機動戦士ガンダムSEED FREEDOM REVERSE   作:meitoken

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大詰めに入ります。


PHASE-10 オルフェ・ラム・タオ…前編

ラクスの声明が発表されても尚、ジャガンナートのザフト艦隊は攻撃を停止しなかった。クサナギに向かうミサイルをデュエルとバスターが撃墜し、ブリッツがシールドのビームサーベルでザクの頭部を破壊して離脱させる。

 

「降伏しろ、中佐!本国のクーデターも失敗した!無駄に兵を殺すな!」

 

〈何故、旧世界の住人に与する!このままでは何も変わらんのだ!一部の者が富み、理不尽や非道が専横する世界は!〉

 

だが、ジャガンナートは耳を貸さない。彼にあるのは一世代目が受けてきた迫害の歴史だけ。

 

「時代錯誤の馬鹿者共が!!」

 

〈もう無理だ、イザーク!説得に応じるくらいならこんなことしねえだろ!〉

 

クーデター派のローラシア級のエンジンをミーティアのビームで破壊したディアッカが最早ジャガンナートらが止まらないと断言した。

 

〈このままだと、本当にレクイエムがオーブに撃たれます!そうしたら、終わりです!〉

 

シールドのビーム砲でミサイルを撃ち落としたニコルも同意見だ。

 

「くそ!」

 

イザークは意を決し、ミーティアからデュエルを離脱させた。バスターも同じく分離し、ブリッツが後に続く。

 

 

 

ゲルググとミントは撃ち合っていた。

 

「さっきの総裁の声明と降伏勧告聞いてなかったの!?」

 

〈何が声明よ!あんなラクス・クライン贋者よ!!〉

 

何?また、贋者?

 

「じゃあ、どんな総裁が本物なのよ!?」

 

〈私達を認めて、私達を導くのが正しい本物のラクス・クラインよ!〉

 

クレムは呆れ果てた。こいつはデュランダルを盲信していた頃から何一つ進歩していない。こいつにとって、ラクスは自分を認めて当然の存在だというのだ。自分勝手にも程がある。

 

「あんたは一回、幼稚園に通いなおしなさい!!」

 

ゲルググのハルバードをシールドで受け止めながら、腰のスティレットを抜いてゲルググのシールドにそれを投げた。至近距離でそれを阻むことは出来ず、シールドはスティレットの爆発で破壊された。

 

 

 

ブランはギャンのビームアックスを二本のサーベルで受け止めていた。

 

「ここまで来て、まだやるのか!?」

 

〈お前を倒して、アリスの目を覚ますまでだ!〉

 

「俺との仲をアリスが一度でも嫌だとお前に言ったのか!?」

 

だったら、グレンだって身を引く。アリスの意志を尊重する。

 

〈お前が言えないようにしているんだ!ブルーコスモスならそれくらいやる!!〉

 

「ブルーコスモスがやるのはコーディネイターを殺すことだけ!お前の方が知っているだろうが!!」

 

結局、こいつはアリスが自分を見ないのはブルーコスモスのせいだと言っているだけだ。だが、こんな調子では例えグレンがいなくてもアリスはフロアの気持ちに応えない。

 

グレンはギャンを押しのけ、ビームサーベルでビームアックスの柄を両断した。

 

 

 

レクイエムに向かっていたフリーダムはかつてのデュランダルと対峙した要塞メサイアの墜落地点でファウンデーションとザフトのMS隊を退けた後に『ブラックナイツ』の隊長機シヴァと交戦していた。以前と同じく、凄まじい剣の嵐だ。キラもそれを裁ききれずにビームライフルを失う。そこへ更に敵が現れた。白いMSだが、外観から『ブラックナイツ』だと分かる。そして、キラは直感した乗っているのはオルフェ・ラム・タオだ。

 

オルフェがドラグーンを展開し、キラもまた感覚を研ぎ澄ませてドラグーンを展開する。二機のドラグーンが互いに撃ち合い、オルフェの機体…カルラの剣をビームシールドで受け止める。

 

〈哀れな奴!〉

 

「何が!?」

 

敢えて思考を読んで頭に語りかけるではなく、直接通信してきた。

 

〈旧式のMSで我らに挑むとはな!〉

 

力で押し巻けたフリーダムとカルラのドラグーンは激しく撃ち合う。だが、カルラのドラグーンによってフリーダムのドラグーンが三基破壊され、キラは一旦ドラグーンを戻す。

 

「MSの性能で強さが決まるわけじゃない!」

 

攻撃してきたドラグーンをレールガンとライフルで迎撃し、一基を撃ち落とす。だが、カルラとシヴァの攻撃でドラグーンごと翼を二基失う。

 

〈そうとも!だから我らに劣る貴様が勝つことはない!〉

 

確かに、機体もパイロットも上。加えて二対一。

 

「だけど、僕にも武器がある!」

 

〈何だ、それは!?〉

 

メサイアの影から大量のミサイルが飛んできた。要塞の影に何かがある!ミサイルをロックし、残った火器とドラグーンでキラは迎撃して叫ぶ。

 

「ラクスの愛だ!」

 

そう、それはキラが持つ最大の武器。彼女にとってキラの愛が武器になるのと同じく、ラクスの愛もまたキラの武器だ。

 

〈ふざけるなあぁ!!〉

 

オルフェが激高し、更にミサイルで追撃し、ドラグーンでシールドのフォーメーションをとるがミサイルの質量と爆発でドラグーンを更に失う。

 

「汚らわしい!貴様のようなゴミがラクスの名を口にするなど!百万回殺してもその罪は消えぬ!!」

 

モニターでPSと動力の限界が近づいている警告音が鳴る。だが、今それに従えば死ぬ!

