この素晴らしい世界に後日談を!   作:観葉植物(カズめぐ)

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お久しぶりです...
もはや忘れられてそうな物書き、観葉植物です
さて、今回は第1章の第1話になります
今回の話は苦労人(カズマさん)パーティーが王都に行くまでの話...の予定だったのですが、あまりにも更新が遅れてしまうので王都に行く前までの話になってます
それでは、どうぞ


この苦労人の旅路の準備を!

「な、なあカズマ。もう一度考え直してみる気は...」

 

「ない。」

 

さっきからずっと俺に再考を促すダクネスに対して、俺は即答する。

 

なぜこんなことになったのかというと。

 

アクアから家を追い出された俺はまあ色々とうまいことやって報復まで済まして家へ帰還した。

 

で、そのアクアへの報復の後始末をしているところに王都からの使者がやってき、ダクネスに手紙を渡してきた。

 

そして、その手紙の中身は、俺が待ち望んでいたアイリスからの国を挙げた魔王軍勝利の祝いのパーティと褒賞授与式への招待。

 

俺のこの世界での苦労がやっと、やっと報われる時が来たのだ。

 

だが、どうもダクネスは俺が王都で粗相をしないか警戒しているらしい。

 

魔王まで倒した勇者であるこの俺がそんなことをするわけがない。

 

「あ、アクアも王都に行くのは嫌だろう?家でゴロゴロしたいだろう?」

 

「私は王都に行きたいわよ?家でゴロゴロするのもいいけど、王都に行ったらカズマさんが蔵置所の賠償として高いお酒を買ってくれるんだもの。」

 

アクアはすでにこっち側に引き込んでいる。

 

酒の1つや2つで釣れるのだから楽でいい。

 

ちょっとは成長したか?と思ったが相変わらずチョロいなと思う。

 

これでも仮にも女神なのだから、もうすこししっかりしてほしい。

 

まあ、楽に越したことはないが。

 

「よし、アクアもどうやら王都に行くのに賛成みたいだな!じゃあめぐみんが帰ってきたら多数決でも取るか!とは言っても、めぐみんが反対するとは思えないがな!」

 

「う、ううううう....」

 

頭を抱えるダクネスを見ながら勝利を確信した笑みを浮かべた。

 

ちなみに、めぐみんはアクアへの報復の過程で色々あり警察署に連行されている。

 

まあ、夕方には帰ってくるだろう。

 

 

 

---夕方---

 

「嫌です」

 

警察署に連行されただけのはずなのになぜか魔力切れでぐったりしたような状態でゆんゆんに背負われて帰ってきためぐみんがぐったりしながらも即答してきた。

 

視界の端でダクネスがパァァっと顔を輝かせているが、一旦無視だ。

 

「この男は、いつもはアクセルから出たくないとすぐに言う癖になぜアイリスが絡むとどうしてあっさり手のひらを返すのですか」

 

珍しく殊勝な態度をとるめぐみんに、俺は煽るように言う。

 

「おっ?なんだお前、妬いてんの?」

 

「そうですよ。妬いてるんです。ちょっとは警察署に連行された私のことを気にかけてくれてもいいじゃないですか」

 

「えっ。.....あっ、はい、すいません」

 

即答してきためぐみんに、思わず戸惑ってしまい俺の顔の方が熱くなる。

 

そうだった、こいつは直球でカウンター返してくるやつだった。

 

ちなみにめぐみんは犯人が俺であることには気づいていない。

 

起きたらいきなり警察署で、いきなり無実なのに詰め寄られたらしい。

 

あのうるさい魔道具のおかげで無実だと言うことは証明されすぐに釈放されたそうだが、それでも気の毒だとは思う。

 

まあ、気づかれてないみたいだし、黙っておこう。

 

「どうしてカズマはそんなにアイリスのことが気になるのですか?」

 

めぐみんがそう言ってこちらをじっと見てくる。

 

目が紅く輝いている状態でガン見してきているので少し、いやだいぶ怖い。

 

「い、いや、なんと言うかさ、なんか放って置けない子というか...。異性としてというよりかは、立場のせいで自分を押さえ込んでわがままとかもいえない、周りに気を遣ってばっかりで寂しい思いをしてる妹って感じで気になるんだよ」

 

俺は別にロリコンではない。

 

めぐみんのことを言われるとまあアレだが、俺はロリコンではない。

 

それだけは断じて言える。うん。

 

アイリスはあくまでも可愛い妹として見てるし、めぐみんは可愛い恋人として見てる。

 

いや、まだ仲間以上恋人未満の関係なんだったけ?

