呪いの王がBLEACH世界に足を踏み入れる   作:ジェネリックたい焼き

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所々出てくるエセ関西弁は無視してください。作者は関西人ではないので、不快に思われたなら申し訳ありません。

それと文才が無いので暖かい目で見てください( ◜▿◝ )

それではどうぞ


誕生

 そこは巨大な樹海だった。見渡す限り一面に、巨大な樹木が生え渡っており、木々の隙間に差し込む僅かな光が幻想的な雰囲気を醸し出していた。

 

 そんな中でも一際大きい木の幹の根元に、白い布に包まれた一人の赤ん坊がいる。

 その子は顔の右側が歪に変形しており、濃紺色の刺青のような紋様が所々に刻まれ、四本の腕に腹に口が付いている異形の姿をしていた。

 それは赤ん坊の姿でもおぞましく、親から棄てられたのだろうと容易に想像が出来た。

 

 忌み子が、鳥のさえずりで目を覚ます。

 

 四つの目をぱちくりと開き、周囲の状況を認識した後.........

 

「オギャーーーーー(なんじゃこりゃ〜〜!?)」

 

 ――森に響き渡る程の大きな声で産声を上げた。

 

 尚、その声で小鳥達が一斉に空へ飛び立ち、動物達も、一目散に宿儺から離れていったのであった。

 

 

 

◇◈◇◈◇◈◇◈◇◈◇◈◇◈◇◈◇◈◇◈◇◈◇◈◇

 

 

「(わたしは誰だ.....ここは何処だ.....誰が転生しろと頼んだ.....!誰が第二の人生を歩みたいと頼んだ.....!!わたしはわたしを生まれ変わらせた全てを恨む.....!!

 

 ――――はいということでポケモンギャグは置いといて、今赤ちゃんになってるよね?――これどういう状況?)」

 

 木々のざわめきが強くなるが、心の中で問い掛けても誰も答えなど返してくれない。辛うじて聞こえるのは風の囁きだけだった。

 

「あぅ〜〜!(おーい!誰かいませんか〜!)」

 

 手を上にあげ動かしてジェスチャーをしてみるも返事は無い。

 そもそもまだろくな発音すら出来ておらず、意思の疎通は出来ない。

 

「あぁ〜〜〜〜(終わった…ワイ、このまま死んでまうんや.........――ほら、内なる関西人もそう言ってる)」

 

 赤子ながらボーッと声を上げ、四つの目が死んだ魚のような目をしていた。

 

「(てか今気付いたけど、俺って腕四本あるくない?後なんか目も四つあるっぽいし…口に至っては腹にも一個あるんだよね.........。コレってさ.....もしかしなくても宿儺じゃね!?)」

 

 今、衝撃の事実に気付く赤子、中身はオタクの成人男性だった為に、漫画やアニメについては人一倍詳しい為、転生した事や宿儺になっている事には比較的容易に気付く。

 

「(てことは、産み親に棄てられたんだろうな〜〜.........まぁ、分かるよ、分かる)」

 

 改めて自分の体の形状を確認してみても、明らかに異常だった。

 先程の特徴に加えて、身体に所々濃紺の刺青のような紋様が刻まれており、産まれたてな筈なのに歯が、乳歯だが生え揃っており、髪の毛も既に生えているのだ。

 忌み子として棄てられるのも仕方ないだろう。寧ろ、殺されなかっただけマシだといえる。

 

「あぅ〜〜〜〜〜(これからどうしよっかな.........)」

 

 その嘆きを聴くものは本人を除いて一人たりとも居なかった。

 

 

 

◇◈◇◈◇◈◇◈◇◈◇◈◇◈◇◈◇◈◇◈◇◈◇◈◇

 

 

 あれから一日、宿儺に転生した男はある重大な危機に陥っていた。

 それは………

 

「だぅ〜〜(腹減った…)」

 

 そう、食糧不足だ!

 正確には母乳を摂取しないとこのまま餓死してしまうのである。

 普通なら数時間に一度飲む筈が、こんな樹海に母乳などある訳もなく、一日時間が経ってしまった。

 

「(イヤァァァーー!ワイ転生一日で死ぬの!?オーマイガー!?――――フッ、短い人生だった………………あれ?ワンチャン宿儺なら術式使えるんじゃね?……あれ!?天才か!!?)」

 

 赤子が自らの案を賞賛しているも、辺りに動物は一匹たりとも居ない。

 これは宿儺が無意識で垂れ流している呪力が原因なのだが、未だ気付けていないようだ。

 

 更に一日後…

 

