呪いの王がBLEACH世界に足を踏み入れる 作:ジェネリックたい焼き
それではどうぞ
追記
本当にゴメンなさい。次話を書いてて思ったのですが、受肉体が滅却師ならその技能も使えるよね?という事でこの話を少し改変しました。誠に申し訳ございません。
「おい涅、ホントにこっちで合ってんだろうな」
そこには入り組んだ滅却師の街並みを駆け抜ける更木とマユリらの姿があった。マユリとネムが浦原たちとわざと出現場所をずらし、一人で徹底的に研究しようとしていたのに、運悪く便所に行っていた更木が一緒に来るもんだからマユリのテンションはかなり下がっている。
「何だ、今私も初めてここに来たというのにそんな事を本気で聞いているのかネ」
故にいつにも増して発言が尖りきっている。まぁそんな些細な事を気にする更木でもないのだが……。
「待ちたまえ」
ここでマユリが待ったをかける。彼の視線の先には一人の女性と少女の姿があった。そしてマユリはその見覚えのある気配に静かにほくそ笑む。しかしもう一人の男は違った――――
「俺と戦えや!」
その女が視界に入った瞬間、更木は第六感と呼べるべきモノで目の前の女の強さを全身で感じとり、なりふり構わず襲いかかった。
もう既に眼帯は放り投げている。
「!?……ッ待て更木……!」
そんな更木に待ったをかけるがもう遅い、彼は既に目の前の女に剣を振り下ろしていた。
「クハッ」
その剣の軌道をしっかりと捉えた宿儺は笑みを零し、真正面から迎え撃つ事を決める。
相手の振り下ろす刀に合わせて、強化した右拳をぶつける。
――――裏梅は既に主の邪魔にならぬよう後ろに飛び退いていた。宿儺からの合図があればすぐにでも戦いに参加するだろう。
そして激しい衝突音と共に辺りの建造物が衝撃で全て吹き飛び、2人の拳と刀がぶつかった箇所からは絶えず火花が撒き散らされている。
「「せいぜい俺を楽しませてみろ!/楽しませてみろや!」」
顔に笑みを滲ませながらそう声を上げる両者は、再び激突した。
「全く呆れたものだヨ、あの馬鹿には」
こちらから離れるように走りながら拳と刀をぶつけ合う両者を見てそう零す。
相手は両面宿儺。細心の注意を払って相手をしなければいけないのに、あの脳筋は考え無しに突っ込んで行ったものだから思はず溜め息も出るというものだ。
「――行くヨ、ネム」
「畏まりました、マユリ様」
あんな馬鹿共には付き合っていられないとばかりにその場から離れようとする。
マユリとしては、生きた宿儺のサンプルが欲しかったが、あんな楽しそうに戦う更木の顔を見て邪魔すればこちらに照準が向く可能性があると考え、リスクとリターンを計算した結果、今回は諦めざるを得なかった。
「――まぁ良い、最悪死んでいても後で回収すれば良いだけの話…………精々頑張ってくれたまえヨ」
――さも宿儺が負けるように発言するマユリだが、彼は知らない両面宿儺本来の強さを。――彼自身は書物でしか読んだことがない為、仕方ないのだが。
そして、再びどこかへ走り出そうとした時、背後から刺すような気配を感じ、慌ててその場から飛び退く。
飛び退く最中、見えたのは宿儺が閻魔天の印を結ぶ光景だった。
「――領域展開――――『伏魔御廚子』」
最凶の領域が展開された。ユーハバッハとは違い、更木剣八に領域に対抗する術はない。それ故にその身を斬撃で斬り裂かれるかに思えた…………。しかし彼の目に映った光景は違った。
「ハッハァッ!中々イイじゃねぇか!!」
更木は斬撃の嵐をその身で受けているというのに痛みを感じる素振りすら見せないどころか満面の笑みを浮かべているようにも見えた、
「(殺せるとは思っていなかったが、始解すらせずにこの強度とは………………やはり良い、良いぞ…………)ククッ――――魅せてみろ!更木剣八!!」
領域内で両者同時に動き出す。更木は無数の斬撃を喰らっているにも関わらず、その動きに支障はない。
