモンスターがいるのは間違っているだろうか?   作:寝心地

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第50話

【ロキ・ファミリア】本拠

 

その全体は異様な程重い空気が流れていた

 

暗黒期を超えて今まで殆ど戦死者を出した事の無かった遠征で多大な戦死者を出した事もそうだがその中でも彼らの心を折ったのは

 

【重傑】ガレス・ランドロックの死が最大の要因となった

 

【ロキ・ファミリア】にとってガレスとは盾の様な男だった、それも技で受け流す様な柔な物では無くどっしりと重く厚く大きく固い壁盾(タワーシールド)、時には鎧や斧となり、その背後にいるだけで戦いの中に立っているのに不思議と安心感があった

 

そんな彼らにとっての盾はその日以降、2度と彼らを守る事が出来なくなってしまった

 

1つ空席が生まれた幹部の会議室で重々しくフィンが口を開く

 

「ガレスとティオネとティオナを相手に圧倒する狼、ガルムと名乗った狼と同一の存在でありながら種族が違う、か」

 

「フィン、もう傷は良いのか?」

 

リヴェリアがフィンに尋ねる

 

「ああ、アミッドのお掛けで死の淵から引き戻された。そんな事より例の狼型のモンスターだ。ロキ、姿を変えるモンスター、そんな事あり得ると思うかい?」

 

「無い、とは言い切れん。そもそもガルムと同じ種族が地上に現れる位やからな。けど、姿が変わるっちゅうのは看過出来んな、アイズたんの話からすれば最初はコボルト、んで次がティオナとアイズたんの前に現れたガルム、最後に今回の訳分からん黒い狼、ここまで姿を変えるモンスターは今まで聞いたこともない」

 

「1つ言えることはガレスを殺す程の怪物だ、これ以上被害が増える前に殺すべきだと私は思うが?」

 

「ああ、それについては同感だ、更に厄介な事に奴はアイズを狙っていると言う」

 

人造迷宮(クノッソス)に加えアイズたんを狙うストーカーモンスターか、人気者は辛い…………じゃあ片付けられへんわな」

 

ロキは何時もの飄々とした態度から一変し真剣な眼差しでガレスが愛用していた斧と盾の破片を睨み呟く

 

「兎に角出来ること・解決できる問題から一つ一つ片付けていこう、まずは人造迷宮(クノッソス)、ダイダロス通りの地下に存在し深さは最低でも中層以上、横の広さはほぼオラリオと同等、これを攻略するには奴らが使用していた『鍵』を手に入れる必要がある、これは奴らの規模を考えても複数ある筈だ、まずはそれを探す。狼の方だが詳細は不明だがアイズを狙っているのは確かだ、アイズの周辺は僕達で固める、今の所これが最適解だろう」

 

「もう1つ、例の狼に遭遇した何名かについてだが体に茨の様な痣が出ているらしい、それが時折どうしようもなく痛むとか」

 

「呪詛の類かい?」

 

「いや、状態異常の分類に入るそうだが問題はどんな治療薬も効かないそうだ」

 

「アミッドでもかい?」

 

「ああ、どんな薬・魔法を持ってしても痣を消すことは出来ず痛みを取ることも出来ないらしい、更に痛みに規則性が無く痛みの原因を調べる事も出来ないらしい、つまり」

 

「掛かれば2度と解けない状態異常と言うことか」

 

「ああ」

 

「……………………ティオナとティオネは?」

 

「殆どの時間を鍛練に当てている、目の前でガレスが死んだのが余程応えたのだろう、だが2人も例の状態異常に掛かっている。2人を持ってしても痛みが出る時は全く動けなくなる様だ」

 

「そこまでかいな?」

 

「ああ、それどころか痛みにのたうち回る程だ」

 

「……………………」

 

「どないするフィン?」

 

「勿論2人が抜けるのは困るから動いて貰う、だが2人を『鍵』探しには出せない、だから2人にはこのまま鍛練と休息に当てて貰う、出来る限り強化と体力回復に勤めて貰ってその時まで温存する」

 

フィンはそう言うとそのまま次の議題に進み【ロキ・ファミリア】は悲しみをしまい込みながら前を見据え始めた

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