「……まさか。こんなところで再会するなんてね」
「それはお互い様だよ。でもどうしてまたザフトに?」
レンリとアーランドもまた、ラグエル艦内を案内の為に歩いていた。
旧友同士で積もる話もあるだろう……と、ルークが気を利かせてくれたのかは分からない。
だとしても、こうして話す機会がある事は素直に有り難いとアーランドは感じていた。
「……レクイエムに撃たれたんだ。ヤヌアリウスにある実家が」
暫し逡巡しながらも口を開いたアーランドの答えに、レンリは言葉を失ってしまう。
二度目の大戦終盤でロード・ジブリールが用いた戦略兵器レクイエム。
計六基のプラントを破壊し、かの「血のバレンタイン」を超える死者を出した事は記憶に新しい。
「ザフトに入って戦争はすぐに終わったけど、傷ついたプラントを放っておけなかった」
レクイエムによる被害は今なお深い爪痕を残している。
それらから目を背けてDSSDに戻る事は、アーランドにはできなかった。
ただネリーと、DSSDを去ったレンリの事は気掛かりではあった。
もっともレンリについてはこうして再会できたのだ。
「立派だね、アーランドは」
「そんな事はないよ。君だってこうしてコンパスにいるじゃないか」
謙遜でも何でもなくアーランドは首を横に振った。
コンパスといえば今なお絶えない紛争の矢面に立ち、平和の為にと戦っている。
正規軍とは役割こそ違うが、コンパスもまた重要な役割を果たしていると言ってもいい。
「……一つ、聞いてもいいかな?」
立ち止まり、こちらを振り返った何気ないレンリの問いにアーランドは頷く。
こちらを見る彼女の表情に陰りが見えたのが気になった。
……ネリーがスターリンカーのパイロットに選ばれた、あの時と同じだ。
「私がいなくなった後のDSSDは、スターリンカーはどうなったの?」
「それは……そうだね。どこから話したものかな」
惑いながらもアーランドは過去へ思いを馳せる。
今こうして再会できてこそいるが、手が……声が届かない場所へ去ってしまった。
あの時、レンリに声を掛けていればと後悔しなかった日はない。
「……君がいなくなってから、ネリーの様子が日に日におかしくなっていった」
折角スターリンカーのパイロットに選ばれたというのに、ネリーの表情が晴れる事はなかった。
親友だったレンリが何も告げずに退職した。
その事実をもってネリーは察してしまった……自分がレンリの夢を壊してしまったのだと。
明るく面倒見の良かった頃のネリーは見る影もなく、自責の念が彼女を苛んでいたのだろう。
ほどなくしてネリーの言動に、ブルーコスモスらしき影が見え隠れするようになった。
そんな馬鹿な事をと思ったアーランドが窘めた時、思いっきりネリーに手を払われる。
「結局その頃にレクイエムが撃たれて……それどころじゃなくなった」
後にかつての同僚の伝手を通して聞いた話だが、ほどなくしてネリーもDSSDを退職したそうだ。
パイロットを失ったプロジェクト・スターリンカーは頓挫。
その後スターゲイザー計画を担当していたマクグリフ主任がプロジェクトを引き継いだが、今現在で再開の目途は立っていないという。
そもそものプロジェクト・スターリンカーとは地球連合軍が少なからず関与していた。
光圧推進システムヴォワチュール・リュミエールを搭載した新型の開発が目的と言われている。
その雛型としてX300フレームの次世代試作機を連合は供与し、DSSDからはヴォワチュール・リュミエールの基礎技術を提供する。
プロジェクトを推進したのは元地球連合軍大佐マーカス・ウェスカー。
天下りでDSSDが保有する宇宙ステーション、その一つの所長へと就任して以降に計画が実行された。
このプロジェクトによほど力を入れていたのか、スターゲイザー計画に対抗心を抱いていたのか。
成果を焦るウェスカー所長は、重要な局面において人の心が見えていなかった。
「あのね。ネリーの事なんだけど……今、ネリーはブルーコスモスにいるの」