無意識で自身から発せられる霊圧を体表に留め、それで身体に届く斬撃を弱めている。まぁそれにプラスして肉体強度が半端じゃないというのもあるのだが…………。
「まだまだ楽しもうぜ!」
更木が宿儺の首目掛けて横に一閃刀を振るうが、宿儺はそれを身を屈めることで回避し、しゃがんだ体勢のままその胴体目掛けて拳を振り上げる。
「こんなもんじゃねぇだろ!!」
更木は、自身の腹目掛けて放たれた拳に膝蹴りをかまし、無理やり回避して、ついでとばかりに腕を折る。だが宿儺には骨折程度なんの支障にもならない。
次の瞬間には負傷が治り、逆の左拳で顎を狙うがそれは上体を逸らすことで躱され、両者とも後ろに飛び退き、一旦立て直す。
その間も更木は全身が斬撃に晒されている。最早肌の色は見えず、全身が血に染まっていた。
「どうした……よもや諦めたのではあるまいな……?」
圧倒的な優位性を確保している宿儺がそう問いかける。
その問いを黙って聞いている更木。
すると突如、何の脈略もなく更木が刀を後ろに引き、投擲の構えをとる。
「何を……?」
宿儺が考える暇もなく、刀が超高速で投げ飛ばされた。しかし宿儺の動体視力も半端ではなく、その刀も、刀を投げたと同時に走り出す更木の姿もしっかりと捉えていた。
刀は首を捻ることで躱した。そしてその刀は宿儺の背後に存在するオブジェクト、つまりは御堂に向かって進んでいったが、アレが壊れても領域が崩壊する訳では無い。
――更木はその事を知らない。
しかし、あの斬り合いを楽しむ更木が刀を手放した事に僅かに意識が取られる。
そしてその一瞬の間に更木が無手で突撃し、殴りかかった。
「チッ」
僅かに反応が遅れた宿儺は、その拳に手の甲を当てて弾くも、咄嗟のことだった為か拳をいなしきれず、静血装を使用したが、それでも頬が僅かに切れる。
そして追い打ちをかけるように更木は幾つもの拳を繰り出し、宿儺を翻弄する。
相手にペースを取られたことで、宿儺は防戦一方の戦いを強いられている。
「グッ……!」
とうとう捌ききれなくなり、腹に重い一撃を食らう宿儺、口から血を垂れ流しながらもその表情は笑っていた。
そしてその拳は、宿儺が領域を保てなくなる程のダメージを与えていた。
――領域が崩れる最中、更木は刀を拾い上げる。
「オメェまだナニか隠してやがんだろ……」
刀を肩に担ぎながら問いかける。対する宿儺も既に傷は治しきり、ニヤッと笑みを浮かべ、再び閻魔天の印を組む。
「興味があるならば引き出してみろ――――領域展開」
焼ききれた術式を回復させるため、脳を呪力で破壊し、反転術式で治癒し、再び領域を展開する。
一方でその傲慢な台詞を聞いた更木は悪どい笑みを浮かべ、地面が割れるほどの力を込めて宿儺を強襲する。
そして更木が宿儺の元へ到達するよりも早く、領域が展開された。
「――『伏魔御廚子』」
再び傷だらけで全身血まみれの更木の全身を斬撃が襲う。そしてその威力は先程よりも高かった。
――――宿儺は領域の効果範囲を半径百メートルまで狭めることで、斬撃の威力を増加させていた。
この手段は原作でもやっており、決して逃げることの無い更木には効果的だった。
「ガッ……!」
ここで初めて更木が揺らぐ。――――が、すぐさま立て直し、宿儺目掛けて刀を振り下ろした。
そして宿儺はそれを呪力と静血装を用いた右腕で受け止めるが、受け止めきれず腕の半分まで刀がくい込んだ。
「硬ぇな…………けど俺に斬れねぇモンはねェ!」
そのまま刀に力を込めると、いとも容易く宿儺の右腕が両断された。そして防ぐものが無くなり、身体の正面、頭部から股部辺りまで一筋の深い切り傷がつく。
しかし宿儺は痛みを感じていないかのように振り下ろされた刀を握っている右腕を万力の様な力で握り締め、引き寄せてその土手っ腹に槍のように鋭い突きのような蹴りを直撃させる。
「グッ……!」
無防備に食らったその一撃で、いくつもの建物を破壊しながら遥か遠くへ吹き飛んだ。
