呪いの王がBLEACH世界に足を踏み入れる   作:ジェネリックたい焼き

27 / 42
前回の話を六時に投稿できていなかった。すぐ気付けなかった………
( ◜ω◝ ).;:…( ◜ω◝ ...:.;::..( ◜;::: .:.;: サラサラ..ソレデハドウゾ




VS死神達……⑤

 六人に周囲を囲まれながら、手始めにクロス状の巨大な斬撃を日番谷のみに飛ばす。それは空を斬り裂き日番谷の命を絶たんと突き進んでいた。

 

 その斬撃に対し日番谷は、冷静に自身との間に分厚く強度がある氷を生成し、その斬撃を防ぐ。しかし宿儺の狙いはそれでは無く――――

 

「(――ッッ!!飛ばした斬撃よりも早く……!)」

 

 斬撃よりも速く、宿儺が日番谷の背後に現れた。そして無防備に背を向ける彼に鋭い拳を振り抜き、彼の心臓を貫く。

 

「これは……」

 

 しかし彼の心臓を貫くとそれは薄氷へと変わって砕け散った。そして宿儺は彼の声を己の背後で聞いく。

 

「あめぇよ」

 

 日番谷のその冷たい言葉と同時に、お返しとばかりに宿儺の心臓に刃が貫き通った。

 

「――――『竜霰架(りゅうせんか)』」

 

 宿儺の全身が即座に凍結する。

 そんな身動きが取れない中、透き通った氷に囚われた宿儺の表情は嗤っていた。

 そして次の瞬間、宿儺を覆う十字架の氷塊に亀裂が入る。

 

「やっぱりか………………」

 

 日番谷のその呟きと共に氷塊が砕け散る。

 

「惜しかったな……脳にでも突き刺せたら殺せたかもしれん」

 

 氷の破片が辺りの光を反射し宿儺を輝かしく照らす。その光景は戦闘中でなければ思わず魅入っていた程に美しかった。光と中に存在する一点の深い闇。

 その闇がこちらを覗いている。

 

 だが、視線だけで見た者の意識を刈り取れそうな視線を受けて尚、日番谷の心は揺るがない。何故ならばここに来る前、彼女と約束したのだ。

 

 

 

『ありがとな雛森――行ってくる』

 

 雷をその身で受けた日番谷は全身の肉が爛れていたが、雛森の懸命な治療の甲斐あって既に完治していた。

 このレベルの治癒は四番隊にも比肩するものであり、僅かな治癒しか出来なかった雛森が成し遂げたのは奇跡である。

 何がこのレベルの治癒を可能にしたのか、それを知る手段は無い。ただ治療中の雛森は日番谷を治す事のみに全神経を集中させていた。

 瞬きすることすら忘れ、荒い息を吐きながら汗が滲む全身を気にすること無く回道を施していた。

 

 そんな彼女が背を向けて戦いに赴こうとする彼の背に声を掛ける。

 

『あたしが…………あの戦いに参加してもお荷物にしかならない事は分かってる…………みんなに迷惑は掛けたくない…………だからあたしはここでみんなの帰りを待ってるね――――お願いだから死なないでねシロちゃん』

 

 

 

 ここに来る前のそんなやり取りを思い出し僅かに口角が上がる。そして正面にいる宿儺に対して真剣な顔付きでこう放つ。

 

「両面宿儺――俺はテメェを殺す」

 

 刀の切っ先を向け宿儺に正面から宣言する日番谷。その瞳は微塵も揺らいでおらず、固い意思が感じられた。

 

 日番谷の宣戦布告に対し宿儺の返答は簡潔だった。

 

「やってみろ――出来るものならな」

 

 宿儺のその言葉を皮切りに両者同時に動いた。両者の間で激しい高速で攻防が繰り広げられる。二人の周囲は激しく火花が散っていた。

 

 宿儺の腕は三本の機能が停止している上に心臓が凍結しろくに機能していない。故に、こちらが有利を取っていると思い込んでいた。

 

 ――しかし現実はそう甘くは無い。

 