「……なんだって?」
ネリーがブルーコスモスにいる。
レンリが告げたその事実にアーランドは言葉を失うが、同時にやはり……とも思ってしまった。
コーディネイターである自身の否定。それはレンリが去った後よく口にしていたからだ。
だがこうして改めて告げられると動揺を隠せない。
「この機体、見覚えはないかな?」
レンリが取り出した情報端末には、一機のモビルスーツが表示されていた。
その姿を確認するや否やアーランドは大きく目を見開く。
……ディアボロスと名前にあるこの機体は見覚えがある、どころではない。
「……この機体に母艦を沈められたんだ。僕達だけどうにか……逃げ出せた」
つい半日前の事だ。忘れようもない。
ユーラシア連邦を経由してアラスカに入ってから間もなく、この機体に襲われた。
他にもブルーコスモスの機体はあったが、ディアボロスは群を抜いて圧倒的だった。
機体性能もさることながらパイロットの技量も相当に高いと見積もっていたが、ネリーが乗っていたとなれば頷けてしまう。
こちらは最新鋭機のヘリテージとゲルググだというのに終始圧倒されるばかり。
ブルーコスモスの手に落ちるわけにはいかないと、艦長が自らを犠牲にして逃げ出す機会を作ってくれなければ今頃どうなっていたか。
「そうか。ネリーが……」
「だから私は。ネリーを止めるんだ……今度こそ、必ず」
「なかなかに面白い機体だな。ザフトの新型ってのは」
ラグエル格納庫。
手元のタブレットでデータを確認しながら、オーティスが並び立ったザフトの機体を見上げる。
つい先程、例のザフト正規軍である彼らがコンパスへの出向扱いとなった為、乗機であるこれらの機体もラグエルの艦載機という扱いになる。
クラウスやバージルが乗機のロックを解除してくれたおかげで、ようやく整備に掛かれる。
噂のザフトの新型見たさか、格納庫にはメカニックのみならず多くの乗員が集まっていた。
ゲルググはミレニアムで運用しているとはいえ、新型といえども既知の機体だ。
ミレニアムの機体は青で塗装されているが、正規軍の機体はザフトの機体に倣ってグリーンで染め上げられている。
特に注目が集まっているのは中央に鎮座している最新鋭機、ヘリテージだった。
「ZGMF-X573/PM ヘリテージ……プライマルステージ・シリーズってヤツか」
「ザフトの皆様も頑張ってるねえ」
頭部のツインアイとアンテナがそう思わせるのか、フォルムはジンやザクというよりもヴァーティカルやレゾナンスのそれに近い。
VPS装甲が起動していない今は違うが、白と緑と赤のトリコロールに彩られていた姿を思い出す。
「しかしゲルググもそうだが、この艦で運用できるのか?」
ゲルググのコクピットから顔を出したバージルがオーティスへ尋ねる。
ラグエルで運用されているのは新型とはいえ大西洋連邦の機体のみ。
バッテリーや推進剤はまだしも、ザフトの機体とはパーツの互換性がほぼないのは明らかだ。
「それなんだがな。ヘリテージはプラントからパーツを取り寄せんと如何にもならん……ただまあ、数機分作れるだけの予備パーツがあるだろうとは踏んでいる」
ザフトの最新鋭機だけあって、やはりパーツの問題は簡単に解決はしないようだ。
モルゲンレーテ経由で調達はできるだろうが、今すぐにとはいかないのが泣き所である。
もっとも現状で大した損傷は見受けられないのが不幸中の幸いだが。
ただ……と、オーティスは思案する。
先程ザフトからの資料で明らかになったヘリテージのコンセプトを考えれば。
他の新型よりも多く予備パーツは存在するだろうと踏んでいた。
それどころか予備機すら複数あってもおかしくはないだろう。
であるならばザフトとしても、実機を一機失ったとて存外大した損失ではないのかもしれない。
「ゲルググの方は既にコンパスで運用してるから問題ない。今すぐにとはいかんがな」
