呪いの王がBLEACH世界に足を踏み入れる   作:ジェネリックたい焼き

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なんか著作権とか怖くて毎日震えて眠ることになりそうなので怪しい所は一気に投稿します。期間を開けて申し訳ありません。それと作者がビビりですみません……


それとビビりすぎてこれからの3話は文が適当になっています。
こんなんですがどうぞ


新たな仲間

 先程行われた滅却師による侵攻で死神には、総隊長を含めて多数の死傷者が出た。

 死神側の被害が甚大なのに対して、滅却師側の被害は軽微――――第一次侵攻は滅却師側の圧倒的勝利に終わった。

 

 

 

◇◈◇◈◇◈◇◈◇◈◇◈◇◈◇◈◇◈◇◈◇◈◇◈◇

 

 

「卯ノ花隊長…………私たちは四番隊舎に居たままで良かったんでしょうか…………」

 

 瞳に涙を浮かべてそう零す…………彼女は後悔していた……………瀞霊廷中を走り回って治療して回った方が犠牲者を抑えられたのではないか…………仲間の霊圧が消えていくのを感じながら、そんな思いが何度も頭をよぎっていた。

 

「――勇音」

 

 卯ノ花が諭す様な声で名前を呼ぶ。

 

「『四番隊舎を動くな”何があっても”』これは総隊長が私たちに下された最後の命令だったのですから……」

 

「はい…………申し訳ありません………………」

 

 目から涙を零しながら謝る。

 

 だが悲しいことに今の卯ノ花の意見は表層だけのもの…………心の奥底ではどうしたら宿儺と死合うことが出来るか、それしか無かった。 卯ノ花は力を取り戻しつつある宿儺の気配をしっかりとかんじとっていた。

 

 だが、総隊長の死を偲んでいるのは紛れもなく本心…………しかし今は必死に抑え込んでいた昔のモノが抑え切れなくなるほど膨らみ続けているだけだ。

 

 

 

◇◈◇◈◇◈◇◈◇◈◇◈◇◈◇◈◇◈◇◈◇◈◇◈◇

 

 

 場面は変わり……あの侵攻から数日…………聖十字騎士団内ではある噂が飛び交っていた。

 

 曰く――――

 

『この前まで正常だった親衛隊の一人が狂った』だとか『その親衛隊が実は陛下の后』など根も葉もない噂だらけだった。

 

 真実を知っているのは、ハッシュヴァルトのみであり、そのハッシュヴァルトも混乱を避ける為に来るべき日まで口外は禁止と言われたのだ。

 

 さらに事態を悪化させているのが、その事に関してユーハバッハからはなんの反応も無いので噂が収まることがなかった。

 

 

 

「それで……部下から好き勝手言われてるが良いのだな…………」

 

 今日も今日とて宿儺に割り当てられた部屋にユーハバッハが遊びに来ていた。

 

「せめて……貴様と宿儺様が夫婦(めおと)だという巫山戯た戯れ言だけは今すぐに訂正してこい…………」

 

 宿儺の後ろで控えていた裏梅が絶対零度の瞳で睨みつける。

 だがユーハバッハは何処吹く風だ。

 別に宿儺と夫婦だと言われようが互いにそんな気は一切無いので、好きに言わせている。

 

「その事ならば問題は無い…………この後、お前の存在を聖十字騎士団に公表する――――もう一人の人物と共にだ…………」

 

「やっとか…………」

 

 そろそろだろうなと思っていた為、対して驚きはしない。

 そしてもう一人というのもだいたい想像がつく。

 

 だが、そんなくだらないことなど正直どうでもいい為、宿儺はさっさと終わらせて戻ってこようと決心するのだった。

 

 

 

◇◈◇◈◇◈◇◈◇◈◇◈◇◈◇◈◇◈◇◈◇◈◇◈◇

 

 

 この日、銀架城内にある”大聖堂”そこに聖章騎士や聖兵関係無く、全聖十字騎士団が集められていた。

 

 最前列には聖章騎士、その後ろに聖兵がおり、舞台上には親衛隊である”リジェ・バロ””ジェラルド・ヴァルキリー”そして、見えざる帝国(ヴァンデンライヒ)皇帝補佐・聖十字騎士団最高位(シュテルンリッター・グランドマスター)”ユーグラム・ハッシュヴァルト”ここに全団員が出揃った。

