呪いの王がBLEACH世界に足を踏み入れる 作:ジェネリックたい焼き
後、もしかしたらボーイズラブかもしれないので一応タグ付けときます。
相変わらず文章力は無いです。
それではどうぞ
これは宿儺が生まれ落ちてからおよそ二十年がたった頃。
姿形が完全体宿儺とほぼ同じとなった時期に、宿儺は森である一人の少年と出会う。
その子は男か女か分からぬ中性的な容姿をしていた。
だが宿儺が注目したのはそこでは無かった。
この少年の周囲全ての物が凍っていたのだ。中には仮面を被った異形の化け物もいる。
それらを良く見てみると、”
――大柄の男は驚いた。
一つはこの歳でこの化け物を殺せるという事。
もう一つは………………
――――この少年が裏梅ソックリである事!!
「これは……?(ほぁ!?君は良く見たら裏梅ちゃんやんけ!?いや………
カオスな心は外に一切漏れず、ぶっきらぼうにそう聞いて見せた。
「分からない……いつもこうなんだ、気づいたら周りの人間が冷たくなっている」
生きる気力の無い、何も映していない瞳で喪失感を込めた声で答える。そこに最早悲しみの感情は宿っていなかった。
この少年は諦めているのだ。自らの力を制御出来ず周りのモノが勝手に死んでいく。幼い少年の心はそう永く持たなかった。
「…………」
宿儺はそれを黙って聞いている。
「父様も母様も私のせいで同じように死んだ。そこの化け物もだ……」
淡々と機械のようにそう呟く少年。その様子をじっと見つめていた宿儺は口を開く。
「着いてこい童(カモン!裏梅ちゃん!)」
動こうとしない少年を見て宿儺は、その大きな背で少年をおぶってみせた。
「わわッ……!」
あまりに突然の事に理解が追いつかず、ただ驚きの声を上げて黙っておぶられる。
宿儺もその背中からは温もりが感じられた。久しく感じていなかった父のような暖かさと安心感。
安心して気が緩んでしまったのか、瞼を閉じ眠りについた。
それを宿儺は咎めることもせず黙って見つめていた。
「……………(ほあぁぁ、裏梅ちゃんの寝顔かわぁ〜〜!はぁ〜〜癒されるわ〜〜〜)」
訂正、考えている事は喧しかった。
◇◈◇◈◇◈◇◈◇◈◇◈◇◈◇◈◇◈◇◈◇◈◇◈◇
あれから数年……裏梅は原作通り、氷室の番をしている。
やはりこの世界でも料理の腕は健在のようで、熟成肉を自ら開発していたり、一人で料理の練習をしているものだから、あっという間に宿儺の食卓が豪勢になった。
そして何より驚いたのが裏梅にも術式が刻まれていたということだ。
これはであった頃からある程度予想出来ていたことだが、これで宿儺が知る限り、この世界で二人目の術師という事になる。
「宿儺様、朝でございますお起きください」
宿儺の寝殿の襖を音を立てず開き、そばに正座で座り込み声をかける。
「裏梅か……」
まだ少しぼやけた声で返事をする。
今や朝に裏梅が宿儺を起こしに行くのが日課となっており、それは裏梅の密かな楽しみとなってる。
偶にすぐ声をかけず、宿儺の寝顔をジーッと見つめている事があるが、まぁ本人が楽しそうなのでそれも良いだろう。
宿儺が立ち上がり着ていた和服を整える。
この和服も裏梅特製で、宿儺の四つ腕が動かしやすい様に袖が広く、女物のような仕上がりになっている。これがピッタリで心地良いのである。
――――さす裏!さす裏!