「(はい…俺が馬鹿でした………。あんな禍々しい呪力垂れ流してたらそら動物が近付かんわ。――まぁ幸いな事に、宿儺ボディなだけあって、放出される呪力は限りなく0に近く出来た)」

 

 今男が言ったように、先程、自身から滲み出る異質な呪力に気付き、放出を抑えようとしてみた所、僅か数十分でほぼ0に抑え込めたのだ。

 やはり赤子であっても呪いの王の肉体。この程度はおちゃのこさいさいなのだろう。

 

 そんな時、茂みからガサガサッというとても小さな音が聞こえた。

 

宿儺の高性能ボディは、その音を聞き逃さずしっかりと捉えた。

 

 四つの目が一斉に茂みの方へと向けられる。

 

「(何だ?何だ?何が来るかな?)」

 

 ひょこっと飛び出して来たのは野兎だった。平均より少し大きいぐらいのサイズで、今の宿儺でも簡単に仕留める事が出来る。

 

「だぁ!(『解』)」

 

 いきなりノーモーションで宿儺から不可視の斬撃が放たれる。

 それは兎の首に血の様に赤く細い線が刻まれ、その線になぞって頭部がごとりと地面に落ちる。

 

「おぉぉ〜〜!(おぉぉ〜〜!)」

 

 初の術式の成功に年甲斐も無くはしゃぐ。

 だが彼はここで重要な事に気付く。

 

「あぅ?(あれ?俺歩けなくね?)」

 

 そう、それは産まれたて故に、足腰がしっかりしておらず立つこともままならないという事に、今更ながら気付いたのである。

 

「(呪力だ!この負の感情を全て乗せろ!)」

 

 全身に呪力を込めて、手などを駆使して立とうとする。

 

「あぅぅぅぅー!!(く゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛!気合いだァーー!!!)」

 

 そんなフルパワーを込め、出来たのはハイハイだった。

 顔を必死に上に上げ、自身の獲物をその四つ目でしっかりと見据える。四つの腕と足を器用に使い、着実に野兎との距離を詰めていく。

 

「(くっ、殺せ!……心は成人男性なのにハイハイするなんて………屈辱ッ!)」

 

 赤子の精神はもう既に満身創痍だった。誰にも見られていない事は分かっている筈なのに、恥ずかしさが半端なかった。

 己の羞恥心と戦い、何とか耐えながら一歩ずつ着実にの獲物へと近付いていく。

 

 やっとあと獲物との距離が一メートル程に近付いた時、突如空から大型の鳥が現れ、兎を掻っ攫っていった。

 その僅か数秒の出来事に一瞬呆然とする赤子だったが頭で理解するより早く、体が動いていた。

 

「だぁ(『解』)」

 

 既に飛び立っている鳥目掛けて不可視の飛ぶ斬撃を放つ。

 相手はそれに気付く間も無く翼を切り落とされ、首を落とされ死んだ。そのまま自由落下し、少し離れた茂みの中に落ちていった。その際、兎も一緒に落下していた。

 

「うぁ〜〜〜〜!(人のご飯取ろうとするからだバーカ!)」

 

 ――ギュルルルルル〜〜〜!

 

 そのとき、大きな腹の音が鳴った。当然音の主は赤子だ。

 

「(あっ、やべ腹がヤバい………)」

 

 先程の獲物が落ちた茂みへと命懸けのハイハイで向かう。

 

「あうぅぅぅ!(うひょーーー!)」

 

 漸く着いたところで目の前のご馳走に目を輝かせた。そして前世ならまずしなかったであろう皮や羽毛を剥くこともせず、自慢の歯で一心不乱に生のまま噛みちぎる。

 

 血が水分となり、肉が体を大きくさせる材料となる。宿儺はその後も骨を残すこと無く兎一匹と鳥を一羽貪り喰った。

 

 全部喰い終えた所で満腹になった宿儺は仰向けにゴロンと転がる。そしてこう思う…………。

 

「(これからどうしよう……………)」

 

 

 

◇◈◇◈◇◈◇◈◇◈◇◈◇◈◇◈◇◈◇◈◇◈◇◈◇

 

 

 

 時は経ち、あれから五年……宿儺は五歳にして百六十cm程まで成長していた。赤子の頃から二十寸程あり、原作でも二メートルは優に超える体格だった為、成長が早いのは当然だろう。

 

 あれからあった事といえば、立ち上がれるようになったり、言葉も喋れるようになった。

 ただ、普通に喋っているつもりなのに何故か宿儺の様な言い回しになってしまったり等、不便は多いが、それなりに暮らしていた。

 

 

 

「はぁ、やはり弱いな……(ちぇ、弱っちいの〜〜)」

 

 今日は森に生息する巨大な全長二メートル程もある熊を狩っていた。

 