「(五体満足だった時よりも動きにキレがありやがるな…………こっちの攻撃を確実にいなしてくる…………腕が二本とも使えねぇ左側を積極的に狙ってはいるが、そこもしっかりカバーしてきやがるから隙がねぇ……)」

 

 そんな思考に陥っている最中に、皆がこちらへと集まってきていた。

 そんな中、最初に一番近くにいた白哉が億程にもなる刃の数々を一匹の巨大な龍の形に変化させ、それを宿儺に殺到させる。

 

 それを事前に感知した日番谷はバックステップで距離を取る。

 

 白哉の花弁は周囲の瓦礫ごと切り刻み、大きな口を開け宿儺を呑み込んだ。そしてその龍は空を駆け、天まで昇っていたが白哉は眉間に皺を寄せていた。

 

「やはりか……」

 

 白哉がそう呟くと龍の頭から始まり、それが伝播するように龍を象った全身の刃が無惨にも弾け飛んだ。

 

 傍から見れば、もうこれ以上の追撃の手段は無いと思われた此度の攻撃、だがこうなった場合の手も確かに考えていた――――

 

 いつものすまし顔に戻った白哉が、上空に居る宿儺を包み込むようにして片手を掲げると、散り散りになった花弁が宿儺を囲う球体のような配置をとる。

 

 そしてこう呟く――――

 

「――終わりだ――『吭景(ごうけい)千本桜景厳(せんぼんざくらかげよし)』」

 

 その台詞と共に宿儺を握り潰すように拳を閉じると、数億にもなる刃が一斉に宿儺へ殺到した。

 逃げ道の無い檻、その全方位から放たれる凶刃の雨、その刃を受ける瞬間――宿儺は凶悪に嗤っていた。

 

 

 

 

 

 白哉達から見て遥か上空。その地点で億にもなる刃同士がぶつかり合い凄まじい爆発が起こった。その衝撃波と爆発音は地上に居る者達にもしっかりと届いていた。

 

 空気の振動を肌で感じながら、爆発の影響で白煙に包まれた箇所を鋭い目つきで射抜く白哉。

 

 そしてその目が白煙を突っ切る様にして大地に降ってくる両面宿儺の姿を捉えた。彼の身体には切り傷程度しか付いていなかった。

 

 何故そこまでの損傷に抑えられたのか、その一番の要因は――――

 

 ――秘伝・落花の情

 

 宿儺は再びそのプログラムを組んだ。瞬きの間に殺到する億の刃が、宿儺が纏う呪力に触れた瞬間オートで迎撃されていったのだ。

 しかし流石は卍解と言った所か、やはり全ては防ぎきれておらず約半数をその身に食らっていたようだが致命傷は避けていた。

 

「もしやとは思っていたがそこまで頑丈だとは…………」

 

 そんな宿儺を見て白哉は少し想定外だとばかりにそう呟いて見せた。

 

「あの程度の傷しか負わせられぬとは不甲斐ない事この上ない…………私の鍛錬もまだまだ足りぬということか……」

 

 己を責めていたが、ふと視界の端に五つの影が映り込む。

 

「――――む?あれは…………」

 

 その影の正体は日番谷、夜一、砕蜂、グリムジョー、ネリエルだった。彼らは宿儺が攻撃を受けた瞬間に方向転換し、その龍を追うようにして常に宿儺との距離を詰めていたのだ。

 

「私も負けてはいられぬな……」

 

 その言葉の後に白哉も宿儺の落下地点目掛けて疾走した。

 

 

 

 

 

「(俺が着地する瞬間を狙うつもりか…………だが――――)――――甘いな」

 

 地面まであと数メートルとなった時、五人も彼の元まであと数メートルの距離まで接近してきていた。

 このままいけば宿儺が着地する寸前に五人の凶刃が宿儺に向けて放たれるであろう距離とタイミング。

 

 ――その事を、宿儺含めた六名は理解していた。

 

 だが、どんなに予測の精度が良くとも、その可能性はたった一つの予想外の行動で瓦解する。

 

