異世界迷宮でロマンスを【完】   作:ノイラーテム

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悪狼王

「ルミは既に探索者が冒険者になるほどの経験を積んでいると思う。スキル付与と装備作成の経験を積み次第に条件を果たせば、隻眼になれると思う。結晶の収集やスキル付与に関して、そろそろ最上位の結晶を視野に入れてもよいだろう」

 

「交代で参加しておったワシが既に40超えとるでの。もう少しというところじゃろう」

 

「装備もだが隻眼が領内で懇意にしてくれるとなれば箔が付く。何でも協力するぞ」

 

「そうよルミ。貴女のために協力するだけじゃなくて、みんなのためなの」

 

 昭信はルミの鍛冶師レベルが50を超えているのを確認した。

 

しかし隻眼のジョブは得ておらず、何らかの条件が達成できていないのだと思われた。もっとも八種以上の結晶を八品目以上の装備に付与しようとした試みも、完全には実行できていない。装備品の総合数もまだまだだ。言われてみれば50レベル到達と同時というわけではあるまい。

 

「ありがとうございます! これからも頑張ってやっていきたいと思います! ……と、ひとまずはこの短剣二本ですね」

 

「直ぐに頭を切り替える必要はないと思うぞ。もう少し落ち着いてからでも構わん」

 

「感動は実際にジョブを得てからにしますよ。マスター」

 

「それもそうだな」

 

 みんなの方に頭を下げたルミが昭信に顔を向け直した。

 

その表情を頼もしく思いつつも昭信は急がなくともよいと告げたのだが……。言われてみればルミの言う通りだ。いまだに隻眼には到達しておらず、思っているよりも複雑な条件ないし、膨大な条件であった場合は数年を擁する必要も可能性もあるのだ。今は気にせずに、目の前の用件を順番に片付けることにした。

 

「ではマスター。この短剣に関する要望をお聞かせください」

 

「俺はこの短剣を武器というよりは、必要なスキルを詰め込む道具だと考えることにした。ひとまずグレースに持たせておくが、一つは暗殺者のジョブに必要な能力、もう一つは守り刀のような子孫に持たせておけば安心できるような武器だな。先に言っておくがギルド神殿を付与することによる資格解除も視野に入れているので、オリハルコンの短剣の方が守り刀でも構わない」

 

 様々なスキルが欲しくなるが、全てを揃えるのは不可能だ。

 

そこで片方はグレースが持つ鋼鉄の剣の上位互換として、五つ分のスロットに置き換えるというものにする。そしてもう片方の短剣には、HP吸収や詠唱中断のような、誰が持っていても損の無い能力を詰めておくことにしたのである。今はグレースの能力と選択肢を大幅に拡張し、将来は子供に持たせておくとしたのである。

 

「随分と高価な守り刀ですが……オリハルコンの武器に関する条件というのは、上のジョブになれば使いこなせる。という条件ですか?」

 

「おそらくそうだ。鍛えた冒険者がオリハルコンの剣を使ったのを見たことがある」

 

「でもアキノブさま……生まれてもいない子供に少し高価過ぎではないでしょうか」

 

「あれば一安心ですが、ギルド神殿は一財産ではすみません。領地の資産かと」

 

 当たり前だが、ギルド神殿を使うという昭信の考えには反対意見が出た。

 

ルミはあくまで理論の組み立てと興味からそれほど気にはしていない。しかしエレーヌとシモーヌにとってはギルド神殿に関する考え方が違う。昭信からしてみれば原作でデュランダルに使ってるから、『自分は使う気ないからノーカン』で済むが、ナーシャ家の二人からしてみれば立派な収入源である。それこそ薬草採取士ギルドでも設置しておけば、よその町のギルドから売り買いしている利益がこの村の収益となり、その一部は領主家に対する上納金になるのだから。

 

「しかしな。子供たちの世代になっても間違いなく迷宮は生まれてくるぞ。盗賊のような輩が隙を見て攫いにくるかもしれん。もちろん食い詰め者という意味ではなく、対立派閥や商人が領地狙いで送りつけてくるような輩だ。備えて損はないと思うぞ」

