呪いの王がBLEACH世界に足を踏み入れる   作:ジェネリックたい焼き

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ちょっと文章がごちゃごちゃかもしれません。

それではどうぞ

追記
本当に申し訳ありません。この話で魔虚羅は退場させるつもりだったのですが、僕の最悪なミスでそこを描写していませんでした。魔虚羅の登場を期待していた方が居ましたら申し訳ありません。
話の方は既に編集済みですので、こちらをお楽しみください(話の構成などは変えていません。ラストの方に魔虚羅が消滅する描写を書き加えたのみです)


VS最強・・・④

 宿儺が影を経由し、更木の元に着いた時にはピクリとも動かぬ更木が目に入る。

 最早死体同然の者にも関わらず、そんな姿を見た宿儺は少し遅れて到着した魔虚羅と共に攻撃を加えんと疾走した。

 

 ――しかし、更木に攻撃を加えることは叶わなかった。

 

「…………ッッ」

 

 何故なら、突如として更木の全身からハッキリと可視化出来るほどの凄まじく大きな霊圧が発せられたのだ。

 

「チッ、間に合わんかったか……………」

 

 あの変化に心当たりがある宿儺は忌々しそうにそう呟くが、心做しか顔には笑みがあった。

 

 やがて霊圧の中から更木の姿が露になる。

 

「――――それが貴様の”卍解”という訳か」

 

 露になったその姿を観察すると、その皮膚は全身赤に染まり、額からは凶悪な二本の角が生えていた。最早その目に理性と呼ばれるモノは感じられない。

 そして何より、巨大な戦斧へと姿を変えていた斬魄刀……その先端辺りが折れており、とても武器とは言えない物となっていた。

 

 ――だが宿儺は知っている。卍解を発動させた更木の強さを…………。

 

「…………ククッ」

 

 千年ぶりに感じる緊張――自身の身体が僅かに震えているのが感じられた。

 

 ――それは恐怖か武者震いか……………………。

 

 ニヤッと笑みを浮かべた宿儺は拳を握り締め、今にも飛びかかってきそうな獲物(更木)を見つめる。

 

「来い、先ずはその鱗から剥いでやる」

 

 こちらも戦闘態勢をとり、ポキポキッと指を鳴らす。

 

 宿儺の呪力は過去最高に躍っている。未知の力、未知の敵――――先程までとは比べ物にならない力を発する更木相手に先程から高揚が治まらない。

 

「ガァ゙ァ゙ァ゙ア゙ア゙ッ゙!!!」

 

 更木が雄叫びと同時に宿儺に急接近する。先程とは比べ物にならない程の速度――――

 

 宿儺の体格ほどもある折れた戦斧を、宿儺目掛けて振り下ろした更木だったが、その間に魔虚羅が割り込む。

 

 そして腕を交差させて受けた受けた魔虚羅だったが、いとも容易く身体が真っ二つに斬り裂かれる。辛うじて方陣だけは無事だが、今までの適応が意味を成さないと錯覚する程に綺麗に両断されていた。

 

「(こいつ…………やはり膂力(パワー)敏捷性(アジリティ)先程までとは比べ物にならん程に上昇している…………)」

 

 ――――ガコンッ

 

 方陣が鳴ると切断面が綺麗にくっつき、全快する。そして更木は目にも止まらぬ速さでその場から消え去り、宿儺の目の前に現れた。

 

 そして戦斧を一振……………………する前、振りかぶった瞬間にその腕を魔虚羅に抑えられてしまう。

 

「オォォォォオオオオ!!!」

 

 すると突如野太い雄叫びを上げ、目の前にいる宿儺に前蹴りをかます。それは丁度宿儺の腹にぶち当たり、遥か遠くまで飛ばした。

 

 そして片手間に魔虚羅の拘束を振りほどき、戦斧を振るい上半身と下半身を別れさせる。そして更木は豆粒ほどに小さくなった宿儺を見据え、真っ直ぐに跳んだ。

 

 

 

「クハハハハハッ!!これが貴様の本気という訳か!!――更木剣八!!」

 

 凄まじい速度で吹き飛ばされながら愉しそうに嗤う。そして空中で体勢を整えてこちらに迫る更木に数多の斬撃と神聖滅矢(ハイリッヒ・プファイル)を放つ。

 

「よもや卍解による強化がここまでとはな……!」

 

 刃と矢が全く通っていない皮膚を見てそう思う。そして未だ吹き飛ぶ勢いは衰えず、いつの間にか隣の旧零番離殿まで辿り着いていた。

 

