異世界迷宮でロマンスを【完】   作:ノイラーテム

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本格始動

「三階層にも慣れたところで、新しい目標の為に四層以降に進むとするか」

 

 昭信は戦い慣れたことに実感すると段階的な目標を立てる事にした。

 

5thジョブを普通に付けることが出来るようになる、獣戦士16レベルが最初の目標。その次が料理人が派生する探索者30に、あるかも判らない剣士の30レベルである。そこまで行けば順当に強くなるというのもあるが、腕力や敏捷もかなり上昇する為、現地産武器で戦えるようになるので、経験値倍率二百も視野に入ると見込んでいた。

 

(問題は四層からモンスターが三体になることなんだが……。魔物部屋に挑むことを考えたら楽勝だな)

 

 獣戦士が8レベルでしかないのに、いきなり倍々は難しくないか?

 

昭信はそうは思わない。原作主人公は第四層から五層で、ロクサーヌと共に探索者を30レベル前後に上昇させているのだ。その時は魔法使いにしてデュランダルをMP回復用と割り切り、二百倍率にしたことが大きい。パーティ人数で経験値が分割することを考えれば、ソロなら現状の百倍率で行けるだろう。そして問題なく戦えるという確信は二つあった。魔物部屋に挑もうとして後半は回避練習になってしまった戦いがあるからだ。

 

(もちろん油断は禁物だ。……原作において『ソロで七階層に挑んで死んだ探索者』も居る。だが、逆に言えば戦い方によってはその辺りまでは問題無いという事だ。無意味に戦うのも馬鹿馬鹿しいし、立ち位置と優先順位を工夫しながら戦っていくか)

 

 原作に置いて判例があるのだから、ある程度参考にしても問題無いだろう。

 

原作主人公がその人物の鑑定しなかった可能性はあるが、残ったモノの中に金が無かったことから探索者と考察していた。荷物持ちを含めて地道に20レベル以上に鍛えていたとか、ロクサーヌと同じ野生の天才枠ということも考えられる。だが、それだって雑魚相手に戦いながらバランスを見て取れば問題無いだろう。避けるべきは逃げ出せないボス部屋に挑む時であり、それ以外はワープで逃げるつもりでいれば良いのである。目標は高いオフが良いが、固定観念で戦ってはならない。その事を、魔物部屋に挑もうとしたあの時に昭信は学んでいたのだ。

 

「尻込みしていても始まらん。では、そろそろ行くぞ!」

 

 こうして昭信はナーシャの第一迷宮、第四層へと挑んでいった。

 

この階層に登場するモンスターはエスケープゴート。HPが減ると逃走するのが最大の特徴だが、何が困ると言って逃げるだけでは無いという事だ。戦場を撹乱して予期せぬ状態になる事もあるし、逃げた先に居るモンスターの興味を誘発し大渋滞を起こす事があり得る。よって一撃でトドメを刺すことが望ましいだろう。

 

 やがて現れたのは……。

『エスケープゴート4Lv』

『エスケープゴート4Lv』

『ナイーブオリーブ4Lv』

 

 この階層のモンスターであるエスケープゴートが最も確率が高く、最大で半分の確率で直ぐ下の階層のナイーブオリーブ。更にその半分の可能性でコボルトが出てくるのである。もちろん最大数の三であるとも限らず、より少ない数や、誰かが逃がして一時的にそれ以上になる事もあるだろう。それを考えれば、今回は確率通りという事になるだろうか。

 

「まずはお前だ! そして! ……はっ!」

 

 昭信はエスケープゴートの一体をビーストアタックで倒した。

 

そして回り込むようにナイーブオリーブへと移動、同じくビーストアタックを上乗せして一撃で倒すことに成功する。そして残ったエスケープゴートに向かい合うと、倒れない可能性を考慮しつつスラッシュを浴びせ、返す刀で即座の二撃目を放ったのである。

 

(予想通りか。まだスラッシュではギリギリ火力が足りないが、よりMP消費が激しく火力の高いビーストアタックなら一撃確定! これは良いニュースだぞ! そして消費率的にもまだまだ行ける、以前よりMPが順当に増えているな)

 

 今の戦いはエスケープゴートを残し、必要火力を探ったのである。

 

これまでの戦いでビーストアタックなら一撃と確信していたが、第三層で通じていたスラッシュでは足りなくなっている。階層が上がったことで敵が強くなったという事なのだが……英雄以外のレベルが10を越える頃には、おそらくという仮定になるが、スラッシュでも問題なくなる事を把握したのだ。そして現在のビーストアタックがデュランダル一発に及ばない程度でしかないと考えれば、スラッシュと併用しても現地武器では倒せないという計測になる。奴隷たちを得て挑むにせよ、まだまだボーナス武器が重要だと理解したのであった。

 

(もう一度戦って強壮丸。その次を戦ったらデュランダル……いや、1MP足りない。ならMP回復十倍を先に試すか。回復しながら拾い物をして、モンスターの臭い次第で強壮丸を呑むという流れを繰り返そう)

 

 昭信は原作の流れにバリ―ションを加えた。

 

キッカケは武器5から6にする為に獲得経験値十倍を振り替えても1p足りない事だが、その穴埋めに使う事にしたMP回復速度十倍がドロップ品を拾うタイミングでも可能な事に気が付いたのだ。その間に技の一発分くらいは回復するかもしれないし、急ぐならば強壮丸を早めに飲むという流れをバリエーションに加えたのであった。

