銃と鋼鉄の世界で運び屋   作:単細胞

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ルール3 ハコ車のレースだと当たり前(強盗ミッション②)

「このままだと埒が明かない、追手を撒くぞ!」

 

市街地を抜け、林道へ。不整地だと相手の狙いがブレやすい。

 

「此方も攻撃してくれ!狙うのはラジエーターかタイヤ。向こうのガンナーが撃てるなら撃ても構わない!」

 

できればガンナーを倒してくれるのが望ましいが不整地だと難しいだろう。

 

「攻撃開始!」

「「イエスマム!」」

 

合図と共に後席の二人が攻撃開始、獲物はアサルトライフル、HK416のようだ。

金属音と破片、冷却水が噴き出し、SUVが煙を吹いて速度を落とす。

 

「先頭ダウン! 次!」

「意外と楽勝じゃ――」

 

シュッ――

 

赤い斑点がナンシーの顔に浮かぶ。

 

「ボス!ナンシーが!」

「無視しろ!マガジン回収して攻撃継続!」

「おりゃぁ!ナンシーの仇だ!」

 

ジェーンも身を乗り出し攻撃に加わる、ミラー越しだが弾丸はタイヤにきちんと命中しているのが見える。

トップレベルと言われるだけの実力に思わず感心してしまった。

 

数発撃ち込んだ後、SUVのタイヤを破壊。二台目が崖下へ落ち、爆炎を上げた。

残り一台。

 

「運転手! ゴールまでどれくらいだ!」

「およそ10分! 林道抜けたら――うわっ!」

 

倒木が道を塞ぎ、俺は急ハンドルで避ける。その衝撃で振り落とされ、後ろのリズが消えた。

 

「……悪い」

「気にするな。だが2人だと戦力が厳しいかもしれない……」

 

その時、赤いラインが俺とジェーンの間に現れる。

 

「掴まれ!」

 

ブレーキを目一杯踏む。細かな振動がペダルに伝わってきた。ABSが作動しているのだ。

直後、目前で爆発。砂塵が視界を遮る中、勘を頼りに進む。グレネードランチャーが炸裂したのだ。

 

「M79持ちがいる!」

 

直撃したら一たまりもねぇ!

 

連発してくるグレネードランチャーを何とか避けながら林道を進む。しばらく走ると道が広がり、SUVが横付けしてきた。

 

「潰す気か!」

 

反対側崖、スキップシフトで5速から3速へ落とし急減速……並走状態へ持ち込み、相手が車体を振って体当たりしてくる瞬間――

 

フルスロットルで再加速、ブースト計は1.5を指していた。加速のGで体がシートに抑えつけられる。

目標を外したSUVは為す術なく崖へ飛んでいく。爆炎が確認できた。

しかしこちらもギリギリ、リヤに軽くヒットされた。車体を姿勢を崩すには十分なインパクトだった。

カーブで外へ膨らんでいく、その先はカーブ……

 

「クソッ、ここまでか……」

 

ジェーンが落下を覚悟した。

だが俺は諦めない。接触はハコ車のレースだと茶飯事。

俺はハンドルを切り戻し、アクセルを全開に。無理に体制を戻そうとせず、横のスライドを徐々に弱める。

 

「耐えろ……!」

 

タイヤが地面を掴み、前へ進む感触が少しずつ戻ってくる。そして一瞬の衝撃。

――気づけばインプレッサはだ道の上に居た。

右後輪が少し落ちただけで済んだ。

 

「……助かった」

 

息を吐き、ハンドルを握る手の力が抜ける。

ゴールまで残り1キロ、ギリギリの勝負だったが無事、ゴ引き渡しポイントまでたどり着くことができた。

結果は逃走者チームの勝利に終わった。

 

 

 

 

「ありがとう。君じゃなかったら失敗してた」

 

報酬を受け取った後、ジェーンが笑顔を見せた。金髪ロングに碧眼の切れ長の目。凛々しくも優しいシゴデキ女子アバターだった。

リスポーンした仲間たちも戻ってきて、全員で礼を言う。

報酬はきっちり山分け。悪くない額だった。

 

「また依頼したい。プロフィール、交換してくれないか?」

「お得意様は大歓迎。またよろしくな」

 

俺はジェーンと握手を交わし、プロフィールを交換した。

 

 

 

めっちゃ美人だったな。……アバターだけど。

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