 そこはジェラルドが聖文字で巨大化し、多数の死神たちと戦っている最中だった。だが宿儺の目にはそれは入らず、ロケットのような勢いで跳んでくる更木を見据える。

 

「来るか!!」

 

 次の瞬間には戦斧を振りかざした更木が目の前まで迫っていた。

 

 そして当たれば即死であろう一撃を宿儺目掛けて振り下ろすが…………。

 

「――――この程度で俺を殺せると思っていたのか?」

 

 余裕そうな笑みを浮かべてそう言った宿儺は、凄まじく洗練された技で更木の戦斧に触れて、腕を犠牲にする事で直撃は逸らした。

 

 そして幸か不幸かその行き場の無い一撃がジェラルドを襲う。

 

 

 

 

 

 今しがた更木の一撃がジェラルドを真っ二つにした瞬間を目撃していた日番谷と朽木。そんな二人の意識は、赤くなっている更木もそうだがそれと戦っている一人の女に向けられていた。

 

「おい、朽木……お前アイツについて詳しく知ってるか?」

 

 日番谷が隣にいる朽木に問いかける。その視線の先では両者が至る所にある建物を跳ね蹴りながら、縦横無尽に走り回って戦っている姿があった。

 

「………………恐らくだが、奴は両面宿儺と呼ばれるものだろう……」

 

「その事は俺も既に聞いた、俺が聞きたいのはもっとこう「承知している」」

 

 日番谷自身も山本重國が死んだ際に隊長らで集まった時、他の詳しい者たちからおおよそのことは聞いていた。しかし、彼ら自身も確証は得られていない様子だったので、日番谷自身も混乱していたのだ。

 

 ――――最も一人の女性はなにやら一言も喋らずにいたそうだが…………

 

 そして今、あの時朽木はあの場に居なかった事を思い出し、今現在聞いてみたという訳だ。

 

「――――私も詳しい事は知らぬ…………ただ我が家に存在すの文献には僅かながらこう記されていた――――『あの鬼神の機嫌を損ねるべからず、もしこの禁を破れば呪い(わざわい)が降りかかるであろう』とな、これを読んだ時は幼少だった故信じてはいなかったが、今確信した――――――奴は呪いそのものだ」

 

 高い建物を踏み蹴りながら上空で笑みを浮かべて更木の攻撃を捌く宿儺を見てそう感じる………………あれは人では無い…………呪いだと…………。

 

 

 

 

 

「もっとだ……もっと!もっと!!」

 

 更木が戦斧を一振する度に宿儺の腕が壊れる。かなり適応を進めた魔虚羅ですら一刀のもとに切り伏せられたのだ。そんな状況で未だ致命傷を負っていない宿儺の技量は凄まじい。

 

 そして遅れながらに魔虚羅が追いつき、この戦いに参戦する。

 

 そんな中、ジェラルドがそれらしい口上を述べた後にこちらに向き直り何かをごちゃごちゃ言っているようだったが、それすらも鬱陶しかった。

 

「邪魔だ、俺たちの戦いの邪魔をするな塵芥(ゴミ)が」

 

 その言葉と共に縦横四分割にジェラルドが割れる。

 

 宿儺が斬ったのは縦半分…………もう一つはというと更木だった。

 彼は理性が怪しい中、本能とも呼べるべき場所で反射し、この戦いを邪魔する可能性があるジェラルドに攻撃を加えたのだ。

 

「貴様…………後悔するぞ………………」

 

 そう言い残しジェラルドは倒れた――――だが最早そんなもの眼中に無い。

 

 三者は再び激しくぶつかり合う――更木の一撃を完全に躱す宿儺だが、先程から威力がどんどん上がる一撃…………完全に躱せど戦斧の側面に発生する引き込まれるような風に身体が持っていかれて身体が削られる。

 

 幸いというべきかこの戦いで一度も脳は傷つけられてはいない為、出力は落ちたが反転術式も問題なく行使できる。

 

 ――――しかしそれでも、戦況は更木に傾いていた。それ程までに強力な卍解………………宿儺はこれをどう攻略するのか…………。

 

「『捌』」

 

 いきなり無防備にも接近し、直接一撃を叩き込む宿儺…………そしてその攻撃は更木の皮膚に傷つける事に成功する。

 しかし傷をつけただけ、その程度で更木が止まる道理はなく必殺の一撃が宿儺の頭に迫る。

 

「――――ッ」

 