 

まあ、なんにせよ俺はロリコンではないっていうことだ。

 

めぐみんの予想外の態度に、思わずしどろもどろになってしまったが、自分の顔が赤くなっていないか心配しながらも言葉を続ける。

 

「まあでもあれだ、めぐみんが嫌なら何か別の方法を考えるよ。元々多数決で決めるって言い始めたのは俺だしな。魔王を討伐しての祝いのパーティはどうせなら皆で行きたいしな。アイリスの顔が見られないのは残念だけど...」

 

「行きましょう」

 

と、めぐみんは俺の言葉を遮ると、ふうと小さなため息を吐き

 

「私もあの子のことが気になりますからね。さっきは少し妬いていただけですから」

 

「お、おう、そうか」

 

なんだろう、この直球の好意は。

 

思わず耳の辺りがすごく熱くなる。

 

ダクネスが視界の端でこの世の終わりみたいな絶望した表情を浮かべているが、もちろん無視する。

 

「よ、よし。とりあえずこれで王都に行くのに賛成の方が多いみたいだな!」

 

「う、うう...」

 

「まあまあ、そんなに絶望した表情してないで飯でも食おうぜ!王都に行くまでにはまだ後1週間あるんだしな」

 

「お、お前のせいで絶望する羽目になっているのだが...」

 

ダクネスが何か言ったようだが、無視する。

 

「と、今日の料理当番は誰だ?」

 

「私ですね」

 

どうやら今日はめぐみんが当番の日だったようだ。

 

「何か食べたいものはありますか?」

 

「私は家庭料理が食べたいわね。1週間後にはもうほとんど食べられなくなるもの」

 

「私は...特にないな。というか、家庭料理がほとんど食べれなくなると言うが、アクアは何を想像しているのだ...?」

 

アクアがやや食い気味に答え、ダクネスもそれに続いて答える。

 

「カズマは何か食べたいものはありますか?」

 

「そうだな...」

 

聞かれると少し悩む。

 

俺もアクア同様もうほとんど食べることがなくなるであろう家庭料理が食べたいが、なんだかんだでよく食べている気がする。

 

最近食べていないもの...あっ

 

「カレーかな。あれ、めぐみんの得意料理だろ?」

 

「ええ。紅魔族の中でも一番上手な自信がありますよ」

 

めぐみんがドヤ顔で自信ありげに言う。

 

...ドヤ顔も可愛いな。

 

「私もカレーがいいわ!最近食べてないもの」

 

アクアも俺の意見に賛成してくれた。

 

「じゃあ、作りますからちょっと待っててくださいね」

 

そう言ってめぐみんは台所へ歩いて行った。

 

 

 

---数十分後---

 

カレーのいい匂いがしてくる。

 

「できましたよー」

 

めぐみんの声がする。

 

「おっ、できたのか」

 

「はい!今日のは私の中でも特に良くできていると思いますよ!」

 

めぐみんがドヤ顔で自信ありげに言う。

 

...気のせいかな、さっきも見たような.........

 

まあ、いっか。

 

「それは楽しみね」

 

アクアがワクワクしながら言う。

 

正直言ってこいつに味の違いがわかるとは思えないのだが...

 

「カズマ、カズマ?」

 

と、俺がアクアは味の違いがわかるのか考えていると、めぐみんから声がかかってきた。

 

「どうしたんですか?」

 

「いや、ちょっと考え事をしてただけだよ」

 

「そうですか。なら冷めないうちに食べましょう」

 

「そうね。もう私お腹ぺこぺこだもの」

 

「「「「いただきまーす」」」」

 

早速、めぐみんの作ってくれたカレーを口に運ぶ。

 

「うま!」

 

「そうでしょうそうでしょう!なんせ今回のは私の中でも特によくできていますからね!」

 

「いやでも、やっぱり好きな人の作ってくれた料理ってのは一段と美味しく感じるな!」

 

「ええ!そうでしょうそうでしょ...!?!?!?...............カ、カズマは不意打ちがうまいです...