 

月面から離れ、バルカンでミサイルを迎撃するが後ろから来たミサイルで翼を更に損傷する。

 

 

 

アフェクションはミトラとまだ斬り合っていた。

 

〈何故、貴様ごときに勝てない!地上で勝ったのに!〉

 

「さあ、ね!!」

 

腰のレールガンで接近してきたミトラを弾き飛ばし、ユリは追撃で膝蹴りを入れる。ミトラは反撃でビームライフルを撃ち、アフェクションのビームシールドでそれを防ぎ続ける。

 

〈貴様はヒビキ博士の失敗作!弟にも劣る粗悪品など、愛される資格などない!それに相応しい力を見せてこそ、愛は手に入る!!〉

 

その言葉に、ユリは一瞬我を忘れた。

 

「愛は売買するものじゃない!!」

 

〈ならば、奪うまでだ!〉

 

 

 

アグネスのギャンと撃ち合ったルナマリアはインパルスのエネルギーがつきたことに気付いた。さっき、ブラストであれだけ撃ったからエネルギーをかなり使った。

 

「シン!」

 

シンを呼び、フォースシルエットに換装してデスティニーの元へ向かう。

 

〈ルナー!〉

 

「シン!」

 

デスティニーは『ブラックナイツ』の攻撃をくぐり抜け、インパルスに辿り着いた。

 

〈デュートリオンビーム、照射!〉

 

かつてはミネルバでなければ出来なかった送電システム。だが、今はデスティニーだけでなく、リドレスとクリエイターにも搭載されており、セイバー、カオス、アビスにもこれは利用できる。

 

エネルギーが充填され、インパルスとデスティニーは距離を置いて再び当初の相手と斬り合う。インパルスとギャンはビームサーベルで斬り合い、シールドで押し合う。

 

「昔から人の彼氏にちょっかいかけてたのよね、あんた!」

 

〈何が悪いの!男ならみんな、私のこと好きなはずよ!ひがまないでよね!〉

 

本当に勝手な子だ。男ならみんな好きだなんて、キラに相手にされなかったのがまるで教訓になっていないようだ。

 

 

 

ドミニクは苛立ちを募らせていた。さっきから何度も思考を読んでいるのに、背中のクローで決めるしか出てこない。なのに、レールガンやバルカン、左腕のシールドと腰のクローサーベルばかりだ。

 

「くそ!なんで、思考がこれしか見えない!?」」

 

対艦刀をシールドとビームサーベルで受け止められ、腰のクローサーベルでシールドをはじかれる。

 

 

 

ハイディはリドレスの粘り強さに忍耐が限界を超えていた。地上で勝った。その上、今度はMSは旧式。なのに、こいつはちっとも墜ちない。

 

対艦刀の攻撃をビームシールドで受け流し続け、背中のレールガンや胸のビーム砲のノックバックばかりだ。いくら撃ったってFT装甲には傷一つ着けられない。まして、こいつの決め手は思考を読んで分かるビームサーベルのみ。

 

「さっさとビームサーベル使いなさいよ!!」

 

苛立ちでリドレスを殴り飛ばし、手から落ちたビームバズーカを奪った。

 

 

 

カルロはセイバー、カオス、アビスと戦っていた。二年前の旧式ごとき、大した相手ではない。そう思っていたはずなのに、今アビスはビームランスでルドラの腕を押さえる形でこちらの対艦刀を止めている。

 

その隙にセイバーが蹴り飛ばし、カオスがレールガンで撃つ。分身を繰り出しても、三機ともいなす。そして、一機を斬りつけても対艦刀を止められ、実弾砲でノックバックを喰らう。さっきからこの繰り返しだ。

 

「ええぃ、只のコーディネイターの分際で!!」

 

思考なんぞ読まなくても勝てる相手なのに、何故勝てない!?