 その攻撃は宿儺が後退することで回避したが、僅かに間に合わず、胸の辺りが斬りつけられるが問題無い。それより今の宿儺の脳内には疑問があった。

 

「(妙だな……そろそろ奴の肉体に限界が来てもいい筈だ………………なのに何故………………?――――まさかッ!?――あの奇妙な回復手段が奴の肉体を強化していたとでもいうのか…………!)」

 

『霊圧回復薬』これはマユリが渡したもので、その効果は、これを投与された者の霊圧を用いてその傷を治すというものだが、これにはもう一つの恩恵があった。

 

 それはマユリ自身知っていたものの、そんなつもりで更木に投与した訳では無い効力――――それは…………

 

「――――細胞の強制破壊と再生…………」

 

 そう、これは普通ならば細胞が過剰に回復して破裂してしまうものをこの薬はそれすらも治癒する事で5分間…………急激な破壊と再生を繰り返された更木の細胞はより強靭になり、最早肉体を作り替えているレベルまでに昇華していた。

 

 その為、原作で起きた自身の有り余った力で自壊するということも無くなったという訳で………………。

 

「(チッ、一つのプランが潰れたか…………だが良い、まだ手など幾らでもある)」

 

 胸についた傷を治しながらそう考えた宿儺は、こちらに突貫してくる更木を前に余裕そうな笑みを浮かべて迎え撃つ。

 

 ――――これより41秒後――両面宿儺の⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎(⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎)新世界城(ヴァールヴェルト)に戦跡を刻む。

 

 

 

◇◈◇◈◇◈◇◈◇◈◇◈◇◈◇◈◇◈◇◈◇◈◇◈◇

 

 

「それで、お前は奴の変化について知っていたのかネ?」

 

「ええ勿論知っていましたよ、彼は私との修練を経て必ず卍解まで辿り着けると」

 

 マユリたちの前に現れた女性がニッコリと微笑みながらそう言う。彼女も少し離れた箇所で巨大な二つの力がぶつかり合っていることは感じ取っていた。

 

「ふんッ…………それよりお前は何故生きているのだヨ、てっきり更木との戦いに敗れて死んだものかと思っていたのだがネ」

 

「なに、簡単なことです………………私は彼と再び死合うまで死ねなかった。その思いのみが私を生かしたのですよ」

 

「私には分からんヨ、何故そこまで突き動かされるのかネ」

 

 マユリはそのイカれた思考に呆れ、作業に戻る。彼は思いなどという非科学的なものは信じないどころか、「これだがら狂った狂人共は…………」などと心の中で思ってたりする。

 

 彼も狂人という括りで見れば、その枠にピッタリと当てはまるのだが…………。

 

「くれぐれも私の邪魔だけはしてくれるなヨ」

 

 マユリのその指示に対して了承したとばかりに優しそうな笑みを浮かべた。

 

「「「ッ…………!」」」

 

 その微笑みを見て一角と弓親、花太郎たちに原因不明の寒気が襲ったという。

 

 

 

◇◈◇◈◇◈◇◈◇◈◇◈◇◈◇◈◇◈◇◈◇◈◇◈◇

 

 

「………………」

 

 一見余裕そうに見える宿儺だったが、僅かに鼻血を垂らした。

 

 ただでさえブラックボックスな呪術師の脳、そこの破壊と再生を繰り返せばダメージは蓄積されていくのは原作の五条で分かった事だった。

 だが、更木を相手に徒手空拳のみでは心許なくその行為を繰り返していたのだが、ここに来てようやくそのダメージが見えた。

 

 鼻血を拭った宿儺は、魔虚羅と共に更木に攻撃を仕掛ける。

 

 空気を裂くようにして放たれた先程と同様の内を刻む斬撃も織り交ぜた打撃は、更木の左頬に直撃するが、まるで堪えた様子がない。

 

 魔虚羅もそれと同時に背骨目掛けて宿儺と同様の効果を持つ拳を放つが、こちらもダメージを与えられた様子はなし。

 

 ――――ガコンッ

 

 未だに有効打が見いだせない二人だが、魔虚羅の適応は着実に進んでいく。

 

 三者とも空中に跳び上がり、攻撃を放つ。

 

 更木が戦斧を宿儺の脳天に振り下ろし、魔虚羅がその横から拳を繰り出す。そして宿儺が更木の振り下ろしを避けながら左側頭部目掛けて上段蹴りを当て、更木を横に吹き飛ばす。

 

 凄まじい勢いで吹き飛び、瓦礫の山に埋もれた更木だったが……………………。

 

「ガァァア゙ア゙ア゙!!」

 

