「すまないッ! 今戻ったッ!」
『気にするなッ!』
レンリのラグエル帰還を援護したアーランドは戦場へと戻った。
クラウドダガーのコクピットから見えるのは、戦場を支配する黒き威容。
ブルーコスモス残党が放ったデストロイの後継機、デヴァステイトだ。
「……とはいえ分が悪すぎるな。流石に」
眼前に立ちはだかる黒き巨影に抗うには、あまりにも力が足りなさすぎた。
言うまでもなく本体には鉄壁を誇る陽電子リフレクターで鎧われている。
周囲を飛び交う無線飛行ユニットに至っては、リフレクター持ちとゲシュマイディッヒ・パンツァー持ちが半々で装備され、それぞれを使い分けていた。
そして一度牙を剥けば、大火力と無線飛行ユニットの連携で戦場を好き放題に踏んで躙るのだ。
しかもデストロイと異なり上半身側と下半身側に分離し、小回りまで利いている。
あのラグエルの新型ですら相当に梃子摺っているのだ。
仮にヘリテージが健在だったとしても、どこまで対抗できたものか。
『性能差で泣き言は零したくはないが、幾らなんでも……だな』
ましてクラウドダガーとゲルググであれば力不足にも程がある。
一矢報いるどころか傷一つすら負わせる事すら能わない。
そして敵の攻撃は一発でも喰らえば致命傷になりかねないのだ。
クラウスのゲルググは既に右腕を失っており、バージルも似たようなものだ。
今の今まで生きているのが不思議と言ってもいい。
D・フォートレスに備えられている主砲が咆哮し、極彩色の暴威が戦場を駆け抜けていく。
それらを回避した先にはD・サーキュラーから放たれた無数のビーム砲。
更に隙を見せようものなら、D・ファングが容赦なく啄ばもうと迫り来る。
どうにか回避しきったものの、巻き込まれた正規軍の機体も少なくない。
『こっちはビームシールドのエナジーが尽きた。尻尾撒いて逃げたくなるな』
「……まさか。まだやれるさ」
『カッコつけんなら今しかないってか』
この状況においても軽口を叩けるだけの余裕はあるのか……或いは、余裕ができたのか。
それでも戦意は潰えることなく、今も前を向いている。
今にも折れそうな心を支えているもの、それはラグエルへ帰還したレンリの存在に他ならない。
元々の目的を果たしたのもあるが、それだけではなく。
「……ここからは僕達で時間を稼ぐ。君達は撤退してくれ」
アーランドは通信の周波数を合わせて周囲の正規軍へと呼びかけた。
彼らは自分達よりも酷い有様で、まともに動けるであろう機体は残り僅かだ。
ならばこれ以上被害が増えない内に撤退してもらった方がいいだろう。
そう考えての判断だったが……
『馬鹿にしてくれるなッ!』
『足手まといだって言いたいのかッ!』
正規軍のパイロット達が真っ向からアーランドへと反駁した。
彼らの気持ちもアーランドには分かる。
あくまでも自分達は傭兵扱いなのだから。
「違うッ! ……もうじき、ラグエルにある新型が動かせるようになるんだッ!」
懸命に言葉を探すアーランドにも容赦なく、デヴァステイトは襲い掛かる。
上空のD・サーキュラーからの追い立てるようにビーム砲は放たれ、回避予測地点を狙いすましたかのようにD・ファングが刈り取るべく牙を剥く。
すんでのところでD・ファングの超振動クラッシャーを回避する事には成功したのだが。
このような綱渡りがいつまでも上手くいくとは思えない。
「彼女なら……この状況を打開できるッ! だから……ッ!」
攻撃を回避されたD・ファングが再び襲い掛かる。
今度は兵装をビーム砲へと切り替え、D・サーキュラーの射線へと追い込んでいく。
そこへ更にD・フォートレスの主砲が咆哮。
ギリギリのところで回避しきれずに左肩部の装甲と副翼を抉り取りながら後方へと突き抜ける。
「……ッ!」
バランスを崩したアーランドのクラウドダガーを見逃す程、敵も甘くはない。
D・ファングの一基が超振動クラッシャーを展開して突っ込んでくる。
