機動戦士ガンダムSEED FREEDOM REVERSE   作:meitoken

18 / 27
決戦に臨みます。


PHASE-7 ミレニアム…後編

オルフェはアルテミスの司令室でレクイエムのカウントダウンを眺めた。あと少しだ…

 

「さらばだ、オーブ。」

 

これでラクスを手に入れれば、私は……

 

〈ファウンデーション、聞こえているか?〉

 

誰だ…いや、この声は!

 

〈こちらはミレニアム、キラ・ヤマト。〉

 

馬鹿な!生きて、いただと!?

 

「国際救難チャンネルの放送を受信。」

 

国際救難チャンネル…!確かに、それを使えばこちらにも映像は届く。だが…

 

「どういうことだ、シュラ!」

 

あの時、奴を始末するのはシュラの役目だったはず!MSを撃破したとは聞いている。ならば、後は核で消し飛んでいたはずなのに!

 

「馬鹿な…!あの、状況で!?」

 

〈残念だったね、僕はまだ生きている。自分の国民を犠牲にしてまで殺そうとしたのにね。〉

 

どうやってかは知らないが、奴はエルドアの核から逃げ延びた!

 

〈君達は人類を導く者なんかじゃない!只の殺戮者だ!〉

 

キラはこちらにとって、不都合な事実を世界中に訴えている。

 

〈僕達は真実を知っている!証拠もある!世界中にそのことを訴える!〉

 

まずい!この様子だと、アークエンジェルの連中も何人か生き残っている!もし、奴らがあの核攻撃がこちらの自作自演だという証拠を持っていれば、こちらの正当性は崩される!!

 

〈君達の負けだ!アコードか何か知らないが、虐殺者の企みは絶対に潰す!!〉

 

「…言わせておけば!」

 

アウラが扇子を握りしめて、キラを睨む。

 

「母上!」

 

「あの出来損ないを殺せ!レクイエム、目標はミレニアムじゃ!撃てぇ!妾の命じゃ!!」

 

オルフェはシュラと一瞬、顔を見合わせた。母がこれほどに怒りを露わにするのを見たのは初めてだ……

 

だが、確かに先にミレニアムを消さねばならない。奴らはエルドアの生き証人だ…

 

 

 

「月の裏側に高エネルギー反応!」

 

アルバートの報告を聞き、マリューは指示を出す。

 

「タンホイザー起動!緊急制動!!」

 

キラが国際救難チャンネルで呼びかけた時から既にマリュー達は覚悟を決めていた。今、オーブを撃たれれば意味がない。ならば、ラクスを手に入れるためにも彼女を精神的に折るためにも最大の邪魔者だったキラが生きていることを教えて、こちらに狙いをそらす。

 

これは、賭けだ。少しでもタイミングがずれれば、全員が黒焦げになる。

 

ノイマンが制動をかけたタイミングでビームが海面に直撃する。オーブ国土に比べれば遙かに小さい戦艦一隻を狙う相手の管制官の腕も凄い。流石はデスティニープラン導入の国。だが、賭けに勝った!

 

「てぇーー!!!」

 

ミネルバにも搭載されたタンホイザーが上空へ火を噴いた。アークエンジェルと同じようにポジトロニック・インターファライアンスを起こしてスラスターが更に加速する。

 

更に、あれほどのビームだ。電磁波も並ではない!

 

 

 

キラの声明を聞いていたカガリは安堵と共に地下の格納庫から戦術戦略情報統合指揮管制機キャバリアーアイフリッドー2を装備したルージュで出撃する。

 

「全軍に告げる!これより我々は、祖国防衛のため実力を行使する!」

 

随行にはムラサメとデュエルペイル、更に追従する形でヘリも何機かいる。指揮管制を行うべくサポートするオペレーターにはミレニアムに同行しなかったチャンドラ、そしてサイとミリアリアがついた。メイは同行するヘリから各国への連絡及び、かつてのジャーナリストの伝手で事態の公表を求めている。

 

「国土防衛司令発令!コンパス理事国、ミレニアム、エターナルと戦術リンクを構築!軍は民間人の安全を第一に、即避難誘導を続行せよ!」

 

ペイルのフブキが最後に付け加える。

 

〈オーブの理念、国土、そして国民を守るべく各々力を尽くして欲しい!〉

 

 

 

破棄されたかつてのザフト宇宙要塞ボアズに留まっていたエターナルはミレニアムが地球を出たという報告を聞き、行動を起こした。相手はザフトのクーデター軍もいる。こちらはエターナルしかいないが、三機のMSがある。

 

ZGMF-1027Mデュエルブリッツ、ZGMF-103HDライトニングバスター、ZGMF-207MRブリッツイージス。四年前の戦争をヤキン・ドゥーエまで共に戦ったイザーク、ディアッカ、ニコルの機体だ。