 

めぐみんが何か言ってたような気がするが、多分気のせいだろう。

 

しかし、好きな人の作ってくれた料理っていうのはやっぱり一段と美味しく感じる。

 

...と、俺はそこで、めぐみんの顔が真っ赤になっていることに気がついた。

 

どうやらアクアも気づいたようだ。

 

「...?めぐみん、顔が真っ赤よ?どうかしたの?」

 

「い、いえ。なな、なんともありませんよ」

 

なぜかめぐみんがしどろもどろしつつも答える。

 

...どうしてあいつはあんなに顔を真っ赤にしているんだ?

 

俺はふと、自分のついさっきの言動を思い出し、そして考えてみる。

 

...

 

「ねえねえカズマさん、めぐみんの顔が真っ赤なんですけど...って、カズマさんも顔が真っ赤じゃない!どうかしたの?ヒールはいる?」

 

「い、いや?なな、なんともないぞ?」

 

まじかよついさっきの俺、アクアとダクネスがいる中で思いっきしめぐみんの事好きっていてたのかよ...

 

幸いにもアクアとダクネスには聞かれてなかったようだが...

 

...そうだとしても普通に恥ずかしい!!!

 

そうして、恥ずかしい晩御飯を終えた俺は恥ずかしさからすぐに部屋に引き篭もった。

 

 

 

---1週間後---

 

 

 

...そんな恥ずかしい出来事から早くも1週間。

 

今日は待ちに待った、俺のこの世界での努力が報われる日だ!!!

 

...とその前に、バニルの店にアクアのゼル帝()とちょむすけを預けに行く。

 

なんならアクアもペットとして預けてやりたいぐらいだが、そうするとほぼ間違いなくバニルと喧嘩してウィズが成仏してしまうのでやめておく。

 

「へいらっしゃい!汝親愛なるお客様よ。約束通り、倉庫に大量に在庫を抱えている高額商品を買い取ってもらうぞ?」

 

「わかってるよ。心配すんなって。...で、今回は何を買えばいいんだ?」

 

「これだ。毎度の如く、そこ焦げている貧乏店主が仕入れてきおったものだ」

 

そういって見せられたのは、水色の半透明な液体が入ったガラス瓶。

 

ポーションかなんかだろうか?

 

「何だ、これ?」

 

「うむ。これを飲むとどのような異常状態でも治すことができる優れ物だ。毒は勿論の事、混乱や盲目、果てには体に振りかけることで石化やなんと死すら治すことができる。貴様のパーティーのあの狂犬女神が必要なくなるような代物だ。」

 

「...っで、欠点は?」

 

「値段が高すぎるのと、使用条件の厳しさだな。値段はこれ一個で貴様が前に購入した最高品質のマナタイト100個以上に匹敵する。そんなものが計60本だ」

 

「う、うわぁ...」

 

そこで俺は、ふと疑問に思う。

 

「そもそも、なんでウィズはそんなものを計60本も買えたんだ?そんなに儲かってないだろ、この店」

 

「...借金だ」

 

「...え?」

 

今、なんかとてつもない言葉が聞こえた気がする。

 

「借金だ。そこの貧乏店主が、これ買うためだけに計2700億エリスも借金しおったのだ。利子なども合わせると計3000億エリスは超えるな」

 

「...は?」

 

さ、さ、さんぜん億エリス?

 

「...俺はどうやって支払えばいいんだよ、それ」

 

「何、今すぐに払えという話ではない。貴様がこれから行く褒章授与式で受け取れる魔王討伐の報酬はとてつもない額だ。報酬を得た後に払ってくれれば良い」

 

「...ちょっと待て、一体俺はどれだけの報酬を貰えるんだ?」

 

「フハハハハ!それを言ってしまうと楽しみがなくなるであろう。」

 

一体何が貰えるんだよ。

 

ワクワクよりも不安が大きくなってきた俺は、話題を変える事にした。

 

「そ、それはそうと、この鶏と猫は頼んだぞ?最も、この黒猫は猫じゃない気がするが」

 

「鶏の方はともかく、黒猫の方は吾輩としてもなかなかに興味深い状態になっているのでな。任せておくがいい」

 

「...やっぱちょむすけって普通の猫じゃないのか?」

 

「それが知りたければ追加でこの商品も買ってもらおうか。」

 

そういってバニルが指差したそれは、もう、見るからに高そうな黄金に輝くグラスのようなもの。

 

「...値段だけ聞こうか」

 