 地面まであと数十センチ、五人が振るった斬魄刀、拳が宿儺まで残り数十センチとなった時、宿儺が空を一蹴りした。

 

「「「「「(((((――――なっ!?)))))」」」」」

 

 その行動だけで彼らの思考は狂い、先程まで敵を狙っていたはずの攻撃は途端に仲間に牙を向く。

 

 死神達は、黒崎一護が宿儺と戦ったという戦闘の報告の中に『空を駆け回れる』とは聞いていた。

 だが、今まで奴はそんな素振りを一切見せておらず、完全にその選択肢が頭から抜け落ちていた。

 

 ――それ故の今回の失態。

 

 仲間に向けた刃を、足を大きく前に踏み込むことで留める。しかしそれが大きな隙となってしまう。

 

「先ずは貴様からだッ……!!」

 

 歪んだ笑みを浮かべる宿儺が捉えた先に居たのはネリエル。彼女の頭部に拳が突き刺さる。

 

 ――――黒閃ッ

 

「かっ…………!」

 

 上から下に叩きつけられた拳にネリエルは地面に顔面から勢いよく叩き付けられる。その凄まじい威力に一瞬にして意識を失い、鼻が潰れ地に倒れ伏し、ピクリとも動かなくなる。

 

 そして次に同じ破面であるグリムジョーに狙いを定めた宿儺は、背後にいる彼の頭部に鋭い裏回し蹴りを放つ。

 

 ――――黒閃ッ

 

 二度の黒閃、彼のボルテージが止めなく高まっていく。グリムジョーが白目を剥き背中から地面に倒れ込む。彼らは防御すらする暇もなく地に沈み、帰刃が解除される。

 宿儺その両名をダウンさせるのに掛けた時間僅か三秒。

 

 しかしそれだけ時間があれば他三名の体勢は整う。

 日番谷の絶対零度の氷結を纏った刃と、夜一の迸る雷電を纏った貫手と、砕蜂の荒れ狂う暴風を纏った拳が同時に宿儺に放たれる。

 

 だが――――

 

「少し遅かったな」

 

 宿儺のその言葉通り、その攻撃が届くまでまだ一秒程の猶予がある。それほどの時があれば宿儺ならば回避は可能だ。

 故に、地面を蹴って上に避けようとした時、ふと誰かに固く足を掴まれる。

 

「何をッ…………!」

 

 宿儺が苛立ちを含めた声でその下手人を睨みつけると視界に入ったのは、地に倒れ伏したネリエルだった。  

 彼女は意識がない中、本能で宿儺の時間を奪うことに成功する。

 

 そして――――

 

「――――『零氷華突』!!」「――――『雷王拳』!!」「――――『風王拳』!!」

 

 それぞれの技が宿儺の身体に激突した。

 

「ヂィ゛ッ!!!」

 

 日番谷の斬魄刀が宿儺の右脇腹から体内に深く突き刺さり体内にある刀身から華で出来た絶対零度の氷が咲き乱れ宿儺の傷口を凍結させる。

 夜一の貫手が宿儺の腹の口に深く突き刺さり、その内部から雷を放出させ肉を焼き焦がす。

 砕蜂の拳が宿儺の左頬に叩き込まれ、そこから肉を抉り取るように狂風が吹き荒れる。

 

 これは仲間を信じた三名の勝利といえる。今の勢いのまま攻撃を放ちらそれが万が一外れていたとしたら悲惨な事になっていただろう。

 

 そんな未来を回避した三人は続け様に連続で攻撃を放つ。宿儺も反撃に転ずるが、ほんの僅か動きが鈍い。

 先程の攻撃が確実に宿儺の身体を蝕んでいた。

 

「チッ!!!」

 

 宿儺はダメージ覚悟で膝を折り地面に掌を付ける。

 

「――『捌』」

 

 ――――蜘蛛の糸

 

 宿儺が手を付けた箇所を中心に、半径五十メートルは優に超える範囲の地面が蜘蛛の巣状に割れる。

 その急な地殻変動に見舞われた三者は体制を崩してしまう。

 