 

 

 

ユウトはトゥルースの粘りに感嘆していた。こちらのビーム砲には回避か肩のシールドで対応して中々向こうからは仕掛けない。エネルギー切れを待っているわけでもあるまいに、粘る。が、ビームサーベルで接近戦を仕掛けてきた。肩のシールドでビームを防いで接近し、ユウトもビームサーベルを抜く。

 

「流石だな、シオン・クールズ!」

 

シュラがアスラン・ザラに興味を抱いていたようにユウトもまたシオン・クールズに興味を抱いていた。奴を倒すことで、俺は更に高みへいけると。

 

ビームサーベルで押し切り、再度ビームランチャーで攻撃するが相手はそれを躱して二連装砲で反撃する。流石にアレをFT装甲で受けたらどうなるかわからない。

 

それは分身で躱す。

 

 

 

スズネはブレイブと斬り結んでいた。さっきからこちらの剣を受け流すばかりで、中々に決めさせてくれない。

 

「受け流してばかりじゃあ勝てないわよ!?」

 

ビームサーベルに持ち替え、手数を増やしていく。相手もビームサーベルで斬り結んでいく。距離をとろうとしても、こちらが速い。

 

大したものだ!正直、侮っていた。ここまでやるとは思わなかった。

 

 

 

「なぜ、お前が邪魔をする!何も出来ない失敗作のお前が!!」

 

カルラの剣でオルフェはフリーダムを圧倒し、更にイングリットが制御するジグラートのミサイルでフリーダムは更に翼と武器を失う。既にシュラの攻撃で腹部のビーム砲も使えなくなっている。だが、フリーダムはまだ粘る。

 

「生まれてくるべきではなかったのだ!なのにのうのうと生きて、愛されている!そんな資格もないくせに!!」

 

フリーダムはシュラによって腰のレールガンを一問やられ、翼を殆ど失って機動力を損なっても尚抵抗を続けて手と腰のレールガンで反撃する。

 

〈愛されることに資格なんて必要ない!〉

 

イングリットはその言葉に息をのんだ。

 

愛されることに、資格がない?じゃあ、愛することにも資格はない?資格がなくても、愛して良いの?私も…オルフェを…

 

だが、前にいるオルフェはその動揺に気付かない。

 

「ならば、その愛を寄越せ!彼女は私のものになるはずだったのだ!それを貴様が!!」

 

カルラとシヴァの猛攻にフリーダムは耐えきれず、遂にPSが落ちた。

 

〈終わりだ、フリーダム!!〉

 

キラ・ヤマトが死ぬ。今度こそ…

 

障害が消えるはずなのに、イングリットの心は何故か晴れなかった。

 

 

 

キラはシヴァの胸が開いたのを見た。避けきれない!今度こそやられる!!

 

いつの間にか、アフェクションだけでなくブレイブとトゥルースも近くまで来ていたが間に合わない。キラの脳裏にラクスや仲間の顔がよぎったとき

 

〈キラー!〉

 

ズゴックが間に入って、シュラのニードルガンを受ける。

 

「アスラン!」

 

ズゴックは穴だらけになりながらも耐えきった。いや、その中からMSが飛び出した。

 

インフィニットジャスティス……アスランが以前乗っていたジャスティスだ。地上でズゴックが着けていたフライトユニットを装備して本来の姿になったジャスティスはシヴァに斬りかかった。

 

〈大丈夫か、キラ!?〉

 

〈大丈夫かはあんたの方でしょ!〉

 

アスランにユリが割り込む。

 

〈全く、相変わらず無茶を!〉

 

〈心臓に悪いわ!〉

 

シオンとレナもいつの間にか近くに来て、『ブラックナイツ』と戦っている。

 

〈キラ!〉

 

「ラクス!?」

 

何故、ラクスがパイロットスーツで!?いや、プラウドディフェンダーが来るのが見えた。ラクスはアレに乗っている。

 

 

 

戦闘機のようなものが飛んできて、フリーダムがそちらに向かうのが見えた。ジャスティスはシヴァ、ミトラはアフェクション、ブレイブとトゥルースは二機のカーマが抑えているから援護に回れない。

 

「とどめを刺す!フリーダムに全火力をたたき込め!」

 

これ以上、何かさせない!ジグラートの全火力で跡形もなく消し飛ばしてやる!

 

イングリットがジグラートを操作し、メサイアの影からありったけのミサイルとビームを撃つ。白い翼のユニットがフリーダムとドッキングを果たそうとしたが、ドッキングしたところで無防備だ。

 

ミサイルとビームが直撃し、今度こそキラを葬ったとオルフェは確信した。が……

 

「何?」

 

フリーダムは無事だった。先ほどのユニットが白と黄金の翼となり、フリーダムはたたずんでいた。さながら、傷つきながらも羽ばたいた天使のように………

 

肩にラクスが乗っているのが見え、まるでそれは天使とそれにつかえる姫に見えた。その姿はオルフェに今まで以上の憎悪をたぎらせた。




前編はディフェンダーのドッキングで止めました。

フェイトはイングリットを手に入れられるためにまず粗悪品のユリ、次にキラを倒して最後にオルフェとシュラを超えればイングリットは自分を見ると信じて疑ってません。それ故、粘るユリにいらだってきた。

対してユウトとスズネは相手を甘く見ていたと確信し、それでも自分が勝てると信じて疑わない…まあ、シュラに近いですね。

ただし、カルロは三対一でも旧式のMSに粘られて次第に余裕をなくしてきています。ハイディとドミニクも同じ。多分、挫折知らずでしかも相手が旧式で自分の能力に絶対の自信があるから、こうなるというイメージでやりました。



後半も含め、再び〈ガンガン行こうぜ〉でいきます
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