「821億6920万エリスである。これもあの貧乏店主があのポーション代と一緒に借金してまで仕入れてきた代物だ。」

 

「んなもん買えるか!」

 

「であろうな。まあ、吾輩からヒント...いや、もうこれは殆ど答えであるな。この黒猫を貴様のテレポートで忌々しき神どもの住処に連れて行ってやるとと吉。さらにあの頭が爆裂してる紅魔族のあの娘も一緒に連れて行くと尚良いぞ。」

 

「...どうしてそんなに教えてくれるんだ?」

 

「それは、貴様があの魔王を倒してみせた"勇者"だからである。」

 

「...!!」

 

「吾輩はそんな貴様に対し敬意を持っているからこそ、こんなに教えてやっているのである。まあ、読者の皆様へのふぁんさ、というやつでもあるのだが...

 

あいつ、今日本語言わなかったか?

 

まあ、気のせいだろう。

 

それはそうとなるほど、そう言われてみればそうだ。

 

でも、なんかバニルに敬意を持たれいてると思うと、嬉しいし若干照れるような...

 

「まあ、嘘であるが。おっと、悪感情、美味である。」

 

前言撤回。

 

そうだよ、こいつはこんなやつだった...

 

「っと、吾輩としては久々に美味な悪感情を頂けたのでもう貴様に用はない。さっさと帰るがいい。それと在庫処分の件、忘れるなよ?」

 

「わかってるよ。じゃあな。ちょむすけとゼル帝をよろしく頼むぜ。」

 

そういって俺は、ウィズの店を去った。

 

 

 

「...ん?」

 

アクアたちとの待ち合わせ場所に着いた俺は、ある異変に気づく。

 

「...ダクネス、なんか馬車の数が多くないか?」

 

「ああ、カズマもそういえば馬車で王都に、しかも国賓レベルの待遇で行くのは初めてだったな。待遇が待遇だ、いつもの馬車の旅よりも護衛についてくれる冒険者や騎士たちの数は増えるぞ?なんならこれでも少ない方だと思うが...」

 

「...いや、これで少ないってどういう感覚してるんだよ......」

 

待ち合わせ場所には、40〜50近い数の馬車が所狭しと並んでいる。

 

これでも少ない方とは...

 

「それはそうと、アクアとめぐみんはどこだ?」

 

「ああ、アクアなら...」

 

ダクネスが何か言おうとしたその時。

 

「なんでよー!」

 

アクアの大声が聞こえた。

 

「...アクアは、護衛についてくれる冒険者たちにアクシズ教を布教しに行った...まあ、結果は予想通りだが.........」

 

何してんだあいつ。

 

と、俺がドン引きしてると、アクアが帰ってきた。

 

「うう...かずまぁ......」

 

「お前は出発前から何してんだ、流石の俺でもフォローのしようがないぞ...」

 

「だって...人がこんなに沢山集まってたら布教するしかないじゃない...」

 

「なんでそうなるんだ...」

 

「私たちは魔王討伐の功労者なのよ!?なら、ちょっとぐらい私の話を聞いてアクシズ教に入信してくれてもいいものじゃない!?」

 

その後もわーわー言ってるアクアは一旦放置することにする。

 

「...で、めぐみんはどこに行ったんだ?」

 

「...聞きたいか?」

 

あいつはあいつで何してんだ...

 

「...聞きたくはないけど聞くしかないだろ.........」

 

...まあ、だいたい予想はつくのだが......

 

「...めぐみんは、めぐみんにぶつかってしまった冒険者に逆ギレして...」

 

やっぱりかよ。

 

「もういい、ダクネス。皆まで言うな...」

 

なんで....なんで俺のパーティーメンバーは事あるごとに問題を起こすんだ...!




やっとアップできました、この第3話...
実はこれ、去年の9月頃から描き始めて、短くしてもやっと今です。ええ。
読者の皆様からの優しさに...優しさに、報いなければならないと言うのにぃぃぃぃ!!!!(某ペテ公)
後半はクオリティ低くね?と思ったそこのあなた。
それはもう、色々と疲れ果ててる状態で書いたところだからです...
許してください...
というか、この話は後半よりもカレーのあたりのやりとりが描きたかっただけなんですよね...
前半なんかは10巻のオマージュになってます
では、後書きが長くなりましたが...
また、次の話がアップされた時に会いましょう...!
今度はもっと早くできるよう頑張ります...!!!
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