呪いの王がBLEACH世界に足を踏み入れる 作:ジェネリックたい焼き
それではどうぞ!
宿儺は銀架城の屋上、そこで死神共の動向を眺めていた。
既に他3名は、ユーハバッハと雨竜は玉座に、ハッシュヴァルトは新たな総隊長である”京楽春水”の元に居た。
「宿儺様…………下の戦に参戦しないで宜しかったのですか?」
宿儺の背後に控える裏梅がそう問いかける。今まさに、死神たちが卍解を取り戻した頃だった。
そしてその少し後、至る所で様々な色の先端に五芒星の意匠がつけられた柱が荘厳な鐘の音と共に立ち上った。
そして裏梅のその問いに宿儺はこう答える。
「ああ、どうせ上で出会うのだ……そう焦ることは無い」
「上、ですか…………」
下で奮闘する死神達を眺めながらそう呟く。
「戻るぞ……裏梅」
「畏まりました……」
両名は来るべき時に備えて自室へと戻る。そしてその耳には戦闘音ばかりが聞こえていた。
自室にて瞑想していた宿儺は目を開き、ある気配を察知する。
そしてユーハバッハが居るであろう屋上に、裏梅を伴って向かう。
「来たか…………準備はいいな……」
その声と共に、今居る場所から一護が破った遮魂膜の穴に向けて青白い光の柱が天高く、見えなくなるまで昇る。
そしてそこには既にユーハバッハの他にハッシュヴァルトと雨竜の姿もあった。
そして少し離れた所で、複数の聖章騎士に囲まれている見覚えのある人物を見かける。
そしてその人物は複数の死神と何かを話したかと思うと、こちらへ真っ直ぐ向かってきた。
「私が…………」
ハッシュヴァルトが迎撃するよりも前、そばに待機していた石田が矢を一護目掛けて放つ。
「グッ!」
その矢を弾いた一護だったが見覚えのある霊圧に目を見開き動揺を露わにする。
「石田……なんで…………お前が…………」
若干震えふ声でかつて共に死線をくぐり抜けた親友に問いかける。
「なんでお前が…………」
「帰れ黒崎、お前には陛下を止めることは出来ない」
「何言ってんだよ…………石田……」
「帰れ、命を無駄にしない内に」
「…………なんでお前がそこに居るんだって聞いてんだよ!!」
一護がどんなに問いかけようとも彼の表情は変わらない。
今彼がどんなことを思い、滅却師側についているのか一護には分からない、だが心のどこかで、この戦いが始まった時からこうなる予感はしていた。
――――だがそれが現実となってしまった。
「………………」
石田が無言のまま一護に標準を合わせて矢を引く。
「――『
静かにそう紡ぎ放たれた矢は無数に増えて一護へ真っ直ぐ向かう。
「…………ッ」
防御が間に合わず直撃するかに思われたが、上から茶渡が降りてきて、一護に直撃せんとしていた矢を全て防ぐ。
それでもまだ矢は向かってきていたが、上から更に織姫が来てそれも防ぐ。
「石田くん……」
「石田…………」
敵にいる彼を見て後からやってきた二人は悲しそうに呟く。
そんな様子を見ても石田は表情一つ変えることなく振り向いた。
「待て石田!!まだ俺はなんも聞いちゃいねえぞ!!」
そんな様子に一護が大声で叫ぶ。だがそれすらも無視して一護たちの方を向きもしない。
「訣れは済ませたか……永劫の訣れになるぞ…………」
「はい」
ユーハバッハの質問に淡白に返す。今までのそんな様子を宿儺は全て見ていたが、そんな石田をまじまじと見つめる。
「そうか…………」
全員が光の柱に包まれる。そして、ゆっくりと足が地面から離れる。
「おい待てよ…………石田ァ!!」
その叫び声と共に宿儺たちは高速で霊王宮目掛けて飛び上がった。
◇◈◇◈◇◈◇◈◇◈◇◈◇◈◇◈◇◈◇◈◇◈◇◈◇
あの後、浦原と合流した一護ら三人は、霊王宮へ向かう為に十二番隊の地下に作られた、志波家の花鶴大砲のレプリカに乗り込んでいた。
これは、零番隊が降りてきた時点で事態を予見していた十二番隊隊長”涅マユリ”が建造していたものである。
「――――宿儺ってのは一体なんなんだ?」
砲台の中で待機していた一護がふとそんなことを思い出し浦原に問いかける。
霊王宮で修行する前、ユーハバッハと出会った時あの女性の事を宿儺と呼んでいた。それに今回、霊王宮に上がる際もユーハバッハの傍には宿儺と呼ばれた人物が居た。