間に合わない……と思った時、横手から割り込んだ機影が盾を掲げた。
「どうして……ッ!?」
盾を掲げたのは撤退を促した筈の、正規軍のウィンダムだった。
しかしウィンダムの盾程度で防げるシロモノではなく、瞬く間に咬み砕かれる。
それでもクラウドダガーとウィンダムが逃れるだけの時間は稼げた。
『新型のお出ましまで時間を稼ぐんだろ。だったら少しでも味方は多い方がいい』
次なる得物を定めたD・ファングがウィンダムとダガーへと迫る。
そこへ別のダガーが近づき、放たれたビーム砲からウィンダムを庇う。
どうにか体勢を立て直したアーランドもビームライフルの引爪を引いて牽制する。
『それにだ。お前達はザフトの……コーディネイターなんだろ? まあラグエルにいるんだから、そういう事だろうよ。噂は聞いてる』
『そんなお前達が命を張ってるんだ。俺達だけ逃げ出す訳にもいかんだろ』
彼らの言葉には確かに意地もあるだろう。
しかしそれ以上に、彼等にもまた誇りはあるのだ。
……なればこそ、その心意気には報いなければならない。
「……すまないッ!」
『いいってことよ。その代わり、作戦が終わったら一杯奢ってくれ』
「ああ……ッ!」
奮起したアーランドは再びデヴァステイトへと立ち向かう。
正規軍のウィンダムやダガーと、クラウスやバージルのゲルググもタイミングを合わせて動く。
しかし。それでも立ちはだかる黒き威容へと意地を徹すには能わない。
デヴァステイトが動く度に損傷は増えていき、コクピットにて警告が鳴り止まない時はなく。
『……しくじったッ!』
ついにはウィンダムの右脚を超振動クラッシャーが咬み砕いた。
その場に崩れ落ちたところへD・フォートレスの主砲が向き、エネルギーがチャージされる。
回避は間に合わないと判断したのかシールドを掲げるが、到底防ぎきれないだろう。
アーランドも迫り来るD・ファングの回避で手一杯だ。
「くそッ!!」
主砲のチャージが完了し、今まさに解き放たれたその時、蒼い光が閃いた。
ウィンダムを消し飛ばすはずのビームの奔流は左右に大きく分かれ、やがて霧散していく。
何が起こったのかと、改めてディスプレイへと向き直る。
『……大丈夫ですか?』
聞き慣れたレンリの声と共に、すんでのところで割り込んだ光の正体が明らかとなる。
ウィンダムとデヴァステイトの間に、一機のモビルスーツが対艦刀を構えていた。
白と青で彩られ、四対の蒼い光の翼を広げている。
どうやら主砲からのビームを対艦刀で両断するように防いだらしい。
「間に合った……みたいだな」
ヴァーティカル・インフィニティ。
レンリが戻ってきた時に備えて皆で用意していた、ヴァーティカルの改修型だ。
それが今こうして、ようやく目の前に舞い降りた。
しかし今は感傷に浸っている場合ではない。
『あとは私が対処します。皆さんは体勢の立て直しをお願いします』
『あ……ああ。了解した』
片脚を失ったウィンダムを抱えて、アーランドのクラウドダガーは戦線を離脱する。
クラウスとバージルのゲルググ、そして正規軍の機体もそれに続いた。
復帰したばかりのレンリに全て任せる形になり、心苦しさを覚えなかったといえば嘘になる。
それと同時に彼女とヴァーティカルであるならば……という思いもあった。
意識を切り替えてアーランドはラグエルを目指す。
ならば今、自分達が為すべき事を為さねばならない。
「まだ、こんなものが……ッ!」
眼前にそびえる漆黒の威容……デヴァステイトを見上げながらレンリは呟いた。
見たところデストロイに形状やコンセプトは似ているのだろう。
最大の相違点は上半身側と下半身側の分離機構。そして四基の無線飛行ユニット。
デストロイの火力はそのままに手数を増やしたといったところだろうか。
「だとしても……ッ!」
未知の機体による突然の闖入に出方を窺っていたのか。
暫くの間、黙したままのデヴァステイトが突如動き出した。
四基の無線飛行ユニット、D・ファングが一斉に迫り来る。