 だが、たかが野生動物では、宿儺の相手足り得ない。今日も今日とて作業とかした狩りを行った。そしてその地に伏せているその熊は、綺麗に首を落とされ絶命していた。

 

「フン(よっとッ)」

 

 彼はおもむろに熊の後ろ足を片手で持ち上げ、それを持ったまま高く太い木の枝に跳び移り、腰に括り付けている太いロープで、枝に結び付け、逆さ吊りにする。

 そうする事で、熊の首から血が土に流れ落ち、血抜きが出来るわけだ。

 

 さて、血抜きをしている間にする事といえば、周囲の探索だ。

 

 五年この森に住んでいるとはいえ、思った以上に広大なこの樹海の全容を把握しきれないでる。時折、顔に仮面の付いた化け物と遭遇するが、皆自我が無いのか見境なく襲って来るばかりで、更には殺しても塵になるという特徴があったので、時間の無駄だと彼方から襲ってこない限り、極力無視していた。

 

 時に奴等は呪力とは似て非なるモノを使って光線の様な攻撃を放って来たりするので、中々に面倒臭いのだ。

 前に一度だけ棲家を壊され、怒りのままに術式を行使したが、辺りの地形が禿げてしまう程だった為、自重している。

 

 話を戻すが、数時間の探索を終え先程血抜きを終えた熊を担いで自身の棲家へと戻って来た宿儺。

 

 そこには巨大とは言えないが、人一人が住むには充分な程の大きさの小屋がたっていた。

 

 これは、術式の関係で木を切断するのが得意だったり、流石宿儺ボディというべきか木材の採寸まで完璧だった事に加え、四つ腕を活かして小屋の組み立ても進んだので、前世では絶対出来なかったであろう小屋が完成している。

 

 熊を外に置いておき、術式を用いて綺麗に部位ごとに分けて解体していく。

 初めの頃はそういった知識は無かったものの、五年もすれば慣れたものであっという間に解体が終了した。

 

「こんなものか…(おk、解体終了!)」

 

 ふむ、と零しながら熊肉をじっと見つめる。

 そこから一キロ程の肉を取り、残りは氷室へとしまう。

 

「肉体の知識があって幸運だったな(いや〜何か記憶の中に氷室の作り方があってラッキーだったな〜。てかやっぱりこれって転生っていうより憑依って感じかなぁ)」

 

 そう今この男が考えた様に、宿儺の肉体に憑依したというのが正しい。だから肉体の記憶を読み取り、氷室なんてものを作れたのだ。

 

 だが不幸な事に、氷室の件は偶然思い出したものであって、自分の意思で記憶を呼び起こす事は出来ない。

 宿儺や羂索、受肉組は元の肉体の持ち主の記憶を読み取れていたことから、これがこの男だけに起こる現象だと分かる。

 

 まぁ、今は特に不便をしていないので大して問題では無いが。

 

 今宿儺は何をしているかというと.........…

 

 肉を焼いていた。

 熊肉を一口サイズの大きさに切り、竹で作った串に突き刺し、岩塩をまぶす。それを三十本程作り、焚き火のそばの土に刺し、直火で火を入れていく。

 そして適度なタイミングで串を回し、満遍なく火を通していく。

 

 肉からは肉汁が滴り、とても美味しそうな匂いを発していた。

 

 一応、生で食えないことも無いのだが、食事は娯楽であり、楽しむべきもの。

 これは宿儺も憑依した男も同じ考えを持っており、出来るだけ美味しい食事にありつきたいのだ。

 

「ふむ、そろそろか…(うひょ〜!そろそろ焼けてそうじゃね!!)」

 

 串を一本取り、豪快にかぶりつく。

 噛む度に肉汁が溢れ出し、熊の野性的な旨味をダイレクトに感じられる。程よく塩気が効いており、これもまた旨味を増幅させていた。

 

 あっという間に全ての肉を平らげ、満足気に満腹のお腹をさする。心なしか、満足気な表情を浮かべており、幸せそうだった。

 

 食事に満足した宿儺は、今日もまた術式の訓練に励むのだった。




読んで頂きありがとうございます(*´˘`*)♡

誤字脱字などありましたら指摘していただけると幸いです。

※簡単な設定
宿儺に成り代わった男はまだ此処がBLEACH世界だと気付いていません。「なんか既視感あるな〜」ぐらいです。


次回は、別キャラを登場させたい

この作品は1話大体5000文字位なのですが、どの位の文字数が皆様にとって丁度いいのか教えて頂きたいです。それを目安に執筆します(アンケート結果によって投稿頻度も変わります)

  • 1000文字前後
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