 

 

 

 ここで金髪おかっぱの少女、”リルトット・ランパード”が両隣にいる者たちに小さな声で話しかける。

 

「オイ、オメェら陛下の女を見たってのはホントかよ」

 

「ああ、見たぜしっかりとな」

 

 それに右側にいるモヒカンの男、バズビーが答える。

 

「僕モ見タヨ、見タ事アル姿ダッタケドアレハ別人ダッた」

 

 トゲトゲのマスクを着用する眉がない長髪で長身な男、”エス・ノト”も答える。

 

 2人はあの場で元柳斎を襲った際、しっかりと宿儺の姿を目に焼き付けている。

 その姿は聖十字騎士団内では見慣れたもので、千年より前からユーハバッハの親衛隊として存在している。

 だがあの時見たのは全くの別物だった。

 

 顔に濃紺の刺青が刻まれ、邪悪な気配が漂っていたのだ。

 

「そーかよ、それと関係あるかはしらねーが、あのビッチがあれからめんどくせーんだ、何とかしろよ」

 

 リルトットが言うビッチとは、バンビエッタのことである。

 あの侵攻から帰ってきたバンビエッタは、いつにも増して癇癪を起こすようになり、毎日の様に自室に男を連れ込んでは惨殺している。

 

 流石の頻度に、リルトット含め四人は結構うんざりしていた。

 

「んなもんなんで俺たちに頼むんだよ、テメェらでなんとかしやがれ」

 

「ソノ通リだ、僕タチニハ関係ノ無()話」

 

「だろーな、そう言うと思ってたぜ」

 

 2人にそれぞれ断られては仕方が無い。もうあのビッチは落ち着くまで無視しようと心に決めた。

 

 ――――果たして落ち着く日は来るのだろうか……?

 

 そんな会話を隣にいるバンビエッタは聞こえていたが、自分の事を言われているとは微塵も気付かず、右から左へ流していた。

 

 

 

 当たりが静寂に包まれる。

 

 すると突如舞台袖からユーハバッハがマントを翻して出てくる。

 

「全員、十字奉上!――ユーハバッハ陛下に敬礼!」

 

 ハッシュヴァルトがそう声を張ると、全員が寸分の狂いも無くユーハバッハに向けて敬礼をした。

 そしてそれを受けたユーハバッハは口を開く。

 

「揃ったか……聖十字騎士団――」

 

 そこからユーハバッハの演説が始まる。

 

 内容としては――『千年前戦、戦に敗れて存亡の危機に陥った我ら滅却師が誇りを取り戻すために尸魂界を、死神共を滅ぼそう』というものだった。

 

 これを舞台裏から聞いていた宿儺は、大きなため息をついた。

 

 確かにユーハバッハの言ったことは嘘では無いのだろう。だが、それを全て信じて飲み込むのは愚か者のすることだ。

 

 だがそれも仕方が無い、今演説した人物は滅却師の始祖にして自身の皇帝なのだそんな人物から言われたら信じるだろう。

 

「――――それともう一人お前たちに紹介せねばならぬ者がいる――来い」

 

 宿儺が思考に浸っている間に”石田雨竜”は既に後継者だと公表され、ついに自分の番が来る。

 

 

 

 ユーハバッハが雨竜が来たのとは反対の方向に目を向け――――「来い」と声をかけた瞬間、この場にいる親衛隊とハッシュヴァルトを除いた全員が、全身を斬り刻まれて死ぬ未来を幻視した。

 

『ヒュッ…………』

 

 その気配を隠そうともしない呼ばれた人物が、一歩一歩進む。

 その足音は皆の耳に嫌という程鮮明に聞こえた。   

 聖兵は全身が震えながら顔面を蒼白にし、冷や汗を滝のように流す。

 聖章騎士には、自身の身体が繋がっている事を確認する者もいれば、自身の身体を抱いて震える者もいる。

 

 気配を感じただけで舞台下にいる全員の魂に決して消えない恐怖を刻み込んだ。

 

「紹介しよう…………両面宿儺――千年前実在した鬼神にして…………我が唯一の友だ」

 

 そう紹介したユーハバッハは、一通り部下たちを眺める。

 その様子は悲惨なものであり、誰も何の言葉も発していなかった。

 