「――宿儺とは、千年前実在した人間っスよ…………いや……人間と言うのも少し怪しいかもしんないっスけど」
浦原が作業する手は止めず、一護の疑問に答える。
「はぁ!?千年前の人間が何で生きてんだよ!?」
「恐らく……彼は自身の魂魄を二十に切り分け時を渡ったみたいなとこっスかね…………」
「何でそんな自信なさげなんだよ……」
「だってそれは――」
神妙な顔つきで振り返って一護を見つめる。普段のおちゃらけた様子とはまるで違う彼に一護は生唾を飲み込む。
「――元となる資料が少ないからっス!」
扇子で口元を隠して元気にそう言う浦原に思わず、一護含め耳を傾けていた茶渡と織姫がその場でズコーッとコケる。
「ちょっと考えれば分かるじゃないっスか……黒崎サンもまだまだっスねえ……」
「…………グゥ」
馬鹿にしたような口調でそう言われるが、その通りなのでグゥの音しか出ない。それを傍で聞いていた2人も思わず小さく吹いてしまう。
「あ!おめぇら今笑っただろ!一応言っとくけど気付かなかったお前らも俺と同じだからな!」
顔を僅かに赤くして反論する一護、ただ2人は必死に弁明するそんな様子が更に可笑しかったのか…………
「アハハハハッ!!」「……フッ」
更に大きく笑っただけだった。
そんな収集がつかなくなってきた時、一人の女性が現れた。
「あっ!夜一さん!」
それを織姫がいち早く見つけ、嬉しそうに名前を呼ぶ。
「おかえんなさい……夜一サン――首尾は?」
「これじゃろ」
そう言うと羽織っていたマントの中を見せるとそこには何かが入っているビンが大量にあった。
「ありがとうございます……これで霊王宮へ行く事が出来る…………」
浦原はそれらを見て微笑んだ。
これには一護たちを霊王宮まで届かせる為のエネルギー。
これは、尸魂界と現世を繋ぐ程の膨大な移動エネルギーが内包されており、これを用いて打ち上げるという訳だ。
◇◈◇◈◇◈◇◈◇◈◇◈◇◈◇◈◇◈◇◈◇◈◇◈◇
「そうか…………ここが霊王宮か…………」
いく層もの雲を突き抜け、霊王宮へとたどり着いたユーハバッハは辺りを軽く見渡す。そして宿儺も、辺りを軽く見渡した。
宿儺が霊王宮を見渡している間にいつの間にかある一人の女性が姿を現していた。
「久しいのうユーハバッハ――じゃが、そちは初めましてじゃな――――両面宿儺」
切れ長の目で宿儺を目を収める。そこに並々ならぬ感情を感じた裏梅は、すぐさま戦闘態勢に入る。
「――――”
ハッシュヴァルトの影から出てきたもの達が千手丸目がてけ走り出す。
「――――”
負けじと千手丸も雑兵を送り出す。両者がぶつかった結果、聖兵が皆一刀のもとに切り捨てられた。まぁ当然と言えば当然だ、何せ聖兵はただの滅却師、雑兵とはいえど仮にも霊王宮を守護する者。一撃で死ねたのなら良い方だろう。
そして聖兵が負けたのにも関わらずユーハバッハは歩みを進める。
「不届き……」
その言葉を千手丸が口にした時既に霊王の刃はユーハバッハに向けて飛び掛っていた。
だが、ユーハバッハにその刃が触れそうになる時、その全てが見せない壁に阻まれたかのように逸れた。
しかし動揺せず追い討ちの一撃を放つ。今度は確実に当たるだろうと思った攻撃も、ユーハバッハに触れる直前であらぬ方向へ逸れてしまう。
「一体何が…………」
千住丸がそう呟いた瞬間、ユーハバッハの影が蠢く。
「あんただちゅの方が不届きらよ……おいの
その影から二枚舌で舌足らずのポンチョのようなものを着た男が出てくる。
――――しかしこの男は、自身の能力を意気揚々と説明したがそれをあっさりと破られ、全身を針で貫かれて死亡した。
「これで漸くそちに刃が届くようになったのう」
あの男を倒したことにより、ユーハバッハの身を守るモノは無くなった。
だが、彼にとって奴など居なくても事足りること。
「本当にそう思うか…………――――我が親衛隊よ」
その言葉を合図に、ユーハバッハの影が広がっていき、そこから3人の姿が現れる。
「答えは既に出ております」
――聖十字騎士団”X”リジェ・バロ
「おっと、良く見たら下から連れてきて頂いたのは俺一人かよ……こいつは活躍しねえとなぁ……」
――聖十字騎士団”D”アスキン・ナックルヴァール
「そうだな!貴様が役に立たんようなら我が貴様を斬って捨てるぞ」
――聖十字騎士団”M”ジェラルド・ヴァルキリー