「お食事を御用意致しました。本日の朝食は、主食は米を御用意し、主菜には今朝、川で取れた新鮮なニジマスの塩焼きを御用意しております。副菜には、今が旬のキノコ類を中心としたものとなっております。食後には甘味を用意していますので、御食事が終わりましたらお出しさせて頂きます」
丁寧に述べていく。
裏梅はこうして毎日、朝と晩の食事を用意してくれており、そのどれもがとても美味しいのだ。
今まで、宿儺として生まれて二十数年、肉を焼いて食べる事しかしてこなかった宿儺にとって、裏梅と出会えたのは幸運だっただろう。
「そうか、ではいただくとしよう(いただきます!)」
そう言って、裏梅の頭を撫でて食事を食べる部屋へと向かう。
頭を撫でられた裏梅は嬉しそうに目を細め、先に向かった宿儺を足早に、音を立てずに追いかける。
そしてその斜め後ろに付いて宿儺と一緒に向かっていった。
朝食を食べ終えた二人は屋敷を出て、そばにある森の開けた場所、そこに二人は向かった。
その場所は、宿儺が元々修行場所に使っており、その影響か、木々は切り倒され芽すら生えてこなくなった場所なのだ。
そこに辿り着いた二人は慣れたように足を運び、更地の中心で二人はお互い構えをとる。
「殺す気で来い(カモン!裏梅ちゃん!)」
「行かせて頂きます
手の平に息を吹きかけ、そこから霜が発生したかと思えば、次の瞬間、広範囲に、氷の波のようなものを出現させ宿儺にぶつける。
『霜凪』は、過冷却状態の呪力をぶつけ、相手を氷漬けにする裏梅の渾身の技である。
霜凪を喰らった宿儺の全身は凍りつき生き埋めになっており、ろくに動けず呼吸も困難となっていた。
これで勝負はついたかに思えた。しかし裏梅は、油断せず宿儺の居た場所を見つめる。
――刹那
氷に僅かなヒビが入ったと思ったら、次の瞬間巨大な氷塊が、粉々に砕け散る。
その砕け散った氷の結晶が、太陽光を反射しキラキラと美しく輝いていた。
それは幻想的な光景だった。
ただし、その中に宿儺が居なければだが…………。
氷の中から出てきた宿儺は目の前の少年にこう問う。
「何故本気で戦わない?毎度お前の初手は、明らかに加減している。俺相手に何を遠慮している?……それとも何だ俺が弱いとでも思っているのか?(もっと本気出してええんやで、なんだってワイは作中最強格の宿儺やからな)」
四つ腕を器用に組み、疑問を呈する。
「いえっ、そのような事など思っていません!」
慌ててそれを否定する。
勿論、裏梅は嘘はついておらず本心からそう思っている。
自らの主に傷をつけたくない思いと、殺す気で来いという宿儺の命令を遵守しなければならない忠誠心がせめぎ合い、中途半端な攻撃となってしまうのだ。
これは毎回そうだった。この様な模擬戦は、幾度となくしてきた。だがそのどれも裏梅は明らかに手を抜いている。
前回までは見逃していたが、一向に成長の兆しが見えない為、今回宿儺が指摘したのだ。
「このままでは死ぬぞ裏梅、お前はそれ
それだけは許容し難かった。死ぬのが怖いからでは無い。
敬愛し、崇拝し、畏敬の念を抱く、そんな宿儺にもう仕えられない、その事だけは絶対に許せなかった。故に裏梅は決心する。
「いえ、良い事などありません――――」
裏梅が決心の籠った声でそう宣言する。
それを聞いた宿儺はフッと笑みをこぼし、ピタッと構えた。対する裏梅も再び構え、迷いの無い 瞳を宿儺にぶつけた。
辺りが静寂に包まれる。
――――一枚の木の葉が、ゆらゆらと舞う。それが地面へと接着した瞬間、両者は動きだした。
「グウッ!!」
宿儺は、目に追えぬ速度で構えていた裏梅に接近し、上腕の右腕で裏梅の腹を打ち、上腕の左腕で裏梅の側頭部を殴りつけた。
残る腕はカウンター対策として、身体の近くで構えていた。
だが少年も辛うじてその攻撃を捉えられており、右腕を顔の横に、左腕を腹部に忍ばせることによって、直撃は避ける。
だが、勢いのまま吹き飛ばされ、数十メートル飛んだ後、地面を数回バウンドして転がった。
「治せ、治してみろ、治せねば死ぬぞ」
「ハァ、ハァ、ハァ………」
息絶え絶えといった様子だった。地に投げ出されている両の腕は、あらぬ方向に曲がり血を吹き出し、所々から骨が見え隠れしていた。
力の入らぬ体にムチを打ち立ち上がろうとする。
「ゴハァ……!ゴボォ………!(これが宿儺様の本気……!)」
だが口から大量の血を吐き出し今にも倒れそうな程ふらついている。
それでも尚、裏梅は諦めなかった。呪力を練っていき必死で立ち上がる。
「(前に、宿儺様は仰っていた。我等が使う呪術は負の感情から捻出された呪力を使うと、そして反転術式とは、その負のエネルギー、呪力同士を掛け合わせたものだと…………ここで出来ねば私は死ぬ……………それだけは!それだけはあってはならない!宿儺様に一生お仕え出来ず死ぬ事など!絶対あってはならない!)」
瞬間、裏梅の両腕から煙が上がり、腕の再生が始まった。それは、折れた骨を繋ぎ合わせ、ちぎれた肉を修復し、ぐちゃぐちゃの神経を接続し、最後に皮膚を治す。
それが全てが数秒で行われ、今少年の腕は先程と変わらぬ綺麗な腕に戻っていた。
「ククッ、クハハッ」
宿儺の気分は高揚していた。これは中の男もガワの男も同様であった。
――――呪術師の成長曲線は必ずとも緩やかじゃない。
確かな土壌、一握りのセンスと想像力。後は些細な
これは現代最強の術師、”五条悟”の言葉だ。
この台詞を宿儺は思い出し、納得する。
裏梅には基礎も、確かな
「お待たせして申し訳ありません宿儺様」
裏梅の吐き出す息が白い霜となる。
集中が増すにつれて裏梅の全身から冷気が発せられ、地面を凍りつかせていく。
――刹那
再び裏梅が、手の平に息を吹きかける。
「おっ?」
宿儺は視た――少年から感じられる呪力の”起こり”を。それを視た彼は『
「出力最大――――『
先程とは比べ物にならない質量の氷の波が襲ってくる。更にそれは宿儺を呑み込んでも止まらず、後ろの木々までも完全に凍りつかせた。
氷に呑まれ、身動きの取れない状態で思考する。
「(これは………ただ氷らせるのではない、俺だけに威力を集中させ脱出を困難にした術式対象の選択………これは中々…………)」
次の瞬間、巨大な氷が縦真っ二つに割れた。
斬撃は地面ごと斬り裂き真っ直ぐ裏梅の元へ進んでいく。少年の目に斬撃は見えていないが、地面が斬られる様子を見て現在の位置を把握し、横に跳ぶ事で回避した。
「ここまでやるとは思わなんだ!」
声を張り上げ未だ空中にいる裏梅へ空を跳んで駆けていく。
凶悪な笑みを顔に張り付け拳を大きく振りかぶる。
――――黒せッ!