 宿儺は一人一人のかおを一瞥し、その後興味を失ったかのように前を向いた。

 

「以上だ……ゆくぞ宿儺…………」

 

「ああ」

 

 そう言って宿儺を伴い2人はこの場を去る。

 

 ――――この日、滅却師は圧倒的”邪悪”に出会った。

 過去も未来も含めてアレ以上は無いであろう”邪悪”に…………。

 

 最早今の頭の中にはユーハバッハの後継者の事など頭に無く、ただあの化け物に対する恐怖の感情だけがあった。

 

 

 

◇◈◇◈◇◈◇◈◇◈◇◈◇◈◇◈◇◈◇◈◇◈◇◈◇

 

 

 あの後聖章騎士以上の地位の者しか立ち入ることが出来ない部屋に来た聖章騎士たちはまるでお通夜のようだった。

 

 バンビエッタに至っては、常に瞳が揺れ動いており感情が恐怖に染まっている。

 

「………………」

 

 そしてやっとバズビーが口を開いた。

 

「おい、あの女のこと知ってるヤツは手ぇ挙げろ」

 

「知ってるも何もあんなヤツ知ってるわけねーだろうがトサカ野郎」

 

 常に辛口のリルトットがそう言う。あの女の姿や気配は恐ろしいものだった。

 ああなる前も、無口で銃の事しか頭に無かった変人だった為、皆関わりは少ないが千年前からの古参ということで一応顔見知りなのだ。

 

「あの女の人は、陛下が――両面宿儺って言ってたの」

 

 ふわふわのピンク髪におっとりした喋り方の”ミニーニャ・マカロン”がそう話す。

 

「確かに!……けど陛下はそう言ってたけどよ、一体両面宿儺って誰なんだよ」

 

 キャンディスがそう言い皆に問いかけるが、反応は無い。単に恐怖で聞こえていない者もいれば、普通に知らない者もいる。

 両面宿儺は千年前確かに存在したが、それについての文献は数が本当に少ないのだ。

 

「両面宿儺とは……千年前確かに実在した鬼神の名だ」

 

 突如として部屋に入ってきてそう説明した男に、一人の男は呆気にとられる。

 

「……何しにきやがった……ユーゴー…………」

 

 バズビーが思わず睨むも、無視してそのまま部屋に入って来たハッシュヴァルトは、目の前までやってきたバズビーに目を向ける。

 

「そもそも……テメェはポッと出の奴なんかに次期皇帝の席を奪われやがって…………それに、あの両面宿儺とかいう女はなんだ!!なんであんな奴が認められてんだよ…………答えろユーゴー!!」

 

 声を荒らげて問いかける。バズビーは納得していなかった。急に出てきて次期皇帝に指名される石田も、あんな怪しさ満点の女を迎え入れることも、全て納得いかない。

 

「私如きが陛下の意見に口出しする事など無い……」

 

 平然とそう述べるハッシュヴァルト。2人の感情には激しい温度差があった。

 

「そーかよ!――だったら俺があの女に直接――――」

 

「――――直接…………何だ?言ってみろ……」

 

 バズビーがそう宣言しようとした瞬間――ハッシュヴァルトと、バズビーの間には今話題に出ていた人物――――両面宿儺が居た。

 

「…………なっテメェ「いつの間に、か?」ッ……!」

 

 自身が今言おうとしていた事を言い当てられ、息を飲む。ハッシュヴァルトですら突然現れた宿儺に驚いており、他の聖章騎士たちは緊張で唾を飲む。

 ――――バンビエッタに至っては、ジジの後ろに身をかがめて宿儺の視界に入らないように必死で隠れている。

 

 尚、そんなことをされたらジジの心情はそれはもう酷いことになっているだろう…………

 

 いつの間にか従者の裏梅もしれっと入って来てきていた。

 

「それで、どうする赤毛の小僧…………このまま俺と()るか……?…………それとも何だ……しっぽを巻いて惨めに逃げるとでも言うつもりか……?」

 

 顔に悪どい笑みを浮かべて挑発する。

 

「なんだと…………!」

 

 これに沸点が非常に低いバズビーは思わず乗り掛けるが、ここで意外な救世主が現れる。

 

「宿儺様…………先程陛下がお呼びになっておられました……」

 