ミレニアムで配備しているとはいえ、ゲルググは既にコンパスでの運用実績がある。
モルゲンレーテにも予備パーツは存在するので、調達には何ら問題はないだろう。
「まあ問題はその頭だ。ヘリテージはとにかくゲルググは……なあ」
ザフト伝統のモノアイを備えられたゲルググの頭部を見上げ、オーティスは嘆息する。
どこからどう見てもザフトの機体が大西洋連邦領内で活動しているのは、正直よろしくない。
ウィンダムやバイアネットのようなバイザー型の頭部を別途用意する必要があるだろう。
幸いにも今はアラスカという僻地にいる以上、市民感情をあまり気にしなくていいのは助かる。
「なあに。ザフトの機体に触る機会なんて早々ないんだ。腕の見せ所ってやつだな」
手始めにゲルググの頭部をどうしようかと思案しているオーティスにソフィアが近づいた。
その手にはタブレットを手にしており、表情は硬い。
「なんだいワーズワース主任。ヴァーティカルのプランなら……」
「今回はその件じゃないわ」
オーティスの言葉を遮ったソフィアは、視線をゲルググへと向けた。
何事かと思いバージルがコクピットから身を乗り出す。
そんなバージルにソフィアはタブレットを手渡した。
「……こいつは?」
「さっきの戦闘で倒したジンの残骸があるでしょ。コクピットからOSを解析したの」
格納庫の片隅にはジンの胸部が無造作に転がっている。
先程の戦闘で倒した残党の機体から回収していたのだろうか。
バージルに渡したタブレットを操作し画面を切り替えていくソフィアは、目当てのモノを見つけたのか指を止める。
「……このバージョンに見覚えがあるかしら?」
タブレットを覗いたバージルが目にしたのは、モビルスーツに搭載されているOSの起動画面。
何の変哲もない、ザフトのモビルスーツにインストールされているもので見慣れていた。
見慣れていた。その筈だった。
「……おい、こいつは何の冗談だ?」
胡乱げなモノを見るようなバージルの表情が、その意味を理解するにつれ驚愕へ染まっていく。
タブレットに映るモノとコクピットのディスプレイを交互に何度も確かめる。
しかし目の前のそれは見間違いでも勘違いでもない事だけが分かっただけだ。
「OSのバージョンが一致してやがる……最新版はつい先月アップデートしたばかりだぞッ!?」
「私としては当たってほしくはなかったけどね。けどこれで明らかになった事がある」
ザフト正規軍において先月にアップデートされたばかりの、最新版のOS。
それを一介の残党が扱うモビルスーツにもインストールされている、
これらの事実から導き出される結論は一つしかなかった。
「クソッ……そういう事かよッ!!」
やりきれない……行き場のない思いをそのままに、バージルはアームレストへ拳を叩きつける。
……ザフト内部に内通者がいる。
薄々そうではないかとは頭の片隅で考えてはいたが、実際こういった形で明らかになるとは。
ともすれば一連の襲撃も、任務と見せかけてヘリテージとゲルググを残党へ引き渡す為だったのかもしれないとすら思えてくる。
「この件についてはコンパス本部を通じてジュール中佐へと報告するわ」
「ああ……そうだな。頼む」
力なく頭を垂れたままバージルは頷いた。
ザフト正規軍に内通者がいるという事実は、バージルを打ちのめすには十分だった。
少なくない犠牲を払いながらも二度の大戦は一応終わりを迎えたのだ。
だというのに……今度は新たな争いを起こそうとしている。
そんな旧ザラ派残党をよしとするものが正規軍の中に潜んでいるのだ。
否……彼らにとっては終わっていないのかもしれない。
奪われた命を血で贖わない限りは。
自分達の前に立ちはだかり叫んだガルンの言葉が蘇る。
一度は戦友として共に戦った男にとって、まだ戦争は終わっていないのだ。
「だったら。終わらせてやるさ……。それしか今の俺にはできないがな」
バージルと彼の乗機であるゲルググより、当たってほしくない事実を確認したソフィアはブリッジに戻り、ジュール中佐への報告をまとめ終えた。
