呪いの王がBLEACH世界に足を踏み入れる   作:ジェネリックたい焼き

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今更ですが、領域を展開した直後に術式を使っていたら術式を治したと思っていただけると幸いです。

それではどうぞ


VS最強・・・③

 戦闘の後が残る建物の屋上の縁に座り、宿儺の戦いをボーッと眺めているアスキン。そんな男がおもむろに口を開く。

 

 「聞いてるか?黒崎一護……………そんで最後は宿儺さんだ。

 あの人は最近陛下が連れてこられたお人でなぁ、それがもうハンパじゃねぇ程気配が邪悪なのよ……………………おっと話が逸れたな……そんでな、あの御方は千年前実在した人間らしいんだ……後、これは秘密なんだがあの人は”呪術”ってやつを使ってるらしい――――――あ、秘密なのに言っちまったよ――――まぁ、どうせ聞こえてねぇか……」

 

 地に絨毯のように倒れ込む一護へ視線を向ける。彼らは先程まで戦っていたが、なんの情報も無い一護では分が悪く、アスキンの能力が初見では対処困難な事もあってアッサリと敗北してしまった。

 

「黒崎くん!!」

 

「一護!!」

 

 後からやってきた織姫と茶渡か倒れ伏す一護に駆け寄る。そんな無防備な姿を晒す二人にアスキンは容赦しない。

 

毒入りプール(ギフト・バート)

 

「うっ………………」

 

「かはっ…………」

 

 アスキンがそう呟いた瞬間、足元が酷く濁ったと思うと救援に来た二人は苦しそうに喉を押えてその場に膝をつき倒れ込んだ。

 

 そんな様子を見てアスキンは言う。

 

「苦しいだろ?そんなお前らに教えてやろう――――このプールの中に踏み込むと、致死とまではいかないが、俺の指定したものの耐性を下げることが出来る――――今回指定したものは”霊子”、つまりあんたらはこの濃すぎる霊子に当てられて霊子中毒になっちまってるのさ」

 

 自身の能力を淡々と語る。しかしそんな理不尽な能力を前に二人は諦めることは無い――むしろその目には激しい闘志が宿っている。

 

「…………はぁ、揃いも揃ってメンドくさい奴らだぜ、少しは諦めたらどーなのよ」

 

 やれやれと首を振りながら溜め息を吐き、そう呟く。

 

「これだから若者はメンドくさいんだ…………いいか?俺のポリシー的に首を折って殺したりしたらナンセンスなのよ、だからこのまま大人しく待っててほしいんだよ」

 

 我儘な子供に言い聞かせるようにそう諭す。

 アスキンは先程カフェオレを飲み過ぎたため満腹だ。彼が能力を使うには、対象の物質を体内に取り込まないといけない為そう言ったのだが、これを言ったら二人の目が更に厳しくなった為、逆効果だったようだ。

 

 そして時間をかけ過ぎたのか、背後に一人の女性が現れる。

 

「ほう、これはまた異な事を言う奴じゃ、そんなものなぞ無視してトドメを刺せば良かろうに」

 

 その女性、夜一は程よい高さの瓦礫にコウモリのように逆さになって掴まり、その状態で話しかけていた。

 

「オイオイ、さっきの話聞いてたろ――――それに……自分のポリシー曲げちまったらそれはもう男じゃねぇ…よ!」

 

 最後の言葉とともに後ろの夜一目掛けて回し蹴りを放つ。しかし相手は瞬神と呼ばれた最速の者。

 その蹴りは難なく躱され空振りに終わった。

 

「はぁ、全くついてないぜ、元隊長が相手なんてよぉ…………」

 

「なんじゃ、この美女を相手に出来るのじゃ――光栄に思えよ」

 

 自信満々に自信を美女と宣言する夜一。確かに彼女は美人だだがアスキンはアスキンそんな事で判断しない…………。

 

「確かにアンタは美人だが、女の価値は顔じゃねぇよ…………オシャレかどうかだ!!」

 

 手首に収納していた折り畳める弓を取り出し、霊子で作った矢を番えて放つ。

 