 

「ですけど物には限度がありません? アキノブさまとの子供なら可愛いとは思うのですが……」

 

 子供どころか結婚もしてないのに気が早過ぎる話題である。

 

だが領主家にとって子供とその世代の戦力、そして装備品の充実は必要な話題であるといえなくもない。そしてギルド神殿を使うほどの装備品であれば、子世代を守るにもスタートダッシュで鍛えるにも十分なのは確かだろう。子供を作る気も可愛がる気もマンマンな昭信と、そのことに気が付いて照れながらも次期領主として注意しているエレーヌであった。

 

「ひとまず守り刀を誰が持つかは棚上げしませんか? 現状でもグレースさんが上のジョブになれば使えます。そしてグラングラッドを始めとした山向こうの派閥が何も言ってこなければ、オリハルコンの剣に施してもよいはずです。それが分かる頃には、マスターの実力ならば幾つものギルド神殿を手に入れている可能性があります。子世代で使うにはどちらの短剣も問題がありますからね」

 

「そ、そうだな。その意見に賛成だ。いかがでしょうお嬢様、御屋形さま」

 

「そうね。少し待っても良いのでは、アキノブさま?」

 

「分かった。皆がそう言うならば受け入れよう」

 

 ルミは考察を勧めながら仲裁案を出した。

 

ここでのキーポイントは、グレースが使いこなせるか、昭信の子供たちが使いこなせるかである。中位ジョブでなければ使いこなせないならば今直ぐ急ぐ必要はないし、少なくとも子供に持たせるならばギルド神殿は必須だろう。その上で真鉄の装備はシンプルに重いので、予備武器として持っておくだけならともかく、片手で振り回すには難しいというのがある。少なくともそちらもグレースが使いこなすには、中位ジョブである刺客になってからが本番だろう。

 

「では真鉄の短剣を上位互換の装備としましょう。今直ぐにでも置き換えが可能ですし、将来に暗殺者の後継者が現れた時にも一本だけなら何とかなるでしょう。逆に子供の場合は両手で構える必要がありますし、女の子の場合は少し不安です。一方でオリハルコンの短剣は……両手剣の方でもそうですが、ギルド神殿次第で誰でも可能であれば安心ですし、何よりグレースさんが使う間はギルド神殿は不要です」

 

「確かにそうだな。今のところはHP吸収は必要としていないし、盾で十分か」

 

 ルミはここで実用性を重視した。オリハルコンは使い難いのが問題だったからだ。

 

オリハルコンの短剣を状態異常の上位互換にすると、グレースは良いが次の暗殺者が困る。また真鉄の短剣を女の子が受け継いだ時に守り刀として使えなくなるのだ。それを考えたら真鉄の短剣を今から上位互換のアップデート品として設計し、オリハルコンの方を守り刀にすればよいのである。将来的にはギルド神殿を付与するとしても、グレースが使う間は不要なので急がなくてもよくなるのである。ナーシャ領にギルドが幾つも必要な今、急ぐことはないだろう。そして何より、今直ぐHP吸収付きの武器が必要ではないのだ。

 

「そして現状に加えて石化を付与し、一枠空けておきましょう。将来的に最上位のトロールの結晶による防御無視を入れるか、いっそこちらにも詠唱中断なりHP吸収を入れるかを後に考慮します。蜂のダメージ逓増もよいですが、短剣を二本使い分けるスタイルですと、やはりアクセサリーの方がよいでしょうね」

 

「そうだな。守り刀の方に防御無視を入れるのは確実だし、揃えて損はない」

 

「ではサンゴの優先順位を少し上げて、他も順次揃えてきますね」

 

「これから他の計画も聞くことになるだろうが、ひとまず頼んだ」

 

 こうして二本の短剣に関しては折り合いが付いた。

 

後は結晶が揃うたびに完成が近づくだろうし、最上位の結晶やギルド神殿も数年掛ければ揃えられなくもない。ゆえにここからは、今後の計画をする必要があるだろう。

 