 

(英雄はまだだが流石に探索者は早いな。もう獣戦士と並んだのか。料理人の獲得まで探索者を1stにしたくなるな。とはいえソレをやるとロクサーヌならぬ俺では少し戸惑いそうだ)

 

 それから何度か敵と戦い昭信はレベルを見返していた。

 

MP消費的には『この流れで十分に戦える』と把握したレベルであり、そうそうレベルが上がっているはずがない。3rdジョブまでに留めて経験値倍率を高めていた時期の影響で探索者が出遅れていたのが、ようやく追いついてきたのを自覚したくらいである。やはり英雄と種族固有ジョブの経験値は膨大なものであり、これらが30前後まで上がるのが遠く感じられたのであった(50は更に遠い)。

 

(10レベル……今のところは無傷か。そろそろボスに挑む? いや……まだ早い。俺の戦い方はロクサーヌとは違う。アレと同じだと思えば死ぬ。ならば探索者に五層へ案内してもらう事はあっても、まだボスに挑むのは早い。まして相手は魔法を使う頻度の高いパーンだ)

 

 二層までと比べて、体感的な成長は三倍とは言わないが二倍強あった。

 

やはり数が増えた事もあるが、相手のレベルが上がって経験値が多くなった分もある。加えて適正なレベル帯が上がったことで、経験値の漸減率が収まっているという事もあるだろう。獣戦士10/英雄7/剣士12/探索者11。ここまでレベルを上げるのにそれほど時間が掛からなかったのである。ただ昭信は自分に自信を持っていても自信過剰には成れなかった。あくまでワンパンすることを前提に相手との距離を調整する戦いであり、一体目を倒して即座に二体目を抑えつつ全体を眺めるような戦い方なのだ。敵の正面で回避し続けたロクサーヌとは根本から違う事を理解していたのである。もっとも敵が三体でも四体でも変わらないロクサーヌを参考にすべきではないと言えるが。

 

(やるなら……そうだな。奴隷を適正レベルまで育てた後でフォーメーションを作り上げ、どの程度の相手か手応えを調べる。その後で改めてソロでレベル上げをするくらいか)

 

 現在はソロだからボス部屋の前には行ってないが鑑定なら問題ない。

 

六人組とは限らないが、四・五人のパーティが問題なく抜けていく姿を観察しておけば良いだろう。なんだったらナーシャの第一迷宮だけではなく、リーフを拾った薬草採取士ギルドのある町にあるダンジョンでも良いくらいである。あの場所ならいずれレベルを上げるために研鑽を繰り返している連中は多いだろう。適正レベルの鑑定にはもってこいだ。

 

(おそらくもう五層の雑魚なら行ける。順当にレベルを上げていけば雑魚の数が変わらない七層までは問題あるまい。その前提で奴隷がブラヒム語を覚えて戻った段階で、少しずつ鍛えて有望な奴を10レベルくらいまで育てれば良い。そうすれば四層や五層のボスくらいなら楽勝の筈だ)

 

 ここで昭信は躊躇なくボスへの関心を捨てた。

 

いずれ挑む相手でも今は挑むべきではない。まして奴隷たちの主人として、他人の命を背負って勝手な事をするべきではないと判断したのだ。もし挑むとしても奴隷を率いて確実に勝ち、どのくらいの強さならソロで周回できるか計測してからでも問題ないと弁えつつ、血湧き肉躍る戦いだけならば、五層以降の雑魚対して行おうと割り切った。

 

(そうと決まれば獣戦士を12くらいまで上げつつ神官と薬草採取士をローテーションするか。そこまで頑張ればスラッシュでも一撃だろうし、アイテムボックスも少しは埋まるだろう。そうなったらギルドで売却してついでに五層以降の情報確認)

 

 ひとまずの目標は16レベルだが、流石に一日で届くとは思っていない。

 

必要経験値十分の一状態ですら適正レベル帯の問題で緩めになっていく。そうなると戦う数も加速度的に増えて行き、今のように呑気な休憩を挟んではいられないだろうと思う。そう考えることで気分を切り替え、当日分の目標として一時的に経験値倍率を五十倍に落とす代わりに、5thジョブで神官などのレベルを上げておくことにしたのである。

 

●レベルUP状況

アキノブ・タケダ。狼人族。♂。24歳。獣戦士12レベル。

 活性枠。入替枠。

獣戦士12/英雄8/剣士15/探索14。村人5/戦士3/神官5/薬草採取士5。

 

成長した分のボーナススキルは、ひとまず結晶促進系と腕力。




 今日は休日なのと、午後の予定が無くなったので二回予定です。

●急成長
 やはり敵の数が多く成って、それをワンパンできるのが大きいですね。
四体に成ったり雑魚が魔法を多用する様になったらこうはいきませんけど。
狼人族なので臭いで検知し、ソロでワンパン連発と言う形で
原作主人公並の成長を始めています。

剣士30レベル時の派生職があるとして、何の条件が必要だと思いますか?(使えるとも覚えるとも限らない)

  • 一意専心。剣だけでトドメを刺し続ける
  • 武芸百般。多数の手段を使ってトドメを刺す
  • 常在戦場。船の甲板や高地で戦う
  • 人間の殺害数が重要。迷宮では無理
  • 最初の文明設定が重要だから無理
  • 剣士自体が派生職。50レベルだけ
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