 ――――両者の戦いはまだ始まったばかりだ。

 

 

 

◇◈◇◈◇◈◇◈◇◈◇◈◇◈◇◈◇◈◇◈◇◈◇◈◇

 

 

 領域を展開した宿儺は魔虚羅と共に更木に激しい攻撃を加えていた。

 

 息付く暇も無い二人の連撃。今は捌けているが、押され気味なのは間違いない。

 ”野晒”を振るえば魔虚羅が受ける。攻撃を魔虚羅に当てれば当てる程適応の速度は増していき、更木も適応が進む度にその都度攻撃の威力を高めるので結局はイタチごっこだ。

 

 だが更木が傷を無視して動けるのも後一分強しかない。それまでに宿儺を仕留めることが出来れば更木の勝ち。もし仕留められなければ、勝つのはかなり厳しいだろう。

 

「貴様のその回復もいつまで持つか見物だな」

 

 宿儺は、あの更木が見せた異常な回復手段の弱点についておおよそ見抜いていた。

 時間制限か、あるいは使い終わった後に甚大な後遺症が残るか…………宿儺は前者の可能性が高いだろうと当たりをつけた。

 

 ――――実際その考えは当たっている。

 

 だが、宿儺の唯一の誤算は、更木がそれについて何も知らされていなかったことである。

 だからそんな事言われてもなんの事分からない。………………まぁ最も、分かっていたとしても「その時間が終わる前までに殺しゃあ良い」とか言いそうだが…………。

 

 ――――しかしここで更木に異変が起こる。

 

「クソが…………」

 

 ――――領域の必中効果による斬撃とは違う種類の斬撃が更木の身体を傷つけた。

 それはまるで体内が刻まれている様な感覚であった。

 

 ――――この攻撃を加えたのは魔虚羅だ。彼は防御面以外にも攻撃面で適応を進めていた。

 

 更木の硬い肉体を破る方法として魔虚羅は、接触した対象の内側から細かい斬撃を無数に発生させる方向へと適応する。

 

 今までは単純で綺麗な一直線の切り傷のみだったが、こちらは内部から炸裂して、その肉をグチャグチャにする様に放たれる細かい斬撃……………………その内からも外からも発生する斬撃を食らう更木の再生が僅かだが遅れる。

 

 ――そして何より、魔虚羅が呪力と霊力を扱い始めていた。

 

 そんな魔虚羅の主人である宿儺はというと、ある一人の者をジッと見つめていた。

 

「まだだ…………こんなものでは無いだろう…………」

 

 その者に向かってそう呟きながら、宿儺自身も即座に魔虚羅の攻撃方法を模倣し、攻撃を加えていく。

 宿儺にとってこの攻撃方法はそう難しいことでは無い。

 

 魔虚羅が正面から更木の顔面を狙って拳を放てば、それはブラフで、下から反対の腕での顎を正確に撃ち抜くようにアッパーが飛んでくる。

 そしてそれを顔を上に傾けることで躱せば、頭上から宿儺の前転で威力を増した踵落としが繰り出される。

 

「ハッハァッ!!そう来なくちゃなァ!!!」

 

 しかし更木は自身の眼前まで迫ってきている踵を、躊躇いもせず狂った笑顔で受けた。

 綺麗にヒットしたそれは更木の顔を凹ませる程の威力を持つが、更木はそれに臆することなくその脚を掴み取り、勢い良く地面に叩きようと力を込めた。

 

 その投げでの遠心力で血液が頭に集中し、目や耳、鼻から血を垂らす。もう間もなく叩きつけられんとした瞬間…………。

 

「魔虚羅ッ!!」

 

 そう叫んだ宿儺の元に地面に激突する寸前で魔虚羅が現れ、衝撃を緩和して受け止めようとする。……………………しかし宿儺は、魔虚羅を巻き込む様な形で地面に叩きつけられた。

 

「…………ッ!!」

 

 その威力は、宿儺と魔虚羅を地面に数メートルも埋める程で凄まじい威力だった。

 

 ――――宿儺は全身に静血装を張り巡らしていたが、それでも相当なダメージを食らった事で領域が崩れ始める。

 