そして宿儺は領域を解き、ある事を予期し、握りしめた両拳を左腕を上に、右腕を下に持ってくるように構えると宿儺の頭の付近に白い方陣が現れた。
一方で、蹴り飛ばされた更木は数百メートル程飛ばされた後、一つの建物にぶつかって止まった。
そしてその場所には、遠くから二人の戦いを見ていた五人の姿があった。
「「隊長!」」
斑目一角と綾瀬川弓親が悲惨な状態の自身の上官、もとい尊敬する人物の姿を見て慌てて駆け寄る。
「酷い……」
状態を診た弓親がそう呟くのも無理はない、何せ全身に深い切り傷が刻まれ、肋骨が粉砕しているのだ。
しかし当の本人はそんなもの関係ないとばかりに立ち上がった。
「隊長!「やめろ弓親!」ッ…………」
引き留めようとした弓親を一角が諌める。そしてその叫びを聞いて、弓親はハッと何かを思い出す。
「済まないね一角、僕としたことが隊長の戦いを邪魔するところだったよ」
サラサラの前髪をふぁさっと靡かせ、辺りにキラキラオーラを撒き散らしながらそう返した。
そうだ、重症の上官を見て慌てただけで、本来隊長の戦いを邪魔してはならない。これは十一番隊の暗黙の了解みたいなものだ。
「…………フンッ」
このやり取りを見ていたマユリがおもむろに更木へ注射器を突き刺す。
そしてみるみる全身の傷が癒えていく。
「何しやがる涅……」
ゆっくりと下手人へと向き直る更木。まだまだ戦い続けられることに感謝しているが、横槍を刺されたくなかったのもまた事実。
「何もどうも、君はあのままでは負けていた――――それはお前が一番良く分かっている筈だヨ」
包み隠さず更木が敗けると正面から言い放ったマユリ。
正直に言えば更木は勝ち負けを今はさほど気にしていない。ただ自身の全力を受け止められる宿儺と少しでも長く戦いたいだけだ。
「そうかよ…………」
つまらなそうに言い放った更木だったが、宿儺の気配が僅かに変異した事で再び気分は最高潮になり、地面を蜘蛛の巣状に砕き割って吹き飛ばされた場所へと飛んでいった。
「全く……あの単細胞は………………」
呆れたように更木が飛んでいった方角を見つめる。
「ネム、機材を用意しろ――あの術を解析する」
「畏まりました」
マユリは宿儺の『伏魔御廚子』への対策を生み出さんとしていた。前にもあの生物を解析しようとしたことがあった。
――それは千年にわたり研究し続けた”両面宿儺の指”。
残念ながらその詳細は僅かしか分からなかったが、目の前で見せつけられたことにより手掛かりが掴めた。
そしてガチャガチャ機材を用意している横で一角がマユリに近付いた。
「オイ、隊長に投与したのはなんだ!!答えやがれ!!」
「ちょっと一角、仮にもこの人は隊長、最低限の礼節は弁えるべきだ」
マユリを擁護しているように見せ掛けて、「仮にも」などということをしれっと言ってのけている為性格が悪い弓親なのだった。
「全く、揃いも揃ってうるさい奴らだヨ――――良いだろう、そこまで言うならば説明してあげようじゃないか!」
面倒くさそうにしながらも、機材を用意する手を止め、嬉々としてあの薬剤の効力について説明し始める。
「あの薬、『霊圧再生薬』はその名の通り、投与された本人の霊圧を用いて傷を回復させ続けることが出来る優れものだ!――傷が無くとも肉体を治癒してしまい細胞が過剰再生により破裂するが、その損傷すらも癒す!まぁ五分という制限時間はあるが逆に五分の間はどんな傷でも回復する!――――正に最高の回復薬だヨ!」
手を大仰に掲げ自信満々にその効力を披露した。確かにその効力は最高のモノであり、破格の性能をしていると言えるだろう。
そしてマユリにはまだ言っていない性能があった。これは対して重要では無いと思っていた為だが、この効力が後に大きな影響をもたらす事になるとはまだ誰も知らない。
空中を飛ぶ更木は、その視界に新しく方陣を身につけた一人の女の姿を目にする。先程つけた傷は既に癒えていた。
そして更木は口角を吊り上げながら解号を口にする。
「――呑め――――”