 辺りに響く様な雄叫びを上げながら何とも無かったかのように瓦礫の山から飛び出し、宿儺に襲いかかった。

 

「(今の奴は己の本能に従い、その場にいる一番の強者のみに襲いかかっている…………先程から魔虚羅に見向きもしないのはそれが理由だろう………………)」

 

 そんな事を考えながら更木の攻撃を魔虚羅中心に捌いていく。宿儺の過程通り、更木の標的は宿儺のみに向いており、間に入っている魔虚羅を無視して攻撃を加えようとする。

 

「(狙いが分かっているならば対処は容易い………………それにもう間も無く俺の見たいものが見れるだろう……………………)」

 

 何か心の中で意味深な事を考えながら攻防を続けていた宿儺だが、右腕が肩から切断されてしまう。そしてその流れのまま更木がおもむろに宿儺の頭を掴み取った。

 

 更木の大きな手に宿儺の小さな顔はすっぽり埋まった。

 

「――お?」

 

 それは今までに無かった手段、その僅かな慢心が良くなかった………………抵抗する間もなく持ち上げられた宿儺は、大きく振りかぶった更木を止める暇もなく再び遠くの上空に投げ飛ばされた。

 

 そして先程居た場所では、何やら光り輝くジェラルドがまた復活したようだったが、それは宿儺のあずかり知る事ではない。

 

 当然更木もそうで、自ら投げ飛ばした宿儺を追い掛ける。もちろん魔虚羅も主君の元へ駆け付けようと行動を開始した。

 

 

 

 投げ飛ばされた宿儺は勢いに身を任せ自由落下していた。ひんやりとした空気を全身で感じながら落下していたが、突如として宿儺の身体に影が射す。そしてその元凶を見つめると、勿論更木だった。その更に背後からは魔虚羅がこちらに向かっている。

 

 そして更木が落下しながら宿儺に重い一撃を放たんと両手で戦斧を握り締め、全身の筋肉を軋ませながらその一撃を叩き込んだ。

 

 しかしその一撃は宿儺が空を蹴ることで回避する。しかし、それだけではなく、戦斧は空気すらも斬り裂いた為に一時的に更木の戦斧の軌道上には空気が存在しなくなり、少し後にその隙間を埋めるようにして辺りの空気が流れ込むため、簡易的な『蒼』になっていた。

 

 これは先程も小規模だが似たような事が起こっている。そしてそんなに理不尽な流れに巻き込まれ、退避した宿儺が更木の元へ吸い寄せられる。

 

「やはり貴様は面白い!!!」

 

 しかし宿儺はそれに臆さず、不安定な体勢ながら更木の脇腹に拳を食らわせ、姿勢を崩す事に成功する。――――――が、更木も負けじと崩れた体勢から戦斧を振り抜き、宿儺の胴体を真っ二つにせんと力を込めた。

 

「魔虚羅!!」

 

 しかし更木のその攻撃は、割り込んできた魔虚羅が宿儺を押し飛ばすことで宿儺を殺すまでには至らなかった。

 しかし、魔虚羅を両断しても尚その戦斧は宿儺の左脇腹に深い傷を残していた。

 

「…………ゴフッ」

 

 その為、臓器を傷つけられた宿儺は口から大量の血を吐く。右腕からも左脇腹からも大量の血を流しているので、常人ならばこのままでは命が危ない――――――まぁ宿儺には関係ないのだが…………。

 

 白煙を起こしながら、傷を再生する宿儺――そしめ自身が先程から感じていた事だが、反転術式での再生速度が僅かに落ちてきていた。

 

 度重なる領域の展開、そして自らの脳を破壊し再生するという危険な行為――――それらの積み重ねで出力が明らかに低下していた。

 

 当然そんな事情など更木には関係なく、傷を治しながら落下していく宿儺目掛けて自身も急降下した。

 

 地上に降り立った宿儺は上空から凄まじい速度でこちらに降ってくる更木を見上げる。これらに到達するまであと一秒も無いだろう………………。

 

「ククッ」

 

 ――そんな中宿儺は嗤う。落下エネルギーが加わった更木の攻撃はそれが触れた瞬間に周囲に轟音が鳴り響き、広範囲の地面が蜘蛛の巣状に割り砕かれた。

 そんな圧倒的なパワーを遺憾無く発揮するした更木…………その攻撃の標的にされた宿儺は………………。

 

 危機一髪、後ろに跳ぶ事で回避したが、滞空中にも関わらず地面に戦斧を振り抜いた後の更木の顔がグリンッと上を向き、宿儺の姿をしっかりと捉える。

 