「次は第一迷宮の五十層以降と、第二迷宮の四十層までの計画ですね。現時点でなんとか魔法ダメージ削減を付ける竜が二個、物理ダメージ削減であるスライムが一個、火属性のトカゲ一個、水属性の人魚二個、土属性のゴーレムが拾った物も含めて二個入手しました。以前から持っている物も含めれば……二人分は確実に、三人目の分を一カ月以内に揃えられるでしょう。もちろん身代わりを付ける芋虫の予備もです」

 

「よし! これで誰かが倒れて状況が変わることは無くなりましたね、御屋形さま」

 

「ああ。付けない事になる三人には悪いが、これで五十五層までは問題ない」

 

 帝国解放会への入会前から発注を掛けている結晶が徐々に揃ってきた。

 

その間、四十九層のマダムバタフライと四十六層ボスであるケルドタイガーシャークで修練を積んできたのだが、これからの攻略に問題が無くなったと言える。もちろんすべての装備を上級素材製に変更できていないし、変更したらまた足りない結晶が出てくる。だが、そこまでこだわらないのであれば……。普通の貴族が編成しているパーテイーを基準に考えるならば、問題ないだけの条件が整ったと言えるだろう。

 

「おそらく第一迷宮は五十五層より成長している可能性がある。そして五十三層から五十五層までは薬を落とすモンスターが揃うことが分かっている。そこで徐々に階層攻略を進めつつ、五十五層で最終的な修練を積む流れとして、その間に第二迷宮攻略優先に切り替えることにする」

 

「いよいよ大詰めですね。……第一迷宮を越えられないのが残念ですけど」

 

「お嬢さま。先代の仇はいずれ取りましょう。まずは確実に第二からです」

 

「そうすべきですエレーヌさま。今の我々なら第二迷宮を確実に倒せますから」

 

 これまで五十層以降を躊躇っていたのは、迷宮ボスに準じる強さに備えたのだ。

 

通常の迷宮は五十層から始まるのと、装備を壊す可能性があるとされていた。高速で動く可能性や、高い攻撃力を広範囲に放ってくる可能性がある。もしかしたら複数回の攻撃を一体が放つ可能性があるだろう。そういった付与の可能性を極限まで排除するため、物理ダメージ削減・魔法ダメージ削減・各属性耐性が揃うまで待ったのである(風属性を急いでいないのは四十九層が蝶で風だったからでしかない)。

 

「次に第二迷宮だが、三十三層を越えたことで全てのモンスター構成が判明した。三十四層よりスパイススパイダー・ハントアント・ホワイトキャタピラー、五十層はフライトトラップで五十一層がネペンテスの階層になる。暫定的にそこが迷宮ボスだが、育っていても次がボトルマーメイドだ。問題なく対処できるだろう。先ほどのルミの言葉通り、俺たちは時間を掛ければ第二迷宮・第一迷宮の順で攻略が可能になった」

 

「後は地図を埋めていく作業だけですね、御屋形さま!」

 

「ああ。このままでも、長くとも一年以内に攻略は可能だろう」

 

「長くても一年……そのくらいなら待てます」

 

 ひとまず昭信は来年度中に迷宮攻略の目途を立てた。

 

現時点での障害は地図を作りながら迷宮を徐々に攻略していくことだ。時間が掛かる事であり、囲まれるかもしれないので神経を削る作業である。昭信たちには狼人族が多く、臭いの嗅ぎ方も特定の相手と修練を続けることで嗅ぎ慣れている。他の貴族よりは囲まれ難いが、それでも時間が掛かるのは確かであった。それを考えれば、三十四層から五十一層までの地図を埋めるのに、最大で一年かかるというのは妥当なところであろう。

 

「その上で第二の迷宮の情報を開示して、多くの探索者を誘うべきか? それともこのまま自分達だけでいくべきか? あるいはアウレリア卿の手が空いたころに支援を望むなり、山婿の派閥と手打ちをしてグラングラッドを派遣してもらうか? その辺りを討議したい」

 

「最初の意見には反対ですマスター。薬師の一族や料理人たちとの約束もあります」

 

「御屋形さま。一般の探索者は安全を重視します。効率として疑問があります」

 

