「みてみて〜!可愛いでっしょ〜!」
スペシャーがデパートで新たに買ってきた黒いドレスを見せびらかしながら笑っている。
「前のやつは破られちゃったもんね…」
「うん…めっちゃ嫌だった…」
リコルが無言でスペシャーを抱きしめた。
「すっかり馴染みましたね…」
その様子を見ながらアリシアが力のない笑顔を浮かべながら言った。今日でスペシャー救出から一週間が経過しようとしていた。スペシャーは行き場がなかったのでここに同居することになったのだ…イタズラ好きはあまり懲りていないらしく、何度もイタズラをしてレヴルに触手で吊るされた。それでも、今は楽しそうに笑っている。やはり、似た境遇の仲間がいると楽しいのだろう。
「にしてもすごい奇跡じゃない?」
リコルが小さな声で言った。
「奇跡?」
「うん…一ヶ月も経たないうちに普通の人たちに馴染めない仲間が4人も集まったんだよ…」
リコルが少し俯きながら言った。レヴルは考え込むような表情をしている。
「…意外とそういう状況に立たされてる人は少なくないのかもしれないですわね…」
「確かにそれはすごいことですね…」
「すぺっ!」
リコルが全員の顔を順に見た。そして何かを決意したような表情をした。
「…もっとそういう人たちが周りのことを気にしなくても生きていられる団体を作りたい…!」
レヴルがニヤッと危険な笑顔を浮かべた。
「共感しますわ。」
「わ…わたしも素敵な考え方だと思います…!」
「すぺぇ!」
リコルは微笑んだ。
「いつになるかはわからないけど…実現できるといいな…!」
全員が共感するように笑顔を浮かべた。
そんなある日、スペシャーがビッグチャンスを持ってきた。
「見てこのチラシ!館の中にいる死霊を倒してくれたら、その館をもらえるんだって!」
「はぁ?あほですの?」
「立派な館〜。こんなの本当にもらえるって言うなら、なんで宇宙平和協会の人たちとかがやらないの?」
「平和協会の人たちは本部に住んでますので…」
「あ、そうなんだ…」
スペシャーが目をキラキラさせている時点で大体察していたが、一応レヴルが尋ねる。
「…なんでそのチラシを持ってきたの?」
「決まってんじゃん!死霊倒して館もらっちゃおうよ!」
4人は全員で例の館へやってきた。人が来ないのは立地の悪さのせいもあるかもしれない。崖の上に切り立っており、街からもかなりの距離がある。しかしそれは4人にとってはむしろ素晴らしいことだった。差別をする外部の人間と合わなくて済むのだから。
「でっっっっっっかいですわ〜!」
「でっかいね!200メートルはありそうじゃない!?」
スペシャーが目をキラキラさせて館の中へ飛んでいった(物理)。
「…この依頼を攻略すれば…夢に一歩近づく…!」
リコルは期待と緊張に満ちた表情で中へ入っていった。