二基は拡散ビーム砲を放ちながら網を張る様に追い込んでくる。
そして残る二基が回避した先へと牙を剥き、咬み砕くべく超振動クラッシャーが顎を開く。
しかしその顎がヴァーティカルを捕らえ、閉じる事はなかった。
「まずは一つッ!」
一基目の突貫を回避しつつも二基目の軌道に対し、一基目を中心として対角線上へ位置取る。
味方を巻き込むのを躊躇い一瞬動きが鈍ったところへ重対艦剣《ノートゥング》を叩き込む。
展開された陽電子リフレクターをものともせず、一太刀で両断。
間を置かずにその場を離れ、突っ切ってきた超振動クラッシャー持ちを回避。
そのままビーム砲持ちへと向けて敢えて機体を加速させる。
ビーム砲持ちは迎撃すべく下がりながら連装ビーム砲を放つが、ヴァーティカルの方が速い。
瞬く間に抜き去り、すれ違いざまに対艦剣の刃を浴びせる。
最大加速に加え対艦剣の質量に抗える筈もなく、まるで玩具のように砕けて爆ぜる。
「二つッ!」
振り返ることなく更に駆け抜け、上半身側のD・サーキュラーへと向かう。
円周部に備えられた多数のビーム砲がヴァーティカルを狙い、執拗に浴びせられる。
ここで急制動を加えて方向転換。
遥か上空へと一気に駆け上がり、それを追うように数多のビームが天へと追いすがっていく。
更にD・フォートレスも咆哮し、極彩色の閃光が空を塗り潰し蹂躙する。
「……見えたッ!」
遥か高みの彼方。
意識を研ぎ澄ませていくと、不意に視界がクリアになったような感覚を覚える。
そう。まるで種子が芽吹くかのように。
緩慢に思える時の流れの中、意識は眼下のデヴァステイトを捉えた。
急転直下。
重力に加えヴォワチュール・リュミエールによる最大加速。
ビームが迎え撃つ暇さえ与えずに対艦剣をD・サーキュラーの頭頂部に突き立てる。
更に急制動からの方向転換でD・ファングの一基に接近。
陽電子リフレクターを展開する暇すら与えずに、脚部のビーム重斬脚で蹴り砕く。
更に蹴りを放った勢いで機体を捻り、大地に接触しかねない勢いで飛翔する。
上空からは残ったD・ファングによるビームが後を追うが捉えられない。
肩部からビームブーメラン《マイダスメッサ―N37X》を二振り取り出しつつ低空を駆けていく。
「これで……さよならッ!!」
D・サーキュラーは既に破壊され、更にはD・ファングも三基失っている。
残るD・フォートレスの手足は殆ど毟り取られたも同然だ。
しかも装備は重火力に偏重しており、当てる事すらままならないだろう。
漸く胸部の《スーパースキュラ》や口吻部の《ツォーン》にエネルギーが収束していく。
しかし。最早手遅れと言ってもいい。
一足早く眼前に現れたヴァーティカルが砲口へとビームブーメランの刃を突き立てる。
ヴァーティカルがその場を離脱した次の瞬間、D・フォートレス各部が次々と爆ぜた。
そして一際大きな爆発により跡形もなく四散し破片や残骸を撒き散らす。
「まずは一機。あとは……」
首尾よくデヴァステイトを撃破したレンリは、肩で息をしながら周囲を見渡す。
如何に新型といえども大元はデストロイの強化発展機である。
無線飛行ユニットの数や分離などのギミックが追加されども、大元の対処法は変わらない。
とはいえ、一人で対処するのは骨が折れるのも事実であった。
破壊されたD・サーキュラーから対艦剣を引き抜いて腰部にマウントする。
尤も、ここまで動けたのはひとえに機体性能のおかげと言ってもいいだろう。
ヴォワチュール・リュミエールの最大稼働に加え、レンリ自身の操縦にも十分対応できている。
きっと、スターリンカーですらここまで追従はできなかったのではと思えた。
このヴァーティカルとならば、どんなことだってできるだろうと。
次はルーク達の援護に向かうべきだろうか。
軽く状況を確認すると善戦はしているようだ。
そんな時、レーダーが捉えた機影に気が付いた。
遥か前方……基地中心部から出撃した機体だ。