 宿儺の前まで来て、頭を下げてそう伝える。

 ハッシュヴァルトが言ったことは事実だ。現にどこかへ行った宿儺を探しに城を歩き回っていた所、偶然先程の会話が聞こえてきて割り込んだのだ。

 

「そうか……」

 

 それを聞いた宿儺は嘘では無いと判断し、バズビーと遊ぶ予定を取り止めて恐らくユーハバッハが居るであろう自室へと戻っていった。

 

 だがバズビーは納得いってないかのようにその者を睨みつける。

 

「なんで止めやがった……ユーゴー…………!」

 

 命を救ってくれた恩人にそんな言葉を投げつけた。

 

「お前があのまま戦えば確実に死んでいた――――ああ、勘違いするな、私は”聖章騎士”が欠ける事が”見えざる帝国(ヴァンデンライヒ)”の不利益になると判断しただけでお前の命を救おうなどとは思っていない」

 

 バズビーの目を見てそう語る。しばらく2人は見つめあっていたが、やがてバズビーが目を逸らしてハッシュヴァルトの横を通り、ここから出ていく。

 

「ケッ、そーかよ…………」

 

 そう言葉を言い残し、姿が見えなくなった。

 

「お前達もだ…………宿儺様に手は出すな…………」

 

 バズビーが去った後、残った者たちにそう伝える。今の彼らでは、指十本分の力を持つ宿儺に全員でかかれば善戦できるだろうが、勝利は出来ない。

 それ故の忠告だった。

 

 だが、彼らはそんな事言われなくても分かっている。

 

 もう魂で理解しているのだ、あの化け物には勝てないと………………。

 

 

 

◇◈◇◈◇◈◇◈◇◈◇◈◇◈◇◈◇◈◇◈◇◈◇◈◇

 

 

「それで、用とは何だ…………」

 

 自室に戻った宿儺が椅子に我が物顔で座ってるユーハバッハに問いかける。

 

「ああ、戦いに先立ち、お前にこれを渡そうと思ってな」

 

 そう言ったユーハバッハは何やら厳重に封がされた箱のようなものを取りだし、中を開ける。

 

「――――これは…………」

 

 その正体を見た宿儺は驚愕する。果たして中身は一体何なのか……それは当人同士しか知り得ない…………。

 

 

 

◇◈◇◈◇◈◇◈◇◈◇◈◇◈◇◈◇◈◇◈◇◈◇◈◇

 

 

 その日の瀞霊廷に異常は無かった…………だがその時、突如として瀞霊廷を覆う遮魂膜(しゃこんまく)が数秒で赤黒く染まり、それと同時に街並みがコンクリートの様な灰色の建築物に侵食されていった。

 

 そしてその中にある一際大きい城、その頂上に五人はいた。

 

「――侵攻完了だ…………雨竜、宿儺、お前たちは”聖帝頌歌(カイザー・ゲザング)”を知っているか?」

 

  城の頂上で慌てふためく死神共を見ながらユーハバッハはそう呟く。

 

「知らんな……」

 

 それに宿儺は知らないと答え、雨竜は…………。

 

「はい、『封じられし滅却師の王は 900年を経て鼓動を取り戻し 90年を経て理知を取り戻し 9年を経て力を取り戻す』」

 

 雨竜が知りうる限りのことを言う。だが正確にはそうではない…………。

 

「その歌には続きがある――――『封じられし滅却師の王は900年を経て鼓動を取り戻し 90年を経て理知を取り戻し 9年を経て力を取り戻し――9日間を以て世界を取り戻す』――――ゆくぞ、雨竜、ハッシュヴァルト……そして――宿儺――――世界の終わる9日間だ」




卯ノ花さん怖い……

早く宿儺を本格的に戦わせたい。

追記
誤字報告ありがとうございます

この作品は1話大体5000文字位なのですが、どの位の文字数が皆様にとって丁度いいのか教えて頂きたいです。それを目安に執筆します(アンケート結果によって投稿頻度も変わります)

  • 1000文字前後
  • 2000文字前後
  • 3000文字前後
  • 4000文字前後
  • 5000文字前後
  • 6000文字前後
  • 7000文字前後
  • 8000文字前後
  • 9000文字前後
  • 10000文字以上
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