「せっかく生き残ったのに……そりゃ無いよ……」
そして後もう一人………………
「チッ、やはり何故俺が貴様の部下などにならねばならんのだ…………」
――聖十字騎士団”C”両面宿儺
滅却師の装束に身を包んだ呪いの王が零番隊に牙を剥く。
『何故俺がお前の下につかねばならん!』
暗がりの部屋で宿儺の怒号が響き渡る。先程宿儺がユーハバッハに言われたのが、自身の親衛隊になれという事だった。
勿論これに宿儺は反発。誰かの下につくなら死んだ方がマシだと言わんばかりだった。
『他の団員らを納得させる為だ…………先は友として紹介したがこれでは反発が起きる……』
『そんなもの捩じ伏せれば良い、何故俺が弱者の都合に振り回されねばならんのだ――――――おい、まさか貴様俺を配下にしてみたいだとかいう子供じみた感情で提案した訳ではあるまいな……』
宿儺がまさか……といった表情で問い詰める。そういえば、初めて会った時も麾下に加われと勧誘してきた事を思い出した。結局は引き分けになり断ったが、あの時のことを諦めていないのだとすれば辻褄が合う。
そうな事を言われたユーハバッハはなんでもないように答える。
『――そうだ………………もしこれを断ると言うなら先程渡した
悪びれもせずこう答える。流石の宿儺もアレを人質に取られれば応じる他ない……。だから仕方無く、本当に仕方なく――――
『…………………………分かった………………形だけ貴様の配下になってやる…………………………』
――――了承した。
この時の宿儺は苦虫をものすご〜〜〜く噛み潰したような表情をしていただろう。
そして後ろで気配無く控えていた裏梅も鬼の形相でユーハバッハを睨んでいた。
因みにユーハバッハは千年前からの隠れた目標である「宿儺を配下にする」これを形だけでも達成出来てご満悦だ。
――――本当にこの人は誰なんだろう…………
「『解』」
時は現在に戻り、宿儺は千手丸に向けて斬撃を放つ。不可視の斬撃、初見では対処な極めて困難なもの…………しかし、敵は零番隊……霊王の眷属である。
向かってきた斬撃を大きい針状のもので受け、別の方向に逸らす。
「……ハッ」
だが次の瞬間には宿儺が目の前まで接近してきていた。
頬を思い切り殴られて数メートル程後退させられ、口から血を垂らし、殴られた部分が僅かに赤く腫れる。
「
千手丸が虚空に向けてそう喋ると、どこからともなく上空から全身を鎧に包んだ武者のような者が落ちてくる。
「ほう、デカイな……だが…………デカイだけでは何も出来ん」
次の瞬間、霊王の盾は縦に真っ二つに斬られていた。そして斬られた事で重力に従い左右に別れて下へと落ちる。
その僅かな時間で行われたソレに千手丸は何も出来ず驚きで目を見開く。千手丸たち零番隊は和尚から情報を知り得ていたはずだった。
斬撃を飛ばし炎も行使すると……だが聞くのと実際に体感するのではまるで違った。
「つまらん事をしてくれる…………お前も――――」
宿儺の『解』が千手丸の身体を半分に切断し、その周囲の景色を偽装していた布も細切れにする。
「――――お前達もだ」
細切れにされた布が落ち、隠されていた霊王宮が顕となる。
そうして先程までの様子を上から眺めていた”兵主部一兵衛”を鋭い眼差しで睨みつける。
そして宿儺達の周囲を囲うように極太の木の幹が生えていた。
「なんじゃ……バレておったのか…………流石は両面宿儺といったところかのう――――まぁ、檻が間に合ったから良しとするか」
ふさふさの顎鬚を撫でながら宿儺を観察する。
その肉体にはやはり未知のエネルギーが満ちており、それは後ろの白髪の、従者も同じだった。
千手丸はあの者を捕らえて
「…………」
宿儺は樹の檻を一瞥した後、一本の幹に斬撃を飛ばす。しかし、両断されたと思っていた幹は切断されて落ちるよりも前に、切断面がくっつき修復されて元通りになっていく。
「無駄だよ――植物を操るという事は命を操るという事、アタシは命を形作る為に「くどい」」
ペラペラと喋るこの檻の主である”曳舟桐生”――――その事が癇に障ったのか、喋っている途中に斬撃を放つが、幹から一本枝のようなものが生えて曳舟の身を守る。
たかが一本程度でと侮っていたが、宿儺の予想に反しそれは傷付きながらも斬撃を逸らした。