「これは……?」
「ヴァーティカル・インフィニティ……いやはや、圧倒的じゃないか」
皆が苦戦していたデヴァステイトを瞬く間に葬ったヴァーティカル。
その一部始終を目の当たりにしていたディーン・アズラエルは、どうにかといった具合で言葉を絞り出すのが精一杯だった。
確かに、改修したヴァーティカルのスペックをフルに引き出したとすれば想定の範囲内ではある。
だとしても、デストロイ級の戦略機動兵器をこうも容易く圧倒してしまうとは。
「ご自慢の新型がここまで成果を出したのです。もっと喜んでは?」
「……正直、ここまでとは思わなかったさ」
揶揄するようなエリアスの言葉に、どうにか平静を取り戻したのか肩を竦める。
無論、機体同士の相性もあるのだろう。
火力と装甲と手数で有利なデストロイやデヴァステイト相手で同じ土俵に乗る必要はない、
かのフリーダムやデスティニーのように、機動性で圧倒してしまうのが最適解だ。
それを行える機体があってもパイロットがごく限られているという問題はあるのだが。
しかしこうして、その双方が揃った結果がこれなのだ。
尤も、パイロットであるレンリのメンタルなども勘案する必要はあるだろう。
正直に言って恐ろしい……とは思う一方、やはり並の人間には扱えないと改めて確信した。
コーディネイターであるアーランドですら満足に動かせなかったのだから。
「ま……万人が扱えるような機体じゃないという事か」
機体をどれだけ高性能に仕上げようが、扱える人間がいなければ意味がない。
今後はナチュラルだのコーディネイターだのと拘ってはいられないだろう。
無論、それはオーブやプラントもまた同様である。
オーブはまだしも、あのプラントがコーディネイターというプライドを捨てられるだろうか。
だからこそのコンパスなのかもしれないが。
「基地深部より出撃したモビルスーツを確認。熱紋照合……これはッ?」
オペレーターのミラがし新たに出現したモビルスーツを確認する。
ほどなくして熱紋照合が行われ、カメラが捉えた姿がディスプレイに映し出された。
それはラグエルのクルーにとっては見覚えのある機体で……
「……ストライクE?」
「しかも単機で、どういう心算ですか?」
姿を見せたのはレムナント・ワンに所属しているストライクEだった。
確か指揮官機の筈で、エールストライカーを装備しているという点は普段と変わらない。
しかし部隊を率いている様子はなく、単機で基地から飛び出してきた。
何かの罠なのだろうか?
そう考えた時、レーダーが新たな機影を捉えた。
「レムナント・ワンの無線機動端末ですッ! しかしこれは……ッ?」
ストライクEに続いて姿を見せたのは、怪鳥のような姿形をした無線機動端末だった。
随伴させているのかと最初は考えたが、どうも様子がおかしい。
どうやら件の端末はストライクEを敵と定めているような挙動を見せていた。
獲物を甚振る様に追い回し、執拗に攻撃を加えている。
『大西洋連邦軍ならびにブルーコスモスへ告ぐッ!』
「これは……国際救難チャンネルですッ!」
その狙いを推し量っていたところ、件のストライクEからの通信を受け取った。
国際救難チャンネルによる突然の呼びかけ。
しかも、こちら側だけではなくブルーコスモスにもだ。
呼びかける間にもストライクEは無線機動端末に追われている。
『まもなくこのヘブンズベース基地は……サイクロプスによって自爆するッ!』
『時間がないッ! 早く離脱してくれッ!』
「どういう事だッ!?」
デヴァステイト一号機の管制室。
一応友軍機であるストライクEによる突然かつ不可解な通信に、機長は訝しむ。
サイクロプスによる自爆など、事前の打ち合わせに全くなかった。
今通達するにしろ国際救難チャンネルを用いる必要などない。
であるならば……
「ユリエールめ、謀ったかッ!!」
自分達を囮としてラグエルの戦力を釘付けにし、サイクロプスで諸共に始末する。