 次に昭信は時間短縮のために他の者の力を借りる案を出した。

 

次の一年で何とかなりそうだが、ここで急ぐべきか、それとも自分達だけでやり遂げるかどうかだ。この意見を聞くためには、先ほどの『自分達だけでも攻略できるが、時間が掛かる可能性がある』ことを確認する必要があった。

 

「フラヴィアさまの力を借りるのはよいと思いますけれど、グラングラッドにお願いするのは反対ですわ」

 

「足元を見られるかもしれませんしね。私もお嬢さまに賛成です」

 

「なるほどな。みんなの意見は分かった。では……」

 

 他の貴族に援軍を頼むという話は消極的賛成だった。

 

フラヴィアには貸しを作ったばかりだし、第三迷宮の可能性を考慮しているから、断固とした対応を取ると伝えていたからだ。だから彼女を援軍に呼んでも問題はないだろう。逆にグラングラッドは『もしかしたら返せと言うかもしれない』という懸念を誘発すると共に、『もしかしたら危険なのかもしれない』と考えて、何を要求されるか分かったものではないからだ。

 

「エレーヌはガレス伯の下へ赴く時に、ルミは解放会の資料室で調べ物をする時に、ついでに確認してほしい情報がある。連続して迷宮が生じる可能性があるかどうかだ。無ければ我々だけで捜索し、可能性があるならばアウレリア卿にそれとなく頼む路線でいこう。もちろん木材の納入後で、それなりの援助をする報酬も払う」

 

「そうですわね。それがよいかと思いますわ、アキノブさま」

 

「先に情報を確認するのはよいかと思います」

 

 こうして迷宮討伐に関してのスケジューリングを行なった。

 

第一迷宮で『ここまでは存在する』とされている五十五層前後まで修練しながら進め、時間そのものは第二迷宮に充てるという考え方である。そして、この週の成果はもう一つ存在した。

 

(俺の方は新しいジョブを得られたな。悪狼王か……フェンリルとか獣神でなくて安心したような、残念なような。能力的には順当な強化だが、問題は新しいスキルの方だな。分かり難い)

 

 五十層でオイスターシェルと戦い始めて昭信の百獣王が50レベルになった。

 

非常に強い狼の王という意味で悪狼王というところだろう。百獣の王からマイナー化したというよりは、ユニーク化したというところかもしれない。

 

悪狼王(あくろおう)

 

・能力値。

敏捷:大成長。敏捷:微成長。体力:大成長。器用。大成長。腕力:中成長。

 

・スキル。

バーストレイヴ。ビーストロアー。天地無用(※)。

 

 今までの能力が全てワンランクアップして、新しく敏捷に微成長が増えた。

 

順当な強化と言えるのだが、問題はスキルの変化である。バーストレイヴに関してはモータルストライクの上位互換と思えなくもないが、今まであったパッシブのクリティカル発生が消えている。もはやクリティカルする必要がないと言えなくもないが、もう一つのスキルが問題であった。

 

(バーストレイヴは……特に炸裂しない? 威力はそれほど変わりがないとすると……攻撃範囲が散る方か? いや、これは反動と共に攻撃の発生自体が分散してるな。当て方次第では一点集中も出来る……面白い攻撃だ。ソニックブレードと併用すると……バケツがホースに変わったような感じだな)

 

 一時的に6thジョブにして使用してみるが、最初は拍子抜けするくらいだった。

 

モータルストライクとあまり変わらず、自分の動きが強化された分だけ使い易いか? という程度だった。だが、攻撃範囲を散らせようと大きな振りに変更した時に内実が分かり易くなった。貝殻を閉じようとしたオイスターシェルの上蓋を跳ね飛ばし、中の身を大きく抉ったのである。そしてこの衝撃の発生タイミングを如実に表したのが、ソニックブレードとの併用であった。剣圧が荒れて一方向に飛んでいく感じだったのが、意図した通りに剣の動きに沿っている。その流れはまるで、バケツで水をぶちまけたような動きから、ホースを指で絞って飛ばすような流れの差である。

 