 しかしそんな中、夜一が声を上げる。

 

「お主ら!!近くに居る者を抱えて跳べ!!!」

 

 その言葉に了承したと言わんばかりに頷いた二人はグリムジョーとネリエルを抱えて後退した。

 そして誰も抱えていない夜一は複数のクナイを、しゃがむ宿儺目掛けて投擲した。

 

 が――その暗器は見向きされることすらなく宿儺の腕の一振によって砕け散った。

 

「チィッ!――やはり小手先の技では隙を作ることも出来んか……………………」

 

 そう腹立たしそうに呟いた夜一が攻撃跡を見ると大地が見るも無惨なほど荒れ果てていた。

 

 そして無事な地面に着地した日番谷と砕蜂は二人を地面にそっと下ろす。

 そしてそこに遅れながらも白哉が到着した。

 

「遅れてすまぬ皆の者、だがその分確かに役に立って見せよう」

 

 彼の目がボロボロの両面宿儺を射抜く。

 

 彼らと宿儺との間に奇妙で居心地の悪い静寂が走る。

 

 宿儺の傷は未だ癒えていない。

 

 ――彼は二度の黒閃を経て反転術式を取り戻す筈であった。

 だが黒閃を決めた直後に、三者それぞれのから手痛い一撃をその身で受けてしまった為に、その契機を取り逃がす。

 

 だが、王の領域は黒い火花と共に主の元へ回帰していた。

 

「――――領域展開」

 

 掌印の変更。五条悟と同様の帝釈天印を結ぶ。突き出した人差し指に中指を絡める手印だ。

 

「「「「――――ッッ!!」」」」

 

 宿儺の気配が膨れ上がったのを四名は同時に感じ取る。

 あの技を発動させてはならないと本能が煩い程警告を鳴らす。

 

 しかしそんな中、自身らのすぐ横に手のひらに収まるほどの大きさの漆黒の球体が転がっているのに気付いた。

 

「なんじゃコレは……?」

 

 各々がそれを手に取ると耳に直接甲高い声が響く。

 

『お前達!つべこべ説明している暇は無いから私の言う通りにしろ!!――今すぐそれにありったけの霊力を込めるんだ!!!!!』

 

 耳に届いたのは涅マユリの焦燥した声であった。そして四人は疑うこと無く即座に球体に霊力を込める。

 

「――――『伏魔御廚子』」

 

 ――宿儺の領域が展開されるのと、彼らが霊力を込めたのは同時であった。

 

 

 

 

 

 ――この『伏魔御廚子』は完全なものではあって完全なものではない。

 更木剣八が死に際に放った一撃は、宿儺の脳を破壊し、完全な受肉による肉体の再生であっても完全に治癒することは不可能だった。

 故に掌印を変更し、更木の一撃の影響の無い脳による部位での術式と結界術の運用。

 不確定要素と即席の縛りを結んで尚、黒閃を経た両面宿儺は効果範囲も出力も落とすことなく『伏魔御廚子』を再現している。

 

 だが、今の状態の宿儺ではこの高度な領域を維持し続けることはできない。

 

 ――――99秒。

 

 ――99秒後『伏魔御廚子』は崩壊する。




どうしてもマユリの台詞書く時に感情が昂った宇宙の帝王をイメージしてしまう( ´ᾥ` )


オリジナル技
『零氷華突』は某鬼狩りの人が使う『陽華突』を参考に……と言うか真似しました。


オリ技とは関係ないけど、圧倒的強化された『捌――蜘蛛の糸』けんど好きなキャラは幾らでも強化して良いってばっちゃんが言ってた。

この作品は1話大体5000文字位なのですが、どの位の文字数が皆様にとって丁度いいのか教えて頂きたいです。それを目安に執筆します(アンケート結果によって投稿頻度も変わります)

  • 1000文字前後
  • 2000文字前後
  • 3000文字前後
  • 4000文字前後
  • 5000文字前後
  • 6000文字前後
  • 7000文字前後
  • 8000文字前後
  • 9000文字前後
  • 10000文字以上
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。