恐らくは、それがユリエールの書いたシナリオなのだろう。
勝つ為には犠牲が付き物であるのは理解はしている。
理解はしているのだが、いざ自分達がそうだと突きつけられて納得はし難い。
他の乗員達も一様に顔を見合わせ戸惑いを隠せないでいる。
「て、敵モビルスーツ接近ッ!」
「駄目ですッ! 間に合いませんッ!」
乗員の悲鳴めいた叫びと共に、ディスプレイにラグエルの新型が大写しになった。
左腕に備えられた超振動クラッシャーが大きく開かれる。
理由はどうあれ戦場で戸惑いを見せればこうもなろう。
少なくとも、あちらから見れば自分達は等しく『敵』でしかないのだから。
「……因果は巡るか」
思えばかつて、自分達はアラスカの地において味方を犠牲とした。
サイクロプスの囮として、ユーラシア連邦の友軍やアークエンジェルを贄と捧げたのだ。
そして今度は自分達の番だったというだけの事である。
だとしても、どうしても、何故自分達がと憤りと無念とを覚えてしまう。
ならばせめて。奴らには生き延びてもらわねば。
そしてユリエールに一矢報いてくれるのであれば、少しは気分も晴れるのかもしれない。
「この状況でサイクロプスですか」
「しかしブラフの可能性も否定できません」
突如基地の奥から出撃したストライクEによる告発。
もしそれが事実であるならば、即時に撤退せねば間に合わないだろう。
しかし丁度、虎の子のデヴァステイトを墜とされたタイミングでもあった。
エリアスの指摘通り、体勢を立て直す為にハッタリをかました可能性も否定できない。
『あの人の……ライアンさんは、私の脱出を手伝ってくれました。だからッ!』
言うや否やヴァーティカルはストライクEへと向かって駆けていく。
確かに、レンリの脱出に際しては単独では難しいと考えれば得心がいくだろう。
何者かの手引きがあったと考えるのが自然だが、ライアンと呼ばれた人物がそうなのだろうか?
そして脱走の手引きのみならず、サイクロプスの使用までも告発した。
とはいえ、そのライアンとやらのストライクEの動きも鈍い。
脱出に際し何らかのトラブルがあったのだろうか、これまでの戦闘と比べると一目瞭然だ。
しかも武装も碌に装備しておらず、執拗な無線機動端末相手にまともな抵抗すらできていない。
瞬く間にエールストライカーの主翼を破壊され、続けて頭部をも失う。
どうにか墜落は免れたが、そこへ端末がヴァルチャーの如く執拗に襲い掛かる。
「少尉。ストライクEを確保してくれ。彼には訊きたい事がある」
『了解ッ!』
ついには脚部にも攻撃を受け、その場に崩れ落ちたストライクE。
そのまま息の根を止めようとする端末へと、ヴァーティカルが狙いを定める。
両肩からビームブーメランを二振り取り出すと端末の群れへと飛び込んでいく。
『邪魔を……しないでくださいッ!』
素早く繰り出された斬撃、或いはビームブーメランの投擲。
更にはビームフィールドを展開した脚部による攻撃。
全ての端末を瞬く間に蹴散らしてしまう様は、正に鎧袖一触と言えるだろう。
『ライアンさんッ! 大丈夫ですかッ!? ……ライアンさんッ!』
最早コクピットブロックしか残っていないストライクEを抱えてレンリは必死に呼びかける。
しかし気を失っているのか返事はない。
尚もレンリは呼びかけを続けているが、その時……
「基地深部から巨大な熱源反応……これはッ!!」
「……アマサキ少尉、サイクロプスですッ! 今すぐに退避をッ!!!」
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感想等頂けましたら励みになります。何卒よろしくお願いします。
仕事が繁忙期で中々に筆が進まず、進捗が終わり散らかしています。
どうにかPHASE-09は予定通りに投稿したいのですが、以降は間隔がそれなりに空くと思います。ご了承ください。
進捗次第では活動報告でも何かしらお知らせはするかもしれません。