(ジョブを入れ替えて使ってみると……うん。こっちの方が分かり易いな。ソニックブレードの頭の方から発生して、尻の方まで威力が出るのか。ということは反動と衝撃の発生が均一化することで、使い易くなってる感じかな。普通の攻撃に戻して考えるならば、狼が爪で千切り飛ばすのと、体当たりしながら爪で刻むとの差といってもいい)

 

 端的に言うとバランスが良くなっているというべきか。

 

モータルストライクの時は一点集中で、その場所を吹き飛ばすとか千切り飛ばすような動きだった。それが刃筋に沿って均等に斬り割いているという感じになる。もし一点集中できないならば弱くなったとも言えるが、突きを放ったり叩きつけるような構えなどでは元のように一点集中も可能ではある。例えるならば腕と爪だけでやっている攻撃を、今度は全身運動でバランスよく狩りに取り入れているという差であろう。

 

(バランスが良くなっているなら……今度は移動しながら使ってみるか。モータルストライクの時はジャンプしながらだと使えなかったが……ん? なんだ? 攻撃じゃなくて……動きがなんだか……)

 

 昭信はバーストレイヴのコツを掴んできたので移動攻撃に移った。

 

これまでは正しい姿勢で放たなければ当て難く、反動も大きいのでその後の動きも大変だった(スマッシュ程ではないけど)。そこで走り込んで斬撃を放ったり、ジャンプしてから斬撃を放つような動きで使ってみようとしたのだ。すると大きな変化が現れ、淀みなくするすると走り出していく。ジャンプしてから放つ袈裟斬りの動きまでが、まるで試技を記録する映像のようにスムーズに行えたのだ。

 

(動きが格段に良くなっている。かといって威力が上がっているとかではない。つまりこれは……新しいパッシブスキルの効果か。天地無用というより悪路走破だな、これでは。いや……それとも、ボルダリングやパルクールのように動いても問題無いのか? 流石に空は跳べないようだが……)

 

 昭信は空中で斬撃を放ち、着地と同時に直ぐに動き出した。

 

その際の動きは非常に滑らかで、斬撃を放った時の衝撃にバランスを取り直す必要はなかった。そして次の標的の為に走り出す挙動も見事であり、天地無用というスキルの効果をまさに体感したのである。攻撃力だけで見ればクリティカル発生が消えたのは惜しいが、戦闘のやり易さという意味では格段の差だろう。もしボルダリングのように壁の突起物を掴んでバランスを保ったり、壁を蹴ったり相手の武器に飛び乗ってもバランスが崩れないならば、相当に戦い易くなるのだから。

 

(このジョブは俺の戦い方からすると相当な当たりだな。他の技と併用し易いのもよいし、何だったらジョブの順番を入れ替えて挙動が分かり易くなるのも面白い。重ね易くなったし次はスライスだけでなく、リポストとも組み合わせてみるか……相手の攻撃を弾いた瞬間から衝撃が発生するかもしれん)

 

 これまで複数スキルの重ね技がやり難かったが、一転してやり易くなった。

 

大技は基本的に反動が大きくてどれも使い難かったのだ。モーションも重要なので合わせるなんて無理だったり、強引にやったりすると覚えたての頃は隙を晒していた。それが動作が自然な行為というか、『強者の行動とはこんなものだ』というイメージそのままの動きなので、初歩の技に戻ったように使い易いのである(初歩の頃はオーバーキルな上、重ねるとMP馬鹿食いしたが)。

 

(しかし、とうとう問題を先送りに出来なくなったな。このジョブは外したくないが、かといって百獣王を外すと大きく弱体化する。剣豪の時と違って敏捷性はずっと使ってるからな。いや、剣聖が高レベルになっていたら別だったんだろうが……。それに女性陣のジョブ変更を考えたら、やはり経験値二十倍は外せん。ここは大人しく6thジョブにするか。剣術指南役の上のジョブも、女性陣の後くらいには届くだろうよ)

 

 こうしてとうとう昭信は必要経験値二十分の一を外し、十分の一に落として6thジョブにすることにした。五十層に突入することもあり、経験値倍率二百倍になっても問題ないと判断してのことである。