裏梅の眼前へと届いた宿儺は確信していた、この攻撃は黒閃と成ると。
その必殺の一撃の最中、引き伸ばされた思考の中でその四つ目が捉えたのは苦い顔をする裏梅の姿だった。
顔面を狙った打撃は、寸前で動きを止めた。
衝撃は来ない代わりに、拳から放たれた拳圧が風となって偉梅の後ろを抜けていく。
風圧で髪が後ろに流れる。
そのまま地面に着地した宿儺はこう一言――
「辞めだ――――裏梅、強くなったな、これからも精々励め(辞めようや、てか裏梅たん強くなったな、これからも頑張るんやで)」
そう言い残し、頭を軽く撫でてから自身の屋敷へと帰っていった。
一人残された少年は撫でられ乱れた髪に手を添えながらその後ろ姿を見ていた。
◇◈◇◈◇◈◇◈◇◈◇◈◇◈◇◈◇◈◇◈◇◈◇◈◇
「陛下………最近噂になっている異形の者ですが、ここから五キロほど離れた西の森で姿を確認したと偵察部隊からの報告でありました」
仄かな蝋燭のみの灯りしかない薄暗い部屋で、長い顎髭を携えた老人が玉座に座る人物へ報告する。その人物の顔は部屋の影に覆われていて良く見えない。
「そうか……では至急、部隊を編成せよその者の姿この目に収めようではないか」
その声は青年を思わせる声だった。陛下と呼ばれた青年は、老人へ命令を出した。
傍から見れば若輩者が、偉そうに指図しているようにしか見えない。しかし老人は、何の異も唱えない。
「ハッ」
その命令を承った老人は、背を向け部屋を出ていく。
「両面宿儺か…………伝承の通りならば一つの肉体に二つの顔があり、四つの手と四本の脚を持つ鬼神………………我が麾下へ加わるならば是非もなし、だが断るならばその時は……………」
◇◈◇◈◇◈◇◈◇◈◇◈◇◈◇◈◇◈◇◈◇◈◇◈◇
パチパチッと焚き火の音が夜空に響く。
その美しい火を囲むのは、異形の姿の大男と、小柄で中性的な容姿で白髪が特徴な少年だった。
その焚き火の傍には串を通されたニジマスの姿があり、程よい焼き目をつけた皮目から脂が滴り落ちていく。
「……………」
大柄な男は無言で焼けたニジマスを手に取り、頬張る。それを見た小柄な少年も、手頃なものを一匹取り、小さくかぶりついた。
「………………」
「………………」
二人は暫く無言で食べていた。そしてようやく全ての魚を食べ終えると、白髪の少年が口を開いた。
「宿儺様、私達は一体何をしているのでしょうか?」
「知らん、俺に聞くな(なんか急に焼き魚が食いたくなったんや)」
二人は修行の帰り、川で魚を釣って塩焼きにして食べていた。もちろん調理は裏梅が、最高の焼き加減に仕上げている。
「帰るぞ、裏梅(ワイについてこい!)」
宿儺はおもむろに立ち上がり、裏梅に呼びかける。
「畏まりました」
裏梅も立ち上がり、お尻に付いた土を払いながら、宿儺の右隣に並ぶ。
宿儺が右腕の下側を裏梅に差し出し、少年もそれに答えるように、手を握った。
そのまま二人は夜道を歩き屋敷へと帰っていく。
最後何でニジマス食わせたかは作者も分からない。
朝食の部分、あれは完全に想像です。
後、あんな覚醒しそうだったのに裏梅の事敗北させちゃってすみません。裏梅が宿儺に一撃入れる未来が見えなかったんです( ´•̥̥̥ω•̥̥̥`)
次回は宿儺と陛下と呼ばれたあの男が邂逅するかも………あの男とは誰なんだァ(すっとぼけ)
誤字脱字などありましたら報告いただけると嬉しいです。
追記
誤字報告ありがとうございます
追追記
誤字報告ありがとうございます
この作品は1話大体5000文字位なのですが、どの位の文字数が皆様にとって丁度いいのか教えて頂きたいです。それを目安に執筆します(アンケート結果によって投稿頻度も変わります)
-
1000文字前後
-
2000文字前後
-
3000文字前後
-
4000文字前後
-
5000文字前後
-
6000文字前後
-
7000文字前後
-
8000文字前後
-
9000文字前後
-
10000文字以上