 そして既にボロボロの地面を更に凹ませながら弾丸にも思える速度で真っ直ぐに宿儺に突進する。

 

「全く……理性を失った獣ほど面倒なものは無い…………」

 

 そう呟きながら先程の更木の一撃で宙に舞っている瓦礫を掴み、それを更木目掛けて連続で投げつけた。

 

 …………が、それなもの目眩し程度にしかならず、更木に触れた瞬間砕け散って碌なダメージすら与えられず終わったが、これは本命ではない。

 

「ッッ…………!!!」

 

 そして宿儺まであと少しという所で突如として更木が空中で身を捩る。

 

 ――――その最中、僅かに更木の戦斧がぶれたように動いていた。

 

 そしてそんな彼だが、今まで常に笑っていた顔は一瞬驚愕に染まっていた。

 

 それは何故なのか…………

 

「良い……それで良い…………」

 

 ――先程まで傷らしい傷がつかなかった更木の右腕が綺麗に切断されたためだ。

 この攻撃は更木の首目掛けて放たれており、あのまま躱さなければ絶命していだろう。

 

 そしてその攻撃を放ったのは魔虚羅――――ここで初めて更木は自身を今一番殺す可能性を持っている魔虚羅に突貫し、斧を振りかぶる。

 

 理性を失った状態で命の危機に晒された更木は、過去一番の力を生み出しそれを魔虚羅に放った。その一撃は、旧零番離殿の一部が大きく削り取られる程で、その凄まじい威力を物語っていた。

 

 そして当然その攻撃を受けた魔虚羅は跡形もなく消し飛び、消滅した。

 

 ――――が、それが大きな隙となり、その行動が更木の命運を分けた。

 

「ア゙ァ゙?」

 

 そう声を出した時にはもう遅く、戦斧を振り下ろした体勢のまま更木の上半身と下半身に細く赤い一筋の線が走り、それに沿って身体が両断された。

 

 ――更木の最期を見た宿儺はこう口にする。

 

「この戦い、俺は自身に一つのルールを設けていた――――『魔虚羅が貴様に有効打を与えるまで決して先の技は使用しない』と……思っていたより魔虚羅の適応に時間が掛かったが奴はそれを成した………………どちらにせよ貴様が勝つ未来は無かったのだ……………………だが誇れ俺は生涯貴様を忘れることは無いだろう――――更木剣八」

 

 顔に笑みを浮かべながらそう呟く。しかしそんな中、宿儺に異変が起こる――――

 

「…………何?」

 

 宿儺の頭から勢い良く血が吹きでてたのだ、それは止まることなく吹き出し続けている。

 反転術式の出力が落ちているにも関わらず脳にダメージを負ってしまう。先程と同様の速度とまではお世辞にも言えないが、その傷を慎重に塞いでいく。

 

 ――――更木が魔虚羅の斬撃を避けた時、一瞬戦斧がぶれた際に頭をカチ割ったのだろう。

 

「厄介な置き土産を残してくれたな…………」

 

 そんな決して無視できぬ傷を治癒している最中、遥か後方の上空から懐かしい気配を感じとる。

 

「この気配は………………そうか……そうか…………貴様はその道を選んだのだな」

 

 その人物を見据えながら笑みを浮かべる。

 

「今は機嫌がいい――――頼むから興を削ぐなよ」

 

 ――――続け様に新たな戦いが開幕する。




更木が真っ二つになってますがこの世界、回復に関しては他の追随を許さ
ないチーターが居るので安心してください。どうやって真っ二つになったかはいつか書くかも………まぁ、皆様は知っていると思いますが………それと宿儺完全に舐めプしてましたね、けど細かい事は気にしないでください。

後、ジェラルドの扱いが不憫で申し訳ありません。こうするしか無かったんです…………


申し訳程度に入っている宿儺の滅却師要素ですが、正直術式さえあればあんま要らないかな………とか思っているので滅多に出てきません……


追記
いつも誤字報告ありがとうございます

追追記
誤字報告感謝です(9月3日 22時10分)

この作品は1話大体5000文字位なのですが、どの位の文字数が皆様にとって丁度いいのか教えて頂きたいです。それを目安に執筆します(アンケート結果によって投稿頻度も変わります)

  • 1000文字前後
  • 2000文字前後
  • 3000文字前後
  • 4000文字前後
  • 5000文字前後
  • 6000文字前後
  • 7000文字前後
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  • 10000文字以上
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