 

核動力と新型装備のテスト用として運用されていたものだが、今回の事態を鎮圧するべく運用を決定した。

 

デュエルとバスターはエターナルに搭載されている強化ユニット…ミーティアを装備した。

 

「核動力に換装されてるとはいえ、よくもまあこんな古い機体を取っておいたものだ。」

 

〈でも、嬉しそうですね。〉

 

ニコルが茶々を入れてきた。

 

〈俺は気に入ってるけどな、ザクのコントロール系は使いやすい。〉

 

「…まあ、懐かしくはある。」

 

〈それじゃあ、僕はディアッカに乗せてもらいますから。〉

 

ブリッツは核動力でもミーティアの推力には追いつけない。ミーティアの上に乗る形で共に行く事になる。ディアッカがニコルの態度にため息をついた。

 

〈ったく、臆病者の頃の方が可愛げがあったぜ。〉

 

「ぐちゃぐちゃしゃべってないで、行くぞ!」

 

〈はい。〉

 

〈分かってるって。〉

 

気を取り直し、三機は発進する。

 

「イザーク・ジュール、デュエル発進する!」

 

〈ディアッカ・エルスマン、バスター発進!〉

 

〈ニコル・アマルフィ、ブリッツ発進します!〉

 

ミーティアの最大推力で三人は月へ向かった。

 

 

 

大気圏を離脱したミレニアムは当初の作戦を決行する。アルテミスに行くのはキャバリアーアイフリッドを装備したズゴックに乗るアスラン、そして潜入要員にキラとカガリの護衛だったレドニル・キサカ、かつてムラサメのパイロットだったイケヤ、ゴウ、ニシザワ、キャバリアーのナビとしてメイリンが同行する。

 

「じゃあ、マリューさん。行ってきます。」

 

〈ええ、必ずラクスさんを…〉

 

ミレニアムには残ったメンバーがMSで待機している。

 

 

 

〈シン。〉

 

キラが通信を入れてきた。

 

〈ミレニアムを頼むよ。〉

 

その言葉に、シンは震えた。初めて、頼まれた。母艦を守るという大事な役目を。

 

「はい!」

 

〈よかったな、坊主。〉

 

〈ほんと、単純なんだから。〉

 

ヒルダとルナマリアが安堵し…

 

〈ミネルバもこれくらいならよかったのに。〉

 

〈そうね…それならグラディス艦長もアスランも苦労しなかったかも。〉

 

カインとアリスが昔と今を比べていた。

 

 

 

「変、だったかな?」

 

メイリンが首を横に振り、アスランが振り返る。

 

「良いんじゃないか?」

 

キラが何か不機嫌な態度になるのが分かった。そうだ…

 

アスランもシオンに繋いだ。

 

「シオン。」

 

〈…なんだ?〉

 

「後ろからシン達を撃つなよ?」

 

シオンが不機嫌そうになった。

 

〈足を引っ張らない限りは撃たない。〉

 

やはり、撃つつもりだったか。

 

〈引っ張りませんから!!〉

 

カインが慌てて抗議し、ルナマリアも同調する。

 

〈自分の身くらいは守れますから!〉

 

〈二言はないでしょうね?〉

 

〈ないです!私だって、まだ死にたくないんですから!!〉

 

レナも相変わらず、心象が悪い。兄妹揃って執念深いことだ。

 

〈大丈夫よ、アスラン。シオンもレナも私が見張っておくから。〉

 

ユリが口を挟んだ。

 

「それなら、安心だ。シンもだが、何かやれば思い切りげんこつを喰らわせてくれ。」

 

〈あんたこそ、ラクスを助けられないまま帰ってきたらカガリに会えないくらいにぶん殴るから。〉

 

そう、来たか。カガリに暫く会えない顔になるのは困る。

 

「分かった…俺も気をつけるよ。」

 

ブリッジのマリュー達が笑っているのが聞こえた。良い具合に緊張がほぐれた。

 

「それじゃあ、行くぞ。」

 

キャバリアーはミレニアムを離れてミラージュコロイドを展開して、アルテミスへと進路を取った。ここからが、本番だ。




今度は少し短めです。

ほんとは嫌だけど、シオンもレナも我慢して今回は一緒に出撃です。そして、イザーク、ディアッカ、ニコルも頑張ります。ちなみにニコルのパイロットスーツはミネルバ時代のシンとルナマリアと同じデザインの赤です。

リュウ、イリア、ミサキ、ナタルなどの出番はもうちょっと後です。

しかし、ノイマンのミレニアムでのコブラ、中はまた大変なことになってたかも。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。