「……ッ…………貴様何をした………………」
「何、簡単な話さ、この樹はアタシの霊圧を喰らって実をつける。その強度はアタシのさじ加減って訳さ、例え傷付けようとも直ぐに再生する――――どんどん暴れてくれて構わないよ。例えどんな事をしようとも、アンタらはこの命の檻から決して出られやしない」
堂々とそう言ってのける。だが実際この檻にはその自信を裏付ける力がある。更にこの樹は霊子をも栄養とするので、滅却師とは相性最悪だ。
「裏梅――この樹を壊「驚くのは早えぜ客人共ォ!」……チッ」
樹は寒さに弱い、この特性がこの産褥に適応されるかは不明だが、やってみる価値はあると裏梅に命じようとしたがそれより前に、産褥の上から一人の男が降ってくる。
その男が着地した地面にはお湯が弾けて湯気が立ち上る。
「
黒髪をリーゼントにし、キセルを咥えたガラの悪い男。だが、その者こそ回道の生みの親であり、卯ノ花の回道の師とも呼べる人物なのだ。
そして――――
「
切れ長の目に、雪のように色白い肌、光沢がある長い黒髪を持つ凛とした女性。そしてこの人が、死神の装束である”
「
フワフワとしたピンク髪に、ふくよかな体型の優しそうな女性。この女性は、”義魂の概念”を創り出し、後にそれを一部応用して”義魂丸”が創り出されたすごい女性なのだ。
そしてその時、当たりが暗くなったかと思えば、一箇所だけ照明のような光が差し込んだ。
「
やかましい掛け声と共に一人のザ・チャラ男という見た目のラッパー口調の男が刀が浮かぶ水槽のようなモノと共に姿を現した。
「十・九・八・七・六・五枚!
水槽から何の変哲もない刀を取りだして構える。
「ありゃ、久しぶりに引っ張り出したからか
話の途中で突貫してきた宿儺の心臓と脳、肺と肝臓を一瞬にして刺す。流れるように行われたそれは、刀の斬れ味が良すぎて血液が数秒後に飛び散った。
「キミの情報は和尚から聞いてる
「ハッ……!」
次の瞬間には、裏梅の目の前に二枚屋が現れてその胴体を斬った。
そして立て続けにジェラルドとリジェも同様に斬りつける。
辛うじてアスキンだけは致命傷を回避し、その時点で両者の戦闘が開始した。
え?宿儺が簡単にやられすぎたって?……それはまぁ……まだ10本分の力しかないし、相手は零番隊だから………これで納得して下さい。
ニャンゾル・ワイゾルの戦闘描写は省略しました。もしファンの方が居たら申し訳ありません。
本当に怖いんですぅ……色々調べた結果大丈夫だと分かっていても怖い……
追記
いつも誤字報告ありがとうございます
この作品は1話大体5000文字位なのですが、どの位の文字数が皆様にとって丁度いいのか教えて頂きたいです。それを目安に執筆します(アンケート結果によって投稿頻度も変わります)
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1000文字前後
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2000文字前後
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3000文字前後
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4000文字前後
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5000文字前後
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6000文字前後
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7000文字前後
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8000文字前後
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9000文字前後
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10000文字以上