更木の斬魄刀が身の丈を超えた巨大な戦斧へと変化した。それは、通常時と同じくガタガタに刃こぼれしていたが、感じ取れる力は計り知れない。
「ハァ゛ァ゛ア゛ッ!!」
雄叫びを上げながら斧を振りかざし、力を込めて宿儺の頭蓋目掛けて振り下ろす。
振り下ろすだけで辺りには強風が巻き起こり、その凄まじい威力を物語っていた。
その斧を見た宿儺は驚きで目を見開いた。やはり二次元で見るのと、実際に見るのでは訳が違う。
腕を限界まで強化し、静血装の強度を最大まで高め、腕を交差させてその攻撃を受け止めようと構えた。
しかしその斧が肌に触れた瞬間、これを受け切るのは無理だと判断する。
そのため腕は捨てる判断を下し、腕はそのままに身体だけ左に移動させて躱した。
「それが始解か!」
そして今度は、途中で止まることすらなく腕を綺麗に両断し、それでも止まらず地面にすら真っ直ぐに深い亀裂を入れた。
その圧倒的な力に思わず笑みがこぼれる。
両腕は失ったが、まだ足がある。斧を振り下ろした状態の更木の左脇腹に鞭のような蹴りを放つも、揺らいだだけに終わった。
「フッ……!」
短い息を吐き、振り下ろしたままの斧を横に一閃振りかざす。
宿儺はそれをしゃがむ事で回避する。
この斬撃を受けた背後の建物は、綺麗に上下に別れていた。
――――ガコンッ
そして方陣が少し回る。更木はあの方陣の正体も、その能力も少しも知らない。知っているとすれば本人とユーハバッハだけだろう。
――適応は着実に進んでいく。
”⬛︎⬛︎の⬛︎⬛︎”をユーハバッハから譲り受けた宿儺は、ソレを取り込み、自らものとした。ソレと、呪術的要素を持つ宿儺、二つが混ざり合ってソレは全く別のものへと変異する事となる。宿儺にとってそれは望んだことであり、自身のイメージ通りに事が進んだのでご満悦だ。それが………”⬛︎⬛︎⬛︎・⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎”最強の式神である。
まぁここまで書けば勘のいい方は分かると思います、多分。てか、ほぼ答えです。
追記
誤字報告いつもありがとうございます。
追記
誤字報告ありがとうございます。
追記
誤字報告本当にありがとうございます。
この作品は1話大体5000文字位なのですが、どの位の文字数が皆様にとって丁度いいのか教えて頂きたいです。それを目安に執筆します(アンケート結果によって投稿頻度も変わります)
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1000文字前後
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2000文字前後
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3000文字前後
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4000文字前後
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5000文字前後
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6000文字前後
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7000文字前後
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8000文字前後
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9000文字前後
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10000文字以上