ザフトの内通者とはまた悩ましい問題だが、それを解決するのは自分の仕事ではない。
そういえば……と、格納庫に寄る前にオーティスから報告があった件を思い出す。
「ドラグーン・システムの受信装置、ね……」
無線量子通信により攻撃端末を遠隔操作するシステムではあるのだが、そんなものがジンに搭載されているという。
しかも攻撃端末へ指令を下す送信装置ではなく、母機からの指令を受け取る受信装置である。
つまりジンを攻撃端末として運用する意味に他ならない。
そもドラグーン・システムにて運用される攻撃端末とは、推進制御用スラスターを備えたビーム兵器などが主流である。
モビルスーツ本体の操作に加え、それらの攻撃端末も操作しなければならないのだ。
それが単なる端末であるならまだしも、同じようなモビルスーツを動かそうなど困難どころではないのは明らかである。
「……にもかかわらず搭載しているのなら、扱えるアテがある筈だけど」
指で長い髪を弄いながらソフィアは思案する。
ドラグーン・システムの運用には高度な空間認識能力を必要とするが、技術の発展によりその敷居はある程度下がっている。
とはいえ、それでもなおモビルスーツを攻撃端末として運用するのは容易ではない。
『やあラグエルの諸君。実に面白い玩具を手に入れてくれたそうだね』
ソフィアの思案を遮ったのは、突如通信を繋げてきたディーンの愉快そうな声だった。
ザフトの最新鋭機であるヘリテージ。
その実機をラグエルで運用して合法的に実働データも取得できるのだ。愉快でない筈がない。
「アズラエルCEO、パーツ調達の件ならコンパス本部より話が通っていますが」
『ああ。今回はその事じゃなくてさ……レムナント・ワンの件なんだ』
レムナント・ワン。
旧ザラ派残党の件の対応に追われていたが、彼らの追撃がラグエル本来の目的だ。
封印された旧西暦の核兵器を彼らも狙っているとすれば看過はできない。
どちらが手にしたとしても、銃爪に掛けた指を躊躇わないだろう。
『どうやらあの艦は、ラグエルとは別に建造されていた改アークエンジェル級らしい』
二度目の大戦後期、軍内部でアークエンジェル級をベースにした艦の建造計画が持ち上がった。
ただしこの頃は主力が大型モビルアーマーへ偏重していたこともあり、それらの運用を前提した設計変更が行わる事となった。
アムブリエル、ウェルキエル、ハマリエル、ズリエルと四隻の建造が進められていたのだが、ほどなくして大戦は終結し、建造途中の艦は表向き廃棄処分となる。
残されていた資料によると、ブリッジの形状差異から考えて四番艦のズリエルがベースだろうというのがディーンの推測だった。
ただ当初のコンセプトそのままに完成されたとも思えず、引き続き呼称はレムナント・ワンで問題ないと結論付けた。
『問題はこれらの艦に実装予定だった兵装さ。それは……』
ディーンがそこまで言いかけた時、突如として通信が途絶しディスプレイが砂嵐に覆われる。
同時に艦内に鳴り響く警報。
赤く明滅する光がブリッジを照らし不安と焦燥を煽っていく。
「……これは、強力な電波干渉ですッ!」
「艦前方にモビルスーツ接近ッ……ブルーコスモス残党ですッ!」
「後方にも複数のモビルスーツ……こちらは旧ザラ派残党ッ! こんなタイミングでッ!」
電波干渉を皮切りとした急転直下。
ブルーコスモス残党のみならず旧ザラ派の襲撃。
互いに互いを滅ぼす事を掲げるような集団が、偶然居合わせてタイミングが重なるだろうか?
とはいえども、コンパスは両者にとっても目障りな存在である事に変わりはない。
両者が手を組んだなどといった陰謀論に片足を突っ込んでいる憶測よりも、より排除すべき脅威と見做している……と考えた方が自然だ。
かといってこの状況を偶然に作れるとは思えない。
……ラグエルを排除すべく、何物かが狙ってお膳立てした?