「フゥ…………さすがに死んじゃいねェハズだ…………出て来い」

 

 更木は間髪入れず宿儺たちが沈んだ穴に向かって話し掛ける。

 

 だがそこから返って来たのは一筋の斬撃だった。それは、穴の底から周りの地面を綺麗に一直線上に切断していたが、更木はそれを戦斧を使って弾く。

 

「つまんねェ事してねェで出て来やがれ!!」

 

 雑な攻撃に少し苛立ち、穴ごと吹き飛ばそうと戦斧の柄を強く握り締めて振り下ろそうとした瞬間、背後からボコッという音が聞こえた。

 

 更木はその異音にすぐさま反応し、狙いを変えてそちらに向かって横一閃、戦斧を振り向きと同時に振り抜いた……………………筈だった…………。

 

「……あァ?」

 

 しかし、綺麗に切断したような手応えはなく、手に返ってきたのは中途半端に斬った様な反応だった。

 それもその筈、更木が斬ったのは穴に居るはずの魔虚羅だったのだ。

 この式神は、更木に沈められた穴から横穴を掘り、奇襲するような形で背後から勢い良飛び出して更木の意識を集中させた――――――そしてそれらが全て宿儺の命令だった。

 

「こんなつまらん手に掛かるとはな…………」

 

 魔虚羅に気を取られている更木の背後の穴から突如として飛び出してくる。宿儺は顔に笑みを浮かべ、その勢いのまま大きく拳を構える。

 

 その音を拾った更木は勢い良く振り返り、斬魄刀を間に挟んでその威力を軽減しようとするが、時既に遅し…………。

 

 宿儺の最凶の拳が更木の腎臓辺りに引き込まれるようにして直撃した。

 

 ――――黒閃ッ!!!

 

「フハッ……!」

 

 清々しい程の笑みを浮かべる宿儺。それは今までで一番威力が乗り、黒い火花が眩しいほど煌めいた。

 

「グッ…………ガァッ……!」

 

 その拳が直撃した更木は血反吐を吐き、ピンボールの様に弾けて飛んでいった。

 しかし、拳を振り切ったままの姿勢の宿儺は、何やら眉間に皺を寄せて難しい顔をしていた。

 今の一撃は更木に致命傷を与えている事を宿儺は確認している。吹き飛んでいる最中、傷が回復していないのが見えたからだ。

 

 ほぼ勝利と言っていい状況で何故こんな表情を浮かべるのか………………。

 

「――ッ魔虚羅ッ!!」

 

 突如として宿儺が焦燥した表情で魔虚羅の名を呼び、自身の影の中に潜った。そして名を呼ばれた魔虚羅は宿儺の命令を受理し、更木の元へ高速で駆け抜けていく。

 

 ――――更木に何らかの異変が起きていた。

 

 

 

◇◈◇◈◇◈◇◈◇◈◇◈◇◈◇◈◇◈◇◈◇◈◇◈◇

 

 

 一方、宿儺によって多大なダメージを負った更木は、幾つもの建物をその身で貫きながら破壊していき、暫くした所でようやく止まった。

 

「……………………」

 

 その身体の至る所から血を垂れ流し、うつ伏せでピクリとも動かない更木。

 一見死体のように思えるだろう、しかしその霊圧はまだ僅かながらに感じられ、息があることが伺える。

 

「(チクショウ…………俺はまだヤツの全てを引き出せてねェ…………戦える………………俺はまだ戦える…………)」

 

 意識がありながらも言う事を聞かない身体に嫌気がさす。「まだ終わっちゃいねェ」「まだ俺は動ける」そんな事を心の中で何度も繰り返しながら立ち上がろうと力を込める。

 

 ――――だが身体は言う事を聞かない。

 

「クソが…………」

 

 辛うじて動いたその口から漏れ出たのはそんな言葉だった。自身の不甲斐なさに苛立っているのだろう。

 

 過去、そんな経験をした更木はその悔しさを二度と味わわない為に強くなることを決めた。………………だがいくら心に決めようとこんなザマじゃその誓いに全くの意味は無い。

 