 

●リザルト

 

アキノブ・タケダ。狼人族。♂。24歳。英雄55レベル。

 

 活性枠。入替枠。不要枠。

 

英雄55/百獣王50/勇者44/剣聖15/悪狼王5/剣術指南役48

 

獣戦士51/ソードマスター50/探索44/神官40/薬草採取士41/料理人35/剣豪50

 

村人5/錬金術師1/僧侶1/魔法使い1/戦士30/賞金稼ぎ1/騎士1/剣士50

 

 更新順(古 → 新)

 

キャラクター再設定、鑑定、獲得経験値二十倍。詠唱省略。68p

 

6thジョブ。必要経験値十分の一。62p。余りは結晶>>MP>クリティカルなど。

 

ルミ。ドワーフ。♀。17歳。鍛冶師50

 

シモーヌ・ナーシャ。狼人族。♀。23歳。騎士49

 

グレース。人族。♀。22歳。暗殺者49レベル

 

エレーヌ。狼人族。♀。魔法使い45レベル




 という訳で50レベルラッシュの季節。五十層なので妥当ではありますね。

●隻眼の条件
 想定の全てが必要ではないのですが、達成し切って無いのでまだ先です。
まあ最上級モンスターの結晶も所持してないし、全員が一気に中位ジョブになっても文字数が足りないので、こんなところではないでしょうか?

●装備の充実と主戦場は第二迷宮へ
 スキル結晶が揃って来たので問題なく五十層可能。
現地人の装備を考えたら、問題なく五十五層まではいけるでしょう。

その上で第二迷宮が存在する事から、無茶して第一迷宮突破を測るよりも、五十一層ないし五十二層の第二迷宮を先に突破して、無理なく五十五層以上と思われる第一迷宮を突破するマネジメントです。援軍に関しては、四十層前後で戦える連中が1パーティーか2パーティー居たら、夏ごろには突破できるなあという話ですね。

●新ジョブ
『悪狼王』
 いつの間にかそこに佇み、気が付けば兵士すら喰らう存在。
百獣王が強者ならば、それを越えた悪夢の化身である。

悪狼王(あくろおう)

・能力値。
敏捷:大成長。敏捷:微成長。体力:大成長。器用。大成長。腕力:中成長。

・スキル。
バーストレイヴ。ビーストロアー。天地無用(※)。

『バーストレイヴ』
 その行動そのものが全て凶器。
攻撃の発生から終わりまでダメージが存在し、スイングの全てが攻撃。
ただし、蹴りで動きを止めて剣で斬るという行為を行った場合、蹴りだけにダメージが乗る。あくまで衝撃とダメージのバランスが取れて使い易くなっただけで、多段攻撃という訳ではない。なお、衝撃は見えないがソニックブレードを使うと可視化するのは詠唱省略によるバグ。ちなみに相手の放った毒液などに対し、リポスト・ソニックブレードと混ぜて放てば、毒液そのものを散らせる(勿論MP消費は極悪になる)。

『天地無用』パッシブスキル
 移動に関するマイナス要素を一切排除する。
困難地形を移動しても、跳躍や疾走を行っても、それこそ反動の重い技を重ねても一切問題はない。なお、三角飛びや壁走りを行っても問題はないが、別に空中を歩くことはできない。

●オマケ
悪竜王(あてるい)
 悪狼王と対を為す存在。
竜騎士の上位ジョブでありかなり強力で死に難い。HP自動回復スキルを持つのでHP吸収の武器と組み合わせれば一騎当千。戦士の上位ジョブ『武仙』に疑似HPを得る技があるので万夫不当になる。


種族系の新ジョブはかなりネタに走ってます。
AYAKAHIというエロくない伝奇エロゲーが好きだったのもあります(悪路王とアテルイのイメージが逆になってるけど)。

ちなみに中位ジョブは「強さを求め過ぎた為に反動が大きく、ダブルスキルに向かない。そもそもオーバーキル」、上位ジョブは「もう無理が要らないからダブルスキル可能。でも何に使うの? 使い道を見つけられたら便利」になっております。
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