「モビルスーツ発信準備、急いでくださいッ!」
「CIWS起動ッ! ミサイル発射管、アンチビーム爆雷用意ッ!」
シエラとエリアスは次々と指示を下し、ブリッジクルーもあわせて慌ただしく動く。
ブルーコスモス残党と旧ザラ派残党に繋がりがあるかどうか、現時点で判断は難しい。
だとしてもこちらを狙ってくるのであれば、どちらにしても排撃する必要がある。
ブルーコスモス残党はディアボロスとストライクEに加え、ダガーやウィンダムが中心だ。
その後方にはレムナント・ワンが控えている。
先のカルフォルニア基地襲撃時に裏切り者が合流したと思われる機体も混じっている。
一方で旧ザラ派の残党は、ガルンのゲイツジェグスをはじめとして、ザクやグフ、ジンにディンと相変わらず様々だ。
ジンやディンはミサイルを多数搭載した無人機仕様も含まれている。
その総戦力は、一介の残党が保有するにしてはあまりにも過剰としか言いようがない。
「……この状況では援軍も見込めんか」
「皆様には踏ん張って頂くしかありませんね」
「……こっちで良かったのかい?」
『ああ。問題ない』
ゲルググで出撃したクラウスとバージルは、ケイト率いるクラウドダガー隊やジェサイアと行動を共にしていた。
眼前には旧ザラ派残党の機体が多数展開している。
その大半が無人機とはいえ、ミサイルを満載している以上は侮れない。
……しかし。それ以上に。
『ヤツは俺達の手で決着をつける』
『ダチだからこそ……か。分かっちゃいるけど、やりきれねえぜ』
当初、ルークはクラウスやバージル達をブルーコスモス残党の迎撃に向かわせようとした。
仮にも同じコーディネイターの同胞同士であり、心理的な抵抗もあるだろうと。
ルークなりに彼らを気遣った配置だったのだが、対してバージルは首を横に振った。
……同胞だからこそ、俺達の手で止めなければならないと。
『気遣いは無用だ。ヤツにはもう……俺達の言葉は届かない』
血のバレンタインからガルンを動かしていたのは憎しみだった。
引き返すだけの。思い返すだけの時間と機会はあっただろう。
だとしても彼は憎しみのまま戦う事を選んだ……望み選んだのだ。
この間言葉を交わした時に分かった。
分かってしまった。
「……そうかい。辛いならアタシがって思ったけどね」
そんなクラウスやバージルの思いを汲んだケイトは天を仰いだ。
自分達もそうだったが、かつての戦友相手に戦うというのは堪えるものだ。
幸いに直接相まみえた事はないが、第八艦隊の生き残りにも提督の仇を討つとブルーコスモスへと走ったヤツもいた。
かつてユリエールはシエラを利用する事で、生き残りからそういった連中を切り崩そうと目論んでいたのだろう。
もしかしたらカルフォルニアにもいたのかもしれないが、それを知る由はない。
『悪いな。こいつばかりは譲れない』
「レンリ・アマサキ。ヴァーティカル……行きますッ!!」
突然の敵襲から急いで機体に乗り込んだレンリは、カタパルトの準備が整ってすぐに発進した。
ヴァーティカルの眼前に立ちはだかるのはブルーコスモス残党……そしてディアボロス。
後ろを旧ザラ派残党に抑えられている現状、ラグエルは挟み撃ちとなっている。
しかしブルーコスモス残党の戦力は大半をディアボロス単機に依存しているといってもいい。
「ネリー……今度こそッ!」
であるならばディアボロスさえ対処できれば勝機はあると言ってもいいだろう。
それだけヴァーティカルを駆るレンリの役割も重いが……今のレンリは一人ではない。
「ああ。僕も手伝うよッ!」
かつての同僚だったアーランドもまた、ネリーを取り戻したいという想いは同じだ。
無論それはアーランドの個人的な事情のみならず、戦術的にも意義がある。
ヴァーティカルと最新鋭機のヘリテージの二機掛かりであるなら、ディアボロス相手にも有利に立ち回れるだろう。
直接相対するにせよ、説得するにせよ有効であるとルークが信じて了承した。
立ちはだかるディアボロスの各砲口にエネルギーが収束していく。
放たれた殺戮のフルバーストを掻い潜りながらヴァーティカルとヘリテージは接近する。
……過去は変えられない、もう戻れないのかもしれない。
だとしても、皆で歩む未来を望むことはできる。やり直す事はできる。
ならばと手を伸ばす事を諦めない。
【次回予告】
迷い躊躇いながらも、光在る場所へと手を伸ばす
真っすぐに投げてくる君の言葉は眩しくて
今ここに宿命を凌駕せんと、遠い惑星は惹かれあう
PAHSE-06「闇に堕ちろ」
自分で決めた
怯え惑い、怖じるがままに綺麗な景色を壊す
閲覧、ブックマーク等ありがとうございます。
感想等頂けましたら励みになります。何卒よろしくお願いします。
PHASE-05全体で一度も戦闘はないんですけど、無理に挟み込むよりかは……みたいな感じです。
ソシャゲみたく話の途中にモンスターが割り込んではいけない。
サブタイトルと次回予告を自称している謎ポエムは会心の出来です(当社比