 自身の意識が遠くなるのを感じている最中、どこか懐かしい声が聞こえた気がした。

 

 

 

◇◈◇◈◇◈◇◈◇◈◇◈◇◈◇◈◇◈◇◈◇◈◇◈◇

 

 

「「隊長!!!」」

 

「フンッ、所詮更木もこの程度なのかネ、あんなに意気揚々と出て行った癖に……この役たたずめ…………」

 

 吐き捨てる様にそう言うマユリに納得がいかなかったのか一角が声を荒らげる。

 

「オイ、テメェ!!隊長になんてコト言いやがる!!!」

 

「涅隊長、流石に今の発言は僕でも見逃せません、発言の撤回をお願します」

 

「………………(だが、そうは言ったもののここまで早く更木が倒れるとは、流石に私としても少々想定外だ…………)」

 

 二人の声を華麗に無視しつつ、あの術を解析しながら別で思考する。

 未だあの領域に対抗出来る手段は無く、研究途中だ。しかし、実物を直接視た事で解像度が以前とは違い格段に跳ね上がり、解析はスムーズに進んでいる。

 

 そしてマユリが扱う巨大なPCの様なものには、見るのも億劫になる程の英数字の文字群がびっしりと並んでいたり、別の画面にはあの未知のエネルギーを解析した結果観測された波長の様なものが絶えず波打っていた。

 

 そんなこんなで今の所、解析の方は順調だ。だが、今まで囮…………では無く足止めとして使っていた更木が使い物にならなくなったので別の者を送り出す必要がある。

 

「………………」

 

 そこまで考えたマユリは、左目のみをギョロっと不気味に動かし、一角と弓親、ネムを見つめる。…………さっきから恐怖で一言も喋らない花太郎は論外だ。

 

「「………………ッッ!」」

 

 そんないきなり不気味に見つめられたネムを除く二人は、背筋に冷たいものが走ったという。

 

「(無理だネ、コイツら全員でかかっても、三秒と経たずに殺されるのがオチだ………………まぁ、あの化け物相手に三秒時間が稼げるだけ上々か…………)」

 

 数秒の内に脳内でとてつもなく酷い結論に至ったマユリは命令を下す。

 

「お前たち三人は奴の元へ向かえ、別に死んでも構わん、時間さえ稼げれば上々といった所だヨ」

 

 ひとえに生贄となれと言われているようなものだ。だがしかし今はこれが最善である。

 

 恐らくというか確実に、更木にトドメを指した宿儺は、すぐさまこちらに向かってくるだろう。そうしたら今まで解析したのも全部パァとなってしまう。

 そんな事になるくらいなら副隊長並の実力を持つ三名の命の方が軽い、マユリはそう判断しただけだ。

 

「おう…………」

 

「…………………」

 

「………………」

 

 一角もそれを感じ取ったのか決心した様に返事をするが、弓親とネムは無言のままだ。だが二人も分かっているだろう今の最善策はコレだと。

 宿儺がこちらへ来ないなどありえない。一度姿を見られた時点で、既に場所は捕捉されている。それを皆は分かっていた。

 

 ――――コツッ、コツッ

 

 しかし、そんな静寂を破るようにして辺りに足音が響いた。

 

「その必要はありません」

 

 その足音の主の声がそこの場にいる全員の耳に入る。そしてその声は、皆にとって聞いた事があるものだった。

 

「何故お前がここに…………」

 

 その者の姿を見たマユリは目を見開いて驚き、他の者達まで驚いたような顔を浮かべていた。

 

 この人物は正史では死んでいたはずの人物であり、実際マユリも死んだものと思っていた。

 

 その人物とは――――




そろそろクドいとか思われそうだけど次話位で対更木は終わらせる予定です。

あと設定とか時間などガバガバじゃんと思われるかもしれませんが、謝っておきます。

本当に申し訳ございませんでした!!

この作品は1話大体5000文字位なのですが、どの位の文字数が皆様にとって丁度いいのか教えて頂きたいです。それを目安に執筆します(アンケート結果によって投稿頻度も変わります)

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